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2022.08.08
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『鳥マニアックス』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、各チャプターのテーマが興味深いのです。
京大卒の著者は、カラス研究の権威者のようで・・・鳥からひもとく身近な科学技術がええでぇ♪



松原始著、カンゼン、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
人間の偉大な創造は妄想×試行錯誤の賜物だったー鳥からひもとく身近な科学技術。
【目次】
1 鳥×テクノロジーーこんなところに鳥と工学(鳥とヒコーキ/鳥と二本足/羽毛と悲劇/鳥と新幹線)/2 鳥×メカニズムー鳥の体と行動学(鳥とナビゲーション/鳥とセンサー/鳥とテーブルマナー)/3 鳥×ビヘイビアー鳥は何を考える(鏡よ鏡/鳥を捕まえる/鳥と闘争)/巻末企画1 鳥マニア的BOOK&FILMガイド/巻末企画2 鳥マニア的「この人に会いたい!」スペシャルインタビュー 松本零士(漫画家)

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、各チャプターのテーマが興味深いのです。
京大卒の著者は、カラス研究の権威者のようで・・・鳥からひもとく身近な科学技術がええでぇ♪

rakuten 鳥マニアックス



ツバメやカイツブリの歩行を・・・見てみましょう。
p53~55
<CHAPTER 2  鳥と二本足>
■重心位置をどうするか
 ところで、脚の位置と長さは鳥の生活史と直結している。一般に地面を歩き回る鳥は脚が頑丈なだけでなく、長い。特に高速で走り回る動物は歩幅を大きく取るため、脚が長い傾向がある。
 鳥の場合、脚の取り付け位置の問題もある。先に書いたように、鳥は大腿部を体側に引き付けた姿勢だが、大腿骨の長さは種類によって違う。

 大腿骨を短くした場合、骨・筋肉ともに減らして軽量化はできるが、重心位置が合わないという問題が出てくる。だが、鳥が枝に止まる時は体を起こしてもいいのだ。仮に体を垂直に立ててしまった場合、もはや脚の長さなど関係ない。申し訳程度の足でも、枝をつかむことさえできればバランスは取れる。ただ、その状態から体を寝かせようとした場合、枝を握りしめて、足を踏ん張って必死で耐えなくてはならない。

 鳥の中には「お前、歩くことを捨てたろ」と言いたくなる連中がいる。一つは空中生活に重点をおいた、ツバメの仲間、そしてアマツバメの仲間だ。どちらもツバメとつくが、ツバメはスズメ目ツバメ科、アマツバメはアマツバメ目アマツバメ科なので、分類上は全然違う。

 ツバメという鳥、電線や軒先に止まることはあっても、地面に降りることが非常に少ない。降りないわけではなく、巣材となる泥を集める時は、もちろん地面に降りている。稀にだが、アリの引っ越し行列の横に降りてパクパク食べていることもある。だが、ツバメが用もなく地面に降りて歩き回っている、なんて姿を見たことはない。

 彼らは脚が極端に短く、地面から体を離して立つのがほとんど無理だからだ。電線に止まる時も、脚はほぼ羽毛の中に埋まっており、指だけを出して電線に引っ掛けるような止まり方をしている。骨格にするとそこまで短いわけではなく、骨格にするとそこまで短いわけではなく、止まった状態で姿勢を変えられる程度の余裕はあるのだが、やはり体を倒しすぎるとバランスが取れなさそうだ。だが、彼らがそんな姿勢を取るのは、交尾か抱卵だけなのだろう。
(中略)

 もう一つ、地面を忘れたような鳥が、カイツブリの仲間だ。彼らは完全に水辺に特化しており、営巣もアシの茎などを集めて組んだ浮巣で行う。浮巣は低い島のようなもので、水面から腹をつけたままズルズルと這い上がれるので、必ずしも立ち上がって歩く必要がない。いや、実は立って歩くこともできるらしく、その映像を見たこともあるのだが、もう目を疑うばかりであった。

 カイツブリは潜水の得意な鳥だが、推進力も方向転換も却で行う。おそらくそのためだろうが、脚の位置がひどく後方にある。船のスクリューと舵が船尾にあることを考えれば、効率がいいのだろう。だが、そのせいで、体を70度くらい立てないと、重心位置が足の上に来ないのだ。そういうわけで、カイツブリは冗談のように直立した姿勢で、ヨタヨタと立って歩く。日常的にやる行動とは思えない。

 水鳥は他にもいるが、どれも地上で草を食べたり、岩場に営巣したりするので、地面を歩くという行動がどうしても必要である。ここまで無茶ができるのはカイツブリならではだ。


『鳥マニアックス』2 :鳥と恐竜の違い
『鳥マニアックス』1 :鳥や人間の二足歩行





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Last updated  2022.08.08 16:55:40
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