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2023.09.19
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カテゴリ: メディア
1970年代の歌謡曲黄金時代について・・・
2011.05.26 『歌謡曲黄金時代』 を以下のとおり、復刻して読んでみます。

*********************************************************
 NHK-BSで「カラオケ」興隆期のお話を放映していた。また、筒美京平の特集も近々オンエアされるそうである。

「カラオケ」興隆期といえば日本が右肩上がりの時代であり、大使もブイブイ言わせていた時期ですね(どうでもいいけど)
 カウンターに100円玉を積んでリクエストするわけだが、当時のカラオケ機器は8トラックのカセット式でした。
(この頃に、東京、大阪、博多と同時発生的にカラオケ機器が生まれたそうです)

 レーザーディスク式カラオケの出る前だから、歌詞の本を持ち、歌いだしのタイミングを間違えないように歌うわけで・・・・かように身銭をきりながら、カラオケ訓練中の良き時代だったのかも。


 岩波新書「歌謡曲」にそう書いてありました。

【歌謡曲】

高護著、早川書房、2011年刊

<出版社>より
日本に生まれた独自のポピュラー音楽「歌謡曲」.それは誰が,どのように作り,どう歌われたものだったのか.時代を象徴するヒット曲を手がかりに,作詞家,作曲家,編曲家,歌手の各側面から,その魅力の源泉に迫る.制作の背景,楽曲・歌唱の音楽的分析,作品の与えた影響など,初めて書かれる本格的ディスコグラフィである.

<読む前の大使寸評>
追って記入

iwanami 歌謡曲



<1970年代概説>p102~111
 1970年代はニューミュージックが誕生~発展~定着した10年間である。ニューミュージックは自作自演が前提で、職業作家による作品を基本とする歌謡曲とは大きく異なる。ニューミュージックはフォーク、ロック、ポップスに細分されるが歌謡曲も10年の間に細分化が進んだ。

 71~72年にかけてアイドル歌謡が誕生し、演歌はジャンルとしてより強固にその位置を確定させた。そのどちらにも属さない歌謡曲の本流はポップス系の作品を中心に隆盛を極めたが後半は徐々に空洞化に向かう。70年代のレコード大賞受賞曲は次のようになる。

 菅原洋一「今日でお別れ」(70年),尾崎紀世彦「また逢う日まで」(710年),ちあきなおみ「喝采」(72年),五木ひろし「夜空」(73年),森進一「襟裳岬」(74年),布施明「シクラメンのかほり」(75年),都はるみ「北の宿から」(76年),沢田研一「勝手にしやがれ」(77年),ピンク・レディー「UFO」(78年),ジュディ・オング「魅せられて」(79年)。

 わずか10曲を列挙しただけで幅の広い豊かな作品群に圧倒されるが、アイドル、ニューミュージック、演歌がほどよくブレンドされ、阿久悠、筒美京平に代表される職業作家の優れた作品が量産された記念すべき年代である。
(中略)

 71年のレコード大賞新人賞を獲得したのは小柳ルミ子「わたしの城下町」、南沙織「17才」、本郷直樹「燃える恋人」、欧陽フィフィ「雨の御堂筋」、シモンズ「恋人もいないのに」の五組で最優秀新人賞は年間チャート一位の小柳ルミ子だった。

 演歌ではビクターの森進一、青江三奈とクラウンの美川憲一は引き続き好調でRCAビクターの内山田洋とクールファイブ、藤圭子も精力的に新作を発表していた。「全日本歌謡選手権」を10週勝ち抜いた五木ひろしが3月に「よこはま・たそがれ」でデビュー。演歌シーンはその幅を広げることに成功した。

 69年のベッツィ&クリス「白い色は恋人の色」の後をうけて、70~71年にかけてのフォーク・シーンはソルティー・シュガーの「走れコータロー」や同じくアマチュアのチェリッシュ「なのにあなたは京都へゆくの」といったヒット曲が生まれ、ザ・フォーク・クルセダーズをきっかけにした関西フォークからは、シモンズ「恋人もいないのに」、ジローズ「戦争を知らない子供たち」、はしだのりひことクライマックス「花嫁」が大ヒットとなった。
(中略)

