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2022.11.15
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​​ ウォン・カーウァイ「ブエノスアイレス」シネ・リーブル神戸
​​​  「やりなおす」 ために、 香港 から アルゼンチン くんだりまでやって来た ウィン(レスリー・チャン) ​ファイ(トニー・レオン)​ の二人組が イグアスの滝 への道中で道に迷い喧嘩別れするところから映画は始まりました。​​​
​​​​​ 恋人同士なのですね、この二人は。だから 「やりなおす」 っていうのには、そういう意味が、マア、あるわけです。考えてみれば、この映画も 「男と女と自動車」 で始まるんです。で、マア、ありがちなのですが、二人の関係(やっぱり、恋愛っていうべきですかね?)っていうのでしょうか、それを 「やりなおす」 はずなのに喧嘩しちゃうんです。そういう始まりです。マア、男と男ですけど。
「マア」 ばっかり出てくるところに、見ているぼくの腰が引けてる感じが出ていますが、マア、引けてました(笑)。
 で、 イグアスの滝 のシーンが、 「映画全部の」 というか、二人の関係のシンボルのように視覚というか、記憶に焼き付けられるのです。この撮り方、というか、シーンの挿入のしかたは ウォン・カーウァイ のほかの映画(数本しか見ていませんが)でも使われていた気がしますね。​​​​​

 南の島だったか、南の国だったかの緑の森のシーンとか、オートバイで疾走する高速道路やトンネルの、光のシーンとか、見ている人間に、何か、得体のしれないものを刷り込んでいくんです。
​​ 例えば、この映画の イグアスの滝 の巨大な落下の俯瞰シーンは映画が 男同士の「愛」 を描いていることと、やっぱりリンクしていて、 男女の「愛」 の映画であれば、 イグアスの滝 の落下は使わなかったんじゃないでしょうか。​​
 たとえば、流れに浮かぶ木の葉が、流れとともに落ちていきます。滝つぼ深く沈んでしまうこともあれば、滔々と流れ続けることもある。マア、二人の現世的関係は、そんなふうに描かれていると、見ているボクにはイメージが語り掛けるのですが、 「落下」 の計り知れない巨大さを二人が、ともに体験し、 「哀しさ」 というような言葉では説明しきれないのですが、古い言葉でいう 「あはれ」 に漂い続けていくリアリティが、別に、 ゲイ というわけでもないのに残るのですね。
​​​ 正直、めんどうくさい話だったので、今更、筋は追いませんが、 1997年 の映画ということもあって、 レスリー・チャン(ウィン) トニー・レオン(ファイ) も若いのです。 2020年 を超えて、はじめてお二人のお顔を拝見するから、恥ずかしげもなくいえるのですが、そりゃあ、人気があったでしょうね、ボクでもほれぼれしちゃいましたから(笑)。​​​
監督 ウォン・カーウァイ
脚本 ウォン・カーウァイ
撮影 クリストファー・ドイル
美術 ウィリアム・チャン
編集 ウィリアム・チャン
キャスト
レスリー・チャン(ウィン)

チャン・チェン(チャン)
1997年・96分・G・香港
原題「春光乍洩 」「Happy Together」
日本初公開 1997年9月27日
2022・09・21-no111・シネ・リーブル神戸no169 ​​

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最終更新日  2023.07.31 22:42:21
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