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虫歯の予防に欠かせない歯磨きなのだが「ジュースを飲むと歯が溶ける」などたびたび耳にする歯の情報」では、「歯磨きは食後すぐに」と教わった人が多いはずだが食後すぐに歯を磨くと歯にダメージを与えるという文献もあるという。虫歯予防のためには食べたら食べカスを取り除くのが重要なのは間違いないのだが、食後すぐに歯を磨くと歯の表面を溶かしてしまうこともあるということのようなのだ。それは砂糖の入った食事や酸性のものなどを食べると口の中が酸性になるが、虫歯菌は砂糖を摂取すると酸を産生するからだという。そうすると歯が脱灰といって表面が目に見えない程度溶けたような状態になり、その状態で歯を磨くと歯の表面の組織が壊されてしまうために食後すぐの歯磨きはよくないとされているそうなのだ。 まず「pH」というのは液体が酸性かアルカリ性かを示す数値なのだが、この「pH」の値が大きいとアルカリ性で値が小さいと酸性が強くなり、ジュース類のほとんどが酸性でコーラはpH2.2だしスポーツ飲料はpH3.8くらいとされている。口内は平常時にpH7の中性に保たれていて、飲食を始めるとpHの低い食べ物を口にするため口内のpHが低くなるという。そうすると虫歯菌が飲食物に含まれる糖を分解して酸を作り出し、その酸によって歯の表面のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出すが、この一連の現象を「脱灰」と呼ぶという。唾液が食後30分~1時間かけて口内のpHの値を中性に戻していき、そうすると溶けだしたリンやカルシウムが歯に戻るのだがこれを「再石灰化」と呼び、この2つのバランスが口内では保たれているという。口内が酸性に傾く時間が長いと歯が溶けるというのが正確で、口の中に酸性の飲料を含んだ場合はコーラなどの炭酸飲料やワイン・酢を使った飲み物だけでなく、レモンやオレンジなどの柑橘系の果物などをとった後はすぐに磨かない方が良いという。ビール・梅酒・スポーツドリンクも酸性なのだがこのときは食後に水で軽く口をゆすぐだけにしておいて30分程経ってから歯を磨くとよいという。「脱灰」という歯の酸性化現象は唾液の緩衝作用で個人差もあるが、およそ30分後にはおこるというのでそれ以降に歯ブラシをするのが良いという。逆に酸性ではない飲料としてはお茶・牛乳・お水などなのだが、食後30分で再石灰化をすると表面が元の状態に戻るそうなので、その状態にもどってから歯磨きを行うのがベストだという。 文部科学省の「学校保健統計調査」によると、12歳の「永久歯の一人当たりの平均むし歯等数」は0.63本と少ないのだが、中学生・高校生・大学生・社会人と生活スタイルの変化に伴って食習慣が不規則になることなどによりむし歯が増える傾向になるという。食後30分から1時間たってチョコレートを食べるのは、せっかく中性に戻った口内のpHを、また低くする行為となるため、むし歯になりやすい環境を2度作ってしまうという。昼食後すぐにチョコレートを食べれば口内のpHを低くするのは1度で済むことから、食べる回数を増やさずに甘いものを楽しむのが良いそうなのだ。食べた後は食べかすが口内に残っている場合は、食後は水で軽く口をゆすぐだけにしておいて30分程経ってから歯を磨くのがよいそうなのだ。 口周りの筋力が弱い「ぽかん口」の子も増えてきているそうで、口の筋肉の虚弱を「オーラルフレイル」と呼ぶが、これは本来高齢者に見られる問題だという。口の筋肉が幼いころに鍛えられてお年寄りになったら徐々に落ちていくのが自然現象なのだが、これが今は幼いころに口の筋肉が鍛えられない「口腔機能発達不全症」という問題に発展しているという。かむ習慣をきちんとつけることはあごや口周りの筋肉を成長させ、機能的な歯並びへと育つ大きなポイントとなっているため、よくかんでゆっくり食べることによる健康面での効果も大きいという。また人はものをかむことで唾液を出すのだが唾液にはさまざまな効果があって、胃の消化を助けるだけでなく口の中のpHを中性に戻したり細菌の繁殖を抑えたりしているという。
2023年04月30日
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我々高齢者から見ると一つ下の年代となる「おじさん」はよく叩かれているそうで、高給取りのくせに仕事の手を抜く「働かないおじさん」だけでなく、LINEのメッセージで絵文字を多用する「おじさん構文」にインスタグラムで高級な食事や時計・車などの写真を載せて自慢ばかりする「おじさん投稿」などは、若者たちから「臭い」とか「キモい」とか言われがちだという。大妻女子大学社会学専攻准教授で男性学をテーマに研究をする田中俊之氏によると、「おじさん叩きにおいて、昨今、行き過ぎだと感じるのは容姿への中傷です。腹が出ている。ハゲもダメ、逆に毛深くてもキモい。臭い。消臭剤のCMでも特に中年以上の男性が忌み嫌われる匂いの発生源として描かれるケースがあります。これが女性だったとしたら大炎上です」という。 なぜおじさん叩きは起こるのかということを田中俊之教授は「社会が不安定になると、不満のはけ口として何かを叩くというのは昔から繰り返されています。例えば2000年代はニート、もっと最近では生活保護受給者がその対象になっていました」という。確かに悪者にされていたフリーターやニートの増加は若者の勤労意欲の低下に原因が求められ、堕落した若者像に「ゆとり教育」という言葉がさらなる根拠を与え「すっかり若者はダメになってしまった。若者が意欲を取り戻し、日本がまだ貧しかったあの頃のように、額に汗をかいて懸命に働けば日本は良くなる」といった風潮が巷では溢れていた。しかし若者は働かないのではなく雇う側の企業の都合で正社員として働けなくなっていることが原因だと明らかになると下火になったという。 公務員や生活保護受給者がそうした「こいつらさえいなくなれば社会はよくなる」存在として設定されたこともあったとされているが、現代の日本社会はまるで常に「想像上の敵」を必要としているそうで、今日の日本で若者や公務員・生活保護受給者に代わって不満のはけ口として生贄になっているのが「おじさん」なのではないだろうかということのようで、とりわけ「中高年男性が問題だ。奴らが日本経済の足を引っ張っている。おじさんを叩け、そうすれば日本は良くなるはずだ」と、目の敵のように一連の批判の対象が今はおじさんになっているのだという。そしておじさんへのネガティブなイメージが広まった一因として、情報収集の仕方が劇的に変わってきていることが挙げられるそうなのだ。 特に「おじさんは社会的強者、だから強い者を叩くのは正義である」と主張するが、おじさん叩きが止まない最大の理由だと大妻女子大学社会学専攻准教授で男性学をテーマに研究をする田中俊之氏は説明している。そのうえで「ニートや生活保護受給者が働かない、働けない理由はさまざま。そもそも社会的弱者であるから叩いていいはずがない。しかし、おじさんは違う。大した仕事をせずとも地位にあぐらをかいて、高い給料をもらい続けている。その分、割りを食っているのが女性であり、若者だと、多くの人が捉えています。おじさんが叩かれやすいのは、不祥事を起こした公務員や銀行員が叩かれるのと似た現象といえますね」というのだが、非正規雇用者も増え明日の生活に不安を抱えている中高年男性は少なくないという。 人は年をとれば少し太ったということだけではなく、髪が薄くなったりするもので体臭も自然にあるものだが、高級品を身にまとい金銭的な余裕があってパパ活で若い世代と触れ合う機会を持つようなおじさんは実は多くないのだという。「私が懸念するのは、おじさん叩きによって、どこにでもいるようなおじさんや社会的弱者のおじさんが委縮してしまい、日本の社会全体が活気を失ってしまうこと。清潔な若い男性との対比でおじさんが不潔な存在として扱われることも。おじさんが生きづらい時代ですよ」と田中俊之氏は語っている。「平凡」なサラリーマンを揶揄する言葉の定番である「社畜」が登場したそうなのだが、このような「レッテル貼り」によって本質が見えなくなるというが、おじさん叩きはその象徴ともいえる問題だという。
2023年04月29日
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新型コロナ対策としてのマスクの着用が「個人の判断」に委ねられているが、今年の4月からは学校教育の現場でマスクの着用を求めないとなっており、いよいよ5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけがインフルエンザなどと同じ「5類」に移行する。着々と日本社会が「ウィズコロナ」へ向かう中で、すでに「人手不足」はコロナ禍から顕在化していたという。日本中で人手不足だと言われてずいぶん経つわけだが、その状況は改善するどころか悪化しているようにも思われていて、特に物流業界ではトラック運転手の時間外労働の上限規制が来年の4月から適用されることもあって深刻な事態が予想されている。また飲食や小売も時間外労働の割増賃金を中小零細企業にも適用する労働基準法が改正されたそうなのだ。 日本の人手不足は少子化もあって年々深刻化しており、さまざまな業界で対策を講じる必要がでてきているが、背景には少子高齢化や団塊世代の一斉退職だけでなく、非正規雇用の待遇の低さなど問題があるという。また終身雇用が当たり前だった時代とは異なり転職を繰り返す人も増えており、そのため国を挙げて働き方改革や少子化対策に力を入れていくことが必要とされている。そのうえ新型コロナウイルスが感染拡大した2020年以降は、緊急事態宣言などを受けて非正規社員を解雇した結果、経済活動を再開しても人手が元に戻らず痛手を負っている企業も少なくないのが実情だそうで、人手不足が原因で起こりうる問題としてまず挙げられるのは企業が廃業・倒産となる可能性が高くなるということのようなのだ。 特殊輸送サービスに携わるベテランドライバーは「会社や人にもよるが、これからドライバーの争奪戦が始まると思う。いまだに『代わりはいくらでもいる』とは時代の流れのわかっていない会社や経営者だと思う」というように、以前からこの物流・運送業界をむしばむ倫理の欠如として「代わりはいくらでもいる」を問題にされてきたが、これまでこの業界では「代わりはいくらでもいる」から「低賃金で運べ」・「重労働でも文句を言うな」・「タダ働きでサービスしろ」がまかり通ってきたという。それは他の業界でも数多く見られる日本の病理でもあって、それまで「低賃金で運べ」・「重労働でも文句を言うな」などいった荷主や経営者に個人客の無茶振りが通用しなくなるとされており、実効性はともかくすでに社会問題化しているという。 沖縄県宮古島市の食肉センターでは牛や馬の処理だけでなく出荷ができない状態が続いているそうだが、そのきっかけはセンターで唯一大型家畜を処理できる技術をもった嘱託職員が退職してしまったことにあるという。非正規ということで契約更新だったが更新でボーナス無しの新契約となることに対して職員は契約を更新せず退職を選んだという。これによりセンターの機能は麻痺しセンターの職員を改めて教育し技術を習得させるとしたが、それがいつになるかはわからない状態だと報じられている。オンリーワンの技術者を非正規でそれもボーナスなしに契約更新してくれとは事情はともかく虫のいい話と思えてしまう。つまり「代わりはいくらでもいる」と高をくくっていたのか知らないがトラック業界もそうなりかねないというのだ。 宅配便ドライバーは「一度痛い目に遭えばいいとすら思う。それほど物流の現場は厳しい。命を削るような運転を日々させられるのに見合わない。仕事がきちんと評価される、対価がきちんと支払われる。それは当たり前の話だ。ミスや遅れは逃さず厳罰なのに、自分に都合のいいことは安く済ませる、ひどいとタダ働き、それが日本の物流の現場だ」と語っているが、少子化と価値観の多様化は昭和や平成のような「代わりが誰でもいる」と言って若者を集めるには難しくなっている。それがわからない古い価値観の経営者や荷主に客は同じような目に遭うかもしれないという。人手不足は中小企業になるほど深刻な問題となっていて、地方では有効求人倍率があがっているにも関わらず雇用に結びつきにくいという状況だという。 低賃金であることが雇用希望者の低下につながっていることを考えると、賃金などの労働条件を改善することがまずは大事になってきており、政府は最低賃金の引き上げに躍起になっているが業界によっては「賃金を上げても集まらない」ケースも見受けられるという。そのうえで賃金だけでなく福利厚生も充実させて労働者の生活をサポートする姿勢を示すことで、他社と比較して人材を確保しやすくなることが期待できるという。大手はそれぞれにパートやアルバイトを囲い込むために必死で、コロナ禍を乗り越えると次は労働者の奪い合いだという。以前のような「代わりはいくらでもいる」という価値観はもはや通用しない時代になろうとしており、新卒や非正規を使い潰してきた「失われた30年」の日本とは明らかに変わろうとしているのだという。
2023年04月28日
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睡眠教育に取り組んでいる木田哲生氏によると睡眠面談で「毎日しっかり眠れていますか」と尋ねると、「まあまあ、普通に眠れています」という言葉がよく返ってくるというが、「昨夜は何時に寝ましたか」と重ねて訊くと、「何時頃だったと思うけど」とか「スマホを見ながらいつのまにか寝落ちしてしまったのでわからないです」などと返事は曖昧になるという。それでも多くの人は「でも大丈夫、仕事はできていますから」というのだが、毎日忙しいこともあってそんなものだと思っているようなのだが、脳の働きは決して「大丈夫」ではないという。睡眠と脳の働きに関して、ペンシルベニア大学などの研究チームが行った実験では、「6時間睡眠を2週間続けると、集中力や注意力は2日間徹夜した状態とほぼ同じレベルまで衰える」という。 2日間も徹夜した人は「自分は徹夜したから頭が働かない」と自覚でき、徹夜などによる短期的な睡眠不足には誰でも対処しようとするのだが、1日6時間睡眠を2週間続けた人は頭が働いていないことを自覚できず、むしろ「普通に頭は働いている」と感じてしまうという。ちなみに徹夜した人の脳の働きは酎ハイを7~8杯飲んで酔った状態だといわれており、2日間の徹夜となるとそれ以上の酩酊状態になっているというのだ。つまり6時間睡眠を2週間続けている人は毎日酔っぱらった状態のような脳で、しかもそれに気づくことなく仕事だけでなく勉強や社会的な活動などをこなしているわけだというのだ。睡眠不足による体の異常は察知しやすいのだが、脳への影響はそれだけ自覚しがたいということだという。 短期的な睡眠不足には気づきやすいのだが中長期に及ぶ慢性的な睡眠不足には気づきにくいもので、そのため集中力が低下している状態にも気づきにくくそのまま仕事や作業を続けているとミスやヒヤリハットが発生しやすくなるという。やり直すチャンスがあるならば挽回もできるのだが、とり返しのつかない事故を招いてしまうようなケースも実際には起こっているという。睡眠不足による脳のパフォーマンスダウンを自覚できないことはとてもリスキーなのだという。集中力は仕事や学業で結果を出すために欠かせないものだとされており、パフォーマンスが高い人のことを「あの人は集中力がある」という言い方をするが、集中力とは生まれつきの能力のようにとらえられている面があるのではないというがそうとは言い切れないという。 会社に着いた時点でもう眠いという経験がある人は明らかに睡眠不足が慢性化している証拠だそうで、そのような状態で仕事に打ち込んでも集中力不足で本来の力を発揮するのは難しいという。そこで実践したい最初のアクションは「睡眠不足をチェックする」ことで、慢性化すると気づきにくい睡眠不足なのだが昼間の生活から寝不足のサインをチェックできるという。たとえば「朝起きてから4時間後に眠気がある」に当てはまる人はかなりの睡眠不足と考えられ、一般的に起床の4時間後というのは強く覚醒している時間帯だからだという。おそらく朝の目覚めがスッキリしない状態のまま仕事や作業に取り組むため午前中の頭の働きに支障があるうえ、「昼間にだるさ、しんどさを感じ」やすくなるそうなのだ。 そうなると「電車や車の中で居眠りをする」といったことも日常化してしまい、この「電車や車の中で居眠りをする」は国際的な眠気尺度であるエプワース眠気尺度の一つで、「座って人と話していると眠気がある」とか「座ってテレビを見ていると眠気がある」などもチェックポイントになるそうなのだ。そして「休みの日に普段より2時間以上長く寝る」が習慣になると、睡眠にとってたいせつな「リズム」が狂いさらに睡眠不足の悪循環に陥ってしまうという。「たかが睡眠不足」が慢性的な集中力不足を招いてしまい、それは集中力だけにとどまらず脳の働き全体の低下につながっていくという。ただしよい睡眠習慣をつけるのは実は意外に簡単で、誰でもすぐに実践できしかも効果を発揮する方法があるのだが、それは「睡眠を記録すること」だという。
