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2021.01.19
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カテゴリ: アート
図書館で『村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール』というタイトルの文庫本を手にしたが・・・
小説を書いてみたい大使にとって、村上春樹風の文章がてっとり早く身につくなら・・・おいしいことである。





ナカムラクニオ著、筑摩書房、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
文章力をアップさせるのに、たくさんの本を読む必要はありません。好きなただ1人の作家の本を読みまくる、それで十分に筆力や文体は磨かれます。この本は、村上春樹の文章の秘密を徹底的に分析した参考書です。魅力的なタイトルのつけ方、雰囲気を変えたい時の工夫、妄想を飛躍させる方法…一緒に春樹作品の魅力を骨の髄まで味わい、言葉を綴ることを楽しみましょう。ちくま文庫オリジナル。

<読む前の大使寸評>
小説を書いてみたい大使にとって、村上春樹風の文章がてっとり早く身につくなら・・・おいしいことである。

rakuten 村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール



冒頭の「第1章 村上春樹の文章を33の作法で読み解く」から見てゆきましょう。
p16~19
<1 謎めいた長いタイトルをつける>
 村上春樹作品は長いタイトルが多い。
 一般的には文章を書くとき、「タイトルは短くてわかりやすいタイトルにしたほうが良い」と言われます。

 しかし、春樹式のタイトル術は、まったく発想が正反対なのです。
 例えば、代表作『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』のタイトルは、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス(アリス・イン・ワンダーランド)』をオマージュとして意識しているわけですが、もうひとつアメリカの歌手スキータ・デイヴィスのヒット曲「世界の終り(The End of the World)」も物語の下敷きになっており、タイトルの一行にあまざまな情報が織り混ぜられています。

 このようなタイトルのつけ方は、強い言葉をいきなり衝突させ、化学反応を起こす手法です。映画『セーラー服と機関銃』『アヒルと鴨のコインロッカー』『裸のランチ』なども同じ原理です。

 この作品は、もともと「文学界」で発表された中篇小説『街と、その不確かな壁』がベースになっています。それでも、長篇として完成したときに、わざわざタイトルを長くして発表したわけですから、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』というタイトルには、相当思い入れが強かったのでしょう。

 あまりに長すぎるため、刊行の際に新潮社から『世界の終り』にしたいと言われ、英語版を出す時は「『ハードボイルド・ワンダーランド』だけでどうか」とも言われた、という逸話が残されています。それでも、結果的には大ヒット。全世界で愛される村上さんの代表作となりました。

 また1週間で発行部数が100万部を越える大ベストセラーになった『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』も長いタイトルです。一行に物語の重要な要素をすべて詰め込んだような印象を受けます。
 発売時には「まるでライトノベルのようだ」と熱心なファンの間でも物議をかもしました。
 実は、この『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』というタイトルには、ヒットする要素が、ギッシリ詰めこまれています。

 これは、「主人公の名前」と「これから起きる内容」を暗示する典型的なタイトルの手法です。『ニルスの不思議な旅』『ピッピの新しい冒険』『ジョジョの奇妙な冒険』などのようにベストセラー作品のタイトルは、しばしばこのかたちです。

 ほかにもヨハンナ・シュピリの『アルプスの少女ハイジ』や世界中で熱狂的に支持を得たパウロ・コエーリョの『アルケミスト 夢を旅した少年』『星の巡礼』などのタイトルが『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』と言葉の印象が似ています。

 こうやってミリオンセラーとなった名作のエッセンスを凝縮して、さりげなくアレンジするのが「春樹流タイトル術」の基本構造となっています。





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Last updated  2021.01.19 00:00:04
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