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JR神戸駅
で下車して 元町商店街
の二本南の道を東に向かって歩きます。 中央郵便局
の前を通って、しばらくすると、ずっと東に 朝日会館ビル
が見えてきます。アーケードのある商店街からは見えませんが、こちらを歩くと、すぐそこに見える感じがぼくは好きです。「これは、なんだろう?」 スーパー・マーケットのバックヤードに、 見栄えのしない青年 がやってきて、制服を与えられ、手首から見えている 刺青、タトゥー というべきでしょうか、を注意されています。 青年 は棚が縦横に並んでいる体育館のような谷間に連れてこられて先輩に紹介されます。青年の名は クリスティアン 、先輩は ブルーノ 。30歳以上は年上に見えるオヤジで、明らかに偏屈者のようです。
「おっ、これはいいぞ。」 見ているぼく自身の中に 「ホッ」 とした気分がやって来ました。職場の同僚たちも、ぶっきら棒ですが暖かい空気が流れています。仕事の段取りを覚えていく 「新入り」 をその空気が包んでいきます。
「お前が待っていてやれ。」 と、穏やかに諭す ブルーノ の眼差しが心に残ります。
「妻が奥で、もう寝ている。」 と言い、二人は薄暗い台所で酒を飲んだはずです。 クリスティアン は、その住まいを、もう一度確かめずにはいられません。空っぽの寝室が ブルーノ の空虚を静かに寂しく物語っています。
帰り道は 元町商店街
を歩いて、 元町映画館
で一服させていただいて。知り合いのカウンター嬢とおしゃべりでした。
「今日は、どちらへ?」監督 トーマス・ステューバー
「うちは、これやってるんですが。」
「いや、今週は シネ・リーブル やな。今日のもよかった。 『希望の灯り』 な。観に行き。」
「はいはい、そのつもりです。」
「映画館のカウンター嬢に、よその映画館すすめてどないすんねんな。なあ。」
「ほな、帰るわね。」
「はい、またよろしく。」
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