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7月のシェフお勧めコースは、100%フォアグラのテリーヌ!フォアグラと調味料だけで作るいわば究極のテリーヌ。7月のコースのご案内
Jun 30, 2005
茄子の季節だ。米茄子は、アメリカ産の品種と京都の鴨茄子のかけあわせの品種で、アメリカ(米国)がらみなので米茄子というようだ。普通のなすと比べると、まずご覧のように大きいのとヘタがきれいな緑色なのが特徴。高知県産が高級品として有名だが、うちの畑の茄子も負けず劣らずおいしい。真夏から秋にかけて、たくさん取れるので、普通の茄子も含めて様々な料理になる。「親の小言となすびの花は、万に一つの無駄もなし。」と言って茄子は開花すると必ず実をつける。茄子やトマト、ピーマンやしし唐などの茄子科の夏野菜は、夏の日差しを吸って勢い良く育つ。太陽のパワーを食べているような気になる。
Jun 30, 2005
ある料理のオリジナルの由来がはっきりしているということは、意外と少ない。様々な説があったり、本家を主張して譲らなかったりすることが多いからだ。そんな中でこのヴィシソワーズほど由来がはっきりしている料理はないだろう。ニューヨークの有名ホテルの総料理長だったルイ・ディア氏の作といわれている。正式名はCreme Vicyssoise glacee、ヴィシィー風の冷製クリームスープ。日本ではじゃが芋の冷製スープと言うことが多いが、本来はポロ葱の甘味を楽しむための料理でじゃが芋はつなぎなんですね、、、。パリ近郊にヴィシーという温泉(鉱泉)の保養地があってルイ・ディア氏はそこの出身。幼い頃彼の母親が良く作ってくれたのが、ポタージュ・ボンファムPotage bonne femme。スライスしたポロ葱をバターでスエして良く甘味を引き出したらじゃが芋を入れて水を入れ、ドロドロに煮崩してバターと生クリームを加えて仕上げるとても素朴な田舎料理だ。ボンファムというのは、おばちゃん風といった意味だ。ディア氏は、そのポタージュ・ボンファムを翌朝牛乳で伸ばしたスープが大好きで、その故郷の味を冷製でだしたら、、、という発想で作ったらしい。さて、私の店の場合はこの時季に毎年ちょうど玉葱とじゃが芋の収穫があるのでポロ葱ではなく新玉葱を使ってヴィシソワーズ風のスープを作る。新玉葱をバターでしっとりとスエして十分に甘味を引き出したあとじゃが芋を加えて水で煮崩す。ローリエで少し香りをつける。ローリエを取り出したあと、ミキサーに軽くかけ(じゃが芋の細胞を完全につぶしてしまうと粘りが出てしまい美味しくないのでミキサーを回しすぎないようにする)さっと濾してよく冷やしたあと牛乳で伸ばして塩で味を調える。10人前につきタバスコを1滴が隠し味。浮身は切りたてのシブレットに限る。
Jun 26, 2005
7月のスペシャル、フォアグラ100%のテリーヌの仕込み。フォアグラの血管などを取り除き調味して型に詰めたところだ。このあと低温(140~160℃くらい)でゆっくりと約1時間かけて火を通す。日頃サンクではフォアグラといえばソテーが人気なのだが、私自身はテリーヌのほうが好きだ。インパクトの強さではソテーのほうが上かもしれないが、ニュアンスに富んだ奥深さはテリーヌのほうが上だと思っている。今夜焼いてしばらく熟成させると味が出て美味しくなる。テリーヌは下ごしらえから始めて10日から2週間後に食べるのが美味しいのだ。時間のかかる料理。パリのビストロ”ラミルイ”のフォアグラのテリーヌは、よく世界一だと言われていて、かつて私も一度食べたものだが、今では自分で作るテリーヌもラミルイに負けてはいないと思っている。
Jun 24, 2005
