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2024.01.29
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カテゴリ: 気になる本
図書館で「ちょっとケニアに行ってくる」という本を手にしたのです。
パリから南仏へ、さらにはアフリカへと、フランス語もままならぬ著者はケニア人の伴侶とともにレストラン経営に邁進したようです。




池田正夫著、彩流社、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
大胆不敵、無謀、無計画!40年以上、世界各地を飛び回りケニア人と結婚。レストランの客は大統領から他店のスパイ、詐欺師まで。日本を飛び出し世界を飛び回った男の、汗と笑いの人生奮闘記!

<読む前の大使寸評>
パリから南仏へ、さらにはアフリカへと、フランス語もままならぬ著者はケニア人の伴侶とともにレストラン経営に邁進したようです。

rakuten ちょっとケニアに行ってくる


「第四章」でケニア人の恋人を、見てみましょう。
p175~179
<第四章 おいらの嫁さんケニア人>
■ナイロビに戻り、恋人ワンジルと再会
 ナイロビに戻って、星野学院に顔を出す。ワンジルが、
「信じられない!」と驚く。
「まさかマサオが帰って来るとはおもわなかったわ」
 と抱き着いてきて、大雨のキスが降り注ぐ。スティーブンも駆け寄ってきた。
「マサオ、ジャンボ!」
 久しぶりの対面であった。彼女たちのうれしそうな顔を見て、
「これからこの二人のために、褌を締め直してかからねば」
 という気持ちになる。

 そして、三菱重工の仕事でナイバシャ湖の奥地にある発電所に向かう。現場のある所はグレート・リーフ・バレー谷が深く切り込んでいて、アフリカ南北を縦断している。マサイ族によると、その谷底にはヒョウが棲息しているという。ただ、彼らは実際に見たことはないらしい。
 この谷は毎年少しずつ廣逢っていて、数千億年後にはアフリカ大陸を二つに分裂させるかもしれないとも言われている。

 職員に連れられて夜のサファリに連れていかれるが、何となく不気味である。電気もなく真夜中の中をジープで走り回るのであるが、ジープのライトに照らされて至るところに炎が動いているように見える。それはなんと動物の目であった。その光る目を目指してジープで追いかける。

 猛禽類はおらず、キリンやシマウマ、シカ類だけであったが、追い回すだけで捕まえようなどという気は起こさないところがいい。もっとも、捕まえようとしても捕まるような動物たちではない。

 また別の日には、午後、庭に出て椅子でうつらうつらしていて目を覚ますと、目の前に三メートルほどもあるブラックコブラが散歩しているのだ。驚いて近くにある長い棒を手に取り、
「さあこい、いつでもいいぞ」
 とこの難敵を退治しようと構えた。すると殺気を感じたのか、コブラは全速力で逃げ始めたのだ。コブラが近づいてきた時には眠っていたのが、幸いしたのである。コブラは人の目を目掛けて毒液を飛ばし、液が目に入ると失明してしまうという。
 コブラは素早く穴を見つけ、その中に潜り込んでしまった。しかし、私一人だったので、もし向かってこられたら勝負はどうなっていたかわからない。

■ケニアで鴻池組の食事作りをする
 ナイバシャ湖の三菱重工のアルバイトも終わってぶらぶらしていると、友人から連絡が入り、「建設会社の鴻池組でアルバイトしませんか」と誘われた。今度はこれに応じることにする。鴻池組の仕事は、ケニア国内三ヵ所でサイロ(穀物貯蔵庫)作りの手伝いである。本部はナクル湖のあるナクルの町にあり、二ヵ所目はビクトリア湖のある湖畔の町キスム、三ヵ所目はウガンダとの国境沿いにあるブンゴムの町である。

 ナクル湖はナクル湖国立公園の中心部であり、世界遺産の一部にもなっている。ビクトリア湖は、アフリカでもっとも広く、さらに世界でも第三位を誇る湖水面積を持つ。
 私はそのうち三ヵ所を回って各現場で食事を作ることになる。しかし、この仕事は将来の自分の仕事につながることになるのだ。

 サイロとは穀物貯蔵庫のことで、高さは約30メートルほどもある。技師によると、いったんサイロを作り始めると途中でやめることはできず、でき上るまでほぼ1ヵ月間は不眠不休になる。徹夜作業のため、技師の人たちは交代で仮眠を取るのであって、このような工事はかなり体力を消耗するという。

 ワンジルとは生活を共にするようになっていた。まだ正式に結婚してはいないが、もう家族同然であった。もちろん、息子のスティーブンも一緒である。
 そのような仕事だったので、長い間家族とも会っていなかった。それでナイロビよりワンジルとスティーブンを宿舎に呼び寄せることにした。二人が到着すると、私は社から車を借りて三泊四日の小旅行に出かけた。


『ちょっとケニアに行ってくる』2 :南仏での生活
『ちょっとケニアに行ってくる』1 :はじめに





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Last updated  2024.01.29 00:08:52
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