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先週は“ライブドア強制捜査”の波紋で、ほぼ週内いっぱい大騒ぎでした。

ところで、ライブドア騒ぎのことはともかく、いまは“ヒューザー・小嶋進社長の証人喚問”をめぐる問題はどうなったのか。

小嶋社長喚問だけではなくライブドア捜査についてもけっこうイライラさせられます。
だいたい、小嶋社長証人喚問が開かれると決まっている日に故意にぶつけるように大がかりな強制捜査に入ったおかげで翌日の朝刊トップは、耐震強度偽装という“あらゆる意味でいま最も重要な社会問題”をそっちのけにして「ライブドアグループによる証券取引法違反事件」の巨大な見出しが躍ることとなってしまったではないかと思う。

自民・公明両党による証言喚問拒否があり、世論に押されるかたちで実現されることに決まった後には予定日の引き延ばしが図られ、本来はもっと速やかにに行うべきであったのに、与党は３週間以上も先延ばしにしてしまった。
実際のことはもとより判らないけれど、さらにそこへ、もちろん証券取引法違反といった容疑があるとはいえ、ライブドア関連一斉捜査のように話題性のある動きをぶつけるとは。
これでは“与党は何とかして耐震データ偽造事件を不透明にさせてしまおうと目論んでいるな”と勘ぐりたくもなるではないか。
ま、それはさておき、その証人喚問を終えた後の１８日、小嶋社長が偽造マンションの住民たちと話し合ったというのだ。１９日の毎日新聞朝刊にはヒューザー（東京都千代田区）の小嶋進社長は１８日夜、衆院の証人喚問後初めて偽造マンション住民と面談した」とあるが、その際に小嶋社長が述べたことばに驚かされる。
住民が例の「証言拒否」について質すと、小嶋社長は「偽証罪に問われて自分が捕まると、会社が倒産して住民への賠償が果たせない」と答えたというのだ。
ひゃあ、たまげた！
証言を繰り返し拒絶した理由は、構造計算偽造の被害を受けている住民たちのためだったというのだ。
しかも、問題の補償について小嶋社長は「国家賠償を求めて支払
う」などと話したというのである。
まさに“卑劣”ということばの実体像を見る思いがした。

証人喚問は阪神淡路大震災１１周年目の日に行われた。建物が倒壊して多くの人が亡くなったが、命は失わなくとも住まいを失った人もたくさんいて、国に住居建て直しの補償を求めたにも関わらず拒否されたのだ。

事実を語ることを拒否した上、国家賠償を求めて補償を支払うなどという小嶋社長は、あの大地震の被災者が抱える苦悩についてどう考えているのだろう。

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