ガスパチョは、素はスペインのアンダルシア地方の郷土料理だ。この料理は世界中に広まってしまったから、あまりに多様なレシピがあってもはやオリジナルがどうのこうの言ったところで誰にも分らないだろう。ほとんどただのトマトジュースといったシンプルなものから、かなりたくさんの野菜をブレンドした複雑なものまで色々な作り方があるのだが、要は美味しいトマトの時期に作るトマトの冷たいスープである。私の場合は、トマト、赤いパプリカ、新玉葱、ニンニク少々、セロリ、シェリーヴィネガー、バルサミコ、上質なオリーヴオイルと上質な塩、、、。大体こんなところである。色が淡いときにはトマトジュースを少し加えることもある。店の名前から(5 au pied)5と書いてみた。
Jun 23, 2005

初夏のこの頃、毎年畑の玉葱が出来る。いつも紫色の玉葱と普通の白い玉葱が半々くらい出来るのだが、取れたての瑞々しい紫玉葱をローストして香ばしく焦がした玉葱のカラメリゼはこの時季限定のフォアグラの供となる。うちの畑の玉葱特有の信じられない程の甘さ!フォアグラのトロリとした食感と独特の風味が、香ばしく甘い玉葱と互いに高めあって実に美味しい。
Jun 19, 2005
大好評です!やはり美味しいものは皆さん分っていただけますね!今月のコースのシャラン産窒息鴨のフィレ肉です。この皿はサンテミリオンのワインに合わせてボルドーワインとポルト酒のソースを添えた。今夜のお客様も大満足の様子でした。
Jun 17, 2005

お客様のリクエストに応えて久しぶりに作った一品。子羊はよくラムチャップにする骨付きのロース肉を使う。ただし骨と筋と脂を全てはずして赤身の芯だけにするから、もとの目方の1/3程になってしまう。はずした部分は無駄にしないでオーブンで焼いたあと赤ワインだけで煮込んで出汁をとってソースにする。赤身肉をキノコのピュレと共にパイ生地で包んで焼き上げる。高温(300度近い)のオーブンでパイ生地がカリッと焼きあがるように一気に火を通す。温かい場所で休ませる間に余熱で肉にしっとりと火を通す。このようにきれいなロゼ色に焼き上げるのは、なかなか難しい。 こちらは、盛り付けた様子。20年熟成させたサンテミリオンを合わせて召し上がっていただいた。
Jun 16, 2005
ズッキーニはイタリア語。フランスでは、クールジェット(courgette)という。姿形からきゅうりの中間と思い込んでいる人が意外に多いが、クールジェットは長カボチャ(ペポカボチャ)の仲間だ。開花後すぐに結実して数日できゅうりほどの大きさになった幼果を食す野菜だ。一般的には、緑色のものが多く出回っているが黄色の品種もあって、毎年うちの畑では両方作っている。黄色クールジェットは、買うと緑の2~3倍もする高級野菜だ。(ただし味のほうはそんなに大きくは変わらない)この画像は、私の一番好きな食べ方で、、クールジェットを1cm程の輪切りにしてオリーヴオイルで強火で炒める。8分ほど火が通ったら上質な塩をやや多めに振り、ごく細かく切ったニンニクの微塵切りを加えて仕上げる。ポイントは最初から塩を振らないこと。始めに塩を振るとクールジェットから水分が出て煮込んだようになってしまって、せっかくのコリコリした食感が楽しめない。強火で一気に炒めてほしい。こうして作っておくと冷めても美味しいし、グラタン皿に並べてトマトソースとパルミジャーノチーズをかけてグラタンに焼いても美味しい。夏の定番メニュー、ラタトゥイユ(Ratatouille)には欠かせないし、ミネストローネ風のスープにも良いし、ピッツァのトッピングやパスタの具にも良い。和食にするならてんぷらに最高。あげたてを塩で食べる。
Jun 15, 2005
どうです、見て下さい。美味そうでしょう?これが、シャラン産窒息鴨のフィレの焼き上がりです。普通の鴨の3倍くらいの厚さに切ってあります。柔らかいのでよくある薄切り(エギュイット)に切ったら食べた気がしません。
Jun 10, 2005