2023年04月27日
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ダイエット中だからといって朝ごはんを抜くことはおすすめできないそうで、人間の体内時計は約25時間周期で1日24時間サイクルとは誤差があるにもかかわらず、体中の体内時計がてんでバラバラにならないのは主時計がしっかりと末梢時計を束ね、オーケストラの指揮者のようにリズムをリードしているためだという。体内時計のしくみは多くの生物がもっているが主時計が指揮者のように全体を統制するのは哺乳類の特徴だという。主時計が末梢神経をリードし全体としてリズムよくきれいなハーモニーを奏でられている状態を保つからこそ、体中の臓器がリズムよく動き出し健康を維持できるのだそうで、このズレを調整するのが太陽の光と朝ごはんなのだが、「早起き」の光の刺激と「朝ごはん」の朝食の刺激が大切なのだという。 朝目で覚めたら太陽の光を浴びしっかり朝ごはんを食べることで体内時計がリセットされ、1日のサイクルが整うことでダイエットにつながるさまざまなメリットが生まれるのだが、光は主時計を動かすのに最も重要な刺激で、朝に太陽の光を浴びると光が網膜から視神経を通して視交叉上核に届き、その刺激が体内時計を前へ動かして外界とリズムを合わせることができるといわれている。朝食は末梢時計のなかでも代謝にかかわる肝臓などの末梢時計を動かすのだが、これ以外に運動や温度なども体内時計を動かす作用があることがわかっている。最も基本的なものは一日の始まりに浴びる光と朝食であることは間違いなく、文部科学省は子供たちの生活リズムの向上を図るため「早寝早起き朝ごはん」という運動をしているという。 朝食はおもに肝臓にある抹消時計をスタートさせる働きがあって、抹消時計がリズムよく働き代謝にかかわるしくみが効率的に働き出すことによって、日中の活動期は太りにくいメタボになりにくい状態をつくりだすそうなのだ。つまり体がもっている働きを目覚めさせ十分に発揮させるきっかけをつくっているのが朝食と言っていいそうで、朝ごはんを抜いてしまうと体温が上がりにくく昼食・夕食後も代謝が低い状態が続きダイエットにはマイナスになるという。食べながらうっすらと汗ばんでくることがあることを経験している人も多いのだが、特に香辛料の利いた辛いものや温かいものを食べると体がポカポカしてくるが、これは食事をとったときにエネルギーが燃やされて体温が上がる「食事誘発性熱産生」というしくみによるものだという。 朝食ではこの代謝の働きがダイナミックに起こることが実験で確認されていて、人が消費するエネルギーは運動によるエネルギー消費が30%程度で、呼吸や内臓など生命維持のために消費する「基礎代謝」が60%といわれているが、「食事誘発性熱産生」は残りの10%を占めているという。この熱産生は同じ食事内容でも夕食でとったときより朝食のほうが大きいことがわかっていて、熱産生はタンパク質をとったときがいちばん大きく次に糖質で、脂質はあまり体温を上げないという。朝食にタンパク質や糖質をとるとそれだけで体温が上がり、エネルギーを消費するということなのだが、就寝中に低下した体温を上げるため季節を問わず朝ごはんには温かい物をとるべきで、冷たい物は消化器の負担となり胃もたれなどの原因にもなるという。 食事をとったあとの血糖値についても朝食・昼食・夕食で違いがあって、血糖値が高まりにくくすぐに戻りやすいのは朝食で、次いで昼食に夕食の順になるという。朝食ではインスリンが効率的に効くので血糖値が速やかに戻るのだが、夕食では睡眠を促すメラトニンの影響でインスリンの効きが悪くなり、そのうえたくさん食べてしまうと高血糖の状態が続き、これがインスリンによって脂肪に変えられ肥満の原因になっていくという。一般に血圧は朝上がり夜になると下がるとされていて、朝に血圧が上がるのは活動を高めるための体の作用で、朝食をとると血圧は下がるという。ところが朝食をとらないと空腹によるストレスも加わって血圧はより高くなり、日常的に朝食をとらない人は高血圧になりやすい傾向があるということだという。
2023年04月26日
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中国か2年前に輸入禁止の措置を受けた台湾産パイナップルの日本向け輸出量が、この2年間で8倍以上に急増したことがわかったそうで、台湾の貿易業者らは蔡英文政権による輸送費への補助により、日本市場での価格競争力が得られた結果と分析しているという。台湾側の統計によると中国の禁輸前に台湾産パインの中国向け輸出は約4万2千トンで、日本向けは約2千トンだったのだが、中国による禁輸を受けた後には中国向けが約4千トンに急減する一方で日本向けは約1万8千トンに急増している。昨年も中国向けが約400トンだが日本向けは約1万7500トンで最大の輸出先になったという。台湾南部・高雄市でパイン農家の協同組合を率いる張清泉さんは「日本には、とても感謝している」と真剣な表情で語っている。 日本向けの出荷作業が最終盤を迎えている猛暑のなか組合員たちが大型冷蔵庫から日本語の書かれたパイン入りの段ボール箱をトラックに積み込んでいくが、そうでなければそのパインは行き場を失っていたかも知れないわけで、対日貿易に関わる台湾の貿易会社は取材に「台湾産パインを日本に輸出できたのは、補助金でフィリピン産と価格面で勝負できたためだ。貿易はシビアで輸入側がいつも台湾への温情から買ってくれるわけではない」と話している。中国は台湾産の果物レンブや養殖魚ハタにコーリャン酒など2千品目超の食品などについて害虫や新型コロナウイルスの検出などを理由に禁輸としているが、台湾では中国と距離を置く蔡政権への不満から中国側が政権支持層を揺さぶる狙いだと受け止められている。 組合員の陳冠竹さんがパインの中国への輸出を始めたのは7年前で、「中国とフィリピンによる南シナ海の領有権争いがきっかけだった」いうが、フィリピンは10年前に国連海洋法裁判所に仲裁を提起しており、フィリピンと台湾の統計によるとフィリピンからの対中パイン輸出は仲裁の前後で大きな増減を繰り返していた。これに対し台湾産パインの対中輸出は提訴以降に急上昇し5年前には過去最高の5万トン超に達したという。中国の国有企業などから大量の高値の注文が入ったため陳さんは「台湾の農民を助けるため、台湾産パインを大量購入せよと政府から命じられている。生産量を増やして欲しい」と言われたことを覚えており、中国からの注文に応じるため借金して畑の面積をそれまでの6倍まで拡大したという。 また仲間の農家を説得して計約30人の協同組合をつくっており、組合の耕作規模は計70ヘクタールと台湾でも最大規模だった。その2か月後に輸出の9割以上を占めていた中国が害虫を理由に1日から禁輸措置を決めたという。陳処長は会見で「なんの連絡もなく急にストップされて農民は本当に悩んでいたところスーパーマーケットチェーンの西友が、例年の倍の量を買い付けたり、日本人の間に台湾産パイナップルを買おうという機運が高まったり、西友の店頭に並んだ台湾産パイナップルが1日で完売したり大変世話になった。カナダの華僑団体の呼びかけで、カナダにはじめて輸出されました。とはいえ、中国マーケットから締め出されば、台湾経済への打撃は大きいのも確かです」と語っている。 台湾側は貴重な外貨獲得手段であるフルーツをターゲットにした新たな「制裁」と受け止めたわけなのだが、その背景にあるのは中国による「市場」を人質にして外交圧力をかける手法が、近年繰り返されてきたことがある。中国は今年1月に福建省沖にある台湾の金門島)から国民党の県長らが訪中したのを受け即座に主要産業で公営企業がつくる蒸留酒・コーリャン酒について禁輸を解除したという。国民党は台湾の最大野党で中国との融和を重視しており、中国が輸入を禁じてきた台湾産品は自国でも生産する農水産品や加工食品が中心で、代替調達先の確保が難しい台湾の半導体などは含まれていないという。そしていかに有効的な経済政策を打ち出すかが蔡英文総統率いる台湾政府の腕の見せ所だとちゅうごくnオ
2023年04月25日
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長く同じ会社で働いていた人たちが仕事を辞めた時には大きな変化が起こるというが、収入の額が減少することで不安を感じる人や自分の時間の使い方にとまどう人も多いが、それとは別に明確に意識しづらいのだがもう一つあるのは人とのつながりの変化だという。退職することによって付き合う人も変わるので人との関係を再構築する必要があるのだが、この切り替えがうまくいかないことが多々あるというのだ。特に仕事中心で生きてきたいわば出世争いを勝ち抜いてきた人ほど今までの濃密すぎる仕事上の人間関係が足かせになることが多いという。また「趣味に生きる」とは趣味や特技で自分を活かすことなのだが、子どもの頃から好きだったもの作りや楽器の演奏に剣道や卓球などの趣味を活かしている人は元気に活動しているという。 仕事だけでなく趣味的なもので小さい頃の自分を呼び戻している人も少なくなく、子どもの頃得意だった将棋を70代になって本格的に再開した人もいるそうで、理由を聞くと「将棋の勝負では、こちらが年寄りでも一切容赦がありません。子どもたちも手加減はしてくれない」と語っているという。仕事を辞めると誰も自分に注意やアドバイスをしてくれないし、周囲もやさしくなりすぎて逆に刺激が欲しくなるという。今では将棋センターに通うのが日々の生活の軸になっているそうなのだ。学生時代のバンド仲間と再び音楽活動を始めて楽しみながら孫にもギターを教える人や、剣道5段の腕前を呼び起こして豆剣士を指導する人に、卓球部で活躍した経験をもとに仲間に教えるなど子どもの頃に得意だったことの活かし方は人それぞれだという。 また「学び直し」についても地域の生涯学習センターに行くと仲間もできてイキイキと学んでいる姿が印象的で、学ぶことはコミュニケーションや人とのつながりを得やすい活動であると実感しているそうなのだ。年を経てからでも取り組めることも特長で、居場所を見つけることが人とつながることであり、人とつながることが居場所を見つけることでもあると総括できるという。65歳を超えると朝から夕刻まで週に5日フルタイムで働くことは簡単ではなくなってくるが、仕事だけに生きる趣味だけして過ごすというのではなく週に3日働いて週1日ボランティアをするということや、趣味を活かした活動を週2日とそれにプラスして学びを週1日入れるとか、いくつか組み合わせて充実した時間を過ごすという選択肢もあるという。 「70代になっても週に1日2日は何かに拘束される機会を持つことが必要だ」そうで、お金を稼ぐという目的だけではなく働くことで得られる刺激や出会いが元気の源にもなっていて、定年後の難しいことの一つでもそれまで会社関係中心だった人間関係がなくなるので、新たに頼れる人とのつながりを確保することが必要だという。ここでいう繋がりは人と人との緩やかな相互扶助や互いに精神的なよりどころになる関係という意味で、会社に代わる新たなコミュニティーとでも呼ぶべき存在だという。会社にしか頼れるコミュニティーがないのでそこを離脱すると帰属する共同体を一気に失ってしまう人は多いものだが、新たな人間関係やつながりを構築する時にはできるだけ多層的に帰属する人たちとのつながりをつくりたいものだという。 社会的や経済的にも定年後は自らの属するコミュニティーをどのようにして形成していくかが大きな課題になるのだが、家族や地域といった旧来の共同体のみならずその代替の機能を果たしてきた会社組織も昨今は弱体化しているという。その意味ではこの課題はシニア世代だけが対象ではないとされていて、新たな人間関係やつながりを構築する時にはできるだけ多層的に帰属する人たちとのつながりをつくりたいものだという。どんなに濃密であろうとたった一つだけではそれを失った時に関係がすべて途切れてしまうことにもなりかねず、定年後に行く場所がなくなった人で病気を引き金に「フラフラ、クラクラする」などの不定愁訴が出現する話はよくあるという。こういう人に必要なのは、治療ではなく行く場所ややりたいことだというのだ。
2023年04月24日
