PR
カレンダー
カテゴリ
コメント新着
キーワードサーチ

「あのー、わたし4月から行くところが、まあ、無くなっちゃたんですよね。何にもすることがないというわけでもないのですが、一つ、どうでしょう、シマクマさんの映画館徘徊に同道させていただくというのは?」 なんか、褒められてるのかあきれられてるのかわからないようなお言葉なのですが、まあ、勇気を奮って
「えーっ?はい。全然かまいませんが、ボクが見る映画って、選んでいる意識はないのですが、あんまりおもしろくないですよ。」
「いえいえ、いつもいつも、フツーの人、あんまり見ないような映画をご覧になっているようですが、そこが面白そうだなということなんですよ。で、シマクマ・シネマ・クラブ、通称SCCという呼び名でいかがでしょう。」
「これ、見ますが、一緒に行きますか?」 とお誘いしたのがこの映画でした。
「あんた何やってんの?」 みたいなことをしていたり、ストーリーを説明することはボクにはできない映画でした。で、最後は、 家を建てていた男 の家の外壁に、びっしりと貼られているポスターと、煙突からたなびく白い煙のシーンで終わりました。
「シマクマさん、今日の映画は何点くらいですか?」
「お、きたな!」 と心の中では笑いそうになりながら、しばらく考え込んで答えました。
「80点くらいかなあ・・・」 ホッとしましたね。
「ああ、そうなんですね。それって、かなり高得点?」
「はい、いや、まあ、ボクは、いいんですが、困りませんでした?」
「えっ?」
「だから、ストーリーもないし、結末もオチもないし。腹立ちませんでした?」
「いや、最後の壁中ポスターの家のシーンとか、よかったじゃないですか。絵でいえば抽象画なんでしょうね。印象的なシーンのコラージュというか。」
「そう、そう。抽象画かどうかはわからないですが、これがイオセリアーニという人というか、わけわからなさ炸裂だったですよね。ボク、ここのところ、この人にはまっていて、10本くらい続けてみてるんですけど、みんな、こんな感じです。で、理屈いうのあきらめたんですけど、いいなという感じはいつもあるんです。」
「こんなの見るの初めてですが、悪くなかったですよ(笑)」
「あっ、じゃあ、また、来ますか?」
「もちろんです。」
「さて、次回はなにを見ようかな?」 監督 オタール・イオセリアーニ
オタール・イオセリアーニ「ここに幸あり… 2024.03.13
オタール・イオセリアーニ「ある映画作家… 2024.01.14
アレクサンドレ・コベリゼ「ジョージア … 2023.06.05