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「縁」に良い、悪いはない。次の瞬間に何が起こるか誰も分からない。

カテゴリ： ◎ふと思いついたこと。

どれほど医学・医療が進んでも人間の死亡率は完全百パーセントである。

仮に医学が進んだとしても８０才の寿命が９０才に延びるだけのことです。

誰しも、何時かはあちらの世界へと行かなければならない運命にあるのです。

この世は常識の世界、日常の世界、平凡な世界です。

ここでは必ず死ななくてはならないという有限性と、いつ死ぬかわからないという危機性を超えることはできない。

たとえ地位や名誉や財産があろうが、悟りを開こうが一パーセントの例外も、いかなる特権階級も認めないのがこの世の習いだと思う。

となると、この世に生きるものはすべて次の瞬間に何が起こるかわからない。

自分がこれからどうなるのかわからない。

早い話が「この世では絶対大丈夫なものなんてない」というのが現実の考え方だと思います。

そうすると、必ず「どうして絶対大丈夫なものなんてないのだ？」と言う人がいます。

そこで、その理由ですが、「縁」という力が働くからだと答えておこう。

縁起が良いとか悪いとかいう時の縁である。

実際に、縁そのものにはいい悪いなんてないのですが、しいていえば人間のつごうで「いい縁・悪い縁」と区別しているだけであると思います。

縁とは、早い話が「自分の意志と努力では到底及ばないところで決定される条件」のことだと考えます。

例えば「縁は異なもの味なもの」という場合を考えていただきたい。

初めから「出会いたい出会いたい」と思っていても実際に出会うことは少ないと思う。

何かのきっかけで出会い、それが一生を決定するということだってある。

あなたのお連れ合いはどうでしたか？

「あなたと私は目に見えない糸で結ばれていたのね……」なんて語り合ったことがあるのではないか。

これは自分の意志と努力では到底及ばないところで決定された条件だが、当事者にとっては「良い縁」ということになる。

例えば阪神大震災は未明の五時四十六分に襲ってきたが、時間が時間である。

まだ誰もがぐっすり眠っているか、眠くてかなわない時間だったと思う。

世の中が騒々しくなって、中には腹立ちまぎれにぼやいた人があるかもしれない。

「ちょっと静かにしてくれないか。もう少し寝かせてくれよ……」と。

しかし、「そうはさせまいという力」が地の底から湧いてきて六千人余の人々が亡くなられたのである。

人間の意志や努力にはお構いなしに働く力を「縁」というのである。これは人間にとって「悪い縁」ということになる。

とにかく人生は「自分の意志と努力では到底及ばないところで決定される条件「縁」によって大きく左右されるものである。

この世に存在するものはすべて、次に何が起るかわからない、自分がこれからどうなるのかわからない。

早い話が「この世で絶対大丈夫なものなんてない」と言うことを理解しなければならないと思う。

初詣で今年一年間幸せであるようにと願い、その帰路に交通事故を起こし亡くなる方も毎年多数おられます。

もちろん「悪い縁」と言う事になりますが、とにかく数秒先の自分が分からないのです。
出来ることなら「良い縁」であってほしいと願うばかりです。