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2020.12.29
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カテゴリ: アート
図書館で『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』という本を、手にしたのです。
この本の表紙には、なんか見覚えがあるが・・・ま いいかということで借りたのです。帰って調べると、やはり借りるのは二度目でした。ということでこの記事は(その5)とします。





辛島デイヴィッド著、みすず書房、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
村上春樹と英米出版界のスペシャリストたちの冒険。A・バーンバウム、E・ルーク、L・アッシャー、J・ルービン、G・フィスケットジョン、チップ・キッド…、そして村上春樹。Haruki Murakamiの世界への飛翔までの道のりを、30余名へのインタビューをもとにたどる、異色の文芸ドキュメント。

<読む前の大使寸評>
内容を覗いてみると、翻訳がテーマとなっているようで・・・
これが太子のミニブームにいたく響くわけでおます♪

rakuten Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち


翻訳家バーンバウム氏の続きを、見てみましょう。
p12~14
■転勤族(日本→ハワイ→メキシコ・シティ)
 当時バーンバウムはまだ小学校の低学年で、日本語に触れる機会も限られていた。カイルアにある家から親の送迎で通ったホノルルのイオラニ校のクラスメイトの多くは、日本、中国、フィリピンをはじめとした様々な国の二世や三世だった。日系人の生徒とも「英語が共通言語だったので、日本語で話すという発想はなかった」。

 バーンバウムは言う。
 「日本で数年過ごしていたこともあって、他の人種(特にアジア人)に囲まれているのが自然だった。逆に白人だけの環境だと少し居心地が悪かったかな。ハワイでは、日本と違って家と学校を行き来するだけの比較的閉ざされた生活環境に置かれていたから、どこまで直接影響を受けたかはわからないけど、色々な英語(例えば、教室で使われる「正しい」英語とは別の現地の言葉との融合から生まれる豊かな英語)があることは感じていたと思う。「正しい英語」という発想には今でも違和感を覚ええるな」

■メキシコでスペイン語とアートに浸かる
 ハワイからアメリカ本土に戻った後、バーンバウム家は再び父の仕事の都合で、メキシコ・シティに移り住んだ。
 日本語からはだいぶ遠ざかったが、代わりにスペイン語とアートにどっぷり浸かることができた。
 「ロベルト・ボラーニョの小説じゃないけど、みんな本当に道端で詩を引用してくるんだ。トウモロコシを売りつけてくる人が会話の中でさらっと詩を引用したりもする」

 メキシコ・シティでは、数々の作家、画家、その他のアーティストが「マッカーシー時代のアメリカから逃れて来た者も含め」同じ地域に暮らしていた。町でよく見かけたリカルド・マルティネス・デ・オヨスは、画家として国際的に名を上げていたが、同時にカルロス・フエンテスをはじめとするメキシコの名だたる作家や詩人たちの本にもイラストを提供していた。

 バーンバウムは言う。
 「中学時代の12、3歳の頃は絵を描くことに打ちこんでいて、ダリやシュールレアリズムに夢中だった。一家でメキシコ中を旅行して、その全体が雄大にして奇妙、素晴らしくも混沌とした夢を描いた巨大な一枚の絵のように感じられたものだった。アメリカ郊外の地味な凡庸さとはまったく対照的だった。日本に住んでいた高校時代も、夏休みのたびにメキシコに戻ってある建築家の「徒弟」をして過ごし(アートだけでは食べていけないと父親に説得されてね)よくメキシコ・シティを一人でぶらぶら散歩した。

 僕が第三世界の無秩序や気骨や没論理に惹かれるのもその頃の体験があるからかもしれない。当時はメキシコにこそ本物の「文化」があると思っていて、それに比べてしまうと日本でさえつまらなく見えた」 

ちなみに、息子と同様に、バーンバウムの両親もメキシコを気に入り、メキシコ・シティから北西約200キロに位置するケレタロ州、テキスキアパンで老後を過ごすことになる。1992年の夏に村上が雑誌『マザー・ネイチャーズ』の取材でメキシコを旅した際に、村上いわく「流暢なスペイン語を話す」バーンバウムも途中で合流しているが、その旅の後半に村上はバーンバウムの両親の自宅を訪れている。

「『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んでいた父が、ムラカミに音声消去の最新のテクノロジーについて説いていたのを憶えている。話は全く噛み合っていない感じだったけど(笑)」とバーンバウムは振り返る。


『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』4 :翻訳家バーンバウムができるまでp7~10
『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』3 :村上さんの「冬の時代」p236~238
『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』2 :出版社の出版事情p32~35
『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち』1 :翻訳家バーンバウムのケースp23~27
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Last updated  2020.12.29 00:28:03
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