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たらちねジョン「海が走るエンドロール」(秋田書店)
2022年1月のマンガ便
に入っていました。 宝島社
の 「このマンガがすごい!2022」
で、 オンナ編第1位
の作品だそうです。
たらちねジョン「海が走るエンドロール」(秋田書店)
というマンガですが、そういえば12月に案内した 藤本タツキ「ルックバック」
は、 「このマンガがすごい!2022」
で、 オトコ編
の 第1位
でした。
まあ、 たらちねジョン
と名乗るマンガ家が女性だということなのでしょうね。兵庫県の出身だそうで、ちょっと嬉しくなりました。
お話は夫に先立たれた 65歳
の映画好きの女性 茅野うみ子
がひょんなことから大学の映像学科で学ぶ、見たところ男性なのか女性なのかわからない 内海(うつみ)海君
と知り合いになり、映画を創るという夢に向かって 「船を出す」
という、まあ、おくてのビルドゥングスロマンということらしいです。登場人物の名前にはじまって、みんな「海」というイメージで描かれていて、ありきたりといえばありきたりなのですが、結構うまくいっていると思いました。
ただ、表紙に描かれている人物が、 うみ子さん
なのか 海君
なのかよく分からないところが、このマンガの絵の特徴ですが、帯の少女風の人物が 海君
らしいので、表紙は、やっぱり うみ子さん
でしょうか。
楽しく読んだのですが、この作品の 茅野うみ子(65)さん
といい、 鶴谷香央理さん
の 「メタモルフォーゼの縁側」
で活躍する 市野井 雪(75)さん
といい、高齢の登場人物で、なかなかな活躍をするのが、それぞれ 女性
なのですが、なんか事情があるのでしょうか。
まあ、ぼくが男性で、二人の真ん中あたりの年齢であるからの疑問なのかもしれませんが、ちょっと気になったのは、そのことと、この作品の うみ子さん
の様子が、少し老けすぎているんじゃないかということです。
それにしても、マンガの中で面白そうな映画を描くというのは、うまくいくかどうか興味がありますね。今回も、 うみ子さん
の写真について、ことばでの描写はありましたが、絵にはなっていませんでした。さて、映画をどう描くのか楽しみですね。
ああ、それから、 うみ子さん
のビデオ・ライブラリーが 「老人と海」
と 「シャイニング」
と 「スタンド・バイ・ミー」
だったことに、ちょっと笑いました。1980年代に20代後半で、映画が好きだった女性が見た映画って、そのあたりなのでしょうか。娘さんとの話題でも 「シャイニング」
が出てきましたが 「ラドラム、ラドラム」
とうめきながら足をひずって歩きまわる ジャック・ニコルソン
が印象深い世代なのでしょうかね。まあ、しかし、 スティーヴン・キング
が好みだったというのは頷けますね。確かに、オオハヤリでしたから(笑)。
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