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東京都中央区の築地市場で5日、新春恒例の水産物や青果の初競りがあった。マグロの競りでは1キロあたり7万5千円の最高値がついた。
昨年に引き続き香港のすし店経営者と、「日本の意地を見せた」という東京・銀座のすしの老舗が共同で購入。不況も吹き飛ばすご祝儀相場となった。
この日のマグロの競り場には、メキシコやインドなど世界各国、長崎や千葉といった国内の漁港からの約3千匹が並んだ。ただ、高級品といわれる青森県大間産の生鮮マグロは、昨年暮れから海が荒れた影響で3匹と入荷が少なかった。
最高値がついたのはそのうちの1匹。重さ128キロ、1匹で960万円となった。日本にも支店をもつ香港のすし店が「昨年も一番高いのを競り落とした。
験担ぎ。店のいい宣伝になるし、ぜひ今年も」と乗り出せば、世界的なレストランガイドにも掲載された「銀座 久兵衛」も「香港ばかりに持っていかれないように」と参戦。
事前に両者からの依頼を受けていた仲卸業者が「無事に」競り落とし、半分ずつに分けることで落ち着いた。
久兵衛の主人、今田洋輔さん「無駄なけんかをする必要もないんでね」と、手に入れた巨大マグロの前で香港の「同志」と一緒に写真におさまった。通常だと1キロあたり1万円台とみられるが、「初競りは違うもの。不景気で店の売り上げも多少落ちているけど、これでふっしょくしたい」と景気がいい。
市場関係者によると、昨年後半からの金融危機の影響は、まだ市場にはあまり出ておらず、昨年暮れのマグロの価格も平年並みだったという。しかし仲卸業者の一人は「ジリジリと社会不安の影響が出てくるんじゃないか。昨年よりも今年のほうが大変そう」と心配そうだ。
朝5時過ぎからのマグロの初競り開始前にあいさつした卸売り大手の伊藤裕康・中央魚類社長は「国家の混沌(こん・とん)とした経済の中で、魚の安定供給をはかっていくという私たち市場の大事な使命を果たしていかなくてはならない」と話していた