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2024.09.18
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​オタール・イオセリアーニ「蝶採り」シネ・リーブル神戸​ オタール・イオセリアーニの特集 に通っています。今日は 「蝶採り」 1992年 の作品だそうです。
​​ ​フランスの古い城館で余生を過ごす2人の老婦人 が主人公でした。なんともいえない、いい雰囲気のお二人で、お二人が森でピストルを撃つとか、オーケストラに楽器を持って出かけるとか、ヨーロッパが階級社会の歴史を、生活感で残していることにポカーンとしながらも、彼女たちの人生の余裕というか、広さというかを、なんとなく羨ましく思って見ていると、 バブル景気の日本 から、城を買いたいとビジネスマンがやって来るんですよね。
 今となっては、 ​​
​​ いかにも、90年代! ​​
​​​​ なのですが、​​無思想、無節操な金の亡者に服を着せるとこうなるというかの、異様なリアリティを漲らせながら登場します。なんというか、 ジョージア から パリ に来て映画を作っている ヨーロッパとかの人たち には ​​​​
「これが日本人!」
なのだと思うと、ちょっと笑えないですね。​
​​​​​​​​​  アジア の、だから 韓国 とか 中国 とかの、チョット 歴史がらみの映画に出てくる日本人 というのが、
​ああ、いやだなあ!​
​  と、感じるように表現されているのは、まあ、仕方がないなと思うのですが、こういう、 ヨーロッパ でも、どっちかというと田舎風のノンビリしたの映画に、
​いかにも金の亡者の姿で登場するのが「日本人!」​
​  なのだったということを、まあ、30年ほどたってはいますが、 日本の人 は思い出しておく方がいいのでしょうね。​​​​​​​​​
​ 映画は解説にある通り
「滅びゆく古き良き時代へのノスタルジーをにじませながら」、現代社会が捨てていきつつある何かを、一抹の寂しさを漂わせながら「シニカルに描いた」作品​
でした。​
​​​​​ 経費が掛かって、世話が焼けることばかりが 「老人問題」 とか、 「高齢化社会」 とかレッテルを張って話題になるご時世です。映画がつくられてから30年以上経って、立派な老人になってしまった2023年の今、こういう作品を見ながらだから、余計にそう感じるのでしょうが、年をとった人が、その人生において、受け取って来たものが、こうして消えてゆくことに対して イオセリアーニ という人の
ナイーブな視線
にホッとさせられる映画でした。 ​​ 監督イオセリアーニ 二人のオバーちゃん 拍手! でした(笑)。​​
監督 オタール・イオセリアーニ

脚本 オタール・イオセリアーニ
撮影 ウィリアム・ルプチャンスキー
美術 エマニュエル・ド・ショビニ
音楽 ニコラ・ズラビシュビリ
キャスト
ナルダ・ブランシェマリ(アニエスのいとこの老婦人)
アレクサンドル・チェルカソフ(公証人アンリ・ド・ランパデール)
アレクサンドラ・リーベルマンマリ(アニエスの妹エレーヌ)
エマニュエル・ド・ショビニ(神父)
ピエレット・ポンポン・ベラッシュ(家政婦ヴァレリー)
タマーラ・タラサシビリマリ(アニエス・ド・バイオネット)

1992年・118分・フランス・ドイツ・イタリア合作
原題「La chasse aux papillons」
日本初公開 2004年6月19日
2023・03・14-no040・シネ・リーブル神戸no187​​​​​





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最終更新日  2024.09.19 23:07:55
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