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2019.10.18
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カテゴリ: アート
先日、(三谷幸喜のありふれた生活#963)を紹介したのだが・・・
三谷さんの新聞連載コラムに最新の#964が出たので紹介します。

#964では、三谷さんと和田誠さんの二十年ちかくのお付き合いが語られているのだが、この連載コラムで(最初で最後の)三谷さんの挿絵が見られます。

三谷さんの挿絵

(2019.10.17(三谷幸喜のありふれた生活)シリーズから転記しました)
朝日の(三谷幸喜のありふれた生活)シリーズをスクラップしているのだが・・・デジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。


<(三谷幸喜のありふれた生活964)三谷さんの挿絵>


 こんなステキな言い方で映画を誉めて下さるのは、世の中に和田さんしかいない。
 和田誠さんが亡くなった。

 中学生の頃、著作のファンになった。シンプルだけど深いその絵。豊富な映画の知識。「お楽しみはこれからだ」のシリーズは何度読み返したことか。和田さんの絵をひたすら模写した。筆跡まで似せた。

 ヘンリー・スレッサーの小説「快盗ルビイ・マーチンスン」に刺激を受けて、僕は「青池さんちの犯罪」という舞台を作った。同じ頃、和田さんはその小説を原作に映画「快盗ルビイ」を撮った。僕は和田さんに芝居の招待状を送った。映画の宣伝で多忙だった和田さんは、観に行けない代わりに、僕を映画の完成披露試写会に招いてくれた。それが和田さんとの出会いだ。

 ビリー・ワイルダーについての対談に呼んで下さり、僕の本の装丁をして下さり、映画の本を一緒に作り、その表紙を一緒に描き、そして新聞の連載が始まったら、そこに素敵な絵を描いて下さった。つまりこの「ありふれた生活」。和田さんはほぼ毎週、絵の中に僕を登場させ、本物の僕よりもイラストの僕の方が一般的になった。

 僕の映画にゲストで出て頂き、そのお礼に僕も和田さんの映画にワンシーン出演した。一緒に食事にも行ったし、かれこれ十年以上続く「和田誠を囲む会」と称した飲み会には、僕はお酒も飲めないのに必ず参加してきた。

 二十年以上にわたって、お付き合いさせて頂きました。あちらはどう思っていたか分からないけど、僕にとって尊敬する大先輩であり、信頼出来る仕事仲間であり、なにより和田さんとその作品に出会わなければ今の自分はいないわけで、和田さんはまさに僕にとっての「育ての親」だったと言ってもいい。

 レミさんがいつかこんな話をしてくれた。
 「和田さんはね、丸一日、ホント、一日中ずーっと絵を描いてるの。それで寝る時にね、『ああ、今日もいっぱい描けて、楽しかった』って言うのよ。もうね、和田さんはね、そのくらい大好きなの、絵を描くのが」

 和田さん、僕はあなたのようになりたい。
 この「ありふれた生活」は、まもなく二十年を迎えようとしています。これから先は、和田さんは新しい絵を描いてはくれません。でも和田さんの書いたタイトル文字とおしゃれなカットが残る限り、和田さんは生き続ける。レミさんも賛成してくれました。
 和田さん、今後もよろしくお願いします。


(三谷幸喜のありふれた生活964)先輩、仲間、「育ての親」 2019.10.17
(三谷幸喜のありふれた生活963)記憶に残った映画の宣伝 2019.10.10

久々の封切り映画:記憶にございません!





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Last updated  2022.11.26 08:33:45
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