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私もそうだが「健康のために何かしていますか」と聞かれて「ウォーキング」と答える人は多いのではないというが、ウォーキングを実践していない人でも「やろうかな」と考えて、医師等からもらったパンフレットでウォーキングの勧めを目にした人も多いという。ところがウォーキングでお馴染みの「一日一万歩」には「運動強度」の概念が入っておらず、人がウォーキングをする場合その強度は個人の最大体力の40%程度であるが、一方で体力向上に必要な運動強度は60%以上で、このレベルで運動すると動悸が起こり息切れも起こる。したがってほとんどの人はこの強度でウォーキングをするのを嫌がるのだが、このレベルの運動を実施しないと体力は向上せずしたがって生活習慣病の症状の顕著な改善効果が得られないというのだ。 体力向上・健康改善には運動習慣の定着が必須であるが、どのような因子がそれにどの程度関与しているのかこれまでほとんど研究されてこなかった。ウォーキングにおける「1日1万歩」は厚生労働省が「300キロカロリーのエネルギーを消費するための身体活動量」の目安として1万歩を提示したのが大きかったのだという。そもそも誰もが1日300キロカロリーのエネルギー消費を目標にすべきなのかという問題があって、この1万歩が多いか少ないかではなく「自分にとって負荷のある」運動をすることが大事なのだという。何歩歩いたかということよりも負荷を考えた歩き方をするほうが大切で、「一日一万歩」を目標にダラダラ歩いてもほとんど効果がないということもわからずこれまで「一日一万歩神話」が信じられてきたというのだ。 医薬品の効能検証では大学病院などの医療機関が舞台となり、さらにその効果も比較的短期間のうちに現れなければ医薬品として承認されない。その一方で機能性食品とよばれるものにはそのような効果検証フィールドは存在せず、その効果も現れるのに数ヵ月はかかるものも多いという。さらに被験者の身体特性・食事・活動量なども結果に影響するし、巷には怪しい機能性食品も多いという。効能検証システムでは治験に参加する人たちの身体特性や、介入中の食事に活動量のモニターができるので目的に最適だという。体力向上はあらゆる加齢性疾患治療の万能薬だとされていて、すでにデンマークのコペンハーゲン大学ではインターバル速歩の糖尿病患者への治療効果の大規模な長期の追跡調査が始まっているという。 糖尿病患者や整形外科患者を対象としたインターバル速歩の治験を開始しているが、有酸素運動とは酸素を消費しながらある程度継続して行う中程度の負荷をかけた運動のことで、ウォーキングやジョギングなどが含まれており、何年か前までは有酸素運動は20分以上続けることで脂肪が燃焼されるようになるといわれていたが今ではこの説は誤りだとされている。20分以上続けなければ脂肪燃焼しないなどということはなく、20分以上継続して行うことにこだわらなくてもたとえば20分間の運動を10分・5分・5分に分けて行っても運動効果は同じだという。また5分の筋トレと10分のウォーキングを組み合わせるなど、より効率よく運動効果を得られるメニューを工夫すれば効果的な運動を時短で行うこともできるという。 ウォーキングの前にアキレス腱伸ばしや肩回りのストレッチをしている人を見かけるがウォーキング前にストレッチをする必要はなく、運動の前になぜ準備運動をするかというと筋肉の温度を上げることで体を動きやすくするためだが、多くの人が準備運動として行っているストレッチは「静的ストレッチ」と呼ばれるものでこれには筋肉を温める効果はないという。ウォーキングはほかの運動と違って開始後すぐに高いパフォーマンスを要求されるわけではないので、静的ストレッチをするよりはゆっくり歩きだして少しずつ体を温めていけばそれ自体が準備運動になるという。ストレッチは準備運動として行うのではなくウォーキングが終わったあとに行い、筋細胞の自己修復を助け運動して緊張状態にある筋肉をほぐすために行うべきだという。
2023年04月23日
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植田和男総裁が率いる日銀の新体制は無難なスタートを切ったが、世界的なインフレ圧力の中、為替市場での円安傾向は続き日銀が金融政策を修正するとの思惑は依然としてくすぶっており、小幅でも利上げが実施された場合「不動産市場には激震が走る」という。国債をはじめとした長期金利は住宅ローンの固定金利を決める指標で、長期金利の変動幅が拡大したことで多くの金融機関が住宅ローンの固定金利を引き上げていくという。日銀総裁が交代した直後に住宅ローンの固定金利や変動金利が上昇するとは考えにくいというが、固定金利はここ1年上昇が続いていて「将来的に日銀が政策修正し長期金利が上昇する可能性がある」という思惑が金利市場に残ることで、結果的に固定金利は上昇基調が続きそうだという。 首都圏の新築マンション平均価格は一昨年には平成のバブル期を超え、昨年には6288万となり2年続けて高値を更新しているというが、今年度に入っても東京オリンピックの選手村跡地である中央区の分譲マンション「晴海フラッグ」の最終販売期の最高倍率が過去に類例のない266倍になるなど、不動産市場は好調に推移しているといわれている。しかしすでに不動産市場には変調が見られるというそうで、関係者は「山手線の各駅から5駅程度離れた、『準都心』と呼ばれる地域の一棟アパート、一棟マンションの価格下落が始まっています」という。アパート、マンションの一棟物件は賃貸経営をするオーナーの投資対象としてこれまで活発に取引されてきたが、昨年後半から取引が成立しにくくなっているという。 関係者も「今年に入ってからの取引事例をみると、昨年比で物件価格は1割程度値下がりしている状況です」というが、変調は投資用物件だけではなくマイホーム購入における住宅ローンの隠れ延滞が増加しているのだという。コロナ禍によって残業の縮小や派遣社員の人員整理などにより収入が減少した世帯ではローン返済に支障が出始めているが、「政府はコロナ禍の景気対策の一環で、ローンの返済が厳しくなった世帯については、例えば、金利分の支払いのみでローンの継続維持を優先するように、金融機関に指導しているようです」という。「日銀が政策金利をわずか0.25%引き上げただけでも、不動産市場には大きな影響が出る」と指摘されるが住宅ローンを変動金利で借りている人が圧倒的に多いからだという。 「一般社団法人・不動産流通経営協会」が毎年実施している「不動産流通業に関する消費者動向調査」によると住宅購入者が利用した変動金利型の住宅ローンは、一貫して増え続け昨年には83.4%にまで上昇している。しかも賃貸経営のための投資用物件についてはほぼ100%が変動金利でローンを組むが頭金を入れないフルローンが基本だとされているが、政策金利が0.25%引き上げられると変動型の金利は0.3~0.5%の引上げ幅が想定されるという。また政策金利の0.25%の利上げで値崩れが始まっている準都心エリアのアパート・マンション等はさらに1割ほど下落するという。さらに植田日銀総裁は年内に0.25%の利上げを2回行なうとの予想されていることから、ローン返済に支障が出るとの予想もなされている。 欧米主要国のインフレはピークを越えた可能性はあるが依然として高水準に留まり、欧米の中央銀行の利上げは当面続く模様だし、下落していた原油価格が再上昇に転じたこともインフレ圧力を強めているという。そうした中で日本だけがマイナス金利を継続することには限界があるという見方だという。そのうえ「食料品の値上げが生活を直撃しているので、それを緩和する利上げは、世論の理解も得やすい」と語られており、政策金利の引き上げを前提としたものだが時期はともかく今後も中長期的に超低金利が続くと考えるのは、楽観的に過ぎると言わざるを得ないという。マイホーム購入を考えている人はまず固定金利型の住宅ローンを検討すべきであり、固定金利での返済がキツいと感じられるようなら購入を控えることも大切だという。
2023年04月22日
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高齢者になると気づかないうちに上がってくるのが血圧と血糖値だといわれるが、これに喫煙を加えた血圧・血糖値・喫煙の3つが最も血管の老化につながり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを上げる要因になるという。特に高血圧と糖尿病は新型コロナの重症化リスクが高い病気ということが知られるようになったことで、血管に注目することは病気予防やアンチエイジングのためにも大切だという。ただし血管に負担をかける高血圧と糖尿病というふたつの病気は自分で予防とコントロールができ、アンチエイジングを専門とする内科医の渡邉美和子医師によると「命にかかわる血管の病気の危険が伴うマイナスの因子が喫煙・高血圧・糖尿病。その次が、脂質代謝異常と内臓脂肪過多で、これらが5大リスクです」と語っている。 その渡邉美和子医師によると「健康診断の結果でBやCの評価は基準がとても曖昧で、医療機関や医師によっても異なるのです。A評価でなくなった段階で悪くなる前に対策をとるべきです」というが、その高血圧の基準は4年前に新しく変わりより厳しい数値になったそうで、これまで血圧が正常と思っていても更年期以降は油断をせずに、定期的に血圧を測定することが大切だという。血圧の数値の目安については常時125/75mmHg以上になると注意が必要になってくるという。また糖尿病は血糖値だけでなく直近1~2ヶ月の血糖値平均である「HbA1c」でも見ることが大事で、内臓脂肪は正確には腹部CTで内臓脂肪面積を測定するが、簡易的に腹囲90センチ以上をメタボ基準BMIが25以上で危険信号とすることが多いという。コレステロールは「LDLコレストロール値÷HDLコレストロール値」のLH比率で考えるそうで、LH比が2未満であることが大切だという。たとえばLDL値が135mg/dl、HDL値が45mg/dlでは「135÷45=3」でLH比は3となり、LDLもHDLも単独で見れば異常値ではないが、LH比でみると動脈硬化が進む可能性がある「リスクあり」の領域となるという。コレステロール値が単独で高い場合でもLD比が2未満でかつ高血圧症・糖尿病・喫煙などのリスクがなければ良いと考える場合もあるそうで、LDL値は140mg/dl以上が病的とされているが、健診では理想値として120mg/dl未満を基準としている施設も多いという。そして更年期世代が血管の老化を予防するためには最もリスクが高い高血圧と糖尿病の対策が大事だという。 血圧は正常高値血圧のときこそ薬なしで生活改善だけで予防でき、正常値に戻せるタイミングで、血圧が常時125/75mmHg以上になってきたらすぐに生活習慣を見直すべきで、最初は自分にとって楽な緩い方法から段々厳しめに生活習慣を見直していき、3か月経っても効果がなければ血圧測定記録を持参して専門医のもとで降圧薬も検討することになるという。血圧が高い状態を放置しておくと体に刷り込まれてしまい戻りにくくなるそうで、生活習慣による改善がダメなら薬を使ってでも早めに正常値を刷り込ませれば薬を止められる場合もあるという。治療が遅れれば遅れるほど薬をやめられる可能性は低くなり薬の数も多くなりがちで、血圧の治療は少しでも早く始め卒業を目指すことが必要だという。 渡邉美和子医師によると「糖尿病は異常値に近づいたら食事と運動が大切で、特に有酸素運動と筋トレ・特に食後1時間以内が有効です。生活習慣をすぐに改善すべきです。血液は1か月で変わります。生活習慣の改善をしながら、月1回の採血を3か月続けると自分の傾向がわかります。生活改善を精一杯やっても、ダメなときに、初めて服薬を開始します。糖尿病も早期であれば、薬を飲み始めたとしても、生活の改善で数値の正常化を維持できれば薬を止められる事も少なくありません。きちんと経過を診てくれる医師にかかることは、大切です」と語っている。健康のためにも血圧は病院と家庭ではどうしても値が変わって出るため、家でも1日の中で時間を変えて測ってみるべきだとアドバイスしている。
2023年04月21日
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私もそうなのだが「年をとっても、認知症にだけはなりたくない」と思っている人が多いというが、精神科医の目からみると高齢者にとって認知症以上に不幸なことがあって、それは「老人性うつ」を患うことだという。医師によると晩年にうつ病になって「何もしない暗い老人」として一生を終えるのが人生最大級の悲劇だという。その医師も「老人性うつにはなりたくない」と語っているのだが、晩年の日々を楽しく穏やかに過ごせるかどうかは老人性うつ病を防げるかどうかにかかっているといっても過言ではないという。つまり体のケアはむろん大事ですが心のケアも忘れないようにしたいもので、「うつ病は心の風邪」という言い回しがあるのだが、これは「うつ病は、風邪をひくくらい、なりやすく、誰もが発症する病気」ということなのだという。 「老人性うつ病」では注意力が散漫になって抑うつ感が強くなって「死にたい」と思うなど悲観的になり、食欲減退や不眠に悩まされることも少なくないという。「老人性うつ病」を発症すると気分が落ち込むがけでなく、注意力が散漫になったり物事への興味や幸福を感じなくなったりやるきが出ないとか食欲が落ち眠れないなどの症状が出るという。記憶力の低下や判断能力がなくなるなどの症状も出るために認知症ととても間違われやすく、認知症では抑うつ症も出ることが度々あるためうつ病だと思って受診をしたら、本当は認知症の症状だったということもあるという。「齢者のうつ病は認知症と間違われることが多く家族や介護している方が気づきにくく時間が経つうちに状態が徐々に悪化してしまうことも多いという。 うつ病が「自殺」という死にいたる病で「うつ病は心のがん」といったほうが正しいとされていて、欧米では自殺者が出ると周辺の人々から生前の様子を聞く「心理学的剖検」が広く行われているそうなのだが、その検証作業によると自殺者の50~80%が「うつ病」だったと診断されているそうなのだ。今の日本にうつ病の人は、どれくらいいるのかというと、厚生労働省の患者調査によると約120万人だがこれはあくまで医者にかかっている人の数だという。国際的にうつ病の有病率は3~5%とされているので、この数字を日本の人口に当てはめると患者数は400~600万人くらいという計算になり、そのほかうつ病とまではいえなくても抑うつ気分の人まで含めると、多くの専門家が人口の10%近くにのぼっているとみているという。 そのうち65歳以上の「老人性うつ」の人数も正確な数字はわからないのだが、人口の約30%が高齢者で高齢者のうつ病発症率が若い人よりも高いことを考え合わせると、全患者の3分の1以上が高齢者であることはほぼ確実だといわれている。「老人性うつ」は「頭痛や立ちくらみ・めまい」・「食欲低下」・「疲れやすい」・「死にたいという悲観的な考え」・「肩こり」・「しびれ」・「耳鳴り」などの様々な症状を訴えることがあるそうなのだが、とりわけ老人性うつは自殺を招きやすいので要注意だという。世界的にみてうつ病患者の自殺率は高齢になるほど上がっていくそうなのだが、医者にかかっている人の自殺者数と精神科医の人数から計算すると、おおむね精神科医は2年に1人くらいは患者に自殺されているという計算になるという。 「老人性うつ」と「認知症」はまったく違う病気なのだが症状には似通った点があり、そのため家族が「認知症だ」と思って高齢者を病院に連れてきたところ、「老人性うつ病」だったということがよくあるという。両者は初期症状がよく似ていて「なんとなく元気がない」・「一日中ボーッとしている」といった症状が似ていることから、医師でさえ見間違えることがあるそうなのだ。残念ながらうつ病が原因で記憶力が低下しているのに、アルツハイマー病の進行をおさえる薬を処方されている高齢者がいるのが現状だという。医師によると「症状は、いつごろからはじまりましたか」と聞いて本人や家族がはっきり答えられるようならうつ病の可能性が大で、つまりうつ病では短い期間にさまざまな症状がいっせいに現れるという。 またうつ病では食欲障害と睡眠障害が同時に生じることが多いそうなのだが、老人性うつと考えられる場合に大切なことはまず本人の様々な体調不良の訴えを認めることだという。本人の話すことなどに否定や反論をしてしまうと本人の抑うつ症状や不安症状が悪化してしまうことがあるそうで、まずは共感してあげるようすると改善にも向かいやすいのだという。そして治療をめぐる最大の違いは「認知症」なら今のところ進行を遅らせることはできても治癒することはできないとされているのだが、「老人性うつ」は適切に治療すればかなりの確率で治る病気だということだという。とりわけ早期に発見し、治療を開始すれば抗うつ薬がよく効くそうで、90%くらいの確率で治る病気だという。
2023年04月20日
