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2021.05.11

『すごいトシヨリBOOK』

カテゴリ：気になる本

図書館に予約していた『すごいトシヨリBOOK』という本を待つこと2日で(最速記録で)ゲットしたのです。

著者の池内さんはドイツ文学者にしてエッセイストなんだが、このようなハウツウ本を出すとは驚いたのです。オールラウンダーなんですね。

池内紀著、毎日新聞出版、2017年刊

＜「BOOK」データベース＞より
人生の楽しみは70歳からの「下り坂」にあり。ドイツ文学者の楽しく老いる極意。リタイア後を豊かに生きるヒント。
【目次】
第１章　老いに向き合う／第２章　老いの特性／第３章　老化早見表／第４章　老いとお金／第５章　老いと病／第６章　自立のすすめ／第７章　老いの楽しみ／第８章　日常を再生する／第９章　老いの旅／第１０章　老いと病と死

＜読む前の大使寸評＞
著者の池内さんはドイツ文学者にしてエッセイストなんだが、このようなハウツウ本を出すとは驚いたのです。オールラウンダーなんですね。

＜図書館予約：(5/02予約、副本15、予約0）＞

rakuten すごいトシヨリBOOK

「第4章　老いとお金」でシニアライフのグッドアイデアについて、見てみましょう。

p78～80
＜三つのリュック＞
　外出すると足代がかかります。リタイアした友人の中にも、「何処そこに行くのなら、バスと地下鉄を組み合わせればJRより130円安い」とか、そういう話ばかりする人がいて、切実な問題と言えば切実ですが、そこに時間と労力を費やすのは、お金に左右されすぎです。

　どうせちょっとした差なのだから、むしろ、そんなことは考えない状態でいたほうがいい。ちょっと儲かったからって、そのお金が生きるわけじゃないんですから。

　僕は自分と一心同体のリュックサックを、三つ持っています。みんな同型で、それぞれに同じ小物が入っていて、同じ「銀行」がついてます。
　リュックの用途はちがいますが、外出するたびに、かばんの中身を入れ換えたりはいなくていい。「Suica」も三つそれぞれに入っていて、ようするに、外出する前に、用途に応じてリュックを選べばいい。

　風邪薬、胃腸薬、痛み止めといった簡単な薬を小袋にまとめてそれぞれのリュックに入れています。銀行といっしょに病院を背中にしょっているわけですね。
　それから小さな軽い折りたたみの傘、これでどんな雨でも大丈夫。あめ玉とかチョコレートも入っている。だから、駄菓子屋も入っている。

　あとは、「写ルンです」も巾着袋に入れて、それぞれのリュックに常備してある。これでどこでもすぐに写真に撮れます。デジカメは重いから、僕はもっぱら「写ルンです」を持ち歩いてます。

　リュックの口はヒモで結ぶタイプで、ここにカラビナをぶら下げています。登山の道具なんですが、今、お洒落なカラビナがたくさん売っているので、リュックにぶら下げておくと小袋を整理できて、楽しいし便利です。

　背中に銀行と薬局と駄菓子屋と、カメラと、傘と、小さな手帳。そういうものがそれぞれに同じように入っている。同じタイプのリュックサックを三セット用意している。
「そこまで、みんな入ってるんですか」って人に驚かれることがあるけど、いちいち詰め替えなくていいのは本当に楽です。
(中略)

＜在庫一覧表＞
　この金銭万能社会を、金銭を気にしないで生きるためには、知恵と準備が必用です。知恵といっても大したことじゃありません。しかし、こういうことは、どこにも書いてないですから、自分で考えて、工夫したものでやっていくしかありません。

　持ち歩くリュックの中身なんかは、最初は入れている物を一覧にして、帰ってから「ああ、これはあったほうがいいな」「これは必用がなかった」と、気づいたこともメモにしていく。
　ぜんぜん使わないものが出てきて、それを消していくという作業を繰り返して、今持ち歩いているのは、最終的に残ったものだけだから、非常に少ないです。

　人間、思ったほど物を必要としないです。「これも入れておこう、あれも入れておこう」っていう、とくに旅行になると、不安にかられていろんな物を入れたがるでしょう。
　で、荷物がふくらんじゃうんだけど、あれは重たいものを担ぎ回るだけだと思っています。

　自分の身に着けているものの「在庫一覧」は、もう20年ぐらいやっています。何度も何度も改定して×が付いたり〇印が付いたり。赤丸が付いている。「これは要る、やっぱり残しておこう」とか、「これは要らないな」という試行錯誤を繰り返しました。ここまで来るのに、ずいぶん時間がかかりました。

ウーム　池内さんはわりと小まめな人なんですね。参考にはなるけど、面倒くさがりの大使はここまでやろうとは思わないのです。

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