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2014.01.19
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カテゴリ: 気になる本
図書館で「漆・柿渋と木工」というわりと地味な本を手にしたのだが…


それと『脊梁山脈』を読む前に、木地師について勉強しておこうとも思うわけです。



漆

田村善次郎監修、農山漁村文化協会、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
阿波半田の塗師、宮城県鳴子の漆かき、越前大野の木地屋と塗師、各地の柿渋屋、南会津の太鼓屋など、伝統工芸を受継いできた人々を訪ねる。

<読む前の大使寸評>
これだ、これだ♪木地師が載っているし、民俗学と木工が語られるとは、大使のツボを突いているわけです。
全国で五ヶ所の民俗学的フィールドワークが紹介されているが、いずれも昭和52年から61年までのレポートであり、これらが産業として今も残っているか、やや不安を覚えるのです。

Amazon 漆・柿渋と木工


木地師はいろんな職人集団のなかでも最も上流側で、下請けにあまんじていたようです。

<木地屋のくらし:須藤護> よりp173~174
 木地屋の生活の場も仕事場も山であった。古くは家族ともども年間通しての山暮らしであったが、越前地方では次第に里村や大野市に降り、春から秋までの雪の降らない間だけ山に入るようになったようである。スエさん夫婦も結婚した当初は、冬期間も山を降りなかったというから、大正時代の後期ごろまでは山から山へ渡り歩く木地屋の姿があったとみられる。
 さて、越前地方の木地業はかなり早くから分業が成立していたようである。深い山に入って仕事をする職人は先山師とアラガタを挽く木地屋であった。先山師は原木を倒し、円筒形の木片をつくる職人、それを足踏みロクロを使ってアラガタをつくる職人を木地屋といった。アラガタは漆器の産地である河和田や山中に送られて、さらに仕上げをする。この作業をする職人もまた木地屋であった。

 先山師の仕事は原木であるトチやケヤキの大木をヨキとノコギリで伐採することから始まる。まず木を倒す方向を見定めて、ヨキグチをあける。ヨキグチというのは倒したい方向にヨキで木の側面をえぐり取ることで、木の芯までヨキが入ると、今度はその背後からノコギリで挽いて見定めた方向に木を倒す。倒した木は3尺の長さに玉切りをして、切断面に椀の大きさに合わせて円を描く。これが椀の直径にあたるが、このときアガタ(芯の赤味)は、はずして木取りをしなければならない。次に円と円との間のいらない部分に溝を掘るようにヨキで削り取り、玉切りした木から円筒状のトボ(丸太)を取り出す。これをヒを掘るという。
 ここまでの作業は原木の伐採現場で行い、トボを背負って作業小屋まで運ぶ。夫婦で入っている先山師は、男がトボをつくり、運ぶのは主に女の役目であったという。

 そして作業小屋の中でダイギリとよばれるノコギリで椀や鉢の高さに合わせて挽き、円盤状の木片をつくる。これを枚切りといい、木取りの方法はタテキドリである。この枚切りも夫婦で行う場合が多かった。そして枚切りしたものを木地小屋に運び、それからが木地屋の仕事になる。

 木地屋の仕事はロクロ挽きである。枚切りした木片をロクロにかけ、まず内側を挽き、次に木片をひっくりかえして外側を挽く。そして最後にコウダイの内部を挽いて大体の椀の形にする。これをアラガタといい、アラガタは1ヶ月ほど煙乾燥した後に、河和田や山中に送られる。
木地師

<越前の木地屋の歴史:須藤護> よりp180
 元亀3年の文書は、当時木地ものを扱う職人として、板物木地の職人と、椀などの丸物木地をつくる職人、そして塗物をする職人が分化していたことを示している。引物師とあるものは挽物師の意とみるのが自然であるが、轆轤師も挽物師も、ロクロを使って丸物をつくる職人ということになるので、あるいは膳や箱物をつくる指物師のことであったかもしれない。
 また永禄と天正の文書では、轆轤師と塗物師とが一つの職業集団を形成していたことを暗示している。これから、漆器の産地とまではいわないにしても、漆器を生産する小規模な職業集団が、越前の地に成立していたことが考えられる。それらの地は、「越前州今南東郡吉河、鞍谷、大同丸保」であろう。今日の鞍安川の谷口にある味真野町がその中心地であったとみられる。さらに、年代は明らかではないが、その北の今立町粟田部、河和田町片山なども、古い漆器の産地であったことが知られている。これらの地で生産された漆器が、府中(武生市)、一条谷などに出されていたのではないだろうか。

 また、これらの職業集団では、古くは轆轤師の頭が主導権を握っていたと思われるが、轆轤師よりも先に塗師屋が書かれている文書をみると、次第に塗師の力が大きくなっていったことを感ずる。漆器は木地よりも漆のかけ方によって、製品の良し悪しが決定される。したがって漆器の仕上げをする塗師、そして顧客により近いところにいる塗師の力が、轆轤師よりも大きくなっていくことは当然のなりゆきであろう。近世に入って各地に漆器産地が成立し、塗師の力が強くなっていくのだが、その前段階の過程が、これらの文書の中に現れているように思える。それは、主に木地を売りものにしていたであろう中世の轆轤師が、近世の塗師の下請業としての「木地屋」、もしくは「木地師」へと変貌をとげていく過程でもあったように思える。



