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2019.01.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館で『極東の旅2』という本を、手にしたのです。
日清戦争当時の満州・朝鮮あたりをイザベラ バードが旅しているのだが、戦争中なので危険な目にもあっているようです。





イザベラ バード著、平凡社、2005年刊

<「BOOK」データベース>より
『日本奥地紀行』の著者のアジアをめぐる記録を初めて集成。知られざるバードの実像と足跡が浮かび上がる。第2巻は旅の実際、キリスト教伝道活動、極東報告などの作品を収録。

<読む前の大使寸評>
日清戦争当時の満州・朝鮮あたりをイザベラ バードが旅しているのだが、戦争中なので危険な目にもあっているようです。

amazon 極東の旅2


日清戦争当時の極東の旅を、見てみましょう。
p10~16
<朝鮮・中国・ロシア領満州からの手紙、1894年10月5日>
 私自身のことについて若干報告しておくのにはほぼよい頃かと思います。前便は南漢江五週間の旅を成功裡に終えた後に、乗っていた小舟の水夫に託し、春川からソウル経由で送りました。そこでは漢江の急灘での事故について記したと思います。この事故で私は多くの覚え書きと漢江で撮影した陰画(ネガ)のほとんどを失ってしまいました。

 私はその後北漢江をサンパンという小舟を竿とロープを使って遡れる限り遡り、春川の上流30マイルまで行きました。そしてその地点で引き返すことにし、1週間馬に乗って金剛山へ行きました。一部はキャンベル氏のコースやカーゾン氏のコースをとりましたが、新しいコースもとって内陸へ戻りました。

 その後はほぼ真東に進み、高度が4100フィートある「九十九折峠」という名のこの上なくすばらしい峠を越えました。この峠からは海まで急勾配をなして一気に下っていきました。山並みは50マイルにわたって海にへばりつくようにそそり立っています。それを越えた後は、西に転じて安辺と南山に向かい、南山からは幹線道路を通って元山に出ました。
 この間非常に成果が上がりましたし、概して快適な2ヶ月でした。私は豆満江およびロシア領満州への旅を続け、雨季が終わったらここに戻るつもりで、元山に旅の装備を一式置いてきました。ですが、戦争のためにこの計画は台無しになりました。

 旅はまったく中途半端なものになってしまったのです。私は6月21日に汽船で済物浦に着きました。ここからソウルへ行き、そこでお金と旅の荷物を受け取り、2、3日中に、夏を過ごすために日本へ行くつもりにしておりました。ところが、済物浦は日本軍に占領されてしまっていて、夜の間に退去するようにという命令を受けました。

 退去を命じられたのは安全な場所ではなく、危険極まりない所でした。日本の汽船だったのです。船はその夜渤海の複数の港をめざして進みました。私は無一文でした。着替えもまったく持っていませんでした。こんな状態で私はチーフーに到着したのです。ここで領事からお金を用立てていただき、英国公使夫人とスペイン公使夫人には何組もの衣服を仕立ててもらいました。

 このように親切にしていただけたおかげで私は長くて暑い夏をしのぎきれました。と申しますのは、私がようやくお金と荷物を入手したのは9月10日のことであり、しかもソウルに置いてある600ドルは今もそのままになっているのです。

 数日間横波を受けながら濁った渤海に留まった後、拿捕されるのではと毎日思っていた船長は牛荘に行くことを決断したのですが、そこで私たちは済物浦の騒ぎが根拠のないものだったことを知りました。そのときの私は日本に行けるような状況にはありませんでしたので、この上なくものさびしく旅情をかきたてる複数の港で快適な1週間を過ごした後、「豆を運ぶ小舟」で奉天に向かいました。1週間かかりました。

 [王立地理学協会の]皆様には、五日にわたって間断なく降り続く雨がどんな結果をもたらすか想像もつかないと思います。一旦はやんだのですが、その翌日には再び降り出し、まもなくして、私たちは増水し水深が8フィートにもなった激流に巻き込まれました。この洪水によって満州の大平原はマラリアが発生する内海と化しました。30以上の豊かな村が破壊されるのを見ましたし、幸いにも何人かの命を救いました。しかし、暴風雨と一面お暗闇は本当に恐ろしいものでした。

