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現代中国
の若い 映画監督
に興味があります。 ビー・ガン
という人の 「凱里ブルース」
とか 「ロングデイズ・ジャーニー」
、 グー・シャオガン
という人の 「春江水暖」
とか、ここのところ、興味深く見た作品が目白押しなのですが、中でも、若くして亡くなってしまったらしい フー・ボー
という監督の 「象は静かに座っている」
に強く惹かれました。まあ、そのあたりから 中国の若い才能
からは目が離せないという気分です。
「これ、さがせ!」 って言われた時の困惑と、指示された藪の中を歩き回ってそのボタンを見つけたときの驚きというか喜びというかは忘れられませんね。
「世界が沈み始めている!」 というわけです。で、それは主人公であるらしい ハオ君 の記憶の中にある、 不可解 と結びついて映画の物語を構成します。
あの時、消えていった友達=鳥たちは、大きな穴に落ち込んでしまったのだ。 まあ、そんな感じでしょうか。しかし、問題は 「穴」 、あるいは 「陥没」 の正体なのじゃないかと見ているボクは思うのです。 「陥没」 を確かめるのに トランシットの水平 をいうのはわかります。でもね、 箱尺 を置く 基準点 があいまい だと 変化の実相 は解らないんじゃないでしょうか。ボクは、そこのところに この監督 の、まあ、ちょっとエラそうに言いますが、未熟さのようなものを感じました。
「逃げたな?!」 観ているボクはそう思いました。うがちすぎかもしれませんが、 郊外の鳥たち が消えていった この10年 に、映画が描いている 中国社会 で 陥没 が始まり、その 陥没 の始まりの原因と穴の正体、 鳥たちの行方 をこそをこの映画は撮りたかったのではないでしょうか。
この10年
とは、 習近平の中国
の 10年
です。 香港の映画制作者
の多くが政治的亡命を余儀なくされ、直近では、 2022年
、甘粛省の貧しい夫婦の姿を 「小さき麦の花
」という作品で描いた
リー・ルイジュン監督
が映画を撮ることを禁じんられた 10年
です。もしも、 チウ・ション監督
が 基準点
を明らかにし、 陥没していく世界
の実相を思うままに描き出す作品としてこの映画を完成させていたら、ボクはまちがいなく 拍手
するでしょうが、その結果、一人の
映画作家が未来を閉ざされる可能性も感じます。
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