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2013.10.06
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。


・ほんじつ休ませて戴きます
・忘却のしかた、記憶のしかた

さっそく、図書館に借り出し予約するのもいいかもね。
********************************************************************************

ほんじつ休ませて戴きます より
本日

<[文]谷本束>
 著者は大阪の古書店「青空書房」を営む。九十歳でいまだ現役の店主が、読書する素晴らしさと自身の人生、亡き妻への想いを語る。
 店の名物が休みの日に貼りだす「ほんじつ休ませて戴きます」のポスター。全部手書きで、洒脱なイラストとウイットに富んだひとことがつく。これが楽しい。「失望の壁一枚向うに希望が住んでます」「青春とはたくさんの本を読みたおすパッションだ!」。
 十三歳から働き始め、戦後の日本に絶望。どん底から救ってくれたのはマティスの絵だった。結婚三日目、奥さんに「甲斐性なしやな」と言われちゃった話など、つらいこともうれしいことも味のある大阪言葉がみんな包んで、人生の豊かさ、面白さに変えてしまう。
 忙しくて話す暇もないからと、ある時から毎日妻に書き続けた手紙には掛け値なしの感謝と愛情があふれる。気取りも気負いもない平易な言葉が、心にじんじんとしみこむ。
 人はたいてい、思いをうまく言葉にできない。自分の心をそのまま言い表してくれる言葉に出会うと人は泣いてしまうのだ、ということを本書を読んで知った。

    ◇

『ほんじつ休ませて戴きます』さかもとけんいち著、主婦の友社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
生命とは何やねん、今ここにあることや。90歳、古書店「青空書房」店主が綴る、いとしきものへの生命のメッセージ。

【著者情報】
大正12年(1923年)大阪市北区生まれ。昭和18年(1943年)、近畿大学専門学校法学部入学。同年、学徒動員で大阪22部隊歩兵通信中隊に入営。昭和20年、茨城県鉾田より復員。昭和21年、大阪焼跡闇市に「青空書房」創業。昭和22年、北区黒崎町に開店。昭和25年、和美さんと結婚。現在も同店の現役店主。大阪古書業界の古老であり、有名作家とも交流がある。定休日に貼り出す手描きのポスターや妻に宛てた手紙の、味わい深い文章とイラストがテレビ・新聞に取り上げられ、大評判に

<読む前の大使寸評>
以前のニュースで、このポスターを見て思わず笑ったものである。日常の機微をほっこりと綴っているし、お客をキャッチするというポスターの使命も押さえているわけで…ええで♪

店主のブログ 青空書房の青空 から最新のポスターです♪
ポスター

rakuten ほんじつ休ませて戴きます




忘却のしかた、記憶のしかた より
忘却

<日本学者として日、米、世界見直す:柄谷行人(哲学者)>
 本書は、著者の主要な仕事のエッセンスを、自身による解題を付して、年代順に配列したものである。「ダワー入門」と呼んでもよい本だ。内容的にいえば、マッカーシズムの時期に自殺に追い込まれたカナダの日本学者E・H・ノーマンについての論考から始まり、イラク戦争に際して米国当局が、かつて“成功”した日本占領の体験をモデルにしようとしたことに対する痛烈な批判にいたる。
 著者の『敗北を抱きしめて』は、占領下の日本社会について包括的に書かれた最良の書である。この本は米国でピュリツァー賞を受けたが、イラク戦争で日本占領経験を引き合いに出した当局がこれを読んだはずがない。著者の考えでは、イラクは日本と似ていない。むしろ、国連に反して単独で中東に攻め入った米国こそ、満州事変から十五年戦争の泥沼に入っていった日本に似ている。一方、この本は日本でよく読まれたと聞いているが、近年の状況を見ると、広範に読まれたとはとうてい思えない。政治家や官僚がこれを読んでいないことは、確実である。
 日本人は戦時の侵略と残虐行為をみとめることができずにいる、という見方が米国でも広がっている。しかし、著者は、米国で原爆投下に関する展示が中止されたとき、それに抗議し、アメリカ人が日本人の「歴史的忘却」を非難する資格はない、という。米国が原爆投下に関して、それを残虐行為としてみとめたことは一度もない。さらに、日本で戦争責任の問題があいまいにされるようになった原因は、そもそも、政治的な理由から、天皇の責任を不問に付した米国の占領政策にある。最も責任のある者が責任を免除されたのだから、責任という語は空疎となるほかない。
 著者は、日本人が戦争に対して強い被害者意識をもつが、加害者としての意識をもたないという心理を分析している。しかし、これも戦後一貫してそうであったかのように考えるなら、自他ともに誤解を与えるだろう。著者の指摘によれば、1994年の調査で、質問された日本人の80%が、政府は「日本が侵略、植民地化した国々の人に、十分な償いをしていない」という意見に同意した。以来、支配層は、このような世論を変えるように操作してきたのである。特に、2012年以後にその策動が強まった。
 本書では、日本を見ることが直ちに米国を、そして世界を見直すことになる。このような日本学者は数少ない。その中の一人、ノーマンについての論考を冒頭においた本書は、著者自身が歴史家としてそのような姿勢を貫徹してきたことを、見事に示している。

    ◇

『忘却のしかた、記憶のしかた』ジョン・W・ダワー著、岩波書店、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
冷戦の終焉、戦後50年という節目において、またイラクやアフガニスタンでの新しい戦争が進行するなかで、日本とアメリカは、アジア太平洋戦争の記憶をどう呼びおこし、何を忘却してきたのかー。ポスターや着物に描かれた戦争宣伝や修辞、ヒロシマ・ナガサキの語られかた、戦後体制のなかで変容する「平和と民主主義」、E.H.ノーマンの再評価など…。過去をひもとき、いまと対置することで「政治化」された歴史に多様性を取りもどす、ダワーの研究のエッセンスが凝縮された、最新の論集。1993年以降に発表したエッセイ・評論に、著者自身による書き下ろしの解題をつける。

<読む前の大使寸評>
歴史認識に関して中韓から難癖のように非難を受けている今、『忘却のしかた、記憶のしかた』というタイトルは、正に時宜を得ています。
著者は「アメリカ人が日本人の「歴史的忘却」を非難する資格はない」とまで言うが・・・
日米の過去の「政治化」された歴史を歴史家として見直しているようですね。

rakuten 忘却のしかた、記憶のしかた

ジョン・ダワーさんへのインタビュー を読めば、やはり、ダワーさんは日本の味方なんでしょうね。
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Last updated  2013.10.11 07:20:51
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