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2026.07.29
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カテゴリ: メディア




図書館で『ロシア・ナショナリズムの真相』という本を、手にしたのです。
世界の大迷惑とも言えるロシア・ナショナリズムが述べられているので、チョイスした次第です。






植田樹著、彩流社、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
ソ連崩壊後の混乱と怒りと屈辱感は、今から150年前のクリミア戦争の敗北から農奴解放、革命へと向かう一大転換期の時代と類似点が極めて多い。ドストエフスキーはこの時期、大作の執筆の傍ら、雑誌に連載した『作家の日記』の評論で、スラヴ派の論客として政治、社会評論家として精力的に活動したが、その主張や当時の対ヨーロッパについての屈折した視点や感情は、現代のロシアの行動を理解する上では不可欠である。プーチンに率いられる現代ロシアの強力なナショナリズム、大国意識の底にあるスラブ主義の本質に迫る。

<読む前の大使寸評>
世界の大迷惑とも言えるロシア・ナショナリズムが述べられているので、チョイスした次第です。

rakuten ロシア・ナショナリズムの真相


「あとがき」で、ロシア人の本質が述べられているので見てみましょう。

p301~303
<あとがき>
 歴史を鳥瞰すると、現代のロシアとドストエフスキーが生きた19世紀後半の帝政ロシアとは実線ではないが、幾つもの粗い点線でつながっているように見える。それを本書では試みに「ロシア・ナショナリズム」という一本の線でつないでみた。それは普段は目に触れることのないロシアの大地とロシア人の心の奥深くに時代を超えて脈々と流れている。

 本文で記したように、同時代のロシアには「スラブ主義者」だけでなく「西方主義者」もいたし、 スラブ主義者の陣営にもドストエフスキーとは違う傾向の思想家も大勢いた。従って本書ではドストエフスキーだけでなく彼を囲んだ、それらの知識人の群像や肉声を通して ロシア・ナショナリズムの輪郭と本質をつかむことをめざした。

 何事にも「変わるもの」と「変わらぬもの」があるのはロシアも同じである。例えば、現代のロシアの知識人や若者の関心は時代を反映して教会よりも社会思想、ソビエト時代には政治イデオロギーに向けられていた。しかし、昔も今もロシア人の心の中では西のカトリックやプロテスタントではなく、「東の正教」への帰属意識が決定的に強いことには変わりない。
 皇帝はいなくなっても民衆が「強い国家指導者」に依存する体質も変わっていない。市民としての個々人の自由や権利よりも民族や国歌を重要視する「共同体」を志向する思想も根強い。

 現代の中央アジアをめぐるロシアと中国の勢力圏争い、中東のシリア、トルコをめぐるロシアと欧米のNATOとの綱引きなどの構図は、19世紀のバルカン半島をめぐる「東方問題」と重なって見える。
 クリミア半島やウクライナ、グルジア(ジョージア)問題などをめぐる欧米諸国によるロシアに対する不信感や制裁も、 19世紀のバルカン半島やコンスタンチノープルをめぐる西ヨーロッパ列強諸国との緊張関係と対比できるだろう。時代は違っても「ロシアとヨーロッパの間の距離感」は本質的に縮まっていない。

「歴史の縦の時間軸と地政学の横軸に ロシア・ナショナリズムが絡み合う三次元の立体的構図」の中で現代の変貌する様々な事象が生起している。
 とは言え、現代のロシアの政治も外交も、帝政ロシアの19世紀のそれとは同じでないことは言うまでもない。国家体制は違っているし、歴史体験や文明の進化によって生じた人々の意識の変化、内外の環境も諸条件も全く違う。歴史は繰り返されることはない。ソビエト体制は多くの弊害をもたらしたが、科学技術や産業を飛躍的に発展させた。そして今ではロシア人としての自覚も自信も一層深まっている。

 しかし、現在、未来の事象が過去と断絶して全く無関係に起こることも稀である。 変わるものと変わらないものが絡みあって螺旋状に動いている。
(中略)

 国家や民族も現在を生きるにあたって過去を全くは無視できない。現代のロシア人の考え方や政策の深層にも、そうした意味での「ナショナリズム」の因果律を読みとることが出来るだろう。
 本書の上梓にあたっては 彩流社の社長、竹内淳夫氏に重ねて多大のご尽力とご支援を賜りました。末尾ながら、ここに心からの御礼と感謝を申し上げます。
 2019年2月


『ロシアナショナリズムの真相』1 :ロシアナショナリズム
『ロシアナショナリズムの真相』2 :ロシアナショナリズムの本質





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Last updated  2026.07.29 15:21:33
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