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2024.08.25
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カテゴリ: メディア
『漢字とアジア』という文庫本を読んでいるが、この本では思いの外、ハングルについて
語られているわけで・・・

『韓国が漢字を復活できない理由』という本を復刻して読み直してみようと、思い立ったのです。


*********************************************************
たとえ不自由はあろうとも「日本隠し」を続ける意地はすごいけど・・・
隣国の民として「漢字・ハングル混じり文」だけは復活してほしいと思うのだ。

豊田さんのこの本を読んで、切にそう思ったのです。

【韓国が漢字を復活できない理由】
韓国
豊田有恒著、祥伝社、2012年刊

<「BOOK」データベースより>
韓国はもともと漢字の国だった。中国への従属関係から公文書はすべて漢文であり、世宗王が創製したハングルは蔑まれ、知識階級が使うことはなかった。日本統治時代、日本製の漢語が大量に流入する。韓国で使われた漢字熟語の七、八割は和製漢語なのである。なぜ、韓国は、漢字を廃止したのか。その後、復活論がわき起こるたびに潰されてきたのはなぜか。韓国研究で名高い著者が、その深い謎に迫る。

<大使寸評>
豊田有恒と言えばSF作家とばかり思っていたが、著者の著述分野の多彩さにまず驚いた次第です。
この本も書店で衝動買いした1冊でおま♪
(Amazon 豊田有恒 参照)

Amazon 韓国が漢字を復活できない理由


内容の一部を紹介します。

<李承晩大統領が出した「ハングル専用法」>p50~52
 1945年8月15日、韓国で言う光復の日から、すでに67年、その間、韓国の漢字政策は、朝令暮改、試行錯誤の連続だった。
 戦前の日本教育世代の多くの方々は、漢字・ハングル混じり文の効用を知っているから、日本語の言い換えと並行して、国語を再編成するに当って、漢字語の重要性を説いたが、李承晩大統領は、ハングル優先政策を採った。日本統治を逃れて、アメリカに亡命していた李大統領は、アメリカ人の夫人を伴い帰国し、大韓民国初代の大統領に任命されると時を同じくして、正式な建国の1948年に早くも「ハングル専用法」を公布し、公文書のハングル表記を命じた。
「大韓民国の公文書はハングルで書くものとする。ただし、当分のあいだ必用な時には漢字を併用することができる。
 付則、この法律は公布の日から実施する」

 この「ハングル専用法」は、公文書のみを対象としたものだが、それでも漢字の併用を認めている。終戦後3年、韓国も大韓民国を称して独立したものの、いまだに言語そのものが、日本語の影響から逃れなかったのである。
 李大統領は、日本漁船を拿捕するなど、反日をむき出しにした。ハングル政策も、その反日の一環だったのだが、必要な場合は漢字を併記することも認めざるをえなかった。やはり漢字抜きでは無理があると、考えたからであろう。

 日本統治時代、植民地ではなく、併合していたのだから、国語といえば日本語だった。朝鮮総督府は、台湾でも同様だったが、日本語を国語とし、国語常用家庭を表彰するなど、日鮮一体化政策を遂行したが、必ずしも漢字・ハングル混じり文を、禁止したわけではなかった。慶応義塾に籍を置いたことのある筆者は、呼び捨てにしにくいので、あえて福沢諭吉先生と呼ばせてもらう。すでに併合以前、福沢諭吉先生は、王朝時代の漢文至上主義を批判し、みずからハングル活字を作らせ、漢字・ハングル併用を、推進しているほどである。こうした経緯については、のちほど詳しく説明する。

 ただ、第二次世界大戦後、このことが仇となり、漢字・ハングル併用は、日本帝国主義の残滓のように誤解され、排斥の対象とされるようになった。その一方で、ハングルは、民族のシンボルの域にまで祭り上げられることになった。



<朴正熙は、なぜ漢字追放に踏み切ったのか>p52~54
 ここで、ハングル派の言い分にも、耳を傾けてみよう。たしかに、ハングル派の努力によって、ハングルは、韓国社会に定着している。韓国は、日本と同様、識字率の高い国だが、日本時代の初等教育の普及と、ハングル教育に負うところが少なくない。ハングル派の言い分は、要約すれば、漢字論者への反論である。
「ハングルは、韓国語の表記に適している。また、文字の機械化にも適している。それにもかかわらず、せっかく定着しているハングルに、漢字表記を加えることは、歴史の歯車を元に戻すようなものである」と、言うのだ。

 これに対して、漢字混用論者は、こう主張する。まるで人体実験のように、韓国語の70%を占める漢字語を排斥した結果、相当数の教養欠落者を出した。教育効果を増進する漢字を、ただちに復活すべきである。
 その後も、折に触れて、日本時代の教養を有する知識人たちは、ハングル至上主義による知識、教養の低下を憂え、漢字復活を建議し続けた。中には、漢字復活を訴え、ハングル至上の国粋派の指弾を受けて、大学の職を追われた教授すらあった。
 韓国中興の祖とされる朴正熙大統領は、いわゆる第三共和国の一時期(1968~72年)、教育カリキュラムから、漢字を追放した。大邸師範学校を卒業した朴大統領自身は、必ずしもハングル至上主義ではなかったのだが、日本統治時代に奨励された漢字・ハングル混じり文が、いわゆる日帝のシンボルとして槍玉に挙げられたのである。

 朴大統領は、日本の軍歴を持ち、日本寄りと見做されることも少なくなかった。朴大統領は、国民の大反対を押し切って、日韓基本条約を締結した。国民のポピュリズムに迎合しない姿勢は、高く評価されるべきだが、その代償のように漢字がスケープゴートにされたわけである。





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Last updated  2024.08.25 00:37:09
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