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2020.12.02
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カテゴリ: 気になる本
ワシとライオンを合体したキメラであるグリフィンが魅力的であるが・・・アリスの絵本の中で、ジョン・テニエルがそのグリフィンを描いているので気になっていたのです。





荻原規子著、徳間書店、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
「ナルニア国物語」のライオン王アスランは、なぜあれほど、特別な感じがするのか。『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』が伝える、現代の人間とはまったく異なる生き方とは…。子どもの本の中だけでなく、古典や神話においても重要な役割をになっている、幻獣やさまざまな動物たち。「勾玉」三部作、「RDG」シリーズなどで知られる、日本のファンタジーの旗手荻原規子が、幼いころから愛した“動物物語”をふり返りつつ、ファンタジーとは何か、物語が人の心にもたらすものは何かを掘り下げてゆく、珠玉のエッセイ。ファンタジーや児童文学、神話や古典の読書案内としても楽しめます。
【目次】
クマ/馬/ライオン/猫/ユニコーン/イノシシ/ニシキヘビ/グリフィン/ウサギ/カエル/マメイヌ/ヒヨコ/ネズミ/スズメ/犬/白鳥/狐/虎/ドラゴン/ダイモン 

<読む前の大使寸評>
ワシとライオンを合体したキメラであるグリフィンが魅力的であるが・・・アリスの絵本の中で、ジョン・テニエルがそのグリフィンを描いているので気になっていたのです。

rakuten グリフィンとお茶を

猫かわいがり

この本の副題に「ファンタジーに見る動物たち」とあるが、猫かわいがりされる猫を見てみましょう。
p38~41
<4 猫>
 猫は、猫かわいがりされるものである。
 犬派、猫派と言って通じるように、二大愛玩動物として君臨しているが、犬は、盲導犬とか麻薬犬とか救助犬といった、役に立つ仕事にも就ける。猫には無理だ。それなのに、ネズミ駆除の必要がなくなっても、同じくらいに愛されるところがツワモノだ。

 私が今まで見てきた中で、印象的だと思う猫は、平安王朝で飼われていた猫だ。
 にも『源氏物語』にも猫が出てきて、しかもたいそう忘れがたいのだった。

 『枕草子』第六段「うへにさむらふ御ねこは」に書かれている宮廷風景は、長保2年3月だろうと言われる。西暦1000年のエピソードだ。

 このときの帝は一条天皇。二十歳くらい。藤原道長が望月の栄華を誇るのは、まだ未来のできごとで、道長の娘彰子が入内したばかりだ。この彰子のもとに、そのうち紫式部が就職するのである。

 私は、『枕草子』に描かれるお若い一条天皇のファンである。いろいろなエピソードがとにかくかわいい。臣下の一人をからかう歌を、聞かれないようにこっそり横笛で吹いていたりする。

 光源氏だったら中将の年ごろで、恋の冒険をあちこちに展開している。藤壷と密通して子ができたのも、このころだ。直衣姿のイケメンを想像して楽しむにじつにふあわしい。 一条天皇は、もちろん帝であらせられるから、おっとり構えていけないことはしない。清少納言が仕えた定子、四つ年上の妃が大好きなご様子だ。
 彼が十一歳で元服した日に、十五歳で妃になった定子が、遊びのリーダー格になり、二人で側近にささやかないたずらをしかけたりして、仲よく楽しく遊んだらしい。

 清少納言が記録した宮廷記事に出てくるものも、しゃれてはいるけれど他愛のない、子どもっぽい笑いの種が多い。そこが『枕草子』で一番おもしろい。定子はお姫様然と美しくおさまってばかりでなく、茶目っ気とユーモアがある人に書かれているし、清涼殿は、ここが政治の舞台になってはいても、本来プライベートな御殿なのだ。帝といえどもただの若者・・・ただとは言えなくとも、アイドルタレント程度にはふつうの若者だ。

 ちなみに、元服の共寝をした四つ年上の妻というのは、光源氏と葵の上と同じだ。年齢も源氏十二歳、葵の上十六歳とほとんど同じ。なのに葵の上が、死ぬまで年上を気にして源氏にうちとけなかったのと、いい対比ができておもしろい。

 さて猫に戻る。
 若い一条天皇は猫好きで、愛猫を猫かわいがりしたらしい。清涼殿のうちわの話とはいえ、猫に官位を与え、「命婦のおとど」と宮廷女房なみに名づけ、お世話係の「乳母」がいたことでよくわかる。その猫が、犬に追われて御簾から走りこんできたのを見て、朝食の間にいた一条天皇はびっくり仰天するのだ。

 猫を自分のふところに入れてかくまって、側近の男たちを呼び寄せ、襲った犬を打ち懲らしめ、遠くに捨ててこいと命じるさわぎになる。『枕草子』内で、一条天皇が怒ったところは後にも先にもこのシーンしかない。


『グリフィンとお茶を』1





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Last updated  2020.12.02 00:15:30
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