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この4月はチャールズ英国王が最初の外交訪問先としてフランスを選びベルサイユ宮殿での晩餐会やシャンゼリゼでの式典も予定されていたが、ホストであるフランスのマクロン大統領だけでなくチャールズ国王までも攻撃すべき特権階級として今起こっているデモ隊の標的にされるのは避けがたく、うっかりすると人気低迷の英王室の廃止運動にまで火がつきかねない勢いであるために、訪仏は中止されドイツが最初の訪問国となったという。ドイツを訪れたチャールズ国王は晩さん会の乾杯前の演説で、ウクライナの「自由と主権を守る」ため英独は「共に立っている」と述べ両国の関係強化を約束したという。晩さん会にはドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領やアンゲラ・メルケル前首相等の高官らが出席したという。 それにしても来年夏にはパリ五輪・パラリンピックが開催されるというのに、フランスは年金制度改革をめぐって反対運動が盛り上がりパリの中心部は大混乱に陥っている。暴徒化したデモ隊と警察隊との衝突が相次ぎごみ収集や焼却場の従業員によるストの影響で街中がゴミだらけになったともいう。ムードとしては1968年の五月革命に匹敵するような勢いで革命前夜という趣だそうだが、それにしても少子高齢化を受け、どこの国でもやっている年金支給開始年齢を2歳だけ上げるという程度のことで革命騒ぎとは穏やかでないという。フランスではミッテラン大統領の下で65歳だった年金支給を60歳からに引き下げているが、若年層の失業を減らすために早期退職を促すのが得策という意味もあったので一応成功したといわれている。 サルコジ政権時代に62歳に引き上げられた年金支給年齢を64歳に引き上げようというのが今回の改革の基本であるが、どうしてフランス人たちがこれほど怒るのかだが、このフランスの騒ぎがもしかすると世界的な大混乱の幕開けかもしれないという。フランスでは1936年に社会党や共産党などの人民戦線内閣が成立し有給休暇の創設や労働時間の短縮を断行したのだが、レジスタンスの余波で左派色が強かった戦後の第四共和政では企業の国有化拡大も行われ、年金制度も中央集権で公的部門の割合が高い国であるから非常に手厚く構築されてきたという。それを無視して今回の改革案には国民の70%が反対し下院に当たる国民議会でも造反で可決されない可能性があったことから強硬に採決したというのだ。 マクロン大統領はその経歴と上から目線の物言いがたたって新型コロナ対策や経済・外交面で実績の割には人気がなく、年金問題では肉体労働者などのつらさが分からないだろうという批判されていたという。それなのに審議を打ち切って「24時間以内に提出された内閣不信任案が可決されない限り法案は成立する」という憲法49条3項の強権措置を発動したので、ますます反対派は抵抗を強めているという状況であるというのだ。この憲法49条3項の強権措置条項は「総論賛成、各論反対」で何も決められないという状況を許さないためのもので、ドゴールの遺産とされる「伝家の宝刀」で歴代大統領はなにかにつけ使ってきたという。ところが今回はやむをえないという演出がうまくいかずとにかく評判が悪いというのだ。 フランス人に限らずヨーロッパの人たちは仕事のなかに人生の価値を見いだす人はあまり多くないとされていて、アフターファイブやバカンスやリタイア後を自分らしく楽しくすごすために仕事は仕方なくしているという。本を読んだり手紙書いたりスポーツしたりしながら時間を過ごすことに無上の喜びを見いだすとされ、働き者のドイツ人にしても「ドイツ人は1カ月をイタリア人として過ごすために、11カ月ドイツ人として働く」といわれるほど休暇が好きだという。勤勉主義の価値観もあるがフランスにはそんなものは似合わないという。そして今回のフランスの騒動は単に年金受給開始年齢を2歳引き上げるというだけの問題ではなく、世界各国が直面する平均寿命問題に人類はどう対応していくのかという重要な問いをはらんでいるというのだ。
2023年04月19日
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社会保障費の負担が増すなかで高齢者の存在に矛先を向ける風潮があって、少子高齢化の進行で年金・介護・医療など社会保障費の負担が重くなっているなか、若者と高齢者の対立をあおる風潮があるといわれている。東京都新宿で「現役世代負担を減らせデモ」と称する街頭活動が行われ「食いつぶされる子どもたちの未来」とか、「働く人から取り放題 社会保険料」などのプラカードを掲げた人たちが現役世代の負担軽減を訴えたそうだが、国民所得に占める税金や社会保険料などの負担割合は47.5%とほぼ半分になっており、世代間格差は埋まらないし目をつぶるのはおかしいという。2年後には団塊の世代が後期高齢者になり現役世代のさらなる負担が懸念されていて、若い人は年金が破綻すると思っているそうなのだ。 高齢者を標的にするのは問題のすり替えだというのに、日本の年金制度が十分でなく持続的でも健全でもないことは事実で、若者の「自分たちは年金がもらえなくなる」という不満や不安は根拠があるとされてきた。しかしその不満のぶつけ先が高齢者になるのは大きな間違いで、若者の不安につけこんで意図的におかしなことを言ってあおる人たちがいるというのだ。ここに至るまでの政策の問題をすべて飛ばして現在の人口構造だけをクローズアップして高齢者を狙い撃ちにするわけなのだが、社会保障制度に対する不信感は高齢者にもあるのだが、高齢者がいるから自分たちの生活が苦しく、日本社会がダメになっているというような非常に短絡的で残酷なことを言ういわゆる「インフルエンサー」たちがいるというのだ。 1人の高齢者を何人かの現役世代で支えている図があるが、高齢者1人あたりの現役世代の人数がどんどん少なくなり将来は大変だというイメージとなっている。図自体は正しいが見過ごされていることがあって、それはAIやロボットのような技術の進歩だという。50年前と比べて高齢者1人あたりの現役世代の数は今よりずっと多かったが、50年前にくらべて生活は明らかに豊かになっている。日本が他の先進国並みに技術が進歩していくのであれば高齢者が増えるスピードを補うことは十分可能で、高齢者を支える人が足りない分はAIやロボットも立って支えているイメージで考えられるという。「高齢者が増えて現役世代の負担が増える」という懸念ばかり言われるが、AIやロボットよってベーシックインカムの時代が来るかもしれないという。 いわゆる「失われた30年」にはなにより普通の労働者の賃金が上がらなかった不満をすべて高齢者のせいにするのは間違っており、トランプ前米大統領を支持した人たちのなかに「移民が自分たちの仕事を奪っている」という主張に近いという。米国の特に中間層の仕事を奪ったのはITの進展で、わかりやすい攻撃の的を探して憎悪をぶつけることの規模はさまざまであっても多くの国で繰り返し起きているというのだ。現役世代には「高齢者は年金をもらいすぎ」と言う人がいるが主要先進国のなかでは日本の年金額は最低レベルなのだ。若い人たちと話していると「高齢者が優遇されている」とよく言うが、気になるのは効率至上主義が見えることで高齢者だけではなく路上生活者らの社会的弱者に対して非常に冷たいことが問題だという。 「新自由主義」という言葉は知らなくても「効率的ではない」と自分が思うものを切り捨て、なぜ自分たちがそうした人たちのために税金を払わなければならないのかという考え方が強い、 このような意味での効率至上主義は経済学にはないという。経済学で言う効率性は幸福をいかに最大化するかということであって、誰かが見捨てられて多大な苦痛を味わうことは経済学的にも正しい行為ではないという。今の若者は成長期のほとんどをデフレ不況下で過ごしていてデフレ不況はその時生まれ育った子どもたちの心にも深い影を落としており、デフレ不況下では自殺率が上がったのだが、自殺まで至らなくとも追いつめられた親のもとで育った子どもたちには生存競争優先、弱い人のことなど切り捨てろという感覚があるように思えるという。 意識調査の国際比較などを見ても日本は「政府が貧しい人たちを助けるべきだ」と考える人の割合が非常に低く米国よりも低いといわれるが、現役世代が減って高齢者が増えるのは直接的には供給が減り需要が増える話なのだが、AIなどの進展次第では供給が増えすぎて需要が追いつかない経済が来る可能性があって、そうなれば消費してくれる高齢者はありがたい存在になるという。働いている人だけではなく消費している人も偉いという考え方に変えないと、社会も経済も回っていかないというわけで、働いていて何かを生みだしている人だけが偉いその人だけが価値があるとみなが思うような社会だと、自身のアイデンティティーが失われることになり、働くことだけが偉いという効率至上主義は社会を荒廃させるものでしかないという。
2023年04月18日
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私が仕事場としていた建設現場では「資材が来ない」・「予算よりも価格が高い」・「人がいない」などの常態化により、工期も「ずれ込む」悪循環が発生しやすい環境となっていることが問題となっているそうで、特に人手不足はかなり深刻で実際の建設現場をみても60歳以上の職人さんだらけとなっているという。県建設業協会の支部会員企業に所属する職員の年代は60代が最多で、全職員に占める60代以上の割合も約40%に達することがアンケート調査で分かったそうなのだ。若者の建設業離れと業界の高齢化が進んでいる現状が浮き彫りになったわけなのだが、支部長は「高齢の職員はあと5~10年で引退する。インフラ整備や市民生活を支える業界の先行きが懸念される」と危機感を示しているという。 アンケート調査は昨年10月に実施したそうで、会員企業の職員数は706人だが現在の在職者数は「充足している」7社に対して「不足している」40社と人手不足の傾向が顕著だという。企業の多くは35歳未満の人材を望んでいるのだが、採用希望条件を見ると求人数は技術者が「経験者」25人に「未経験でも可」23人だし、作業員が「経験者」15人の「未経験でも可」の27人に事務員が「資格者」7人に「資格なしで可」11人となっており、人手不足を反映し各職種とも経験を問わない求人が増加しているという。企業の今後の承継対策を済ませているのは13社に対して済ませていないのは13社で、検討中なのは24社と多くの企業で人材確保だけでなく後継者対策も進んでおらず、組織の存続も不透明な状況となっているという。 建設現場も深刻な人手不足に直面していて建設業で働く外国人も6.2%増の11万6789人に達しており、建設現場では外国人なしでは工事が成り立たなくなっているところもあるという。建設業界で資材高と人手不足が深刻化し暗い影を落としているとされているが、帝国データバンクが実施した調査では昨年度の建設業界での倒産は1291件に上り、低水準が続いた3年前の1167件や一昨年度の1084件から大幅に増加しておりという。単月でも今年3月の155件は約6年半ぶりの高水準となり倒産が急増している現状が明らかになったという。建設業はコロナ禍で商談や工事の遅れが生じ打撃を受けたものの、コロナ融資をはじめとする政府の支援策が機能し倒産件数が過去20年で最少になっていたというのだ。 ロシアによるウクライナ侵攻や円安によって原料価格が高騰し、鉄骨や木材をはじめ様々な建設資材の価格が大幅に上昇しており、物価高が要因の倒産の割合は徐々に拡大し昨年の7月には1割超を占めてしたという。建設業では人手不足も加速していて労働人口の高齢化や比較的低い給与水準に建設業の需要拡大などがネックとなり、建築士や施工管理者などの有資格者が不足しており、昨年度には人手不足倒産全体のうち4件に1件が建設業だったそうなのだ。建設現場では「資材不足と価格高騰」・「人手不足」が常態化しており、結果として工期も「ずれ込む」悪循環に陥る中小零細企業が目立ち業界の倒産率を引き上げているという。また中小零細企業が多くを占める建設業界について厳しい今後の見通しを示している。 帝国データバンクでは「建設業では今後も、国交省直轄工事ではじまった総合評価落札方式の『賃上げ加点』などをはじめ、人手確保目的など内外からの賃上げ圧力に晒される。コロナ禍で多くが導入したゼロゼロ融資の返済もピークを迎えるなか、各種コストの増加分を価格に転嫁する『発言力』に乏しい中小零細規模の建設業を中心に、当面は倒産増加の傾向が続く可能性が高い」と指摘している。中堅の建設企業は地方のインフラを守っているため倒産が多くなれば国土強靭の面でも問題となるといわれており、人口が減少していく日本では建設業界はまず大手建設企業が稼ぐ力を上げ、地方の建設企業に仕事を発注することで中堅の建設企業も稼げるような仕組みづくりが必要だといわれている。
2023年04月17日
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私たちの体力は20歳台をピークとし30歳以降には10歳加齢するごとに5-10%ずつ低下するといわれているが、これは単に運動不足のために起こるのではなく筋肉の萎縮によって引き起こされ「加齢性筋減少症」と呼ばれている。肌にしわがよったり頭の毛が薄くなったりするのと同じ加齢現象なので誰も逃れることができないが、「健康のために何かしていますか」と聞かれて「ウォーキング」と答える人は多いそうで、まだ実践していない人でもやろうかなと考えて健康診断等で貰ったパンフレットでウォーキングの勧めを目にした人も多いという、いざ始めようと思っても「どれくらいの速度で」とか、「どれくらいの頻度で」や「どれくらいの時間行えば」等の疑問を抱いていてなかなか実践できない方が多いのが実情だという。 研究成果をもとにこれらの疑問に明確な答えを示したのが信州大学学術研究院医学系特任教授の能勢博氏で、体力の低下と医療費とが見事に相関することのようで、「疫学」と呼ばれる医療統計学者の間では「この体力低下こそが高血圧・糖尿病などの生活習慣病だけでなく、認知症やうつ病、がんも含めた加齢性疾患の根本的な原因なのではないか」とずいぶん前から考えられていたという。この疑いには長らく証拠が見つかっていなかったのだが、最近の分子生物学の進歩によって「どうもそれが本当らしい」ということが、医師たちの研究も含めて明らかになりつつあるという。もし体力の低下が加齢性疾患の根本原因なら運動処方によって体力を向上させれば、これらの疾患の症状が改善し医療費も削減されるというのだ。 「運動生理学」における体力向上のための運動処方の「国際標準」を紹介すると、「ランニングマシンや自転車エルゴメータなどのマシンを使って個人の体力を精度よく測定する。そして体力の上限の60%以上の強度を持つ運動をそれらのマシンを使って1日30分以上週3日以上実施する。そうすれば遅くとも6ヵ月で体力が10%以上向上しそれに比例して生活習慣病を含むさまざまな加齢性疾患の症状が改善する」というものだという。しかしこの「国際標準」にそった運動方法には問題があって、つまりこの「国際標準」にそったやり方ではお金がかかりすぎるということで、マシンを購入しなければならないしそれを置いておく場所もいる。何より運動トレーニングを指導するスタッフを雇わなければならないのが問題だという。 したがってこの「国際標準」の運動処方を忠実に実施するには、低く見積もっても一人あたりなんと年間30万円もの費用が必要となるというのだ。これでは体力向上の運動処方を一般庶民に普及させることは困難で、安価に簡単で体力向上の運動トレーニングができないかが考えられたという。まず普通歩行以上の速さで歩行した際や坂道・階段など高度差がある場所を歩行した際でもエネルギー消費量が正確に測定できる携帯型カロリー計を開発したそうで、 次にこの装置を用いて中高年を対象に歩行による体力測定をおこなった結果、ほとんどの人において最速で歩行した時のエネルギー消費量と、自転車エルゴメータと呼気ガス分析器を用いて測定したエネルギー消費量とが見事に一致したというのだ。 そして最大体力の70%以上に相当する早歩きと40%程度のゆっくり歩きとを交互に繰り返す「インターバル速歩」を考案したわけだが、なぜ早歩きの後にゆっくり歩きを挟むのかというと、当初「国際標準」にならって1日30分の早歩きだけを指導したところ誰も歩かなかったからで、筋肉痛がおこり息切れがしてしんどいだけという散々の評価だったという。エネルギー消費量を携帯型カロリー計で測定した結果、ほとんどの中高年者が指導通り「インターバル速歩」を1日30分以上の週4日以上5ヵ月間実施すると、その結果5ヵ月間の継続率が95%で体力が最大20%向上し、高血圧・高血糖・肥満などの生活習慣病指標が20%改善しただけでなく、膝痛・腰痛などの症状が50%改善しうつ症状・認知機能も有意に改善したそうなのだ。
