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年齢も６０才の壁を超えるとだれしも「自分も年をとったな～」と少々、暗い気持ちになってくる。

いつの間にか「しょぼくれ感」も漂いかねない。

私自身は還暦を過ぎても、元気で働き、休日には真っ赤なスポーツカーでドライブしたり、キャンプしたり、ギターを弾いたり、パソコンを楽しんだり、結構趣味も多く自分ではまだまだ若いと自負していますが、それでも娘にかかったらコテンパンです。

洋服と靴が似合ってないとか、センスが良くないとか、言いたい放題です。

私たちの子供のころは親の服装に対してでも、何一つ苦言を呈したことはありませんでした。

本当に、ほっといてくれと言いたくなります。

中高年になってもしょぼくれず、元気で魅力的な大人になるのに必要な心構えって……本当にあるのでしょうか？

ある週刊誌で「おじさん族」との接点が多い女性社員に、男性がしょぼくれて見えるかについてインタビューした記事がありました。

それによると「気になるのは投げやりの言葉。考えて見ると私の父もそうだったような記憶があります。

娘から身だしなみに注意されても『どうせ年だから』『いいんだよ』と突っぱねる。

これは、おじさん共通語」だそうです。貴方は如何ですか、素直に受け入れていますか？

また、話題の狭さに、しょぼくれ感を抱く女性もいました。

「酒席で上司の悪口を続けるのが代表例。

場の空気が読めない中高年も多い。

相手が退屈しているのに、好きなことを朗々と語ったり、いつも同じ話ばかりする人」　彼女たちから確認したことは２つ。

第１は目新しい話題がほとんどないのが、おじさん族の特徴。

映画や本など「はやり物」に興味を持たない人は会っても楽しくなく、しょぼくれ度が高い。

第２は年齢を感じさせても、変わったデザインの時計をしていたり、ツメをピカピカに光らせていたりと“小技”が効いていると、しょぼくれ感をぬぐい去ること。

好奇心の維持度合いが、しょぼくれ度に関係する。

「若い方がいい」という考え方のままだと年をとるに従い「自分の価値が落ち、人生の賞味期限が短くなる。

これでは精神的に落ち込むだけ」。

近著『おじさん入門』で「トシの功」の意味を論じた漫画家、夏目房之介さんは年齢を重ねることで獲得する新たな境地が「脱しょぼくれ」のカギを握ると強調する。

別の言い方をすると肩の力が抜けて、緩急が自在につけられるようになった。それが年の功。

習い事も遊びと心得て、無理をしたり、必死になったりはしない。

一方で、若いころのこだわりや美意識を頑固に持ち続け、いいかげんになれない人たちも見かける。

夏目さんは「個人が何らかのこだわりを持つのは当然」と認めつつ、「そのこだわりを他人に強制すると、すごく迷惑」と語る。

「他人は自分とは違う。仕方がない」という達観も、賢い大人には欠かせないと説いています。

『さみしい男』で元気のない日本人男性の問題を扱った明治大学助教授の諸富祥彦さん（臨床心理士）は「しょぼくれ度の分かれ目は、生きるエネルギーを感じさせるか否か」という。

なかでも、しょぼくれ感の初期症状として出てくるのが「面倒くさい」という気分だと指摘する。

中高年世代の男性にはもっと趣味の世界でエネルギーを燃やしてほしい。

面倒くさくて休日は家でごろ寝、ビールという生活になると、てきめんに生きるエネルギーは落ちる」と警告する。

もう一つは、元気を出すための「さわやかなナルシシズム（自己愛）」の勧めだ。

換言すれば小さな自信を持つこと。

例えば会社での営業成績は芳しくなかったが、顧客を欺くことはしなかったというような自分なりに大切にしてきた信念を確認。

「人生のモニュメント（記念碑）として心の中に掲げる」こと。

こうした自己肯定感がその人の魅力を高める。

相手が若いというだけで見下す人も散見される。

自分の経歴や経験をとうとうと述べるのも格好よくない。

エレベーターにえばって入ってきて、当然のように1番先に出る姿も嫌だ」
組織の上下関係にとらわれず、自由闊達（かったつ）な気風を醸し出す人。

これも「脱しょぼくれ」の大きな要素か。

懐の寒さも追い打ち？

50歳前後のサラリーマン層で、元気がなくなったなと感じるのは飲食の場。

最近、若い人たちに景気よく『おごってやる』と言う人を見かけなくなった。

わずかな小遣いのもとで、飲み方にも、物の考え方にも解放感がない」。

子供がちょうど大学・高校へ進学する時期と重なる50歳前後は小遣いも削られがち。

定年も視野に入り、未来の展望は不透明となれば、パワーの出し方も下降線をたどる。服装にも気を使わなくなる

ＧＥコンシューマー・ファイナンスが男性会社員五百人を対象に実施した小遣い調査では、2005年の1カ月の平均小遣いは4万600円。

昨年より2300円増えたとはいえ、1979年の調査開始以来、過去6番目の低水準にとどまっています。

5万―6万円台を維持していた90年代とは様変わり。50代の7割は生活に厳しさを感じているという。

「貧すれば鈍する」。こんなことわざが現実にならなければよいのですが。

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