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2018.05.02
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カテゴリ: 歴史
図書館で『明治の外国武器商人』という新書を、手にしたのです。
日清・日露戦争勝利の礎を築いた武器商人となると、聞き捨てならないわけで・・・興味深いのです。





長島要一著、中央公論新社、1995年刊

<「BOOK」データベース>より
デンマークの名門の牧師の家に生まれ、優れた海軍士官であったバルタサー・ミュンターだったが、軍上層部との対立もあって退役、その後アームストロング社の代理人となって来日し、帝国陸海軍との関係を深めていく。特に海軍には戦艦・武器を売り込むとともに、自らの海軍の知識と経験を生かして技術・操練指導を行ない、後の日清・日露戦争勝利の礎を築くことになる。なぜか滞日時代が謎に包まれている親日武器商人の実像に迫る。

<読む前の大使寸評>
日清・日露戦争勝利の礎を築いた武器商人となると、聞き捨てならないわけで・・・興味深いのです。

rakuten 明治の外国武器商人

李鴻章

「第2章 死の商人ミュンターの東洋体験」でミュンターの中国体験を、見てみましょう。
p70~73
■中国体験
 アームストロング社の中国駐在員から連絡がはいって、ミュンターは1887年9月20日、近江丸に乗って上海へ向かった。神戸に寄港した折におうさかに出向き、同地の兵器工場を見学する。イタリア人のジロ少佐の指揮下にあった同工場では、アームストロング社の部品が使用されていたからである。

 27日上海着、ドイツ人の駐在員ブックハイスターと仕事をすませたあと、チーフー経由で天津へ向かう。まず、ジャーディン・マセソン商会支配人ウィリアム・ケズウィックの仲介で、当時中国においていちばん勢力のあった李鴻章に面会、税務吏として権威のあったドイツ人デトリングにも会った。英国在清総税務司サー・ロバート・ハートの肝煎りで要職にあったデトリングについて、視野が狭い、人生経験に乏しいと、ミュンターはかなりきびしい評価をしている。

 ほかにも、ジャーディン・マセソン商会発行になる新聞『チャイニーズ・タイムズ』の編集長、スコットランド人ミチーらと面識になったが、ミュンターが特に注目したのはオーストリア人マンデルだった。一時ジャーディン・マセソン商会に勤めていたことのあるやり手で、風向きを見る才能の持ち主、中国語もみっちり勉強しているという具合で、ミュンターは強敵の出現を自覚した。

 李鴻章は用心深い人物で、客人と面会する部屋も質素、壁にはアームストロング社の商売敵クルップ社の社長アルフレッド・クルップを描いた油絵の肖像がかかっていた。ドイツの中国進出はここまで達していたのかという感をミュンターは強くした。もう1枚、故ゴルドン将軍の大きな写真が掲げてあったのも異様といえば異様だった。

 太平天国の乱の時、若い将校ゴルドンは、拳銃を片手に李鴻章を追い回したことがあったからだ。もっともゴルドンは、のちに軍事顧問として清朝に招かれるほど信任されるにいたったのであるが。

 人糞と巨大なゴキブリに悩まされながら、ミュンターは水路北京に向かった。同地では、デンマーク代理公使でもあったロシア公使ド・クマーヌイのところに泊まった。元海軍軍人のこの国際人は、コンスタンチノーブルではメンチコフの秘書を務めた俊才で、ミュンターは彼から当時の露清関係について詳しい情報と分析を仕入れることができた。
(中略)

 アイルランド人ロバート・ハート卿はオールコックのあとを受けて上海の税関事務を司って以来、ずっと税務にたずさわってきていたが、そればかりではなく、中国の海岸を測量したり航路に標識をつけたり、台湾の最南端にも灯台を造築したりといった具合に、中国では大活躍した人物だった。また、中国の漁業、養蚕にも功績があり、中国が万国博覧会に出品するようになったのもこの人があったればこそだった。



『明治の外国武器商人』5 :ミュンターの仕事
『明治の外国武器商人』4 :伊藤博文や西郷隆盛の話
『明治の外国武器商人』3 :ミュンターの来日
『明治の外国武器商人』2 :アームストロング社嘱託として東洋へ
『明治の外国武器商人』1 :「はじめに」





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Last updated  2018.05.02 00:35:52
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