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2022.09.20
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『もっと知りたいゴーギャン』という本を、手にしたのです。
ゴーギャンといえば先ず「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」を思い出すほど、気になる画家なんです。




六人部昭典著、東京美術、2009年刊

<「BOOK」データベース>より
序章 生い立ち/第1章 画家としての出発/第2章 独自の絵画の確立ーブルターニュ/第3章 野生を求めてー第1期タヒチ時代/第4章 失われた楽園ー第2期タヒチ時代/終章 見果てぬ夢ーヒヴァ=オア島

<読む前の大使寸評>
ゴーギャンといえば先ず「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」を思い出すほど、気になる画家なんです。

rakuten もっと知りたいゴーギャン



序章、第1章のあたりを・・・見てみましょう。
p4~7
<序章 生い立ち>
■異国の地ペルーでの原体験
 ゴーギャンは1848年にパリで生まれる。父クロヴィスは共和派のジャーナリスト、母アリーヌは、19世紀前半に社会主義思想の女流作家として活躍したフローラ・トリスタンの娘だった。ゴーギャンの周囲には、生まれながらにして、平等を重んじる思想と貧しい人々に対する関心が息づいていたといえる。

 こうした生い立ちに新たな展開が加わる。ゴーギャンが生まれた翌年、共和派への弾圧を避けるため、一家はペルーのリマに赴くのである。リマでは、アリーヌの大叔父が副王として権勢をふるっていた。ペルーに向かう船上で父は急死スルガ、アリーヌと幼い姉弟は温かく迎えられた。

 南米の機構と風土、インカ時代の陶器など、西洋とは異なるさまざまな品々。さらに黒人の召使いたちが出入りする貴族的ともいえる雰囲気。ゴーギャンはこの異国の地で、幼年時代の6年を過ごすことになる。

■生涯を決定づけた出自と幼年の記憶
 成長してのち、ゴーギャンは船員として再び南米の地に赴く。徴兵に際しても、海軍を志願して航海に出ている。彼にとって、ヨーロッパ以外の世界に関心を寄せてゆくのは必然ともいえることだった。

 晩年、ゴーギャンは生涯を回想した文章を残した(前語録)。彼は両親と祖母フローラ、ペルーの親族に至る母方の家系について語り、リマで育った幼年期を詳細に述べている。「私は眼の記憶が抜群に良い」と言うが、そこには想像も加わっているだろう。しかし重要なのは、ゴーギャンが自らの芸術の原点をこのような生い立ちに、つまり出自にかかわる思想的背景と幼年の記憶に見出していることである。
(中略)
<第1章 画家としての出発>
■就職と結婚、そして絵画への関心
 ゴーギャンはパリ株式取引所で働き始め、結婚して家庭をもつ。当時のフランスは経済発展を続け、とくに普仏戦争後の復興景気に沸いていた。ゴーギャン自身もすぐに有能な株式仲買人となった。収入にも恵まれ、裕福な家庭生活を営んでいたといえるだろう。

 金融業界で身を立てる一方、ゴーギャンは絵画に興味をもつようになる。1871年頃には絵を描き始めていたようだ。やがて彼の中で絵画に対する関心が大きくなってゆくが、そこには二人の人物との出会いがあった。

 ひとりは職場の同僚エミール・シュフネッケル。彼はアマチュア画家として経験を積んでいた。ゴーギャンは彼の誘いで、画塾に通い始める。もうひとりは、印象派の画家カミーユ・ピサロである。ゴーギャンは印象主義を学び、印象派展にも加わることになる。もっとも、当時のゴーギャンにとって、生活の基盤はあくまで株式の仕事だった。

■模索の時期
 ゴーギャンに大きな転機が訪れる。金融恐慌が起こり、株式の仕事が難しくなったのだ。ゴーギャンは仕事を辞め、画家になることを決意する。もちろん、容易な選択ではなかっただろう。ただゴーギャン自身は絵と彫刻の仕事などを合わせれば、生計を維持できるのではないかと考えていた。

 しかしゴーギャンの目論見はまったく外れてしまう。美術では収入は得られず、蓄えも底をつく。妻メットは子供たちを連れて、コペンハーゲンの実家に身を寄せることになる。ゴーギャンも12月には家族のもとに赴くが、メットの実家との関係は険悪だった。販年後、ゴーギャンはパリに戻るしかなかった。
(中略)
 この模索の時期は彼にとって闇にも等しいものだったが、この暗闇の中から「画家ゴーギャン」が姿を現してくるのである。


『人騒がせな名画たち』1 に「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」が出てきます。





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Last updated  2022.09.20 00:25:10
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