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2021.05.11
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『繊細な真実』という本を手にしたのです。
読み進めていくと・・・
大使館職員から大臣秘書官に転身したマルチリンガルのトビー・ベルが、ジブラルタルで諜報活動という内容になってゆくのです。


【繊細な真実】


ジョン・ル・カレ著、早川書房、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
ポール・アンダースンの偽名を与えられた外務省職員は、英領ジブラルタルのホテルの一室で苛立ちを露わにしていた。彼は閣外大臣クインの代理として、テロリスト捕獲のための“ワイルドライフ作戦”に顧問として参加していた。だが、秘密任務に関わった経験は皆無で、なぜ自分が呼ばれたのか見当もつかない。やがてポールは、作戦が成功裏に終了したとだけ告げられ、任を解かれる。一方、クインの秘書官トビー・ベルは、大臣の不審な行動を監視していた。ジブラルタルでの作戦には胡散臭い民間防衛企業の男の影がちらついていたからだ。

<大使寸評>
民間防衛企業“倫理的成果”と政府高官との癒着といえばロッキード事件を彷彿とするわけでテーマとしては申し分ないのだが・・・登場人物が多いし、不倫騒動も多く、なんか没入できないのです。

rakuten 繊細な真実


中盤あたりの語り口を、見てみましょう。
p96~97
<2>
 したがって、外務大臣宛てにイラク侵攻の狂気に関する請願書を起草したことが明るみに出たジャイルズ・オークリーが、同じ夜に携帯端末でトビーに電話をかけてきて、食事をしようと誘ったのは、天の配剤と言うしかない。

「オークリー城で7時45分に。服装は自由、食事のあとはしばらくカルヴァドスにつき合う。どうだね?」
 うかがいます、ジャイルズ。たとえまた劇場のチケット2枚をふいにしなければならないとしても。 

 母国に連れ戻されたイギリスの上級外交官は、自宅を海外赴任地の家のようにしてしまうきらいがある。ジャイルズとハーマイオニーも例外ではない。ジャイルズが断固そう呼ぶ“オークリー城”あ、ハイゲートのはずれにある1920年代の大邸宅だが、彼らのグリューネヴァルトの別邸と言っても通る。外にあるのは同じ立派な門と、雑草一本生えていない完璧な砂利の前庭。なかに入ると同じように傷のついたチッペンデール様式の家具があり、絨毯が敷きつめられ、ポルトガル人の仕出し屋が出入りしている。

 食事会にはトビーのほかにも、ドイツ大使館の参事官夫妻、訪英中の在ウクライナ・スウェーデン大使、フィフィと呼ばれるフランス人ピアニストと、彼女の恋人のジャックらがいる。アルパカに夢中なフィフィは、食卓についた人々をすっかり魅了する。アルパカは地上でもっとも思慮深い動物だ。子作りさえじつに細かい配慮でなされる。フィフィはハーマイオニーに、ぜひつがいを飼うべきだと勧める。ハーマイオニーは、飼ったら彼らに嫉妬するだけだわと応じる。

 食事が終り、ハーマイオニーがコーヒーの準備を手伝ってもらうという名目でトビーを台所に連れ出す。彼女はどこか浮き世離れした柳腰のアイルランド人で、表情豊かな息遣いでささやくように話し、呼吸のリズムに合わせて茶色の目を輝かせる。

「あなたがいちゃついているイザベルって人」人差し指をトビーのシャツの内側に突っこみ、マニキュアを塗った爪の先で胸毛をいじる。

「彼女がどうしました?」 
「人妻なの?ベルリン時代につき合ったオランダ人の娼婦みたいに」 
「イザベルは何ヶ月もまえに夫と別れています」
「あの人みたいに彼女もブロンド?」 
「たまたまですが、ええ、ブロンドです」
「わたしもブロンド。お母様ももしかしてブロンド?」 
「いったいなんの話ですか、ハーマイオニー」
「わかってるでしょう。あなたが人妻とつき合う理由はただひとつ、やるだけやったあとで旦那に返してやれるからよ、ちがう?」 

 トビーにはわからない。彼女も借りて、やるだけやったあとでオークリーに返してやれるとでも言いたいのか。とんでもない。

 ウーム 女王陛下の諜報部員のお話しかと思っていたが・・・なんか予想とは違うので読破する気が失せたのです。

ジョン・ル・カレの小説では『The Constant Gardener』が良かったので紹介します。

【The Constant Gardener】
蜂

ジョン・ル・カレ著、POCKET BOOKS、2001年刊

<商品説明>より
イギリス人外交官ジャスティン・クウェイルの趣味はガーデニング。自己流のフリージア栽培に凝り、暇さえあれば、ナイロビにある自宅の庭園で過ごしている。それに、かなり年下の魅力的な妻、テッサを溺愛する夫でもある。一方、テッサはジャスティンとは正反対。社会改革を熱烈に望み、「この世で一番珍しいもの、つまり正義を信じる弁護士」として働いている。その活躍ぶりは、「アフリカ貧者のダイアナ妃」の異名をとるほどだ。しかしそのテッサが、こっそり訪れていた人里離れたケニアのトゥルカナ湖で、死体となって発見される。衣服をはぎ取られ、レイプされて。旅の同行者である、コンゴ系ベルギー人のハンサムな医師、アーノルド・ブルームの姿は消えていた。と同時に、クウェイルの、のんびりした生活も消し去られたのである。


<読む前の大使寸評>
映画『ナイロビの蜂』の原作The Constant Gardenerということで、借りたが・・・
読破はいつになるやら?

Amazon The Constant Gardener

ナイロビの蜂(The Constant Gardener) byドングリ





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Last updated  2021.05.11 00:21:24
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