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元町映画館
で見てから、 3週間
たってしまいました。
「いいな!」と感心した映画程、感想が書けないことが、このところの 徘徊老人 ですが、 主人公 の名前は デリア でした。 パオラ・コルテッレージ という、この 映画 の 監督 である女性が扮する 1946年 くらいの、 敗戦国イタリアのローマ で暮らす 主婦 です。
「なんなんだ?」 2025年 、極東の島国で 70歳を過ぎた老人 が
啞然! とする シーン で始まりました。
画面
は モノクロ
で、描かれている 時代
は 1946年
くらい、 場所
は ローマの下町
のようです。
ちょっと大変ですね!(笑) というか、笑ってますが、 笑えない境遇の中年女性 です。
結構、納得の映像! で、 白黒画面 ということもあって、
これって、1950年くらいのイタリア映画なのかな? とか思いながら、 最後のオチ には 拍手!拍手! で見終えました。
おそらく、
喜劇で行こう! という目論見からでしょうね、 映画 のはじまりの頃に、
彼女宛てに配達される一通の封書 の意味を、後から思えば、見ているこっちに ミス・リード させようという魂胆の展開だったのですが、その目論見も笑い飛ばせるくらいに
爽快な結末で、納得!、拍手!でした。
現在
という 歴的視点
の常識に従って、この 映画
で描かれている 彼女
の 夫や舅の振舞い
を見るなら、誰でもが容易に批判できる 愚かな行為
、あまりに当たり前すぎて滑稽感さえ感じさせる 女性蔑視
ですが、 戦争に負けた国
の
「男性的振舞いのダメさ=勝敗に関わらず戦場で戦ったという男性的自己陶酔に溺れ続け、女性たちに忍従を求める甘え」 とでもいうべき、おそらく、 当時の復員兵たち が当然視していたであろう、 時代的・歴史的視点 を思い浮かべて見るなら、この 映画 で、 製作者・監督 が 主人公デリア に求めさせた 女性の自立 という考え方の尊さが、単なる 男女平等思想 や、 教科書で習うフェミニズム思想 を越えた
深さとリアル を持っているといえるのではないでしょうか。
古い作品だと思い込んでいました。が、実は 2023年 に作られた、いわば 最新 の、だから コロナ騒ぎの全体主義の再来 を体験し、世界中のいたるところで 「戦前的」社会風潮がひろがりはじめた今の映画 なのだということに気づいて、もう一度、感心しました。
「急いでいる女!」 と呼ぶのが、実は ネタばらし だったですが、 デリア が急いでいかなけれならない場所として選んだ、 あの場所 の意味を男女を問わず、もう一度、考え始める事態にボクたちは直面しているのではないでしょうか?
笑いで問いかけてみせた、監督パオラ・コルテッレージに拍手! ですね。
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