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2014.07.09
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・『枕草子』の歴史学 
・日本は戦争をするのか

***************************************************************


『枕草子』の歴史学 より
枕

<自然の背景に人間の営みを見る:本郷和人(東京大学教授・日本中世史) >
 著者・五味文彦は私の師である。去年、本書を執筆中に体調を崩し、大好きな酒を控えた時期があった。五味は穏やかに微笑みながら言った。「お酒がおいしく飲めないんだよ。だから私の楽しみは、勉強することだけになってしまった」。その言葉を聞いた時、私は大げさでなく、ああこの人には、どうやっても追いつけない。そう実感した。

 ある時、一条天皇と中宮藤原定子に、内大臣(定説では定子の兄の伊周だが、藤原公季が正しい)が紙を献上した。当時、紙は高級品である。天皇の方ではこれに中国の歴史書『史記』を記すことにした。さて、私たちは何を書く? 中宮がそう尋ねたので、清少納言は「枕にこそは侍らめ」と答えた。そうして成立したのが『枕草子』である。

 五味は『史記』から「四季」を連想する。すると、清少納言の中宮への提案は「史記にあやかり、四季を枕として和風の文章を書いてみましょう」という意味にとれる。彼女は和漢の豊かな教養と鋭い感性を以って、自然や宮廷を観察し、文章を綴っていった。だからこそ、『枕草子』は「春は曙」「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて(早朝)」と、四季の風景から始まっているのである。

 療養に努めながら、朝と夕は散歩をしつつ、昼と夜は枕を友として、五味は『枕草子』を読み進める。そして瑞々しい自然描写を体感し、驚嘆する。この生き生きとした表現の背景には、いったい何があるのだろう? 答えは「冬はつとめて」に書かれてあった。

 五味は解釈する。「冬の寒さの中、二人で臥して鐘の音を聞き、逢瀬を楽しむのが良い」。「春は曙」以下の四季の風景は、枕を交わした二人で見るのが趣き深い。それが『枕草子』の真意なのだ、と。

 清少納言は自然の背景に人間の営みを見る。彼女の卓越した自然観と人間観とは、平安時代を彩るとともに、現代に継承されるのである。

 ◇

五味文彦著、朝日新聞出版、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
『枕草子』を歴史学の手法で読み解くと、意外な事実が見えてきたー。なぜ「春は曙」「夏は夕暮れ」から始まる?通説の登場人物比定は間違っていた!清少納言と藤原道長との関係…。研究し尽くされたはずの『枕草子』から新たに見えてきた清少納言の感性、姿、行動範囲、人間関係。時代の制約を受けず、自然の背景に人間を見、人間の営みから自然を感じていた清少納言。現代にも通じるこの日本人の感覚は、まさにこの時代にはぐくまれ、継承されてきたのだ。さて「春は曙」はどういう情景を描いたものか、著者からの驚きの推論とは?

<読む前の大使寸評>
『枕草子』といえば、橋本治の桃尻語訳がまず、思い浮かぶが・・・
歴史学の手法で読み解くと、どんなだろう?という興味がわきますね。

rakuten 『枕草子』の歴史学


ところで、『枕草子』といえば・・・
橋本治の桃尻語訳もすごいが、この文庫本表紙のイラストがすごい♪
清少納言



日本は戦争をするのか より
戦争

<「首相によるクーデター」と警告:保阪正康(ノンフィクション作家) >
 今、戦後民主主義体制下のシステム、理念、法体系が音を立てて崩れている。本書を一読しての率直な感想である。単に一内閣が政治改革を目ざしているのではない。
 「歴代の自民党政権の憲法解釈を否定し、独自のトンデモ解釈を閣議決定する行為は立憲主義の否定であり、法治国家の放棄宣言に等しい。『首相によるクーデター』と呼ぶほかない」との著者の指摘は、まさに歴史的警告といっていいであろう。

 本書は安倍晋三首相の言動を丹念に追いかけながら、その不安定さ、不気味さ、そして錯誤を挙証していく。もっとも象徴的だったのは2014年2月12日の衆院予算委員会での発言である。解釈変更だけで集団的自衛権の容認ができるのかと野党が内閣法制局次長に問うたのに、「最高の責任者は私」であり、選挙で審判を受けるのは内閣法制局長官ではないと答えた。

 それを著者は「国会で憲法解釈を示すのは法制局長官ではなく、首相である私だ。自民党が選挙で勝てば、その憲法解釈は受け入れられたことになる」との発想だと理解する。まさにルイ14世の「朕は国家なり」を彷彿させると見る。この種の現実をとり違えた発言がいかに多いか、69年の戦後史に対する真っ向からの挑戦である。

 安倍首相は集団的自衛権の行使によって、日米の軍事上の「血の同盟」を画策しているのだが、しかしオバマ大統領を始めアメリカ首脳は、安倍首相自身がつくりだしている政治・軍事上の危機についてどこまで同調するかはわからない。著者の分析のようにオバマ大統領にも冷遇されている状態で、この首相は、この国を軍事主導体制にと企図しているのかもしれない。

 自衛隊幹部が著者に語った「勇ましいことをいう政治家やマスコミは、シビリアンコントロールの自覚をしっかり持ってもらいたい」との言に、この国の歪みを見る。
 ◇

半田滋著、岩波書店、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
安倍晋三総理の悲願といわれる集団的自衛権。武器輸出の解禁や日本版NSCの創設、国家安全保障基本法をめぐる議論などを背景に、今、日本が急激に変わろうとしている。政府で何が議論されているのか。それはリアルな議論なのか。自衛隊はどう受け止めているのか。長年日本の防衛を取材してきた著者による渾身の一冊。

<読む前の大使寸評>
著者は長年日本の防衛を取材してきたとのことで、また、保阪正康さん推薦の本であれば、気になるのです。

rakuten 日本は戦争をするのか


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Last updated  2014.07.09 00:49:55
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