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2017.12.17
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カテゴリ: 中国
図書館に予約していた『人民元の興亡』という本を、待つこと半年でゲットしたのです。著者の吉岡桂子さんは朝日新聞の記者であるが・・・
大使はチャイナウォッチャーとして高く評価しているのです。
その吉岡さんの著書が出たので、即、図書館に借出し予約をいれたのでおます。



吉岡

吉岡桂子著、小学館、2017年刊

<BOOK」データベース>より
毛沢東が統一の“象徴”として産み落とし、トウ小平が“改革開放”のために育み、習近平が“世界制覇”の足がかりとした。人民元の正史を巡りつつ戦前、「反日通貨」としてばらまかれ、戦後、「円」の盛衰を反面教師にしてきた裏面史も明らかにする。
【目次】
序 瓜を割られる恐怖/1 通貨と権力/2 「¥」をめぐって/3 良貨か、悪貨か/4 危機と競争/5 サークルズ、それは圓の仲間たち/6 通貨の番人/7 覇権/エピローグ 顔のない通貨

<読む前の大使寸評>
著者の吉岡桂子さんは朝日新聞の記者であるが・・・
大使はチャイナウォッチャーとして高く評価しているのです。
その吉岡さんの著書が出たので、即、図書館に借出し予約をいれたのでおます。

<図書館予約:(7/27予約、12/10受取)>

rakuten 人民元の興亡像


「AIIBの野望」を、見てみましょう。
p314~317
<AIIBの野望>
 「アジアの国が続々と集まっています。南シナ海の領有権で対立するフィリピンやベトナムも参加していますよ」
 中央アジア・カザフスタンの首都アスタナから国際電話がかかってきた。興奮気味の声が聞こえる。朝日新聞の同僚でシンガポール支局長の都留悦史だ。ADBが毎年1回開く総会の取材に出張していたところ、中国のAIIBへの参加を募る説明会を開いているというのだ。

 2014年5月のゴールデンウィークのことだった。十数ヶ国が総会の会場近くのホテルの宴会場に集まっていたが、日本政府は招かれていなかった。
 それにしても、よくまあ、日本が歴代総裁を務めるADB総会のわきで開くなあ。分派活動みたいなものなのに。そうあきれたことを覚えている。

 都留の「発見」は翌日朝刊の一面を飾り、私は関連するコラムを書いた。
 米欧主導の「ブレトンウッズ」の枠内にある世界銀行や日本が歴代総裁を務めるADBでの発言力は、経済力をふくむ現在の国力を勘案すれば不当に制限されている。ならば、自分で動かせる組織を作る。だって我々は、世界第二の経済大国なのだから…。そんな野心がたぎる動きだった。「中国が始める政治ゲーム」という見出しが示す通り、読み返してみると、私の原稿も警戒心に満ちている。

 AIIBは、習が2013年10月に訪問したインドネシアの首都ジャカルタで、対外的に提案した「一帯一路」構想に呼応している。
 「地域の相互接続の建設と経済統合プロセスを促進するため、アジアインフラ建設に資金支援を行なう用意がある」

 習の提案にユドヨノも「前向きに応じた」。ADBや世銀など既存の開発銀行との補完関係を強調した。

 どうして新しい銀行が必用なのか?
 中国はADBでインドにつぐ二番目の借り手であり、副総裁を輩出し、出資比率も日米につぐ三番目である。つまり、ADBの有力メンバーであっる。にもかかわれず、ADBを支えて拡張する方向ではなく、もうひとつの旗をあげる。「二番、三番じゃだめなんだ。一番じゃなきゃ」。そういうことか。

 中国は設立の根拠を、アジアのインフラ需要が旺盛でADBや世界銀行など既存の資金だけでは不足していることを強調する。皮肉にもよく持ち出されるのはADBの推計だ。

 2010年から20年までにアジアはインフラに8兆2000億ドル近くが必用で、毎年7470億ドルの計算になる。ADBや世銀、各国政府だけでは、とてもまかなえない、と。同時に中国政府は「中国が役割を転換し、地域における経済大国の責任を引き受ける象徴的な出来事」とも位置づけた。

 中華民族の偉大な復興の実現という「中国の夢」をスローガンに掲げる習の時代に入って、中国は自らをアジアの、そして地域の主導者として明確に語り始めた。米国という国際秩序への挑戦は国力を勘案して時期尚早と考えているかもしれないが、アジアに中国中心の秩序をつくる野心は隠さなくなった。

 ジャカルタで「一帯一路」構想を明らかにした後、習はまた注目の演説を行なった。「アジア新安全保障観」である。14年5月21日、上海で開かれた第4回アジア相互協力信頼醸成措置会議で「アジアの問題は、アジアの人々が処理すればよい。アジアの安全保障も、つまるところアジアの人民には、相互協力を強化することによりアジアの平和安定を実現するだけの能力も知恵も備わっている」「中国はアジアの安全保障観の積極的な唱導者であり、確実に実践していく」とぶちあげた。当然、アジア人ではない、米国を意識したものである。

 この潮目の変化のなかに、安保でいえば人民解放軍の積極的な海洋進出の問題があり、経済でいえばAIIBがある。もっとも影響を受けるのは、戦後もアジアの発展の空を飛ぶ雁の群れの先頭にいると認識してきた日本だろう。

 この銀行に人民元が重なり合う日は来るのだろうか。そう考えて、私はAIIBに執着することにした。


『人民元の興亡』1





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Last updated  2017.12.17 01:12:59
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