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体を温めると健康になる--。
ここ数年言われ続けてきたけれど、今年は「節電の冬」とあって、暖房に頼らず、体温を上げる方法がますます注目されている。
◇毎朝、温めた黒豆の煮汁--自称「芸能界一の冷え症」森口博子さん
◇1日にショウガ紅茶3、4杯--イシハラクリニック院長・石原結実さん
◇足首温めるレッグウオーマ、 麻布ミューズクリニック院長・渡辺賀子さん
かつて「芸能界一の冷え症」と自称した歌手でタレントの森口博子さん。
小学校のころから「ババシャツ」が手放せないくらい重度の冷え症。
汗をかくこともほとんどなかった。
10年ほど前から体を温めるさまざまな方法を試し、症状が改善してきたという。
森口さんの「冷え」対策は、朝の習慣がポイントだ。
「朝起きたらまず、パック入りで販売されている黒豆の煮汁を温めて、コップ1杯飲みます。体が温まり血行が良くなったところで、約20分間の自己流ストレッチ。
寝転がって手足を上げてぶらぶらさせたり、腰の筋を伸ばしたり、腹筋運動をします」
その後は、その日の自分についてプラスのイメージを膨らませる。
例えばコンサートがある日には、「お客さんと心を通わせることができる」といった具合に、求めていることを実現した自分の姿をイメージする。
「嫌なことがあっても何かのメッセージだとプラスにとらえ、いつも笑っていられるように心がけています。
そうすると、体調や血行も良くなる気がします」
冷えとは直接関係がないように見えるストレスだが、森口さんが言うように、実は深い関係がある。
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立つが、ストレスを受けて緊張すると交感神経が優位に立ち、血管が収縮して血の巡りが悪くなるという。
◆ 体温を上げると本当に健康になるのだろうか?。
こんな実験データがある。
愛知医科大学の伊藤要子准教授らの研究では、10人の被験者が40度の風呂に20分間入浴し、その後10~15分間、トレーナーを着るなどして保温した(HSP入浴法)。
その結果、病気やストレスで傷ついたたんぱく質を修復する「ヒートショックプロテイン(HSP)」というストレス防御たんぱく質が、入浴前と比べ平均1・26倍に増え、がん細胞やウイルスなどを殺すNK細胞の活性が、同1・46倍に増加したという。
◆ 「体を温めて病気にならない生き方」など、体温と健康に関する多数の著書がある石原結実・イシハラクリニック院長は「 あらゆる病気は冷えと関連 している」と言う。
石原さんが実践しているのは、1日10キロのランニングとスクワットやもも上げ運動。
「体温の4割は筋肉から生み出され、筋肉の7割はおへそから下の下半身にある。
下半身に筋肉をつけることが、体温アップには効果的です 」
そして、毎日欠かさず3~4杯は飲むというのが「 ショウガ紅茶」。「ショウガには健胃作用があり、辛み成分のジンゲロンやショウガオールは血流を良くして胃腸の働きを活発にする」と説明する。
作り方はシンプル。熱い紅茶にすり下ろしたショウガを入れ、黒砂糖またはハチミツを入れて飲む。ショウガや黒砂糖の量は「飲んでみて一番おいしい量」が適量。「本能に従い、やってみて調子の良いことを続ける。これが健康法の基本です」
本能に従って石原さんが約10年間続けているのは、裸で寝ることだ。「ちょっと極端な方法なので、人には勧めていませんが」とワハハと笑う。ただし、腹巻きだけはつける。「腸内には全リンパ球の7割があり、腸を温めると免疫力が上がるのです。私は真夏も腹巻きを着けています」
40年近く薬を一粒も飲んだことがないという病気知らずの石原さん。
秘訣は体温アップ健康法と、細かいことは気にしないおおらかな心の持ちようなのかもしれない。
◆ 「 体を温めると美人になる 」。女性ならばつい気になってしまうタイトルの著書を持つ、麻布ミューズクリニック院長の渡辺賀子さんにも話を聞いた。
97年に北里研究所で「冷え症外来」を開設し、現在は女性のための漢方診療を行っている。
渡辺さんによると、自分は冷え症だと自覚している女性は約半数。
しかしよく話を聞くと、「冷えるのは当然」と思い込んでいる人も多く、実際には冷え症の女性は7~8割に上るという。
「 血液には細胞に栄養素や酸素を配り、二酸化炭素や老廃物を回収する働きがあります 。この新陳代謝がうまくいかなくなると冷えはもちろん、皮膚のくすみ、乾燥、シミ、シワ、抜け毛、むくみなどの原因になる」
肌寒い季節だが、白衣にワンピース姿で若々しくかわいらしい渡辺さん。
気になる健康法は?
見せてくれたのは、膝丈と足首用の2種類のレッグウオーマー。
黒色で羽毛布団と同じ素材でできており、とても軽い。
「足元を温めないといけないって思っていても、ついスカートをはきたくなってしまうでしょう。
そんな時、診察室では足首用のレッグウオーマー、外出時には膝丈のレッグウオーマーを使います」。
同じ色の靴を合わせればブーツのようにも見えて、ファッションのように楽しめる。
足首には冷えにとって重要なつぼがあるので、重点的に温めると腰から足先まで血が巡るようになるのだという。
38~40度のぬるめのお湯での半身浴も、毎日欠かさない。
20~30分間の入浴中に、体を洗ったりなどのタイミングに合わせて湯船につかったり出たりを繰り返す「交代浴」が効果的だ。
「お湯につかっている時には血管が拡張し、出ている時には血管が収縮するので、これを繰り返すと血流が良くなり、体の隅々まで温まります」。
ラベンダーやミントなどのバスオイルを使うなどしてリラックス効果を高める工夫も忘れない。
もう一つは、朝、 起き抜けにお湯をカップ1杯飲むこと。 起きた時は体温が低い状態だが、お湯を飲めばすんなりと熱が胃に送られ、内臓から血の巡りがよくなるという。
味が無いのが物足りない時は梅干しやジンジャーシロップ、桜の花の塩漬けなどを入れて、香りも楽しむ。
「 冷えの改善には、温めとリラックスが最善の方法です 」 と渡辺さん。体にも心にも心地よい、自分なりの健康法を見つけて、「節電の冬」を乗りきりたいと言っています。
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