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かもめのジョナサン(リチャード・バック)


満月の夜、モビイ・ディックが(片山恭一)


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チルドレン(伊坂幸太郎)


坊っちゃん(夏目漱石)


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レター教室(三島由紀夫)


夢十夜(夏目漱石)


生協の白石さん(白石昌則)


壊れかた指南(筒井康隆)


町長選挙(奥田英朗)


谷川俊太郎詩集1


陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂幸太郎)


ウランバーナの森(奥田英朗)


夏と花火と私の死体(乙一)


仄暗い水の底から(鈴木光司)


そして粛清の扉を(黒武洋)


池袋ウエストゲートパーク6(石田衣良)


砂漠(伊坂幸太郎)


銃とチョコレート(乙一)


レイクサイド(東野圭吾)


美藝公(筒井康隆)


指揮のおけいこ(岩城宏之)


オーケストラは素敵だ(茂木大輔)


くさり-ホラー短編集-(筒井康隆)


本の運命(井上ひさし)


紹介して頂いた本☆


読了本


未読本


2005.01.17
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カテゴリ: 作品集
激流だ。それもただの激流ではない。怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒怒という文字どおり怒涛のような激流だ。流木は岩にぶつかって砕け散り、飛沫となって消え、生身の人間などは一度入ったが最期、荒波に呑まれもまれて泡と化すまで弄ばれるだろう。そんな中に飛び込もうとは狂気の沙汰である。一番安易な道は言うまでもなく、川岸で鼻でもほじりながら、ぼーーーーっと流れを眺めていることだ。それにしても溢れる洪水の物凄いことといえば、ノアの箱船も漂流するほど。事の発端はダムの決壊、ならぬ価値観の崩壊、ひいては信念の瓦解を伴った天変地異に他ならず、あまりの唐突さに人々は対処する術を失った。判断停止。それでも流れは停まらなかった。

人々は流れの中に消えていった。ついに魚になった彼らは冷たく激しい流れの中で、消化されたものも未消化のものも、吸い込んではエラから吐き出し前へ進んだ。中には流れに逆らい過去へ過去へと逆行する者もあったが、一方、激しい流れに身を任せることを覚えた者どもは、それこそが幸せに生きる道だと信じきったまま大岩に体をぶつけて死んでしまった。迫る試練を受け入れた者だけが生き残り、奔流をどんどんと突き進んでいった。勇気を出して希望を捨てず夢を信じて、混沌の坩堝の最中をぐんぐんぐんぐん押し進んだ。情熱が、知性が、道徳が、自信が、友愛が、ついには団結が生まれた。

気の遠くなるような果てしない流れの果てに彼らが辿り着いたのは、眼前にうねり広がる無限の大海原であった。激しい流れは姿を消して、優しい静けさと平穏だけが残った。希望と可能性に満ちた青海のパノラマは、歴戦の勇者たちを称えるが如く、いつまでもいつまでも燦燦と光りを解き放っていた。





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最終更新日  2005.01.17 22:44:31
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