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2024.04.21
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『米中貿易戦争 アメリカの真の狙いは日本』という本を、手にしたのです。
気鋭の経済アナリストの説く中国経済の闇とあれば・・・私のツボが疼くのである。


【米中貿易戦争 アメリカの真の狙いは日本】

増田悦佐著、コスミック出版、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
米中欧VS日本。米中の対立は見せかけだ。それでも日本は2020年の長期不況の大底から必ず復活する。

<読む前の大使寸評>
気鋭の経済アナリストの説く中国経済の闇とあれば・・・私のツボが疼くのである。

rakuten 米中貿易戦争 アメリカの真の狙いは日本



中共嫌いなので・・・
「第2章 中国利権分配システムの闇は大きく、深い」から、見てみましょう。
p63~65
<制服王朝を支える利権分配システム>
 第1章で述べたように、中国はアメリカにどんなにカモにされても、耐えるしかない。
 その巨大な利権の源泉として、今までほぼ全部国有企業に回していた大手(国有)銀行からの融資について、2018年末に中国の金融当局が「3分の1は民間企業に融資するように」という通達を出した。もし、この通達が額面どうり実施されたら、即、国有銀行・国有企業にとって利権の源泉が3分の1圧縮されることになる。これは、中国の政治経済を根本からひっくり返してしまう危険をはらんだ大事件だった。

 中国の中央銀行である中国人民銀行が五大国有銀行(中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行、交通銀行)に、融資総額の3分の1を民間企業に回せと指示したのは紛れもない事実だ。今まではほとんど国有企業にしか融資していなかった五大銀行に、突然無理難題とも言える指令を出したわけだ。しかし、結果は融資総額の4分の1しか民間企業に融資できなかった。ブルームバーグ通信の報道によれば、以下のとおりだ。

■中国:民間企業向け融資の要件、明確化図る―銀行株下落で対応

 中国当局は(2018年11月)12日、市中銀行に対する民間企業への融資要件の明確化を図った。政府が銀行側に前例のない要求をしているとの見方が投資家の間に広がり、9日の本土株市場で銀行株が売られていた。
 政府系の金融新聞4紙は12日、各銀行に対して当局が特定の目標を定めることはないとの記事を1面に掲載。金融機関は融資要件に「無条件」に従うのではなく、適正なデューデリジェンス(資産査定)を行う必要があると中国証券報は伝えた。
 政策当局が金融セクターに対して一段と厳しいアプローチを講じつつあるとの思惑から、9日の銀行株は下落。非政府系企業に新規融資の少なくとも3分の1が充てられるべきだと金融監督当局者が述べたことから懸念が強まっていた。
(2018年11月12日 ブルームバーグ)


 この記事にはちょっと注釈が必要だろう。なぜ政府が国有企業に「もっと民間企業への貸し出しを増やせ」と言う指示を出しただけで、銀行株にパニック売りが起きるのかということだ。もともと中国の大手銀行は上場していても、実質国有であって政府の指示に逆らう立場ではない。だが、これまでずっと国有企業ばかりに融資をしてきたので、与信審査業務はほとんど未経験だ。与信審査というのは、特定企業についてどのぐらい担保を持っているか、過去の債務をきちんと約定どおりに返済してきたかを調べて、どのくらいの期間ならいくらまで貸せるかを判断することだ。

 国有企業に貸しているかぎりは、債務不履行が起きそうなときは国から補助金が出てちゃんと返済できるようになっていた。だから、いきなりかなりの資金を民間企業に貸せと言われたら、きちんと与信チェックもせずに民間への融資額を膨らまして、債務不履行が続出し、業績が急落するだろうという懸念が株式市場で浮上したわけだ。

 この銀行株急落に慌てた政府は、「いや、民間企業ならどこへでも見境なく融資しろと言っているわけじゃない。きちんとデューデリジェンスをして融資しなさいという意味だ」と補足して、市場をなだめようとした。だが、市場関係者は「結局、今までのような情実融資はできないということか。それなら銀行株はやっぱり売りだ」とみて、銀行株にもう一段の売りを浴びせた。ちょっと考えると、情実融資ができなくなるなら、見返りにワイロが懐に入るはずの銀行の融資担当役員の家計には大打撃でも、銀行株の業績は改善しそうに思える。

 そこが中国経済の闇の深いところだ。情実融資と言っても相手先はほぼ確実に国有企業だ。国有企業同士が少しでも多く国有銀行からの融資を受けて、利権分配の原資を増やそうと競争しているわけだ。そして、こうした情実融資でムダな資金を得てとうてい採算の合わない無謀なプロジェクトを推進したとしても、国有企業が債務不履行に陥りそうになったら、政府は全力を挙げて支援する。たんなるメンツの問題ではなく、共産党一党独裁体制を支える国有銀行・国有企業を通じた利権分配システムの崩壊を防ぐためだ。

 さて、ここまでは中国の国有企業は、実は企業ではなく利権分配システムだということを、やや抽象的な表現で説明してきた。だが、中国内の企業に対する融資総額の75%を受け取っている国有企業がいかに非効率な経営をしているかについては、様々な分野のデータがかなり克明に照らし出している。





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Last updated  2024.04.21 13:09:39
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