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「100days100bookvoters」
と題して、学生時代のからの友人と、コロナ最盛期(今でもかな?)流行った 「ブックカバーチャレンジ」
という、本の紹介ごっこをして楽しんでいます。 1冊目
が 2020年
の 5月
に始まって、 2022年
の 10月の末
で紹介された本が 90冊
に到達しましたが、90冊目の紹介が 檀ふみ
という女優さんが、お父さんのことを書いた 「父の縁側、私の書斎」(新潮社)
というエッセイ集でした。 ショッツル鍋 律儀に書き写しながら残念なのが 「ショッツル鍋」 そのものについて、 ぼく 自身が何にも知らないことなのですが、文章はいかにも立派な作家による 昭和の新聞コラム ですね。
そろそろ、なべ物の好季節がやってきた。
秋のモミジの色づく頃に、土地土地の様々の流儀の鍋をつつく時、まったく日本人に生まれた仕合わせをしみじみと感じるものだ。
フグチリよし、タイチリよし、沖スキよし、北海道の石狩鍋よろしく、九州のキビナゴ鍋よろしく、水戸のアンコウ鍋も結構だ。
新潟のスケソウダラの鍋もだんだんおいしくなってくる頃だが、今回はひとつ、ショッツル鍋といこう。
ショッツル鍋というのは、秋田のショッツルで鍋の汁をつくった、味わいの深い鍋物である。
ショッツルはおそらく塩ッ汁の転訛であるに相違なく、主としてハタハタを塩して、アンチョビー化した、いわば、魚の醬油である。
秋田では、ハタハタの大量の頃、そのハタハタに塩をまぶして、自家製のショッツルを作っていたものらしい。そのショッツルを自分の口に合うような塩からさに薄めて、ホタテガイの貝の鍋に入れ、さまざまの魚や、野菜を煮込みながら鍋物にしてつつくわけである。
しみじみとおいしいものだ。
で、その後、 「檀流」
は受け継がれていて、まずは長男の 檀太郎さん
ですが、彼の 「新・檀流クッキング」(集英社文庫)
に、同じく ショッツル鍋
のページがありますから、ちょっと引用しますね。 ショッツル鍋 寒さ吹っ飛ぶ 秋田名物ハタハタ料理 あのー。すごいですね。何がって、お父さん、当時、 「火宅の人」 を書いていらっしゃる最中で、息子さん、 「ハーイ」 なんですから。思いません? 「すごいなあ!」 って。
先日友人から、金沢の市場から直送されて来たばかりのハタハタをいただいた。それは見事なハタハタで、姿はプリプリしていて、いかにもショッツルにしてくださいというような風情であった。
ハタハタ、ショッツル鍋といえば、父も僕も大好物で、肌寒い季節になると、
「今日はショッツル鍋にします。タロー、ショッツルを買って来なさい。」
「ハーイッ」(新・檀流クッキングP27)
檀流クッキングの系譜
は、 檀太郎さん
が、 「読んで見る」
料理本としてたくさん出しておられて、続くのですが、 系譜の継承者
として、最近も頑張っておられて、なおかつ、文章が素晴らしいのが、実は、 檀晴子さん
なのですね。 太郎さん
のお嫁さんです。つい最近も、 「檀流 スローライフ・クッキング」(集英社)
という本をお出しになっていて、これが素晴らしいですね。今日はとりあえず表紙だけ案内して、内容はまた後日ということで、今日のブック・カバーの番外編は終わりますね。いやはや、 檀流クッキング
、おそるべしでした(笑)。
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