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原泰久「キングダム( 58
)」(集英社)
6
月の ヤサイクン「マンガ便」
です。 「キングダム 58
巻」
、 6
月 24
日発売の最新刊です。 「 57
巻」
で 李牧
率いる「趙」軍の最後の切り札として現れた、趙軍三大天、怪物 「龐煖(ほうけん)」
に挑むのは、「飛信隊」を率いる 「信」
でした。
この巻が届く数日前、松山の 「サカナクン」
から電話がありました。彼は 「週刊ヤングジャンプ」
の読者なので、単行本になる前に、二人の戦いの行方を読み終わっています。
「キングダムやけど、信の友達の羌瘣は死ぬの?ホラ、妖術使う美人。」
「死なへん。」
「李牧は。」
「死なへん。」
「誰も死なへんの?」
「死ぬっちゃア、信も龐煖も死ぬ。」
「ええーっ、お話し終っちゃうやん。」
「朱海平原の戦いの決着はつくけど、マンガは終わらへん。」
知らない人が聞いても何のことかわからない会話ですが、 「キングダム」
を読み続けてきた読者には、気がかりだけを残した電話でした。まあ、実に 「アホ」
で 「ノンキ」
な気がかりではあるのですが。
で、 6
月も末の土曜日の夜「マンガ便」を届けてくれた ヤサイクン
に、思わず聞いてしまいました。
「飛信隊の信が死ぬの?」
「ああ、羌瘣も信も龐煖も死ぬで。ここからはドラゴンボールやな。」
いつものように調子乗っていい加減な返事をしているようです。結果、ますます意味不明です。しようがないので、 さっそく読み始めました。
マンガの世界では 「信」
対 「龐煖」
の死闘がクライマックスを迎えています。
武神を目指して「人」と「人」を縛り付ける鎖を打ち砕き続けてきた 「龐煖」
が、打ち砕いた先にある「人」と「人」の繋がりに遭遇し、自らの 「武の道」
の行きついた矛盾の頂点での、最後の逡巡のシーンです。
相手は、「人」と「人」の繋がりからパワーを充填し続ける 「信」
です。なるほど 「ドラゴンボール」
ですね。
この次のシーンこそがクライマックスですが、それは本書を手に取ってお楽しみください。
「李信」
対 「龐煖」
の戦いは、本書の前半の三分の一で終ります。そこから中盤三分の一で ヤサイクン
のいう 「キングダム」
の 「ドラゴンボール化」
が描かれるというわけです。 「信」
も 「羌瘣」
も死ぬという、奇妙な発言の謎も解かれるわけです。
さて、物語は 「秦」対「趙」
の、最終決着に向けて動き始めました。 「 59
巻」
、やっぱり楽しみですね。

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