2023年04月16日
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トラック運転手の時間外労働の上限規制が来年4月から適用されるのだが、輸送能力が低下し荷物の配送遅れなどの混乱が起きる恐れがあって「2024年問題」と呼ばれている。政府は物流の効率化やトラック運転手の処遇改善に向けた緊急対策の検討をしているが、ドライバーの時間外労働に年960時間の上限が課されるまで残り1年となり、人手不足の深刻化によりモノの移動が滞るとの懸念が高まっているという。解決には荷主企業や消費者の協力も欠かせないのだが、全産業の中でも労働時間が長いとされるトラック運転手の健康や生活向上のため働き方改革を進めるのは当然だが、その上で安定した物流を維持するには事業者だけでなく荷主側の産業界だけでなく消費者や行政をあげての取り組みが欠かせないという。 コロナ過もあってインターネット通販が急拡大し宅配便の取り扱い個数は増加しており、約49億個に達し10年前の約1.5倍に膨らみ物流業界には大きな負担がのしかかっている。慢性的な人手不足でトラック運転手の年間労働時間は全産業の平均よりも約2割長いのに年収は約1割低く、有効求人倍率は全産業平均の2倍に上り業界関係者は「ドライバーが集まらない理由は労働条件の厳しさにある」と指摘している。岸田首相は「何も対策を講じなければ物流が停滞しかねない」として関係閣僚会議の初会合で危機感を訴え、6月上旬をめどに対策をまとめるよう指示したという。政府は荷物の積み降ろしの際にドライバーが待機する時間や納品回数の削減など改善計画の策定を荷主などに義務づけることなどを検討しているという。 長時間労働は長距離輸送のほか荷待ち時間の長さや契約外の荷役作業を強いられやすいといった商慣行による側面も大きいとされ、民間試算によるとトラック運転手の残業規制により全国の荷物総量のうち約28%5年後には約35%が運べなくなるという。農水産物などの食料や日用品に医薬品などが必要な時に入手できなくなる恐れがあるとされていて、人材確保のため物流会社は採用を強化しているが、運転手の求人倍率は2倍前後が続き慢性的に不足しているのが現状だという。一部の事業者は長距離荷物を中継地で別のトラックに移して運ぶなどの対策を始めているが、複数荷主による共同輸送だけでなく鉄道や船など大量輸送手段の活用に、貨客混載も含め効率化へさまざまな知恵と方策を取り入れるべきだという。 法規制による就労時間の減少をドライバー自身にはデメリットとして考えており、下請けや孫請けと連なるトラック運送業界の構造を是正することも課題だという。さらに全体の99%を占める中小事業者が荷主や大手との交渉でガソリン代や人件費の上昇分を運賃に転嫁するのは容易ではなく、国土交通省が「標準的な運賃」を示して価格転嫁を後押ししているが、「賃金は全産業の平均に近づいているとはいえ、まだまだ低い」のが実態だという。一方で宅配便の再配達率は12%程度で引き続き配達現場の重荷になっているが、国土交通省などは「意識醸成の取り組みが十分ではない」として再配達削減のPR活動を強化する方針だという。また荷主企業には物流を管理する役員クラスの責任者を配置させる仕組みを検討しているという。 消費者にもできることがあって、政府は「再配達削減PR月間」を初めて設けたという。宅配便ドライバーが何度も訪問を強いられる再配達は時間と手間がかかり、年間で運転手約6万人分の労働力に相当するという。まとめ買いによる配送回数の削減をはじめ宅配ボックスや玄関前に荷物を置く「置き配」の利用など工夫してもらいたいという。ただし残業規制による収入減で離職が増えるのは望ましくなく、健全な労働環境とともに適正な賃金水準が得られるよう荷主側の協力も必要だという。「2024年問題」まで1年だが運送会社だけでなく荷主や最終消費者である私たち1人1人もあるべき姿を考えていく必要があり、物流業界の問題解決だけでなく個々のドライバーの労働環境の改善にも繋がっていくことが必要だという。
2023年04月15日
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ホットケーキを焼くと表面がきつね色に変わるあのイメージが糖化で、細胞の「おコゲ」とも言われる糖化なのだが、鏡に映る自分の顔を見て肌のくすみやシワ等が気になり始めたら糖化が進んでいるサインだという。糖化は放っておくと老化のスピードを速めるだけでなく病気の原因にもなるが、脳の燃料の1つであるブドウ糖は多くの点でガソリンに似ている。このブドウ糖は私たちが摂取する炭水化物を介して血液中に入り、ブドウ糖による代謝の副産物の1つは「活性酸素」あるいはフリーラジカルと呼ばれる物質だという。こうしたダメージ物質が生まれるのは正常な作用で生きていく上で避けられない側面でもあるが、この有害なフリーラジカルを除去する力があるがフリーラジカルがどんどん増えるとそれを除去しきれなくなるという。 アンチエイジングに詳しいミライメディカルクリニック院長の熊澤浩明医師は糖化のメカニズムや糖化を「糖化とは、糖とたんぱく質に熱が加わって結びつき、見た目が褐色に変わる変化をさします。食事で、ご飯などから炭水化物という糖質をとると、糖質は脂質やたんぱく質とともにエネルギーとして消費されます。ところが、糖質を多くとり過ぎると、エネルギーとして消費しきれず、体内に残ることに。すると、残った糖とたんぱく質が体温によって結びついて糖化し、たんぱく質が劣化。糖化最終生成物という悪玉物質を作り出し、老化を招くことになります」という。食物は糖化することでおいしさが増し有効利用できる糖化なのだが、人間の体内に生じるとさまざまな悪影響を及ぼすことになるそうなのだ。 糖化は血糖値の上昇に比例しておこるため血糖値をコントロールすることが糖化の予防につながるのだが、通常は食事をすると血糖値が上がりそれを感知した脾臓がインスリンと呼ばれるホルモンを分泌することで血糖値が下がるという。これが食事のたびにくり返されるのだが要注意なのは血糖値が乱高下する「血糖値スパイク」だという。スパイクは「とげ」を意味するのだが「血糖値スパイク」はインスリンの分泌が大きく影響しているという。こうした血糖値の乱高下が血管にダメージを与えてしまい、そうなると動脈硬化を引き起こし心筋梗塞や脳卒中による突然死のリスクが高くなると考えられているそうなのだ。この「血糖値スパイク」は健康診断で測る空腹時血糖値の数値には現れないためなかなか発見されないというのだ。 医師によると「食後に血糖値が急上昇した後、急降下する血糖値スパイクをくり返すと、糖化を進めると同時に血管が傷つき、それを修復することで血管の内壁が厚く硬くなり、血管が詰まりやすくなります。血糖値スパイクを防ぐには、食事と食事の間に軽い食事である捕食を挟むのが効果的。例えば、お昼に、パスタとデザートがセットの糖質の高いメニューを食べたとします。すると、食後に血糖値が急上昇し、夕方頃に血糖値が急降下し、頭がボーッとしたり寂しい気持ちになったりするなど、低血糖の症状が現れやすくなります。そういう場合は、昼食と夕食の間の3時頃に、黒豆やアーモンドなどのナッツ類、アミノ酸のサプリメントを摂取すると血糖値の急降下が緩やかになり、血糖値スパイクを防ぐことができます」と語っている。 また食事の食べる順番も「血糖値スパイク」を防ぐ重要なポイントだそうで、「食事は、主食からではなく、副菜から食べることを習慣にしましょう。というのも、ご飯やパンなどの炭水化物を食べる前に、植物繊維が豊富な野菜やキノコ類、たんぱく質が豊富な肉や魚類を食べると、糖質の吸収を抑えることができ、血糖値の急上昇を防ぐことができます。そう考えると、おにぎりだけ、パンだけ、麺類だけ、という糖質のみの食事はできるだけ避け、サラダや卵料理などの副菜をプラスするのが、おすすめですね」とアドバイスしている。また食事に加え運動を心がけることも血糖値のコントロールに役立つそうで、血糖値は食後30分から1時間経つ頃に最も高くなるためそのタイミングで軽く運動をすると血糖値の急下降を軽減しやすくなるという。
2023年04月14日
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私は風呂が好きで旅行などに行くと必ずと言っていいほどホテル等の朝風呂に入ることにしているのだが、血管・血液・心臓などの循環器系の医師によると、お風呂やシャワーで体を温めるから「体によさそう」と思われがちだが、実はその「朝風呂」でかえって心臓に負担をかけてしまっていることがあるというのだ。シャワーも含めた「朝、風呂に入る人」が知らずにいる「健康リスク」とはどのようなことかというと、多くのリスクが考えられるそうなのだが、ひとつめは「油断すると『脱水』・『立ちくらみ』を起こす」ということだという。入浴前と入浴後で注意が必要なのが「水分補給」だそうで、入浴中はかなりの汗をかくのできちんと水分補給をしないと「脱水症状」を起こしてしまうので注意が必要だという。 また「立ちくらみ」は真夏に外出するときなど普段の生活では注意する人も多いのだが、入浴時は意外と見落としがちだそうで、お風呂から上がった瞬間にふっと「立ちくらみ」がしたという経験をされた方も少なくないという。熱いお風呂に入ったり長時間湯船につかったりして血圧が下がった状態で急に立ち上がると脳に十分な血液が行きわたらず、立ちくらみのような状態になるそうなのだ。とくに夏場のお風呂では「脱水」と「立ちくらみ」になりやすいので注意が必要だそうなのだ。これらは「朝風呂」に限ったことではないのだがこれから1日の活動を始めるという朝に体に不調をきたさないよう十分気をつける必要があるため、汗は蒸発する際に体の熱を奪うのでバスローブを着ると汗による湯冷めを防いでくれるという。冬の朝風呂にいえることだが暖かい部屋で起床したあとに寒いお風呂場に行くと血管が萎縮する「ヒートショック」現象が生じることがあり、急に温度が低い場所に行った際に生じるブルっとした体の震えがこの現象に該当し血圧が上昇して心臓に負担をかけているという。「ヒートショック」によって死に至るケースもあるので入浴前に温かい飲み物を飲んだり脱衣所を暖めたりして対策が必要だという。朝風呂に入るならお湯の温度は40℃前後が最適で温度差でヒートショックを引き起こす可能性があるからだという。お風呂に浸かっている時間は5分程度がベターで、あまり長時間入っていると副交感神経が活発になってリラックス状態に陥り眠気を引き起こす可能性があるため、朝の入浴はサッと済ます程度が良いそうなのだ。 そのうえ「空腹時」にお風呂に入ることも「めまい」を引き起こしやすいので危険な行為だとされていて、「空腹時」にお風呂に入ると血圧が下がりやすくなるからだという。「空腹時」は「脱水状態」にもなりやすくなり、血管内を流れる血液の水分量が少なくなることで血管内圧である血圧が低下するという。血圧の低下は体の上に位置する脳への血流不足を招き、この状態は「めまい」だけでなく「失神」も起こしやすいので注意が必要だという。朝から飲酒する人はほとんどいないというのだが、飲酒後の入浴はアルコールには「血管拡張作用」があるため血圧が下がってしまうということで危険な行為だという。「空腹時」や「飲酒直後」の入浴は季節に関係なく注意しなければいけない事項で1年中の注意事項だという。 「血圧を下げてしまう」ということで「朝風呂の入り方」の注意点だったのだが、「血圧の急上昇」も要注意でこれは「ストレス」にもつながり心臓に負担がかかるという。冬の朝の脱衣所や洗い場は寒く「血圧が上昇」しており、続いて熱い湯船に入れば力みと湯の熱さの刺激で「血圧が急上昇」してしまいうという。夏は暑いからと冷たいシャワーを浴びがちだが寒冷刺激は「血圧を急上昇」させやすいので注意が必要だという。「朝風呂」の入り方ひとつで心臓に「やさしく」もなり「大きな負担」にもなるということなので、「朝風呂」の入り方には行動を気をつける必要があるのだが、「血圧の急上昇」は血管と心臓に負荷をかけ、「血圧の過度の低下」は血管内を流れる血液を停滞させ血栓のリスクを高めてしまうので注意が必要だという。
2023年04月13日
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このところ物価高騰が大きな社会問題となりつつあるといわれるが、「値上げの春」を迎え食品や日用品の値上がりがさらに目立つようになっており、今後の物価の見通しを問われたら「当面は物価上昇が続く」と答えておくのが現時点では最も無難な対応ということになるという。厚生労働省が従業員5人以上の事業所3万余りを対象に行っている「毎月勤労統計調査」の速報値によると、物価の変動分を反映したことし2月の実質賃金は去年2月に比べて2.6%減少しているのだが、基本給や残業代などをあわせた働く人1人あたりの現金給与総額は平均で27万1851円と去年2月に比べて1.1%増加はしているのだが、物価の上昇率がこれを上回り実質賃金は11か月連続でマイナスとなっているという。 政府の負担軽減策で電気代などの上昇が抑えられ物価上昇率が鈍化したことから、実質賃金の減少幅はマイナス4.1%だった1月に比べると縮小していて、11カ月連続のマイナスで1年近くも物価高に賃金上昇が追いつかない状況が続いてはいるが、インフレは鈍化傾向が見られ大企業の賃上げも好調でそろそろ実質賃金がプラスに転じてもよさそうだという。ところがそれを拒む現実はいくつもあって、鈍化しつつあるインフレを再燃させそうなのが原油市場の動向だそうで、先物価格は1バレルが60ドル台から80ドル台で推移しており、一部の産油国の減産表明が価格を引き上げているという。米政権は中東への影響力を弱めていてサウジアラビアなど産油国は米国に忖度せず今後も追加減産に踏み切る恐れがあるという。 物価高に追い打ちをかけるように原油価格も上昇しているそうなのだが、石油輸出国機構とロシアなど非加盟の主要産油国から成る「OPECプラス」は、サウジアラビアによる日量50万バレルの減産を含む合計日量100万バレル以上の追加減産を発表している。この予想外の減産を受け世界の原油価格は急上昇したわけなのだが、市場では「年内1バレルが100ドル」との見方が浮上していて、スイスの多国籍投資銀行および金融サービス企業は6月早々に100ドル年末に105ドルに達するとみているという。原油価格が100ドルを超えればエネルギー価格の上昇のほか企業は原油高を理由にさまざまな製品やサービスの値上げに動き、政府の支援策も財源に限界があることから物価高は長期化する可能性が高いという。 食品の値上げも続いているがとりわけ深刻なのは鳥インフルエンザの影響を受ける卵で、「JA全農たまご」によると足元の鶏卵1キロの卸売価格は350円と過去最高値を付けており、原因はこの冬のシーズンにおける鳥インフルの殺処分数は1740万羽と過去最多だし、今月になっても北海道で陽性が確認されるなど今なお感染拡大は続いているからだという。収束の見通しを農林水産省に聞くと「予断を持って申し上げられない。これまでの最も遅い発生は、昨年の5月中旬でした。来季の見通しは何とも言えない。流行するとかしないとかのメカニズムが分かっていないからです」と答えているそうなのだ。そうして養鶏場が正常化されないまま次の流行が来れば卵不足はいっこうに解消されない恐れがあるという。 また大企業は物価に見合う賃上げができたとしても問題は雇用労働者の7割を占める中小企業の賃上げで、日本商工会議所が中小企業約6000社を対象にした調査によると「賃上げを実施予定」と回答したのは約6割で、約4割は賃上げナシだし賃上げ幅も実施すると答えた企業の4割は「2%未満」と物価上昇の幅に追いついていないという。特に昨年度の建設業における倒産は1291件だったそうで、歴史的低水準が続いた昨年度に比べて大幅に増加したほか単月でも今年の3月は155件と、約6年半ぶりに150件を超え急増傾向が鮮明となってきているという。これからも各種コストの増加分を十分に価格へと転嫁することができない中小零細規模の企業を中心に倒産リスクが高まるだろうとの予測もなされているそうなのだ。