 私は体調を崩し、ベッドも衣類もずぶ濡れになりながら、自分の折り畳み式キャンプ用ベッドの上で3日間横になっていました。筵(むしろ)を葺いたジャンクの屋根からはどんどん雨が入ってきました。私はたいへん衰弱していましたので、奉天をめざして上陸したときには寝たまま馬車に乗せられました。それ以来マラリアは全快せず悪寒にも襲われます。

 奉天では、ロス博士の住まいが目に入った矢先に馬車がひっくりかえり、ラバは連結用の轅(ながえ)もろとも前のめりになりました。その拍子に私は天井に激突し、右腕を折ってしまいました。そのため以後6週間は副木をし、吊り包帯で吊っていました。今は少しですが、使えるようになりました。以上が私の災難のすべてです。

 今は贅沢な部屋、よいベッド、最高の看護、そして病気の回復のためによく気配りされた贅沢さと快適さを実感しています。

 私は奉天で6週間以上過ごしました。そしてこの都市に対する興味を覚えました。上層階級の人々すなわち官吏たちがどのような考えをもっているかとか、彼らの生活の内実について見聞を深めるという、ちょっと望めないようなチャンスにも恵まれました。[清国]軍が朝鮮に向かって進軍を始めると、特に、統制のとれていない満州族の軍勢が奉天を通過し始めると、すぐに恐ろしく「厄介な事件」が一つならず発生しました。

 スコットランド人宣教師のワイリー氏が殴り殺され、兵隊に扇動された一般住民は、外国人の命を要求したのです。川まで3マイル行くのでさえもきわめて危険だとみられるようになったとき、[ようやく]私は奉天を離れました。ですが、妨害をまったく受けることなく牛荘に到着しました。たいへん楽しい旅でした。私が脱出した1時間後に水上での略奪と殺戮が勃発したことは、のちになって知りました。そのときには私の乗った舟も攻撃目標の一つになっていたのです。

 チーフーで1週間、天津でも1週間滞在しましたが、天津では外国人の間に怯えが蔓延していました。それは恐れあるいは恐怖と表現しても過言ではない感情でしたが、私には根も葉もないものに思われました。そのあと私はここ[北京]に入りました。
 この行動は駐清英国公使や英国領事の思いとは、いくぶんというよりむしろ大いに反するものでした。両氏によれば、今回特別に出入許可証を交付しますのは、「この上なく慎重な旅行家である」という評判を得ておられるので、ということでした!
(中略)

 外国人に対する民衆の反乱や大虐殺が危ぶまれていますが、そのような大事件は、現政権が脆弱な権力でもそれを保持している限りは起こらないと確信しています。と言いますのも、満州族の軍勢の利害は[清]王朝のそれに一致しているからです。今晩私はこの公使館内にある壮麗な龍の間で、北京東洋協会のための講演を行ないました。すべての外交関係者、中国海関の官吏たち、国子監の教授方からなる聴衆は、この上ない思いやりと共感をもって耳を傾けてくださいました。

 以上記しましたことから、朝鮮中部は例外として、戦争が勃発したために、私が地理学的な調査をほんの少ししかしてこなかったことや、「世界漫遊家」が訪れる所ではなくとも、人々がよく行く所しか訪れなかった事情をおわかりいただけたかと思います。私は[]4月には英国に戻るつもりにはしていますが、私を6度も東洋へと駆り立ててきたその魅力は、色褪せるどころか、ますます輝きを増しています。

 朝鮮は私がこれまで旅をしてきた国の中では一番興味をひかれない国ですし、国民は人種のくずのように思われます。しかし、国民の諸困難は[先天的なものでなく]幾多の原因の所産だと思います。オンドルを別としますと、経験を積んだ旅人[である私]を怖気づかせるもの、特に寄せつけなくするようなものは何もありません。中国はもっとひどく、そのひどさは底無しです。

ウーム マラリアや骨折にもめげずに旅を続けたのか・・・ええ根性してるでぇ♪
それにしても・・・
朝鮮や中国の負の側面さえ面白く見る彼女の好奇心(あるいは研究心)は底無しでんな。





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Last updated  2019.01.19 00:10:37
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