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黄金の魚 谷川俊太郎 が、 パウル・クレー の絵を40枚選び、そのうち11枚の絵に、絵と同じ題の、おそらく クレー に対してであるのでしょう 「愛」、「在るもの」、「線」 というように 詩 を書き加えて出来上がった 「詩画集」 です。
Der Goldfish 1925
おおきなさかなはおおきなくちで
ちゅうくらいのさかなをたべ
ちゅうくらいのさかなは
ちいさなさかなをたべ
ちいさなさかなは
もっとちいさな
さかなをたべ
いのちはいのちをいけにえとして
ひかりかがやく
しあわせはふしあわせをやしないとして
はなひらく
どんなよろこびのふかいうみも
ひとつぶつのなみだが
とけていないということはない
選ばれた場所
Auser wahlte Statte 1927
そこへゆこうとして
ことばにつまずき
ことばをおいこそうとして
たましいはあえぎ
けれどそのたましいのさきに
かすかなともしびのようなものがみえる
そこへゆこうとして
ゆめはばくはつして
ゆめをつらぬこうとして
くらやみはかがやき
けれどそのくらやみのさきに
まだおおきなあなのようなものがみえる
死と炎 シマクマ君 の家には 谷川俊太郎 の 「仕事」 がたくさんあります。絵本や詩集ですね。 「ゆかいな仲間」たち が小さかったころ、読んでほしいと思って買ったのかというと、そういうわけでもありません。同居人の チッチキ夫人 が、昔から彼の詩が好きだったというのが理由です。
Tod und Feuer1940
かわりにしんでくれるひとがいないので
わたしはじぶんでしなねばならない
だれのほねでもない
わたしはわたしのほねになる
かなしみ
かわのながれ
ひとびとのおしゃべり
あさつゆにぬれたくものす
そのどれひとつとして
わたしはたずさえてゆくことができない
せめてすきなうただけは
きこえていてはくれぬだろうか
わたしのほねのみみに
せめてすきなうただけは90歳 を超えた詩人は、ここの所 「死」 について、軽やかな 「詩」のことば で表現していますが、まさに、不世出の職人詩人の長寿を願うばかりですね。
きこえていてはくれぬだろうか
わたしのほねのみみに
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