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2021.01.01
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『エベレスト(ナショナルジオグラフィック2020年7月号)』という雑誌を、手にしたのです。
おお 7月号の特集は「エベレスト」、「水の危機」ではないか、これは借りるしかないでえ♪





雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2020年刊

<商品の説明>より
【特集】
●エベレスト 幻の初登頂
100年近く前、英国人登山家のサンディ・アービンとジョージ・マロリーは、エベレストの頂上付近で消息を絶った。二人はエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイが世界最高峰に初登頂した29年も前に、その偉業を遂げていたのか。登山史を覆す証拠を求めて、調査隊は危険な山に挑んだ。
●大河に迫る水の危機
地球温暖化でヒマラヤ周辺の氷河が縮小すると、インダス川の水量が減り、流域の数億人に影響が及ぶ。

<読む前の大使寸評>
おお 7月号の特集は「エベレスト」、「水の危機」ではないか、これは借りるしかないでえ♪

amazon エベレスト(ナショナルジオグラフィック2020年7月号)


危機的なインダス川を見てみましょう。
p62~66
<水の危機:アリス・アルビニア>
世界有数の大河、インダス川は、ヒマラヤとその周辺の氷河から流れ出す豊かな水を運び、2億7000万人の生活を支えている。しかし、地球温暖化の進行とともに氷河が縮小し、2050年頃から川の水量が減少に転じるという。
 そうなれば多くの人々の暮らしが脅かされ、インド、パキスタン、中国の関係は悪化するだろう。


 チベット西部に位置する聖地、カンリンポチェ山。その周辺からは、4本の大河が源を発する。

 ヒマラヤ山脈を東へ西へと流れるそれらの川は、尊い水の女神が伸ばした腕のように、海を目指して下ってゆく。流域のチベット、パキスタン、北インド、ネパール、バングラデシュには文明が芽生え、国家が成立していった。
 川の水をどう使うかは、流域の人間しだいだ。川に水をもたらすのはモンスーンと氷河の融解で、どちらも長い間、人の力が及ばない領域にあったが、今は人間も影響を与え始めている。

 ブラフマプトラ川をはじめ、ヒマラヤ山脈東部から流れ出す河川の水源は主に夏のモンスーンだ。地球温暖化が進み、大気中へ蒸発する水の量が増えれば降水量も増え、川の水量も増えるだろう。だがカンリンポチェ山から西へと流れるインダス川は、ヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、ヒンドゥークシ山脈の雪と氷河が水源だ。

 ことに氷河は、冬の降雪を標高の高い山岳地帯で氷として貯蔵し、春から夏に融解水を供給するという「給水塔」の役目を果している。これによって水量が安定していたのだ。

 インダス川下流のパキスタンや北インドの平野で、世界最大規模の灌漑農業が行われているのもそのおかげだ。農業用水を供給する氷河は、流域に暮らす2億7000万人の生命線なのである。

 その氷河のほとんどが縮小しつつある。最初のうちは、氷河が解けた水によって、川の水は増えるだろう。しかし予測通りに気温が上昇し、氷河の融解が進めば、インダス川の水量は2050年を境に減少に転じる。
 すでにインダス川流域の水の6割以上の水が人々に利用され、流域の人口も急増している。
(中略)

 私は2003年から06年にかけて、アラビア海からチベット源流までインダス川を3200キロさかのぼり、1冊の本にまとめた。このときすでに、インダス川の状況が良くないのは明らかだった。かつての大河の姿はどこにもなく、農業や工業、生活用水の過大な需要にすっかりやせ細っていた。水はダムや堰にせき止められて海に注ぐこともなく、マングローブが茂るデルタ地帯も消滅いつつあった。流域の湖沼は工場廃水や下水で汚れきっていた。

 古代よりサンスクリットの聖歌にたたえられたインダス川が、崇拝の対象からただの資源になってしまったことに私は衝撃を受けた。
(中略)

 当時はまだ、地球温暖化の影響を指摘する人は多くなかった。ようやく問題の深刻さが浮き彫りになったのは2010年以降で、それも水不足ではなく記録的な水害がきっかけだった。

 ヒマラヤ地域の降水量がこの先どう変化していくかは定かでないが、確実にいえるのは、豪雨が増えていることだ。2010年8月、夏の融解水ですでに水量が多かったインダス川を猛烈なモンスーンが襲った。場所によってはわずか数時間で1年分にも相当する激しい雨が降り、南の下流域で洪水が発生した。死者は1600人を超え、被害額は1兆円にのぼった。
(中略)

 インダス川の未来をめぐるどんな議論にも、気候変動の影がつきまとう。インダス川と5本の支流が流れるインドとパキスタンは1947年以降、敵対を続けているうえ、源流域が中国領内にあることも問題を複雑にしている。
 2006年にインダス川源流を目指してチベットに入ったとき、川に水がない光景を目にの当りにして衝撃を受けた。中国がその上流にダムを建設していたのだ。

 インド、パキスタン、中国はそれぞれ膨大な人口を抱え、資源を確保したい理由もたくさんある。また、いずれも核保有国だ。気候変動は気づかないうちに少しずつ進行するものと思われているが、インダス川流域ではそれが紛争の引き金となり、一夜にして世界情勢を変えることになりかねない。


『エベレスト(ナショナルジオグラフィック2020年7月号)』1

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Last updated  2021.01.05 22:57:34
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