PR
カレンダー
カテゴリ
コメント新着
キーワードサーチ
年
8
月
31
日
エドゥアルド・ガレアーノ「日々の子どもたち」 を読んでいます。 2020 年 8 月の暑い日にこの本を見つけ、あっちこっち読み散らしています。図書館の本なので返却期限が気になります。 1 ページから読み始めて 36 ページまで読んだというふうに読むことができません。今日読んだのはこのページでした。 11 月 3 日は チッチキ夫人 の誕生日です。
十一月三日 断頭台
男だけが断頭台で首を切り落とされたわけではない。断頭台で殺されて、そのことを忘れられた女もいる。王妃 マリー・アントワネット ほど有名人ではないのがその理由だ
以下、具体例を三人挙げよう。
オランプ・ド・グージュ は一七九三年、フランス革命によって首を切り落とされた。女もまた市民であるという彼女の信念を諦めさせるためである。
一九四三年、 マリー=ルイーズ・ジロー はパリで絞首台に向かった。「フランスの家族に対する犯罪行為」である堕胎を行ったことが理由である。
同じ年のミュンヘンで、女子学生 ゾフィー・ショル の首が切り落された。戦争とヒトラーに抗するビラを撒いたことが理由である。
「ものすごく残念だわ」と ゾフィー は言った。「こんなに太陽が輝いて、とても素敵な日なのに、わたしは行かないといけないのね」
2020 年 9 月 16 日
この日、極東の島国では歴代有数の愚宰相がようやく辞職したそうです。お腹が痛いのだそうです。彼が行くべきところは「病院」ではないように思うのですが、通院の後、フランス料理を満喫したことをマスコミは寿いでいました。
二月二十日 社会正義の日
十九世紀末、 ファン・ピオ・アコスタ はブラジルに近いウルグアイ国境に住んでいた。仕事のために、あの隔絶された地域で村から村を行ったり来たりしていた。
馬車での移動だった。一等席、二等席、三等席に乗る八人の乗客と一緒だった。
ファン・ピオ はいつも一番安い三等席の切符を買っていた。
料金に差があるのがなぜか、いっこうにわからなかった。多く払う人も少なく払う人も、全員同じ条件だった。押し合いで、埃を食べて、揺れは止まらない。
ある冬の悪天候の日、馬車が泥にはまって動けなくなって、なぜなのかがついに分かった。その時御者は命じたのだ。
「一等席の方、動かないでください!」
「二等席の方、降りてください!」
「で、三等席の方が・・・押してください!」
2020 年 9 月 22 日
あいかわらず、 「日々の子どもたち」 を読んでいます。そろそろ返さないといけないので、気がせきますが、今日、目次の右側のページに、こんなことが書いてあることに気付きました。
そして日々は歩きはじめた。
そしてそれ、日々がわたしたちを作った。
そしてそのようにして、わたしたちは生まれた。
日々の子どもたち、
調べる人、
命の探索者。
― マヤ人による創世記より
どうも、この本は、図書館に返すには惜しい本です。で、返さないわけにもいきませんから、もう一日引用します。
十二月二十二日 飛ぶ喜び
ライト兄弟 は一九〇四年のだいたいこの時期に飛行機を発明したと断言するものがいるが、その名にふさわしい最初の装置の創造者は、それから数年後の サントス・デュモン であると主張する者もいる。
唯一確かなことは、三千五百万年前、トンボの体に小さな翼が芽生え、その翼が、数百万年かけて、飛びたいという欲望に掻き立てられて成長していったことである。
トンボは空中を飛ぶ最初の旅行者だった。
とりあえず、図書館の本でお楽しみください。
週刊 読書案内 キルメン・ウリベ「ムシ… 2024.11.13
週刊 読書案内 チョン・ジア「父の革命… 2024.08.24
週刊 読書案内 竹内康浩・朴舜起「謎と… 2024.07.20