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2018.05.10
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カテゴリ: 中国
図書館で『中国奥地紀行1』という本を、手にしたのです。
著者撮影の写真も多く、東洋文庫にしては活字も大きくて・・・
かなり読みやすそうで、これはええでぇ♪





イザベラ・L.バード著、平凡社、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
『日本奥地紀行』『朝鮮奥地紀行』につづく英国人女性のアジア紀行第3弾。揚子江流域をさかのぼり、奥地に至る旅の記録。19世紀末の中国が著者撮影の貴重な写真とともに蘇る。

<読む前の大使寸評>
著者撮影の写真も多く、東洋文庫にしては活字も大きくて・・・
かなり読みやすそうで、これはええでぇ♪

rakuten 中国奥地紀行1



第2章「模範租界」で上海を、見てみましょう。
p44~49
<第2章 「模範租界」>
 私の11冊の旅行記の一部でも読んだことがある読者なら、東洋の外国人居留地「租界」や開港場を訪れた時の私が、できる限り早くそこを離れたく思い、アジアにある英国的な呼び物には少しの憧れも抱かないことをご存じだと思う。「東洋の模範租界」である上海も、この例外ではない。

 各地で受けたような親切や歓待をここでも受けたことには感謝しているし、ラウンズ・ブロック夫妻の客人として英国領事館に長らく滞在できたことは楽しい思い出ではあるが、それとこれとは別物である。

 しかし、もっぱらこのような主観的なことを記すと、揚子江流域の商業の出口としての上海、また中国沿岸部に成立して以後半世紀足らずの間に世界最大の貿易拠点の一つとしての地位と重要性を獲得するに至った非土着都市としての上海からクレームがっつくかもしれない。

■上海到着
 私はこれまでに日本の汽船で四度、アメリカ製の沿岸汽船で三度、カナディアン・エンプレス航路の豪華客船とオランダの改造型砲艦で各一度、上海を訪れたことがある。そして延べ三年半近くになる極東の旅を経ての今回の訪問では、朝鮮政府の小型汽船[顕益号]を利用した。

 この船が川をゆっくりと遡っていく時、その風変わりで神秘的で知る人とてあまりない国旗は、さまざまな憶測と関心を呼んだ。また、これらの船のうち、エンプレス・オブ・チャイナ号だけは、いつものことではなかったようだが、上海の下流19キロにある鉄道終着駅呉ショウで乗客と荷物を降ろした。

 太平洋の、深みのあるすばらしい青色は、港に着く何時間も前から、黄海という表現がぴったりする黄色く濁った色へと次第に変化していった。いまだほとんど探検されていないアジア中央部の山岳地帯の膨大な泥や、四川省の「紅色盆地」の赤色ローム、灰色や黄色をした華中の沖積土などが漂っているのである。
(中略)

 無数の漁船が泥の海にたゆたっていた。また、帆船・蒸気船や褐色の帆を張ったさまざまな型のジャンクが、陸地がちらちら見えてくるずっと前から、何かに収斂するかのようだった。灯船は揚子江の河口の位置と、どこが通れるのかを示していた。それらがはっきりとその姿を現すまでには、相当な時間がかかった。

 このようなアジアの本土の光景を最初に見た時には、正直いって失望した。二本の細長い黄色の線が、水平線に沿って伸びる黄色の水路という以上のものには見えなかったし、湿地帯の低い土手の姿が少しずつ見えてくるには間があったからである。その後になってやっと、呉ショウが姿を現し、新しい鉄道や倉庫、白壁の建物、錨を下ろしてハシケや在来型の舟に積荷を降ろしている大きな船なども見えてきた。
(中略)

 私の乗った船は、浦東岬付近でエンジンを止め、バンドに横付けする形で錨を下ろした。その部分は川幅が600メートルあり、都合のよいことに川の流れが速かった。

 明るく澄み渡った小春日和の日に上海に着いたのはこれが初めてだった。空は真っ青で、立派な公園にはたくさんの外来種の木が茂り、芝生が刈り込まれ、遅咲きのバラが咲き、菊の花が群生していた。だから、租界の第一印象はとてもよかった。

 公園の前には保税扱いのインドアヘンを積んだ、背が高くて白い、大型のハルクが2隻つながれていた。いずれも白色をしたさまざまな国の砲艦やもっと大きい軍艦、そしてフランス郵船会社のすてきな蒸気船の繋留地は、少し上流側にあった。

 立派な桟橋に降り立った時、そこには親切な友人たちが私を出迎えてくれていた。そして、英国領事館の広大な敷地内にある領事の官邸へと案内してくれたが、その時すぐに私は、群衆の少なくとも半数はいる女性がとても美しい身なりをし、裕福で満ち足りた表情にあふれているのに強く印象づけられた。

 英国バンドは蘇州河によって虹口と分けられ、フランス租界まで少なくとも1マイルはある。この間に、銀行・商館・ホテルや民家が軒を連ねている。大変評判が高く立派なその民家は、英国と東洋の折衷様式で、家のまわりには大きな庭園がめぐり、木蔭をなしている。香港上海銀行や「ピー・アンド・オー」会社やカナダ・パシフィック鉄道会社の事務所、古くて有名なジャーディン・マセソン商会の立派な事務所や住宅、さらには、広々とした芝生と長いファサードのある英国領事館の建物は、ことのほかすばらしい。


イザベラ・バードの中国奥地紀行とほぼ同時期に、デンマーク人の武器商人ミュンターが仕事で中国を訪れた様が 『明治の外国武器商人』6 に出ているが、比べてみると面白いのです。





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Last updated  2018.06.05 14:47:01
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