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武満徹
という音楽家の名前を初めて知ったのは、これがはっきり覚えていますが、高校2年の時です。
【目次】
I
音楽との最初の出会いは?
受け身の音楽は音楽ではない
日本人の耳、西洋人の耳
教えることは麻薬的
歓びが湧いてくる
音楽の聴き方、習い方
愛がたりない
II
北京のブラームスから
甘ったれた日本の音楽社会
中国音楽の新しい顔
芸術家は千人の外交官
僕の先生 斎藤秀雄、ミュンシュ、カラヤン
最後の演奏会
僕の恩師 清瀬保二、ストラヴィンスキー、メシアン
土地固有のオーケストラ
III
同時代の音が聴こえる
国家と芸術家
「御上の音楽」意識とオペラ座
みそ汁とパスポート
社会主義国と音楽家
二人のゼルキン氏
で、 後記
は 武満徹
、 解説
を 細野晴臣
が書いています。それに加えて、お二人の 年譜
、 ディスコグラフィ
がついていますが、さすがにこれは古いですね(笑)。
で、内容ですが、今から 40数年前
の対談です。 世界の音楽シーン
に躍り出た お二人
が、 「日本」
という極東の島国から飛び出して、海の向こうで活躍し、海の向こうを直接見た眼で、当時の 「島国の音楽シーン」
を振り返り見て、忌憚なく語り合っているのが、まずは、絶対的な面白さです。
世界標準
という価値観に立った視線が 「日本」
というローカルを批評する 生の言葉
が、初めて、 日本人の口
から聞こえてくるのは、当時は、新鮮な驚きだったと思います。それが、今では当たり前になったといえるかどうか、そこが問題ですが、たぶん言えませんね。
で、そのことに気づかせてくれるのが、この対談を、 2023年
の、 今
、読む、一番の価値かもしれません。交通手段であれ、インターネットであれ、 海の向こうの世界
はすぐそこにあると思い込み、 世界標準
で生きていると考えたがっているのが現在の 日本
だと思います。しかし、 世界標準
の価値観を維持するだけの 歴史や社会、文化
に対する基本的な常識を、急速に失いつつあるのが、この 島国
の現実ではないのか、そういう問いをふと浮かべさせてくれる 対談
でした。
具体的に興味深く読んだところは、 その2
で、そのうち報告しますね。じゃあ、今日はこれで。バイバイ。
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