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2024.09.05
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​​ 武田一義「ペリリュー外伝3」(白泉社)
​​​​​  ​2024年​ 、8月最後の トラキチクン・マンガ便 に入っていました。 「ペリリュー外伝2」 (白泉社) を先日案内したばかりですが、 武田一義「ペリリュー外伝3」(白泉社) です。
 所収されているのは 『西浜にて』、『ALL ABOUT SUZY』、『長い夜』、『過去と未来と(前・後)』 という4つの短編です。​​​​​

​​​​​​​​​ 久しぶりにマンガ読んでいて、涙が出ました(笑)。すでに戦争は終わっていたにもかかわらず、敗戦を知らないまま持久作戦と称して抵抗を続ける中で、米軍への降伏を画策して、確か、 片倉兵長 に撃たれて、文字通り無念の戦死だった 小杉伍長 という人が、本編 「ペリリュー 楽園のゲルニカ」 の中にいたと思いますが、 『長い夜』 には、その 小杉さん 「望郷」 の思いが、 『ALL ABOUT SUZY』 には、戦争未亡人としてのこされた、 小杉さんの妻志津さん のアメリカでの 「戦後」 の生活が描かれていました。
​​​​​​​​​
​​​ 敗戦を疑いながら、アメリカ軍のゴミ捨て場を漁ることで生き延び、戦争がすでに終わったことを知ららないまま、抵抗していた 小杉さん の暮らしを描いた 『長い夜』 の、 昭和21年、1946年の一コマ です。​​​
​​​​​  80年後 の今から見れば、下手をすると滑稽ですらある、哀れな敗残兵の姿ということになりますが、果たして、そんなふうに笑うことができるでしょうか。 一方、こちらは 1971年 SUZY と名乗ってアメリカで暮らしている 志津 の夢に出てきたシーンです。夫だった 小杉さん が出征する以前の記憶が夢にあらわれます。​​​​​
​​​​​​​​ マンガは、 彼女 がアメリカに渡った経緯から、アメリカ人の実業家との平和な暮らしの今を、なんと、自らは復員し、戦後社会を巧みに生き延びてきた 片倉兵長 との出会いという、まあ、数奇な展開で描いています。もちろん、日本の商社の カタクラ が、戦地で を殺した張本人であることなど、登場人物の スージー は知りませんが、
​​ ​読者のボクは、ハッとしちゃうわけです。​ ​​
​ 
​​​​​​​​​​​  ペリリュー を描き続ける 武田一義 「戦争」 「戦後」 という、 「歴史」 に対する生半可ではない深い思いを感じました。
 偶然読んでいた 半藤一利 の​ 「昭和史の明暗」(PHP新書) ​の中に 駆逐艦雪風 の話として、 ペリリュー島を含むフィリピン海域 での兵員や物資の輸送ををめぐって困難を極めた話が出てきたりして、余計にリアルな気分でこのマンガを読みました。 武田一義さん が、かなり入念に資料に当たってドラマを構成していらっしゃることにも気づき始めて感心しています。
 読み応えのある作品ですよ。

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​​​​​​​​​​​​​​ ​​​  追記
 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で 楽天ID をお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​​​

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最終更新日  2025.07.23 15:11:20
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