プラハからオロモウツへの移動については、チェコ鉄道、レギオジェット、レオエキスプレスのどれを使っても問題ないという話はすでに書いた。あれから私鉄が一つ増えたけれども、スロバキアのニトラのほうに行くならともかく、オロモウツまでの区間に使用するメリットは少ない。とにかくどの鉄道会社を使っても到着する駅は同じオロモウツ・フラブニー・ナードラジーである。ホームも同じになる場合もあるかな。
駅についたら、荷物が多くてトラムで移動するだろうという前提のもとに説明をすると、まず中央のホールに向かう。別の出口から出てもいけれども、トラムのチケットを買うには中央ホールにでるのが一番手っ取り早い。エスカレーターでホールに上がって正面の出口に向かう途中で、右のほうに向かうと窓口がいくつか並んでいるののうち一番奥にある二つがオロモウツ市の交通局のものなので、開いていればここで何枚か買っておくといいだろう。普通は一枚14コルナである。荷物が大きい場合には追加料金が必要になるなんて言う話もなくはないのだけど、払ったことはない。心配な場合には窓口で質問をすればいい。ただし、英語が通じるかどうかは保証の限りではない。
小銭がない場合には、ホール内の一番ホームに向かう出口の脇にあるキオスクみたいな売店で買えるはずである。そこも閉まっていたら反対側のトイレに向かう途中にある小さなスーパーみたいなお店で、ちょっとした買い物をして小銭を作るしかないかな。最後の手段としては、携帯をつかってSMS乗車券を買うというのがあるのだけど、自分では使ったことがないし、使いたいとも思わないのでよくわからない。気になる人は こちら をご覧いただきたい。届いてから乗らなければいけないとか、トラムに乗ってからではなく、買った時間から50分有効だから事前に買っておけないとか、値段がちょっと高いとかあるようである。一応トラムの運転手から直接買うことも可能だけれども、これも小銭がないと難しいので、小銭があれば駅から乗る場合には自動券売機で買ったほうがマシである。
チケットを買ったら、駅舎を出る。駅前にはバスの停留所もいくつかあって、バスの乗るときにはどこから乗るのか結構厄介なのだが、トラムに乗る場合には駅舎を出たらすぐに左に曲がってそこにある停留所からトラムに乗る。線路を渡って反対側の停留所から乗ると、場合によっては駅の裏側に連れていかれるので注意が必要である。
問題は何番に乗るかである。最初に宿舎に向かうのであれば何番でもよく、二つ目の停留所で降りることになるのだが、話の都合上事務局に向かう。その場合、2番、3番か、X1/4番のp?es centrumと表示されているのに乗らなければならない。駅前の停留所をでてすぐに左折してそのまままっすぐ大通りを進んでいくやつである。歩く場合にもこのトラム沿いを歩いて行けば、目的地に到着する。大通りの名前はマサリク通り。一つ目の停留所はウ・ビストシチキでモラバ川の支流のビストシチカ川から名前が取られている。駅を出て二つ目の大きな川がモラバ川で、この川にかかる橋の上から上流、進行方向を向いて右側を見ると、遠くにナポレオンも滞在したクラーシュテルニー・フラディスコが見える。
橋を渡った先の交差点でマサリク通りは終わり、交差点を越えるとヤン・ジシカを記念したジシカ広場(ジシコボ・ナームニェスティー)になる。ここに二つ目の停留所がある。左がわの奥にある灰色の建物が元駐屯ソ連軍の本部だった建物で現在はパラツキー大学の教育学部になっている。教育学部の建物前が広場のようになっているのだが、そこにそびえているのがチェコスロバキア共和国の建国の父にして初代大統領のマサリク大統領の像である。ジシカ広場にマサリク大統領というのも不思議な気がしたけれども、マサリク通りの続きと考えればいいのかな。今年の宿舎に向かうにはこの停留所が一番近いはず。
ジシカ広場を出るとまた川を越える。この小さな川はムリーンスキー・ポトクと呼ばれ、城塞都市オロモウツの堀の役割を果たした川で、これを越えると旧市街である。ゆるやかに左に曲がりながら坂を登って行くのだが、途中のホテル・パラーツの前の三差路はつい最近まで改修工事が行われていた。その際に、街に入るための城門の遺構が発見されて記念碑を作るとかなんだとか言っていたのだけど、今日通ってみたらなんだかちゃちなのが立っていた。期待外れもいいところである。
三つ目の停留所がウ・ドーム。ドームというのは、聖バーツラフ教会(大聖堂でも可)のことで、バーツラフ広場、バーツラフ教会に向かう場合にはこの停留所が一番近い。バーツラフ教会に向かう道とは反対側に曲がると、大司教宮殿とマリアテレジアの武器庫がある。以前はこの奥の建物がサマースクールの会場だったのだけどね。
四つ目の停留所が共和国広場(ナームニェスティー・レプブリキ)で、スバトバーツラフスキー・ピボバルに飲みに行くときの集合場所でもある。サマースクールの事務局があるコンビクトという建物の最寄りの停留所はここである。トラムを降りて進行方向に向かって右側の大きな教会のできそこないのような建物が博物館、その次のカフェが入っている白っぽい建物が美術館である。劇場も入っているのかな。この建物の最近の見どころは外観で、見上げると銅色の人形がぶら下がっているのが見えるだろう。この人形、時間が来ると左右に移動し、チェコ語で罵詈雑言を吐くのである。何でもこの美術館に忍び込もうとして、うまくいかない泥棒という設定らしい。
たしか二年ぐらい前に設置されたこの作品、「芸術」ということなのだけど……。見世物としては面白いし悪くないとは思う。現代芸術というものが作者本人にしか理解のできない、時に悪ふざけと大差のないものに堕している現状で、チェコってのは現代芸術家には優しい国である。EUの議長国になったときにも、現代芸術科の加盟各国をステレオタイプ化してプラモデルの部品にした作品を飾って、一部の国を揶揄するような所があったので批判にさらされていたけれども、日本だったらありそうな国費をこんなくだらないものにつぎ込むのはどうかという批判はなかったような気がする。
無駄なことばかり書いていたらコンビクトまでたどり着けなかった。以下次号。
2018年7月17日23時39分。
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