 よしだたくろう、井上陽水、チューリップ、キャロルの四者のうち前二者はフォーク、後の二者はロックの範疇に入るが音楽的にはどれもかなり異なる。共通しているのは、自作自演であること、それ以前の「歌謡曲」とは無縁の活動をしているところである。テレビの芸能番組やバラエティ番組の出演、芸能誌での露出といった、それ以前のノウハウをあまり踏襲せずに深夜のラジオ番組やライブ活動を中心にプロモーション活動を展開。シングル盤が中心となっていた歌謡曲に対してアルバム志向を前面に打ち出していた。

 73年にはフォーク/ロックの台頭を象徴するかのようにガロの「学生街の喫茶店」、「ロマンス」やチェリッシュ「てんとう虫のサンバ」、「白いギター」、南こうせつとかぐや姫「神田川」、チューリップ「心の旅」という楽曲がヒットした。
(中略) 

 70年代半ばの太田裕美と岩崎宏美という二人の新人はどちらも筒美京平作品でヒットを放ったが、太田裕美は松本隆が本格的に歌謡曲に取り組んだ最も初期の歌手であり、岩崎宏美は筒美京平が「スター誕生!」出身者にはじめてシングル曲を提供した歌手である。75年の岩崎宏美「ロマンス」や太田裕美「木綿のハンカチーフ」はアイドルとしては破格ともいえるミリオンに手が届く特大のヒットとなった。見方をかえればアイドル・ポップスは空洞化しつつあった歌謡曲の本流に近づいていたということである。
(中略)

 78年には矢沢栄吉が「時間よ止まれ」で首位を獲得。他にも松山千春の「季節の中で」、アリス「チャンピオン」といった大ヒットが生まれていた。また「勝手にシンドバッド」でデビューしたサザンオールスターズが79年3月に発売した第3作「いとしのエリー」はデビュー曲を上回る大ヒットを記録した。この年の首位獲得曲は11曲だが、うち6曲は次のようにニューミュージック勢が占めていた。アリス「チャンピオン」、甲斐バンド「HERO」、岸田智史「きみの朝」、さだまさし「関白宣言」、さだまさし「親父の一番長い日」、久保田早紀「異邦人」。

 これらはいくつかの例外を除いてほとんどが自作自演で、プロの作詞家作曲家の活躍する機会は明らかに減っていたが、筒美京平は健在だった。松本隆とコンビを組んだ桑名正博の「セクシャルバイオレットNo.1」は文字通りNo.1ヒットとなり、阿木耀子の作詞によるジュディ・オング「魅せられて」は9週連続で首位を独走。79年のレコード大賞を受賞した。

 沢田研二は1980年1月1日に「TOKIO」を発表。ピンク・レディは79年にアメリカ進出を果たしながらも失速。山口百恵は80年3月7日に引退宣言する。80年代をリードすることになる松田聖子のデビュー曲「裸足の季節」が発売されるのはその4週間後の4月1日のことだった。



<ジョニーへの伝言>p156~159
 阿久悠の第2期黄金時代のはじまる72年の作品は次のようなライン・アップだった。
 藤圭子「京都から博多まで」、鹿内孝「本牧メルヘン」、尾崎紀世彦「ふたりは若かった」、和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」、山本リンダ「どうにもとまらない」、研ナオコ「京都の女の子」、森昌子「せんせい」、内山田洋とクールファイブ「恋唄」、水前寺清子「昭和放浪紀」、森進一「放浪船」。

