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クラウス・コルドン「ベルリン1919(上・下)」(岩波少年文庫)
の 下巻
をようやく読み終えました。
「ふたりはまだ死んでいない。だれも殺せやしない。彼らは百年後も生きているだろう。エーベルトやシャイデマンやノスケのことをだれも話題にしなくなっても、人々はカールとローザのことを思い出すだろう。」 まあ、思い入れ過剰と笑われるのかもしれませんが、作家が 「希望」 を描こうとしていることに胸を打たれた読書でした。
(「どんなにすばらしい言葉よりも雄弁」P361)
十一月九日は、ドイツにとっていろいろな意味で記念すべき日付です。一九一八年十一月九日、第一次世界大戦終結の鐘が鳴らされました。なんとも激動の100年です。しかし、この100年を現代の少年・少女たちに書き残そうとする作家の意欲には、やはり脱帽ですね。
二十年後一九三八年十一月九日、ナチス党がユダヤ人に対してはじめて大規模なテロをおこないました。七千五百軒におよぶユダヤ系の商店やデパートが破壊され、百九十のユダヤ教会堂が放火され、二万五千人をこすユダヤ人が逮捕され、暴行されたり殺害されたりしたのです。
それから五十一年後の十一月九日、ベルリンの壁が崩壊しました。ベルリンの壁は二十八年間にわたるドイツ分断の象徴であり、旧東ドイツの千七百万の人びとにとって二十八年間越えることのできない死の壁だったものです。 (「あとがき」P388)
「自由とは常に異なる考えを持つ自由です」若い人たちが 「自由」 という言葉について考えたり、大切にしたりする社会になることを祈りますね。
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