2023年04月12日
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まったく実感がないという人も多いことのようなのだが、世間では「賃上げラッシュ」らしいといわれており、岸田政権の「賃上げしましょう」の呼びかけにこぞって大企業等が応えているというわけだという。しかも注目すべきはこの賃上げの動きは物価上昇を価格転嫁しにくい中小企業にまで「波及」をしているという点なのだが、このような話を聞くと「日本中で賃上げと物価高の好循環が生まれて不況から脱出するぞ」と明るい希望を抱いたという人も多いという。今騒がれているような「賃上げラッシュ」では日本の低賃金は解決できないそうで、実はこのようなニュースで語られているトヨタなどという世界的企業や、産業別労働組合があるような大企業というのは日本の全企業の中でわずか0.3%に過ぎず全就業者数でも3割程度だからだという。 ほんの一握りの企業が給料を爆上げしたところで日本人全体の給料が上がるわけがなく、3割の労働者の給料がちょっと増えたところで7割が低賃金のままでは経済の好循環もへったくれもないという。今年の春闘では高水準の回答が続いていて連合が発表した第3回回答集計結果によると定期昇給を含む賃上げ率は平均3.70%で、前年同時期の2.11%を大きく上回り名目賃金に相当する1人当たりの現金給与総額は27万1851円と14カ月連続のプラスだったという。ところが物価高に賃金の伸びが追いつかない状況が続いており、実質賃金の算出に用いられる持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数は3.9%上昇で、エネルギー価格高騰に対する政府支援策が押し下げ要因となったものの物価は高い伸びを維持したままだという。日本銀行は賃金上昇を伴う2%の物価目標の達成には時間を要するとし現行の金融緩和政策を継続する方針だそうで、新しく就任した植田和男日銀総裁は実質賃金が伸び悩む中で金融政策運営の慎重なかじ取りを迫られることになるという。明治安田総合研究所の小玉祐一チーフエコノミストは今年の春闘の結果を受け、4月以降は名目賃金も伸びると予想したうえで「年後半にかけて物価は徐々に落ち着いてくるので、賃金は実質ベースでも安定的にプラス圏に浮上してくる可能性がある」との見方を示している。日銀の金融政策については「金利の期間構造」を分析する際に利用するイールドカーブのゆがみを修正する可能性はあるが「少なくともどんどん引き締めすることはない」とみているそうなのだ。 実は上場企業など大企業はこれまでも着々と賃上げをしてきたのだが、日本の平均年収はこの30年間ほぼ横ばいとなっている。つまり大企業が賃上げをすれば中小企業も賃金が上がるというのは「神話」に過ぎず、「中小企業の6割が賃上げ予定」という調査自体も日本商工会議所の会員である3308社の回答に基づいているのだが、これが日本の中小企業の実態をあまり反映していない恐れがあるという。全国の商工会議所の会員数は123万でこの数には大企業も含まれており、日本商工会議所には全中小企業の3割程度しか加盟していないとされ、そんな少数派の中でわずか3000社程度のアンケートをピックアップしただけで、さも「中小企業全体」が賃上げをしようとしていると触れ回るのは問題だというのだ。 「賃上げラッシュ」がいくら起きて日商が「中小企業の6割が賃上げ予定」というニュースを出しても日本の賃金は何も変わらないようで、そこで気になるのは「じゃあ、どうする」ということなのだが、「賃金を上げられない小さな会社」を賃上げしてもらわないことには日本の賃金はいつまでも経っても上がっていかないので、特効薬は「最低賃金の引き上げ」しかないという。零細企業が成長するための手厚いサポートをしながら最低賃金の引き上げをしていくのだが、「最低賃金を引き上げるな」という大合唱だっだがさすがにそれでは何も変わらないということに多くの経営者が気づき始めたようで、最低賃金を引き上げるのは長期的には中小企業を強く成長させていくという大局的な視点であらためて考えるべきだというこよのようなのだ。
2023年04月11日
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私を含め日本人の多くの高齢者はなにかしらの薬を定期的に飲んでいるとされているが、特別な持病がない人は血圧の薬やコレステロール値を抑える薬などを飲んでいると思われ、処方されるままに1カ月薬を飲んでなくなればまた病院へ行くという具合で看護師さんに呼ばれて診察室に入り丸いすに座り血圧を測られ、医師に「調子はどうですか」と問われると、「いえ、べつに変わりはないです」と答え「そうですか。薬が効いていますね。それでは、いつものように1カ月出しておきます」と、医師はパソコンの画面を見たままで「お大事に」と言われて診察が終了という具合だという。こういった医師ばかりではないが日本では多くの患者を診なくてはならず、医師に話しかけようと思っても遠慮してしまったという人も少なくないという。 心不全・糖尿病・高血圧そして高脂血症をもつ患者が病院へ行くと、まず高脂血症は内分泌代謝内科に行って薬を3種類出され、高血圧も同じく循環器内科で3種類出される。そうして糖尿病もこれまた3種類出され、これに心不全でも薬を出されたらあっという間に10種類を超えてしまうわけだというのだ。薬を毎日10種類も飲むというのは結構なストレスになるのだが、また複数の薬を併用し服薬すると効果が強く出すぎてしまったり、好ましくない症状が出やすくなったりする可能性があるので、飲み合わせには注意が必要なのに無頓着だという。医師が「体にいい薬ですから」という意味は医師が専門にしている臓器にとっていい薬ですという意味だそうで、けっして体全体にとっていいという意味ではないというのだ。 しかも詳しく検査してほしいと言えば「大きな病院の消化器内科で診てもらってください」と別の病院を紹介されてしまうのだが、そういうものだと思っている人は大勢いるとされていて、しかしこれは大きな医療界の問題なのだという。それは日本の医師のほとんどは自分が学んだことがある臓器の専門家にすぎないということで、医師の技量も大事ですが相性も大事だという。必要なのは体全体を診て「これでは薬が多すぎるから、必要なものから5種類選んであげるね」と言ってくれる診療だそうで、これを「総合診療」というそうなのだが残念ながら総合診療をするドクターが未だに日本に根づいていないという。本当なら増えていってほしいのだが今の大学病院の体質では恐ろしいくらい時間がかかりそうだという。 患者の話を聞いてくれる「良い医師」を見つけるには薬について医師と話をしてみることで、高齢者診療の基本は個人に見合った診療をすることなのだが、70歳を超えた高齢者にはとくに必要だという。年をとるほど体の状態や機能は個人差がとても大きくなり、たとえば同じ薬を飲んでも効く人がいるいっぽうでだるさやふらつき・眠気などの症状が出る人もいう。こういった高齢者の個人差が大きいことを知らない医師や患者を観察していない医師にとっては、「正常値」に戻すことが正解だと考えるわけで、こういう医師から処方された薬を飲み続ければ明らかに体がダメージを受けてしまうという。そこで「違った薬に変えてみましょう」と対応してくれるのであれば良い医師なので「かかりつけ医」として長く付き合っていけるという。 病院は具合が悪いから行く場所なのだが、真剣に病状を聞いてくれて気持ちよく話せる医師のほうがいいに決まっていて、病院との相性は待合室に入った瞬間にもわかるものだという。待っている患者さんが明るかったら医師が患者さんとちゃんと向き合っているということで、心理的なケアもしっかりできているから患者さんが明るいのだという。私も在職中は毎年1回健康診断を受けていたのだが、受けないとやいのやいのと催促されていたのだ。退職してもその慣習が体に残っていて年中行事のように年に1回は健康診断を受けている。もっとももともと健康な人を集めた集団検診的な検査は「異常」でも病気ではないそうで、健康診断の数値に一喜一憂するのは「バカらしい」と思えるくらいでちょうどいいということのようなのだ。
2023年04月10日
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アメリカでは公園や海辺など公共の場所での飲酒がより厳しく規制されている都市もあるといわれているが、公共の場所での飲酒が全面的に禁止されていない都市もある。ところが公共の場所での飲酒が許されている地域でも飲酒に関しては日米には開きがあって、日本では昼下がりや夕方にコンビニでビールを買って公園で軽く飲むなど公共の場所での飲酒が日常に組み込まれているが、アメリカではそうした光景は見られないという。これは文化がひと役買っているようで、自分の行動が招いた結果に対して責任を持つということに関しアメリカでは大きな動きが見られ、アメリカ社会で権力と影響力を持ってきた特定の層つまり中流層の白人男性も自分の行動に責任を持つことが求められるようになったかれだという。 酔っても一定の身の安全が保障され守ってもらえる立場にあるのは、山手線で通勤しているような中流層のサラリーマンで、その点を明確にしたうえで言うと日本社会ではハイレベルの治安の良さが一連の飲酒慣行を可能にしていると言えるという。あるいは人前で酩酊したり寝込んだりする人が多いという日本の飲酒慣行ゆえ治安の良さが必要とされ、警察によるしっかりした見回りなどにつながっているという面もありそうだという。ハイレベルの治安の良さが飲酒を助長させているとまでは言わないが治安の良さを当てにし、飲みすぎて車内や公園で寝込んでも大丈夫だと考えるきらいがあるのは確かだろう。つまり治安の良さが飲酒に関する意思決定プロセスや考え方に影響を与えていると言えるかもしれないというのだ。 日本では人前で酩酊したり寝込んだりすることが日常的に起こっていて、金曜日や土曜日の夜ともなると東京など多くの主要都市で人々が泥酔し、人前で酩酊したり寝込んだりするような光景が繰り広げられるが、日本を訪れる外国人の多くもひとたび夜の街に繰り出せば同じように驚くに違いないという。問題はどこまでが正常でどこまでが容認されるべきなのかという人々の見方で、毎晩そうした光景を目にしていたらそれが生活の一部であるかのように思ってしまうそうで、そして何の疑問も持たなくなるという。日本では飲みすぎて駅のホームや居酒屋の店内などを汚しても駅員や店員が掃除をしてくれることが前提になっており、駅などを汚す人が多いのはこうした認識によるところが大きいのではないかという。 公式な数字では確かに日本におけるアルコールの乱用度は低いが、年齢確認の緩さや自販機の存在に公共の場所における飲酒や泥酔への寛容さなど、日本における飲酒と男らしさの結び付きは非常に強固で、日本は「お酒飲みのパラダイス・楽園」だという。特に中流層の男性にとってはハイレベルの治安の良さが、さらなる飲酒を促す結果になっており、日本では飲みに行くからには酔っぱらって大いに楽しみ仲間との絆を深めることを重視するが、長期にわたる深酒が健康に及ぼす影響を人々が十分に認識するようになれば、飲み会を「仕事」の一環として捉えるよう期待する上司などに「ノー」と言いやすくなるそうで、つまり「健康」を不参加の理由に使えるし二日酔いで貴重な時間を無駄にすることも問題だとのいえるという。 日本は世界から見ると飲酒にとても寛容な国だそうで、公の場でも飲酒が許され自動販売機でもお酒が買え、人々が「公の場で泥酔する」ことを前提にしたインフラが築かれているという。そのうえ飲み放題というシステムが本来飲みたい量以上のアルコールを「意図的に」摂取させる構造になっていて、日本の人々が飲み放題に慣れていることも問題だという。飲みすぎて吐いたり翌日に二日酔いに苦しんだりと、飲み放題は短期・長期的なアルコールの過剰摂取を招くとされるが、飲み放題というシステムが根づいてしまった以上変革は至難の業だという。政府は飲酒に関する教育を徹底すべきだというが、アルコールを摂取すると「体がどうなるのか、安全な飲酒量とはどの程度なのか」といった事柄を周知させることが重要だという。
2023年04月09日
