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山本史也「神さまがくれた漢字たち」(理論社:よりみちパンセ)
白川静
という、とんでもない学者さんに、そうとは気づかないで初めて出会ったのは、もちろん本の中で、 高橋和巳
という中国文学者で作家の 「わが解体」
という、1970年ごろの、ある傾向の学生の必読書の中でした。
「S先生の、その研究室には過激派(?)の学生たちも畏敬の念で接していた。」 という内容の記述がありました。その部屋が 白川静研究室 だったのです。
1980年代の後半 「字統」「字訓」「字通」
という、文字通り字書である辞書が、世に問われる15年ほど前のエピソードですが、あれが、この 白川静
のことだったと気づくのは辞書が評判になって、実際に手に取った2000年を超えてからのことでした。
「令」について許慎(「説文解字」という後漢の字書の著者)は「?(しゅう)」と「卩(せつ)」とから成るものと分析し、その「?(しゅう)」は、「集める」の意味をもち、「卩(せつ)」は、「節」の意味をもち、それで、人を集め、竹の節でこしらえた「竹符」を与えて命令するのである、と述べますが、迂曲にすぎる説です。 これを読めば、話題の二文字の漢字の連なりの意味は、まあ、こだわらずに素直にとれば、神さんの声を聞いて仲良くしましょう、くらいの意味になりそうですが、いかがでしょう。
「令」は、礼冠をつけて、神の声に聞き入っている人の姿を、「象形」した文字にすぎません。
「さあ、いくつ漢字が出てきたでしょう?」 とかやったら、面白いだろうなあ。そういうふうに、漢字を理解していく子供を育てる世の中になればいいのになあ。そういう気持ちが作らせた本だと思います。
「口(さい)」 を知っている高校生が教室に座っているなんて、教員には夢のような話ですね。
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