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2020.08.04
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」( 18 日目)
小泉八雲『怪談』(平川祐弘:訳/河出書房新社) ​ 前回 YAMAMOTOさん が取り上げられた ​『孤愁 サウダーデ』​ で、その登場人物、 ​モラエス​ を知ったとき、つぎに取り上げる作者はすぐに思いついた。
 というか、ひとりしか思いつかなかった。西欧から来日して日本人と結婚し、日本で生涯を終えた作家、 ラフカディオ・ハーン だ。コメント欄でその名が出ていることにすぐに気づいたけれど、ここは許してもらおう。​
​『怪談』小泉八雲(平川祐弘:訳/河出書房新社)
 さっそく ラフカディオ・ハーン 、すなわち 小泉八雲 『怪談』 を図書館へ借りに行った。 「耳なし芳一」、「狢」、「轆轤首」、「雪女」 などの話はよく知っているけれど、 『怪談』 そのものは読んだことがない。初読である。​​​​​​

​八雲​ はギリシャに生まれたが、その後、父の故郷アイルランド、フランス、イギリス、アメリカ、西インド諸島マルティニーク島と移り住み、 40 で来日。松江で ​小泉節子​ と結婚してからも熊本、神戸と移って、最後は東京で亡くなっている。
​  ​ガルシア・マルケス​ のときにも同じようなことを書いたけれど、まさしく放浪の人生だ。​

​​​ ​ 在日期間は意外に短く 14 年。その間に結婚して三男一女をなし、各地の学校で英語教師をしたのち東京帝国大学の英文学講師を務め(ちなみに、 八雲 後任は 夏目漱石 )、その合間に 13 冊の著作を書いている。日本に来る前にはアメリカで長年新聞記者をしている。人の何倍もの濃密な人生を、 54 年で駆け抜けたのだ。​
『怪談』 は、 八雲 が日本での見聞や体験を西洋の人々に伝える目的で、英語で書いた外国語の文学である。だから翻訳によって読後の印象は多少違うかもしれないけれど、この 平川祐弘訳 は文章が明瞭で読みやすかった。​​​

​​  「耳なし芳一」 「雪女」 など、すでによく知っている話は、中に出てくるセリフまでがほぼ記憶通りで、しかもそれが映像とともに甦る。絵本か童話で読んだのかもしれず、それ以後もどこかで耳にしたかもしれない説話の「セリフ」は、何年経っても記憶の中で変質することのないほどシンプルなものだったということだ。シンプルなほど、怖さは際立つ。​​
​ ところで、 『怪談』 を読んだおかげで、面白い発見があった。​
​ 十数年前に松江に旅行して 「小泉八雲旧居」 に立ち寄ったとき、昭和 7 年にここを訪れたという 俳人・高浜虚子 の句碑を見かけた。​
​​​​食はれもす 八雲旧居の 秋の蚊に   虚子 ​​​

​​​​​ ​ どうして 「食はれけり」 ではなく 「食はれもす」 なのか。どうして 「八雲旧居の秋の蚊になら食われもしよう」 とまで詠んだのか。
 先人である ​小泉八雲 ​​ に敬意を表した、いわゆる 「挨拶句」 と考えるのが常道かもしれない。でも、それだけなのだろうかと、ずっと気になっていた。
​​ で、今回の 『怪談』 である。この本には、「怪談」以外に「昆虫の研究」という小文が収められているのだけれど、そのなかの「蚊」の項目を読んだとき、 虚子の句 に対するひっかかりが瞬時にほどけた。​​
​​​​​​ この文章の中で、 八雲 は蚊から身を守る目的で蚊の生まれる場所を調べるうち、「溜まり水」が蚊の繁殖を促す主原因だと知ったと書いている。なかでも墓地は、墓前に供える水や花立ての中など「溜まり水」だらけの場所だ。しかし、 八雲 は墓地という場所が好きだったらしい。
 自宅裏の古い墓地を​​​​​​​

​​ ​並はずれて美しい場所で、驚くばかりに珍奇である。一木一石も古い理想によって形づくられたものばかりだ。そんな古い美の規範はもはや現存する人の脳裡には存在しないものである。​​​​ ​​

 とまで書いている。
 蚊に食われるのはイヤだけれど、墓地で蚊に生まれ変わることができるのならば、たとえ 「前世の咎で食血餓鬼の境涯に堕とされてしまった」 のだとしてもそれを望む、 「かぼそい、刺すような歌をうたいながら、誰か私を知っている人を噛みに行きたいものと思うのである」 と結んでいる。​​​​
​​​​​​  虚子 がこの文章を読んでいたかどうかは分からない。けれども、読んでいたとしても不思議ではないだろう。なにより、この ​八雲​ の一文を受けたものとしてかの句を再読すると、そこには時間を超えた 八雲 虚子 の感応が生まれる。 「八雲旧居で見かけた秋の蚊に八雲本人を感じた」 虚子 に思いが至ったとき、このふたりの文学者への親近感がふつふつと湧いてきた。実際がどうであれ、楽しいではないですか。​​​​​
​ またまた長くなってしまった。では KOBAYASIさん 、よろしくお願いします。​ (K・SODEOKA2020・06・12)​
追記2024・01・20
 ​100days100bookcoversChallenge の投稿記事を ​​​100days 100bookcovers Challenge備忘録 ​ (1日目~10日目) ​​  (11日目~20日目)  ​​​ (21日目~30日目) ​  ​​​ (31日目~40日目)  というかたちまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと 備忘録 が開きます。​​​​​​


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最終更新日  2024.01.26 20:41:13
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