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私もそうなのだが「老後2000万円問題」という言葉が聞かれるようになったことで老後の生活に不安を抱く人は多いようで、同時に節約や投資に興味を持ち始めた人も少なくないといわれてきている。もし老後に必要なお金が用意できなければ「老後貧困」になってしまうので、人生の終盤をできるかぎり不自由なく過ごしたいと考えるのは当然のことだという。それでも現役世代は「老後貧困」を避けたいと考えていてもその実態を把握している人はおそらく多くはないといわれている。金融広報中央委員会では「家計の金融行動に関する世論調査」を実施しているのだが、昨年の「家計の金融行動に関する世論調査」結果によると、すべての世帯において金融資産保有額が2000万円以上ある世帯は全体の23.1%となっているどうなのだ。 生活が苦しいと感じるかはその人たちの生活水準にも関係するが、世帯主が60歳代の世帯のうち金融資産保有額が2000万円以上ある世帯は35.7%で、70歳代の世帯では34.5%となっていて60歳以上の世帯ではおよそ30%が2000万円を超える金融資産を持っていることになるという。世帯主が60歳代の世帯のうち金融資産保有額が3000万円を超える世帯は25%なのだが、70歳代の世帯では22.5%となっているそうなのだ。また金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果では単身世帯と2人以上世帯のデータも公表されているのだが、これによると60歳代の単身世帯のうち金融資産保有額が2000万円を超える世帯は33.2%で、70歳代の単身世帯では33.9%となっているそうなのだ。 2人以上世帯については世帯主が60歳代の世帯のうち金融資産保有額が2000万円を超える世帯は36.7%で、同じく70歳代の世帯では34.8%という結果となっている。つまり2人世帯の方がやや金融資産保有額は多いもののそこまで大きな差はないことが分かるという。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」では金融資産保有額の平均と中央値も調査しているのだが、世帯主が60歳代の世帯の金融資産保有額の平均は2217万円で中央値は1112万円となっているが、世帯主が70歳代の世帯の金融資産保有額の平均は2257万円で中央値は1150万円だという。これは一部の富裕層が平均を引き上げているため中央値は平均の半分ほどとなっているそうなのだ。 老後2000万円問題は大まかに表現すると老後に2000万円ほどが必要になるという話なのだが、「国民生活基礎調査の概況」によると、生活意識について、高齢者世帯の21.3%が「大変苦しい」と答えており、「やや苦しい」と答えた高齢者世帯も29.1%いて全体の50.4%つまり半分以上が「苦しい」と感じているのが実情なのだ。「大変苦しい」と回答した割合は前回の調査から1.6ポイント上昇しており、老後貧困といえる高齢者世帯は決して少なくなく多くの人にとって他人事ではないという。世帯主が65歳以上の世帯のうち貯蓄現在高が100万円未満の世帯が8.3%もいるということなのだが、生活水準にもよるが裕福な暮らしをしている高齢者世帯は少数派であり、少なからず老後貧困にあてはまる世帯もあるのが現状だという。 老後貧困を避けるために現役時代から意識して行動するべきなのだが、多くの人が資産を保有したまま老後を迎えるが厚生労働省などの調査によると、生活が苦しいと感じている高齢者世帯は決して少なくないという。老後貧困を避けるためには私のように現役時代からの意識改革と勉強に行動が必要で、老後貧困を避けるためには貯蓄が不可欠だという。そのためにまずは支出を見直し、日々のお金の使い方を改善し少しずつでも貯蓄へと回すことが老後の余裕にもつながるという。家計簿をつけ詳細な支出の把握に努めるのも1つの有効な方法なのだが、支出の見直しや投資などの資産運用だけでなく、本業以外の収入源の確保などを積極的に行うことで老後貧困を避ける可能性を高めることができるという。
2023年04月08日
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タマゴの値上げが止まらないようで、私の住む松山市でも総務省の調べでは10個入り1パックの価格は今年2月までの1年間で右肩上がりとなっていて、今年の2月にはついに300円になったそうなのだ。なぜ今もタマゴが高騰しているのか養鶏農家に聞くと「この1年間エサ代がだんだん上がり倍になりまして、今度のタマゴ価格の上昇で首の皮1枚繋がったという感じです」 と答えているが、その理由のひとつがウクライナ情勢や円安の影響で輸入トウモロコシなどを使うエサ代の高騰だという。1トンあたりのエサ代はこの養鶏農家が養鶏を始めた5年前に比べ倍以上になって10万円台まで上昇したという。そして先月時点でエサ代だけで月に1700万円ほどかかっていると明かしているそうなのだ。 さらに養鶏業界ならではの理由もあって「毎年12月に上がって1月に暴落するというサイクルなのです。この1月に暴落しなかったということですね」というとおりタマゴは毎年クリスマスや忘年会などで需要が高まる12月に値上がりするが、ただ今年の1月は例年のように価格が下がらなかったという。その背景にあるのがおととしと去年と各地で発生した鳥インフルエンザで養鶏場では殺処分が行われたため供給量が大きく減っているという。養鶏農家は「みなさん苦しいとは思いますけど、ある程度の価格はいただきたい。やっぱり会社としても継続することが大事なので、末長くお付き合いしたい」というが、ニワトリの数が殺処分前の元通りになるまで1~2年ほどこの状況は続くのではないかとみられているそうなのだ。 アメリカ最大手の鶏卵生産者「カル・メイン・フーズ」が決算を発表しているのだが、スーパーで販売されている卵の価格が高騰していることから売上高が前年より2倍となり利益は大幅増で8倍になっているという。卵価格の高騰の背景にはアメリカでも鳥インフルエンザの発生があるようで殺処分されるなどして鶏の数が減り卵不足になっているという。卵の価格は大きく上昇しアメリカで昨年に値上がりした商品及びサービスの中でトップになるほどだったという。アメリカ政府によるとスーパーでの卵の販売価格は2月に前月比6.7%下落したものの平均4.20ドルと高止まりが続いており、大幅値上げによって消費者が負担を強いられる一方で生産者が利益を膨らませていることについては問題視する政治家が出てきているという。 ラーメンのトッピングの煮卵など卵メニューの取りやめを決めた企業が増えているが、これがいつ収まるのかというと政府は主な原因となっている鳥インフルエンザが落ち着いてヒナが成長して卵を生み出せば徐々に生産量が増えていき、1年あれば安定供給できるのではとしているという。しかし経済評論家は「安定供給されるようになっても、卵の価格は元通りにならない」と指摘しており、というのも「そもそもここ2~3年でニワトリのエサとなっているトウモロコシなどの穀物の価格が高騰していて、今後も安くなる要因がみつからない、卵の値下がりは難しい」という。つまり全世界的な穀物価格の高騰やエネルギー価格の高騰でコストが増えていたところに鳥インフルエンザの影響で供給数が減ったことが価格急騰の要因だという。 日本の場合は出荷される鶏卵の約半数が生で消費され、生卵の場合は賞味期間が極めて短いため需要と供給が完全に一致しなければ事業者は適切な利益を得られない。保存がきかない商品はデリケートな市場構造となりがちで十分な経営体制が確立していない状態でトラブルが発生すると市場が混乱しやすい。これまで鶏卵が安く提供できていたのは事業者の利益を極限まで削ることによる部分が大きかったが、養鶏事業の生産原価のうち飼料代が占める割合は50%を超えており、飼料価格が高騰する前から多くの事業者が営業赤字で、各種補助金を加えて何とか最終利益を維持している状況だった。ここに各種の価格高騰が加わったことから政府による助成を大幅に増やさない限り事業者の赤字は拡大することになるという。
2023年04月07日
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2期10年を務めた黒田日銀総裁が任期満了を迎え植田新総裁が就任するのだが、昨年度の国債買い入れ実績が135兆9890億円だったそうで、月末には植田新総裁となってから初めての金融政策決定会合が開催されるという。市場では長短金利操作の上限を引き上げるとの見方もあってその行方に注目なのだが、そして日銀短観が発表され日本経済は海外景気が減速する中で輸出や生産に弱さは見られるが内需は底堅いと見られている。今回の日銀短観の調査期間直前にピークを迎えていた今年の春闘では、昨今のインフレ等を背景に賃上げムードが高まり昨年を上回る賃上げが実現する見込みとなっているという。こうした中で日銀による企業の景況判断や今後の設備投資計画などが注目されているという。 日銀による「異次元の金融緩和」が始まって丸10年となるが、黒田日銀総裁が打ち出した大量の国債購入と資金供給の拡大による緩和策は「黒田バズーカ」と称され、現金と日銀の当座預金残高を合わせた資金供給量は10年で約5倍の水準に拡大したが、2%の物価目標の安定的な達成は今もできていないという。植田新総裁の就任を睨んで先行きの金融政策の調整も意識されて減額との見方も出ていたが、現状維持とみる向きも多かったという。結果として現状維持でも減額でもなく買入額のレンジそのものの拡大で、度末の資金供給量残高は675兆8401億円まで大きくなっている。新型コロナウイルスに伴う資金繰り支援策の縮小で前年度末からは縮小したものの10年前の5倍近くに達してしまったという。 黒田総裁は就任直後の金融政策決定会合で資金供給量を年間60兆~70兆円増加させ2年間で倍増させる大規模緩和策を導入し、大胆な緩和を通じて人々のインフレ期待を呼び起こし「2%の物価目標を2年で達成できる」と強調した。翌年には資金供給量の年間増加額を80兆円まで増やす追加緩和も決めたが物価目標は達成されず、日銀は7年前に長短金利操作導入を決定して金融調節の対象を資金供給という「量」から、10年物国債利回りなど「金利」に転換してきた。資金供給量は膨張を続け新型コロナ対策で資金支援を実施したこともあり、一昨年度末の資金供給量は688兆円に拡大したが、大量の国債購入に伴う市場のゆがみなどの副作用も目立ち日銀は昨年に大規模緩和の一部修正に踏み切っているという。 日銀の黒田総裁は3月の衆議院財務金融委員会で、政府・日銀の共同声明について「政府と日銀がそれぞれの役割を分担して適切な政策を行うという面で、プラスの効果があったことは事実」と述べ、自身の金融政策運営について債券市場の関係者が評価していないことは承知しているが「反省すべきとは全く考えていない」と述べたという。黒田総裁は経済の不確実性は大きいと指摘し金融緩和を継続していくことが適当だと語った。また「副作用よりプラス効果がはるかに大きかった」と10年間を総括したそうだが、そのプラス効果とはいったい何であったのかとか、物価目標2%を達成すればどのような世界となっていたと思っているのか、現実に物価が3%や4%となったがむしろ物価高騰による負の影響が大きくなっているといわれている。 岸田首相は今週末の4月8日に任期満了を迎える日銀の黒田総裁に対し「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けたご尽力に心から感謝申し上げる」と述べたそうだが、全国銀行協会の加藤勝彦会長は今後の日銀の金融政策における「出口戦略」について、「物価や賃金の安定的な上昇を見極めるのに時間がかかるので、少なくとも今年度の政策修正はないとみている」と分析している。「黒田バズーカ」は十分威力を発揮できず黒田総裁は思い半ばで退任を迎えることになってしまったという。ゼロ金利政策は新しい日銀総裁となったとしてもしばらくは続く見込みとされているが、現在の岸田政権ではどこかの時点で「アベノミクス」からの景気転換をはかる可能性があるとだけしかわかっていないのが実情のようなのだ。
2023年04月06日
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この数十年にわたって続いてきた「老後不安」というのがじつは現代日本における最大のおかしな物語なのではないだろうかということなのだが、そしてその正体不明の不安があるから「誰もがお金を増やしたい」という漠然とした空気に支配されているのではないかというのだ。あるエコノミストの「老後のお金」がテーマの講演なのだが、参加者の多くは50代ぐらいの方々であったというが、参加者の人に質問として「みなさん、老後は不安ですか、そう思う方は手を挙げてください」と言うとほとんどの人が手を挙げるという。ところが次に「では、みなさん、自分が受け取れる年金額を知っていますか」、そして「毎月の支出をきちんと家計簿につけていますか」と聞くとほとんどの人が逆に手を挙げないというのだ。これは非常に不思議な現象で老後が不安だというからには実際の収入と支出がはっきりとわかっているから不安になると考えるのが自然なのだが、たとえば「年金はこれだけしかない。自分の貯蓄はこれだけ。そして生活費がこれぐらいかかる。トータルで考えるとこれぐらい不足する。このままではいけない、どうしよう」と考えるから不安になるが、実際には年金の額も生活費も把握していないというのだからこれでは不安も何もあったものではないというのだ。「あ、なるほど、みなさん、老後は不安ではあるけれど、関心はないのですね」と少し皮肉っぽくエコノミストが言うと作家者はみなさん苦笑いしるという。つまり自分についての実態はよくわかっていないのだけれど何となく老後不安という「物語」に不安を感じているというわけなのだ。 問題となった「老後2000万円問題」では「金融庁の報告書では毎月の年金収入よりも支出の方が約5万5000円多い、だから老後の30年間では2000万円が足りない」といわれたことがきっかけで、「収入よりも支出の方が多いから、2000万円足りない」というロジックそのものがおかしいということに気がついていないという。年金以外に収入のない世帯で毎月5万5000円も不足を続けていたらいったいどんなことになるかだが、モデル世帯は平均貯蓄額として2500万円持っているということが書かれており、つまり2000万円足りないのではなく2500万円も貯蓄を持っているから毎月の支出が5万5000円オーバーしていて、その2500万円を取り崩しながら使っているから支出が多くなっている、というだけのことだというのだ。 なぜか「2000万円問題」が炎上してしまったというのもそこにある種の物語といえる「老後不安」があったからで、この「老後不安」というのはとてもよくできた物語だという。なぜなら人は誰しも自分が経験したことがないものに対しては不安を持つのは当然だからで、老後というのは誰にとっても、これから行く未知の世界ですから、不安になるのは仕方がないでしょう。もちろん収支予測をきちんとすればそれほど心配する必要がないということは数字でわかるのだが、未来のことは誰にもわからないので予想できない事態が起こるかもしれないという不安はいつまで経ってもつきまととっていくという。そして常に「老後不安」を顔に出しながらひっそりと暮らしているという人が多いというのが今の実情だということのようなのだ。 老後不安についていえば年金以外のもう1つの不安が介護なのだが、これは年金に比べて少し厄介で予測が困難だからだという。介護というのは誰にでも必ず訪れるものではなく、自分が将来「要介護」の状態になるかどうかは誰もわからないのだという。ただそうなった場合を想定してどれぐらいの金額が必要なのかは知っておいた方がよいので調べてみると、介護に必要なお金はというと本人負担分が月額8.3万円の一時金として必要なのは74万円が平均となっているそうなのだ。介護期間の平均が5年1カ月ということだとされており、かかる費用を全部合計して計算してみると約580万円になるという。ということは介護にかかる費用のメドとしては600万円ぐらいということになり、その準備くらいは最低でも必要だというのだ。
2023年04月05日