 先立つ70年の北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」はタイトル、設定、言葉の配置とどれも斬新で、その後の作品に大きな影響を与えた阿久悠にとって重要な作品である。このときに阿久悠がレコード大賞作詞賞を望んだことはよく知られる。「ざんげの値打ちもない」は47年の大ヒット曲である菊池章子「星の流れに」(清水みのる・利根一郎)に近似した世界であるが、「星の流れに」と「ざんげの値打ちもない」の決定的な違いは、そのドラマ(現実)の原因を社会(外面)に求めるか自己(内面)に求めるかである。
(中略)

 星野哲郎の84年の著作「歌、いとしきものよ」の第5章として星野哲郎と阿久悠の対談が掲載されている。このときが二人のほぼ初対面という興味深い読み物だが、星野哲郎が阿久悠に訊ねるといった形式で進むなか、「やっと謎がとけた。やっぱり阿久さんの詩は映画なんだ」と星野哲郎の言うように詩というよりはきわめて脚本的である。そして同時に佐伯孝夫のもつメディア的な時事感覚をテレビを通じて展開させたプロデューサーとしての視点も大きな特徴である。
(中略) 

 “ジョニーが来たなら伝えてよ 2時間待ってたと 割と元気良く 出て行ったよと お酒のついでに話してよ”は「ざんげの値打ちもない」のドラマ性を推し進めて「また逢う日まで」で描いた別離を視覚的に物語化した「旅立ち」の歌である。

 ペドロ&カプリシャスはペドロ梅村をリーダーとするラテン・コンボで、71年に前野曜子をヴォーカルに迎えたデビュー・シングル「別れの朝」(訳詩・なかにし礼)がチャートの一位を飾る大ヒットを記録したが、前野曜子が脱退。「ジョニーへの伝言」は高橋まり(現・高橋真利子)が二代目ヴォーカルとして加入した第二期ペドロ&カプリシャス時代の作品である。

 AABの二ハーフだがAパートが12小節のブルース形式。メロディー・メーカー戸倉俊一の代表作であり自身による編曲は抜群の完成度である。洗練されたオーケストレーションやコード・ワーク、高橋まりのナチュラルな歌唱は、旧来の「演歌」に属する別れの人間模様をオリジナルのポップスとして成立させた。まさに日本のポップスのスタンダードの誕生を告げる記念すべき作品である。



<ルビーの指環>p190~191
 この年、松本隆は大滝詠一の「ロング・バケイション」からシングル・カットされた「君は天然色」、「恋するカレン」がヒット。南佳他孝「スローなブギにしてくれ」も好調で、細野晴臣とのコンビによるイモ欣トリオ「ハイスクール・ララバイ」も7週連続の一位を獲得。松本隆は年間6曲のNo.1ヒットでトータル26週を独占して、まさに黄金時代を迎えていた。

 “曇りガラスの向こうは 風の街”ではじまる「ルビーの指環」は、情景描写と回想を織り交ぜた「青春ノスタルジー」の手法を用いつつアーバンな世界を演出。指輪を「指環」と表記したのは松本隆独特のこだわりである。寺尾聡はザ・サベージのメンバーとして、「勝ち抜きエレキ合戦」に優勝して66年にフォーク調の「いつまでもいつまでも」でデビュー。俳優に転向後、人気刑事ドラマ「西部警察」でレイバンのサングラスと44マグナムの「リキ」が当たり役となった。音楽活動は活発ではなかったが、80年に「SHYADOW CITY」、「出航 SASURAI」の2作のシングルで再始動して、翌81年の「ルビーの指環」は続く3作目となる。

 シティ・ポップス/AOR歌謡の決定打ともいうべき「ルビーの指環」は10週連続の首位を獲得する特大ヒットとなり、ミリオン・セラーを記録して日本レコード大賞を受賞。松本隆は作詩賞、寺尾聡は作曲賞、井上鑑は編曲賞をそれぞれ受賞した。シングル3作を含むアルバム「Reflection」は12週連続で首位を獲得。81年の年間第一位セールスに輝いた。


■ルビーの指環 / 寺尾聰 (歌詞入り)
https://www.youtube.com/watch?v=cJhz-EVkaHY





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Last updated  2025.04.12 07:33:39
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