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2023.07.11
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カテゴリ: 歴史
図書館に予約していた『満洲国から見た近現代史の真実』という本を、待つこと8日ほどゲットしたのです。
このところ、覇権スタンスを隠そうとしない中国を見るにつけ・・・
やや右寄り(と思われる)の宮脇さんのご意見を見てみたいと思うのです。




宮脇淳子著、徳間書店、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
五族にとって満洲国とはどのような国であったか?歴史を政治の道具にする中国・韓国に、日本は歴史の事実を武器に反撃せよ!

<読む前の大使寸評>
このところ、覇権スタンスを隠そうとしない中国を見るにつけ・・・
やや右寄り(と思われる)の宮脇さんのご意見を見てみたいと思うのです。

<図書館予約:(7/01予約、副本1、予約0)>

rakuten 満洲国から見た近現代史の真実


「第二章 満州とはどういうところか」で満州の基礎情報を、見てみましょう。
p33~40
<現代中国がタブー視している満洲>
 いまの中華人民共和国では、「満洲」ということばはタブーになっています。清朝の支配階級だった満洲人の後裔たちはいまも1000万人以上いるのですが、かれらは満洲人とは呼ばれず、満族と呼ばれます。歴史的なことでどうしても満洲ということばを使わなければならないときは、かならず「偽満洲」と、偽という字を上につけなければなりません。それは、日本がかつて傀儡の満洲国をつくった歴史を、すべて悪いものと考えることにしようという、現代中国の固い決意なのです。

 現代中国の言う「歴史」はすべて政治ですから、この本ではそんなことは気にせずに、かつてあったことを説明するために満洲ということばをおおっぴらに使います。私が別の本で詳しく書いたように(『世界史のなかの満洲帝国』PHP新書)、「満洲」という漢字の使い方は史実ではなくて誤っていますから、あくまでも「満洲」と、さんずいをつけた洲の字を使いましょう。

 さて、満洲(英語でManchuria マンチュリア)と呼ばれる土地がどのようなところなのかを最初に説明します。

<遊牧民と狩猟民の住地であった満洲の地理>
 かつての満洲には、いま、北から黒竜江省、吉林省、遼寧省の中国の東北三省がありますが、省は、1912年に中華民国という、はじめて中国という国家が誕生する前にもシナ内地に置かれていた行政区でした。省という地方行政区の起源は、モンゴル人がシナに建てた元朝時代に、中書省の出先機関という意味で地方に置いた行中書省を縮めた行省にあります。
 満洲に清の東三省が置かれたのは、日露戦争のあとの1907年でした。あとで詳しく述べますが、それまでは満洲はシナ内地とは別の土地と考えられていたのです。
 この東三省は、合計123万平方キロメートルあります。いまの日本の面積が約38万平方キロメートルですから、およそ三倍です。その真ん中に、むかし満洲平野と呼んだ東北平原があります。南北に長くて、面積は35万平方キロメートルです。ちょうど日本の面積くらいです。

 北は黒龍江(ロシア語ではアムール河)がロシアとの国境になっていますが、黒龍江は、支流の烏蘇里(ウスリー)江が南から流れ込むところで、中ロ国境を離れて北上し、間宮海峡(韃靼海峡)の北端の樺太(サハリン)の対岸で、オホーツク海に注ぎ込んでいます。ウスリー江から東側は、ロシアの沿海州です。

 満洲平野を流れるもっとも大きな河は松花江で、北流して黒竜江に注ぎ込みます。その次に大きい遼河は、打ちモンゴルの草原から流れ出して、渤海に注ぎ込みます。北朝鮮との国境は、東は図メン江(朝鮮では豆満江と呼びます)が日本海に注ぎ込み、西は鴨緑江が黄海に注ぎ込んでいます。

 満洲北部は日本の北海道よりも緯度が高く、しかも内陸性気候で寒暖の差が大きいです。黒龍江や松花江は半年間も氷結し、鴨緑江や遼河でも冬季3ヶ月間は氷で閉ざされます。
(中略)

 満洲北部に入植した日本人は冬の寒さに苦労しました。ロシアとの国境警備のために黒龍江に派遣された関東軍の日本人兵士は、まつげもおしっこも凍った、と書いています。
 ところが、シベリアから南下してきたロシア人にとっては、アムール河沿岸は夢のようによいところだったというのです。穀物がとれ、家畜も多く、森林には貴重な毛皮獣が住み、河には魚類がまるで河岸に自分からよじ登ってくるほどたくさんいた、と書いてあります。
(中略)

<モンゴル帝国がのちの満洲を征服する>
 複雑な近現代史をひも解く前に、13世紀にさかのぼって満洲の歴史を見ておきましょう。モンゴル人の建てた元朝は、清朝にも、いまの中国にも大きく影響を与えているからです。
 いまの中国東北地方は、13世紀にはモンゴル帝国の支配下にありました。かつて「満蒙」という言葉が使われていたように、満洲とモンゴルは歴史的に深いつながりがあります。

 12世紀後半、モンゴル部族から出たテムジン、のちのチンギス・ハーンは、はじめ金の同盟部族となって、ほかの遊牧部族を征服していきました。金はのちに満洲族と名前を変える女直(女真)が建国した国です。そして、1206年、ケンテイ山脈のオノン河の源にモンゴル高原の全遊牧部族の代表を招集し、この会議の席上で盟主に選挙されて、チンギス・ハーンという称号を採用しました。これがモンゴル帝国の建国です。

 チンギス・ハーン率いるモンゴル軍は、東方で金を討ち、西方では中央アジアに遠征しました。チンギス・ハーン自身は、南の西夏王国を攻撃している1227年に他界しましたが、息子たちや将軍たちはその遺志を受け継いで攻撃と拡大を続け、東は日本海沿岸から西はロシア草原までがモンゴル帝国の領土になりました。





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Last updated  2023.07.11 00:07:04
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