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トルコ議会は北欧のフィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構加盟申請のうち、フィンランド加盟議定書を承認する法案を可決したそうで、これで全30加盟国の中で最後の批准となりフィンランドの加盟が決まったという。フィンランドはロシアの隣国でウクライナ侵攻を受けて昨年5月に加盟申請していたが、フィンランドはロシアと約1300キロの国境を接しこれまでの軍事的中立政策を転換したわけなのだ。フィンランドのニーニスト大統領は北大西洋条約機構全加盟国に謝意を示し「強力で有能な加盟国になる」と表明しており、北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長も「NATO全体がより強く安全になる」と歓迎した。フィンランドは加盟への事務手続きに入り手続きは数週間かかる見通しだという。前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏がフィンランドの北大西洋条約機構加盟決定のニュースについて解説しているが、舛添氏は「フィンランドっていうのは、フィンランド化と呼ばれていたように、隣のロシアが怖いから、あまり刺激しないように半分ぐらい言うことを聞いて、というような感じでやってきた」と現状を説明したうえで、続けて「でも、いよいよロシアがウクライナに攻め込んで行ったら次は自分だと思ったので、そこ北大西洋条約機構に入るということ。だからフィンランドからずっとロシアとの国境線をもつ敵になったわけです。これにウクライナが入ったら大変だということでやったのだけど、逆効果になった。プーチン大統領がこれだけは避けようと思ってウクライナに侵略した事の逆効果になる」と分析したという。舛添氏は第二次世界大戦時、フィンランドがロシアに善戦した事実を挙げ「それぐらい強い国なのにロシアの反発は必至だ。フィンランドの北大西洋条約機構加盟が決まったことに、国民の間では安堵の声が広がっている」という。スウェーデン外相は駐ストックホルムのロシア大使がスウェーデンとフィンランド両国が北大西洋条約機構に加盟すれば、ロシアからの軍事措置を含む「報復の正当な標的」になると発言したことを受けてロシア大使を召喚すると表明したそうなのだ。トビアス・ビルストロム外相は「外務省はロシア大使を召喚し、影響力を行使しようとする露骨な試みに対し明確な態度を示す」と述べた上で、「スウェーデンの安保政策はわが国が決める。他の誰でもない」と強調したそうなのだ。 フィンランド空軍のユハペッカ・ケラネン司令官がインタビューに応じ、フィンランドが北大西洋条約機構に正式加盟した後ロシアと地理的に近い東欧に「戦闘機部隊を派遣する可能性が高い」と述べたという。フィンランドは約1300キロ・メートルの国境をロシアと接しており、対露防衛の知識や経験を同盟国と共有したい考えを示した。空軍力の弱い同盟国の領空警備を補完するため共同で空中警戒任務を実施しているが、ケラネン司令官はウクライナに近いルーマニアやブルガリアを挙げ「我々にはロシアの軍事能力に関するノウハウがある。要請があれば任務に参加する」と語った。フィンランド軍は指揮統制システムを北大西洋条約機構と統合するための点検作業中で、北大西洋条約機構参加は今夏以降になるという。 北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は全加盟国が承認したフィンランドについて「数日中に正式に加わる」と明らかにしているが、北大西洋条約機構外相会合が予定されていてフィンランドがその際に参加する可能性を伝えているという。北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はフィンランドの高水準の軍を挙げ「同盟に多くをもたらす」と期待を示しているが、フィンランドを巡っては、トルコ国会が議定書を批准して全加盟国での手続きが終わったわけなのだが、フィンランドと同時に加盟申請したスウェーデンに関してはトルコとハンガリーの2国で手続きが滞っているという。ストルテンベルグ事務総長は「スウェーデンもできる限り早く正式メンバーに迎え入れることを楽しみにしている」と強調しているという。
2023年04月04日
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加藤勝信厚生労働相は記者会見で今春闘での大企業を中心とした賃上げを高水準だと評価した上で「今後、中小企業や非正規労働者にも流れを波及させていくことが非常に大事だ」と述べ、実現に向け同一労働同一賃金に関する取り組みを進めるとした。春闘の現状について「満額回答や、昨年を大幅に上回る回答が目立ち、賃上げの力強い動きが出ていると前向きに評価している」と強調したが、同時に春闘は始まったばかりだとし経済全体に動きを広げていく必要性を訴えたという。中小企業や非正規労働者への波及が焦点になっているが、失敗すれば機運の盛り上がりが一過性で終わるためで、このため政府は労使に呼び掛けて波及の実現に躍起だが当事者が長年苦しんできた環境を変えるのは容易ではないという。 今年の春闘は大手企業が基本給を底上げするベアに踏み切るなど賃上げの広がりが注目されたが、現実は中小零細を中心に臨時手当などを含む上積み分が物価に追いつかないケースが大半で賃上げを見送った事業所も多いという。とりわけ苦境に置かれがちな非正規労働者らからはコロナ過の長期化もあり「生活は厳しくなる一方だ。これ以上どう頑張れというのか」との切実な嘆きが聞かれており、「職場で感染者集団が発生し、危機的状況だった。一丸となって耐えたが、頑張りに応えてもらえなかった」と高齢者福祉施設で働く男性介護士は語気を強めている。この施設では過去4年間も赤字経営を理由に定期昇給を含めた賃上げは一切なく、今春闘ではコロナ過の繁忙も訴え5年分の賃上げを求めたが実現しなかったという。 市役所で非正規職員として働く女性は「仕事内容は正規と同じなのに、待遇差が大きすぎる。差別ではないか」と訴えているが、この市役所には合併前の町役場時代から長い間庁舎内で事務を担っており、当初はフルタイムだったが数年前から「職の整理」という名目でパート勤務となったという。現在の月収は手取り11万円ほどで家賃や光熱費を差し引けば手元には数万円しか残らず「肉は高いから買わない。趣味に使うお金どころか医療費も削っている。何より先行きが見えないのがつらい」 と嘆いているという。勤務先の労働組合は「非正規職員は組合員でない」として役に立たず、しかたなく「非正規春闘」と呼ばれる運動に参加して交渉しているが、市役所は待遇改悪を撤回したが賃上げには応じなかったという。 非正規春闘は春闘の枠から漏れている人の賃上げを求める目的で個人加盟の労組が今年初めて企画されたものだが、非正規約300人が勤務先36社に一律10%の賃上げを求め「賃上げは大企業で進んでいるが、非正規には全然広がっていない」と実感を口にしている。また日本郵政グループの正社員や非正規社員でつくる「郵政産業労働者ユニオン」は全国一斉のストライキを実施し、神戸市中央区と垂水区の郵便局前で集会を開いたそうなのだが、集まった組合員らは「正社員との格差是正を」などと声を上げたそうなのだ。日本郵政グループは今年の春闘で正社員の月額平均4800円のベアを決めたが、全体の約5割を占める非正規社員に対する賃金改定には応じていないという。 全国の従業員数10人以上の企業に「賃上げ」に関する調査をしたところ、「賃上げを予定していない」と答えた企業は約半数に上ることが分かったそうなのだが、賃上げできない理由については「業績が伴わないから」という回答が約6割とダントツだったという。歴史的な物価高騰分の取引価格への上乗せは十分とは言えず原資の捻出に頭を悩ましているそうで、賃金に詳しい日本総研の山田久氏は賃上げを中小企業などに波及させ持続できる仕組みを提言しており、「経済学者らが物価動向を根拠に賃上げ率の目安を示す第三者委員会を設置し、都道府県ごとにも地方版の政労使会議を開くのが望ましい」と説明しているが、持続的な賃金上昇のためとして政府が成長産業への労働移動を進める方針も気になるという。
2023年04月03日
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リタイア後の生活には「金持ちシニア」と「貧乏シニア」の二極化が進むといわれるが、老後資金への不安は募るばかりだが何をしたらいいのかわからないという人も多いという。年金生活になれば、現役時代と比べて所得が減るのは必至。とはいえ老後に備えて貯蓄してきた人たちが大半のはずで、シニアはお金をため込んだまま使わないというイメージも抱きがちだが、そういった先入観と現実との間には大きなギャップが存在するという。職業や所得水準などの違いでもらえる年金には差があるのだが、お金に関して情報弱者になってしまっている人いわば「マネー情弱」な人は自分がもらえる老後の年金を把握することが大切なのだが、実は高齢になるほど貧富の格差が深刻化しているのだという。 それを裏付けるのは金融広報中央委員会が公表した「家計の金融行動に関する世論調査」なのだが、まず3千万円以上の金融資産を保有している人の割合は60代が20.3%で70代が18.3%だったという。一方で金融資産を保有していない人は60代が20.8%の70代が18.7%だったそうで、「金持ちシニア」が2割前後に達している傍らで「貧乏シニア」も同程度を占め二極化が顕著なのだという。「ここ十数年、貯蓄ゼロ世帯の占める割合がジリジリと増えているという印象は抱いていました。しかも、必ずしも低収入だから貯蓄ゼロに陥るというわけではなさそうです。高収入であっても、使い切ってしまう人もいるということでしょう」と専門家も指摘はしているが、多くの人もこうした実態を肌感覚で察知しているという。 年金額の手掛かりとなるのは年に1回誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」だが、50歳以上なら「現職のまま今の保険料を納め続けた場合の見込み額」が記されているが、49歳以下は「今までに納めた保険料に基づく見込み額」しか表示されていないという。専門家も「49歳以下の人は特に『ねんきんネット』へ登録しましょう。『ねんきん定期便』に記載されたアクセスキーを使えばパソコンで簡単に新規登録できますが、その有効期限は発行後3カ月。期限切れの場合は自分の基礎年金番号があれば、いつでもネット上で登録できます。自分の基礎年金番号を知ることも“マネー情弱”脱出の第一歩です」とアドバイスしている。そのうえで勤務先が年金手帳を管理している場合は担当部署総務などに問い合わせするべきだという。 「家計の金融行動に関する世論調査」でも「多少心配である」と「非常に心配である」との回答の合計値は、まだ老後が先の話である20代でも75%超だし子育て期で出費がかさみがちな40代では実に約87%に上っている。心配している理由については「十分な金融資産がないから」が最多で「年金や保険が十分でないから」がそれに次いでいる。少子高齢化で給付額の減少が避けられないだけに現役世代の公的年金に対する不安は大きく、「年金でさほど不自由なく暮らせる」と答えた人は70代が11.2%だったのに対し50代は6.3%で40代は6.1%にすぎないといわれており、40~50代のほうが20~30代よりも公的年金に対する期待が低いのは年齢を重ね老後のことが現実味を帯びてきているからだという。 単に不安がるばかりではなく何らかの自助努力が必要だと考える人も増えてきており、何らかの自助努力が必要だと考える人も増えてきているという。元本割れの可能性がある半面高収益を期待できる金融商品に対する意識についてもヒアリングしているが、「積極的に保有しようと思っている」もしくは「一部は保有しようと思っている」と答えた人は15.8%だったという。もっとも闇雲に投資を実践したからといって着実な成果を期待できるわけではないが、自助努力で確保すべき老後資金の金額にも少なからず個人差があるといわれている。大病を患った場合の医療費や自立生活が困難となった場合の介護費用も念頭に置きたいが、ただ医療費は「高額療養費制度」で自己負担がかなり抑えられるという。
2023年04月02日
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今日から4月で新年度ということで様々な制度も変わるのだが、マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保健証」というのが導入されるようになり、「マイナ保健証」ではなく従来の保険証を使って医療機関を受診すると3割負担の場合は窓口の負担額が6円上乗せされることになり、これは「マイナ保険証」を普及させることが狙いだということのようなのだ。4月から医療機関に対して「マイナ保険証」を使うためのシステムの導入が原則義務化されるが、運用を開始している医療機関は全体の6割ほどにとどまっており、残りの4割の導入できていない医療機関を受診する際は従来の保険証を持って行かないといけないのだが、その代わり窓口での負担額を上乗せされることはないということのようなのだ。 会社勤めの終わった高齢者の私は関係ないのだが「給与のスマホ決済払い」が解禁されるようで、現在は給与の受け取り方とは銀行振り込みでもらうのが主流なのだが、これがスマホの決済アプリで受け取ることができるようになるという。全額でもいいし一部だけをスマホ決済で受け取るということもできるようになるそうで、会社が導入したとしても利用するかどうかは従業員次第だという。従来通り銀行振り込みにするかあるいはスマホ決済にするか選べるようになるということのようで、すでに導入を検討している企業によると、これまで経費精算で送金アプリを導入しデジタル化の効果を実感したことから、給与のスマホ決済払いも検討しているそうなのだが、企業側のメリットとしては「給与振り込みの手数料が安くなる可能性」があるという。 それと4月は今年2番目の値上げラッシュとなるとされていて、家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数は先月末までの判明ベースで累計1万8544品目に上っているそうで、このうち4月1日をもって値上げ済みとなる食品は累計1万品目を超えているという。特に食品の値上げ品目数は加工食品を中心に5106品目だったというが、前年4月の1204品目の4倍超に上るほか今年2月以降3カ月連続で前年を上回っているという。5月以降も昨年を上回る水準の値上げが予定されており、5月は前年比3倍で6月には前年にほぼ並ぶ2390品目の値上げが予定されているという。7月以降も今月から行われる輸入小麦の価格改定だけでなく、電気代の引き上げなどを背景に断続的な値上げが続くという。 値上げ1.8万品目のうち原材料高が理由となったものは99%以上とほぼ全てで原材料高が理由にあげられているが、供給不足が続く鶏卵価格高騰を理由とした値上げに人件費上昇による値上げも目立ってきたという。電気代などのエネルギー代や物流コスト・輸入コスト上昇も続き製品価格へ緩やかに反映する動きが引き続き目立っており、食品値上げは判明ベースで今月は2万品目超えがほぼ確実となるという。これまでのコスト増加分における価格転嫁は十分にできていないほか鶏卵や電気代など新たな値上げ圧力も出現しており、頻繁で断続的な価格改定の動きは今秋10月頃まで長引く可能性があるという。政府は低所得者世帯向けの現金給付等柱とした総額2兆円規模の物価高対策を決定しているが効果は薄いという。 総務省の「家計調査」における二人以上世帯の消費支出データを基に生鮮食品を除く食品値上げによる家計支出額の影響について試算すると、その結果今年度における1世帯あたり家計への食費負担額は節約など値上げへの対策をしない場合、前年の平均から1カ月当たり約2140円の年間で約2.6万円増加することが分かったという。年間の消費支出額である平均330万円のうち約1%が食品値上げによって圧迫される可能性があるわけなのだが、家計負担額を食品分野別にみると前年度比で最も負担額が増加したのは「加工食品」で月723円の負担増だったという。そして値上げラッシュが本格化した2年前と比較すると1カ月当たり約3110円の年間で約3.7万円増加する試算となるという。
2023年04月01日
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