大使が車で帰省するときは吉野川沿いの徳島自動車道を通るが、吉野川SAの手前に半田町があることさえ知らなかったのです。
この半田町がかつては「半田塗」として知られた漆器の大産地だったようです。

<木地椀が消える:姫田道子> よりp19~20
「半田塗という名称は明治時代、小学校の地理の教科書にも収録されていたから、日本中に知られていた。特に郷土の人々には、日常の食生活にかかすことができない膳、椀中心の生活必要品であったから、半田漆器の名は非常に親しみ深いものであった」
 これは竹内さんが見せてくれた昭和40年2月の徳島新聞の記事です。ところが竹内さんの仕事場には、膳などはあっても椀は見ることが出来ません。私はそれが気になりました。どうしてお椀がないのかしら。竹内さんのお話では、椀をつくっていたのは、専ら敷地屋という半田では唯一の漆器問屋だったらしい。そして半田周辺の山や、半田の町なかに住んでいた木地師たちがつくった椀木地は、すべてその敷地屋に納められていたといいます。独占でした。また明治20年代の記録では、逢坂には40軒の塗師屋がありましたが、そのうちのほとんどが、敷地屋の賃仕事をしていたといいます。たぶん半田のお椀の大多数は、そういう家々によってつくられたのでしょう。
「峠庵から逢坂見れば、朝も早よから椀みがき」
「食うや食わずの椀みがき」
と替歌にして唄われていた歌があるとも聞きました。
 一階の書斎の戸棚に、わずかに1、2個ずつの白木地と錆下地をした椀がありました。竹内さん父子の手によって、仕残されたものではなさそうでした。竹内さんのお話では、お父さんの年代になってからは、山に住んでロクロを挽く木地師たちが、半田に見切りをつけて山を去って行ったといいます。山からの椀木地の供給が絶えた後は、里に蓄積された椀木地を頼りに、里に住む仕上げロクロ師が細々と椀づくりをつづけたようですが、その仕上げロクロ師も転業してゆき、角物専門指物大工の檜木地類に変わっていったようでした。
 最後まで漆椀をつくっていたのは、敷地屋の下請けの塗師屋で、椀は椀、膳は膳とそれぞれ専業でやっていたようです。素地と漆と道具を敷地屋から預かり、賃仕事として敷地屋に納めます。ところが大正15年に敷地屋が廃業してからは、そのまま椀の木地も漆も道具も下請職人のものになりました。そしてしばらくは、下請け職人が自ら塗って売るという時代がつづき、やがて手持ちの漆もなくなり、木地もなくなり、半田の椀づくりは、じりじりなくなって行ったようでした。
 これはひとつの例ですが、美原安夫さんという人の家では、御自分は役場に勤めながらも、家には職人を入れて御自分も昭和23年まで塗り、そして31年までには漆器類は売り尽し、大量に残った塗ってない椀木地など、若干の木地類を記念に残してあるだけで、他は全部風呂の焚き木にしてしまったとおっしゃるのでした。


プラスチック容器の出現などにより伝統産業が衰退していく様が語られていますね。
なにげなく見ている地方都市の光景の裏には、時代の流れに取り残された哀惜が隠れているようです。


<木地の道:姫田道子> よりp26~31
 車で降り立ったところは、中屋といわれる山の中腹で陽が当たり、上を見上げると更に高い尾根がとりまいています。
「あそこは蔭の名、おそくまで雪が残るところ。馬越から蔭の嶺へと尾根伝いに東祖谷山の道に通じています。昔、木地師と問屋を往復する中持人が、この下のあの道を登り、そして尾根へと歩いてゆく」
と竹内さんは説明して下さると、折りしも指をさした下の道を、長い杖を持って郵便配達人が、段々畑の柔らかな畦道を確実な足どりで登ってきました。平坦地から海抜700メートルの高さまで点在する半田町の農家をつなぐ道は、郵便配達人が通る道であり、かつては木地師の作る椀の荒挽を運ぶ人達の生活の道でもあったのです。
(中略) 
  また半田から南東の剣山の麓近くの村、一宇村葛籠までは、峠を越え尾根道をゆき渓谷ぞいの道を歩いて25キロ。竹内さんはここで昔、木地師をしていた小椋忠左ヱ門さん夫妻をさがし当てました。51年の1月と51年の秋に二度訪れております。おそらく阿波の山でこの方ひとりが半田漆器と敷地屋とに、かかわりあいを持った最後の木地師ではないかと思われます。
 竹内さんは小椋さん夫妻から、
「半田から一宇方面には、定まった中持人が来ていて、敷地屋から木地小屋までを上げ荷といった。来た日は一泊して疲れを取り、翌朝早く木地類を持って出発した。草履は一足余分に腰につけてきている。持ち帰る木地類は品物によっては数量も重さも違うが、菓子皿の場合だったら一荷400枚が定数であった、重さも12,3貫(約50キロ)であった。
 冬の山は寒さが厳しく、その上とても寂しい。正月前は半田からやってくる中持人をまだか、まだかと待っていた。(問屋との清算の取引は盆と正月の年2回)」と、お聞きしたと云う。

柿渋については ここ

日本木地師学界HP





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Last updated  2014.01.21 01:50:59
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