フランスでは、豚肉を生から料理することは少ない。ほとんどが塩漬け肉を用いる。ものすごく塩っぱくて塩抜きしなければ食べられないほどの塩漬けから、そのまま焼いてちょうど良いくらいの薄塩まで様々な種類がある。もちろん生ハムも塩豚の一種、後ろ足の塩漬け肉を丸一本乾燥熟成させたものだ。イタリアのパンチェッタ(フランスではラールLard)などはバラ肉の塩漬けでフレッシュなものや乾燥熟成させたものがあり、それを燻製にするとベーコン(ラールフュメLard fume)になる。今日の料理は自家製の黒豚の半塩漬け(ラール・ドゥミ・セルLard demi sel)のグリエ(網焼き)。ごらんのように軽く塩漬けにした豚肉は発色して赤身が強くなる。それから余分な水分が抜けて旨味が凝縮される。さらに数日から一週間ほど熟成させると肉質が柔らかくなり旨味成分が増えるし、塩漬けなので保存性も良い。とても良いことづくめなのに日本では塩豚を作る習慣はないので、自分で作るしかない。もっとも大手メーカーがやりだしたらきっと保存料やpH調整剤旨味調味料発色剤等々嫌なものをたくさん入れるに決まっているからやはり自家製になってしまうのかもしれない、、、。これを網焼きにするのだが、網焼きはまずは強火!炭火なら申し分ないが、いちいち炭を熾しているわけにもいかないので店ではグリルパンを使ってます。網焼きではやはり落ちた脂が煙になって、肉に燻製のような風味をつけながら火を通してゆくのが大切。料理人の中にはフライパンで焼いたあとに焼いた鉄串でジューっと焼き目だけつけるなんてごまかしをやる人もいるが、それでは意味がない。燻された香ばしさと適度に脂が落ちるのが網焼きの良いところなのだから、、。ソースはもうこれはフランスでは定番のディジョン産マスタードのソース。豚に辛子の相性の良さはとんかつで証明済み。リヨンあたりのブラッスリーやビストロで出てきそうな料理だ。
Jun 9, 2005
岩牡蠣は夏が旬。冬に出回る養殖の牡蠣は真牡蠣という種類で、春先以降は味が落ちるが、この岩牡蠣は夏が旬で天然ものがほとんどを占める。今日の画像はお客様のリクエストに応えて仕入れた京都若狭湾の岩牡蠣。粉をつけて軽くソテーして下に良く煮詰めたバルサミコソースを敷き牡蠣の上から焦がしバターのソースを使っている。樽使いのシャルドネに最高!!
Jun 7, 2005
究極の素材などとたまに言う人がある。フレンチの場合多くの食材やワインがフランスの法律に則って格付けされているから最高位の食材やワインをあげることはできる。たとえば、ボルドーなら五大シャトー、ブルゴーニュならロマネコンティー、鶏ならブレス、チーズならブリー、、、等色々あるが、なんでも上には上があるもので、これらの格付けされたもの以外にも美味しいものがたくさんある。例えば先月のコースでお勧めしたペリゴールの地鶏などは、ブレスの鶏にも負けないくらいの美味さの迫力を持っているし、今回紹介するシャラン産の窒息鴨もそんな隠れた(日本では知られていない)素材のひとつだ。そもそもこのシャランの地で鴨の飼育が始まったのは300年以上前といわれている。フランス一の大河ロワール河の河口付近の広大な湿地帯でほとんど野生に近い状態でまるで牛の放牧のように放し飼いで育てられている。穀類や蜂蜜などをブレンドした伝統的な餌を与えて、さらに湿地帯で自由に餌を取らせて育てられている。どんな肉かというと、とにかく美味しい実に美味しい。六月のお勧めコースのメインです。
Jun 6, 2005
先日ホームページを大改造したり引っ越したり、また光ファイバーをひいたので集中的にPCばかりやっていたので、ここ1週間ほどつくづくパソコンが嫌になってサボってました。また、淡々とやってきますのでよろしく。 グリーンピースのポタージュとニンジンのポタージュの2色盛り合わせ。常連のお客様なのでちょいと遊んでみました。このようにクッキリときれいに分けるためにはまず正確に濃度を合わせることが大切。野菜のポタージュには色々な濃度のつけ方があって、私なりの定番が色々とある。グリーンピースは少しの小麦粉を使う。ニンジンはお米でとろみをつける。その他には南瓜はコーンスターチを使い、クレソンやホウレン草はじゃが芋ベースにしたりもする。この盛り付けは、仕上げたポタージュを2個の小鍋に入れて左右の手で同時に注ぐとできる。
Jun 1, 2005
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