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誰の挑戦も受けることなく3年という自民党総裁任期をものにし、歴代政権がなしえなかった集団的自衛権の行使容認立法を国会で通し、環太平洋パートナーシップ協定交渉の大筋合意という追い風を受け、1億総活躍社会実現という新アベノミクスなる看板を掲げたばかりの我が国の最高責任者なのだ。「桃・栗三年、柿八年。桃と栗は、何とか収穫できたのかなと思います」と安倍晋三首相は、第2次政権発足から3年を迎えるのに当たって首相官邸で記者団に感想を問われこう答えたそうなのだ。安倍首相は「経済の再生、外交・安全保障の立て直しに取り組んできた。それなりの成果は出たのではないか」と振り返り、これからも長期政権に向けて改めて意欲を示したものとみられるというのだ。 「桃・栗三年」は果実が収穫できるようになるには長い年月が必要ということわざなのだが、自民党総裁の任期は連続2期6年までとなっていることから、柿が成熟するには任期延長が必要で過去に延長したのは中曽根康弘元首相しかいないという。「思いつき」とか「戦時中か」と散々な評判だった安倍晋三政権の新スローガン「1億総活躍社会」の政策は、「3世代同居・近居の推進」といった家族の支え合いを促すものが目につき、貧困対策などは後回しにされそうな雲行きとなっている。年末に行われた自民党の1億総活躍推進本部の会合では「受刑者の矯正施設拡充」から「難病患者支援」まで幅広い案が出され、ベテラン議員から「夢物語で収拾がつかなくなる」と懸念の声が上がったという。 「一言で言うと、新三本の矢は懐メロ。国際環境も人口構成も変わっている事実を認めようとせず、『昔の夢をもう一度』と経済成長をうたうだけだから現実味がない」というのは、東大名誉教授で認定NPO法人の理事長である上野千鶴子氏で、安倍政権は時代錯誤的な戦略を続けていると根本から批判しているそうなのだ。「出生率低下や離婚率上昇といったマクロなトレンドは、政治家が古い家族観に戻そうとしても変えられるものではない。人口減少社会を避けがたい現実として受け入れたうえで戦略を立てるべきなのに、現実を否認するから無理がある」と言うのだが、「希望出生率1・8」に寄与するとされている3世代同居・近居の推進策では、閣議決定されている「少子化社会対策大綱」に盛り込まれている。 緊急対策では国土交通省が住宅改修支援などを提案したほか、内閣府も緊急対策には盛り込まなかったが所得税や相続税の優遇措置を講じる方針を示したというのだ。また「介護離職ゼロ」という課題に関しては、検討されているのが介護休業の最大93日を3回程度に分けて取得できるようにする制度改正や、2020年代初めまでに在宅・施設サービスの受け皿を40万人分増やす案だという。「施設はあっても介護士不足でサービスできないのが実情。今年の4月に介護報酬が引き下げられ、介護士の平均年収は300万円未満に落ち込んだからなり手がない。サービス低下の原因をつくっておいて整備拡充とは、言行不一致だ」と憤るのは、介護保険制度の立案にも加わった市民福祉団体全国協議会専務理事だ。 「安倍政権が進めているのは、介護保険制度導入でせっかく進んだ『ケアの脱家族化』の動きを『再家族化』するもの。3世代同居は育児だけでなく介護でも家族負担を増大し、コストを削減する狙いだ」と、介護の分野でも家族の助け合いを復活させる「懐メロ」のにおいをかぎとれるといわれているが、このままでは3世代同居を検討できる大家族が優遇され、一人親家庭がますます孤立してしまうというのだ。安倍首相は官邸の庭の柿を取って食べてみたエピソードを紹介し「結構、渋かった」と言っていたそうなのだが、国民に情報を共有して説得力によって国民に負担と協力を求めることのできる政治が必要なのだが、安倍政治は今その対極にあるみていで、政権期間中はボロが出ないかもしれないのは後世に対して不誠実なのだ。
2015年12月31日
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歴史的大不況を乗り切りトンネルの向こうに光が見えてきたというのだが、労働者が逆風にさらされ危機状況におかれた人事マネジメントが行われていたそうで、当然のことながら不況時にはまず必要経費を抑えることが最優先され、それが人事部の仕事内容にも影響してくることになるそうなのだ。人事部門の仕事が研修や人材の選考といった仕事ではなく、給与カットや前倒し退職に大量解雇などどういう形で離職してもらうかが検討され、企業としては法を盾にして保守的なやり方で社の存続を模索することになってくるという。この背後にあるのは雇用機会の激減によって離職の動きが止まるという労働市場の原理で、過剰となった従業員の人件費は企業にとって重い足かせとなってくるとされている。 これに追い打ちをかけるように「ブラックリスト社員」の存在がまことしやかにささやかれ、社内に瞬く間に流布させてそれが改善されないとして退職を勧告するというのだ。このことはある程度までは避けられないことかもしれないが、労働時間の短縮や給与カットに希望者の一時休職などの策を通して全体の雇用を維持する企業は多く、これでは生産性が下がることは目に見えているが経営側はこれを気にもとめていないというのだ。このような状況下で部下たちがやる気を失っていることに多くの管理職が全く留意していない点が問題なのだという。従業員のやる気と会社の達成するものとの間には大きな相関関係があるのは、すべての人間の行動原則と言っていいということのようなのだ。 今年も師走を迎えこの時期は多くの企業や役所で冬のボーナスが支給される。年末調整も終わって今年の年収がだいたい確定する時期になってきた。我々のようなサラリーマンの給料は働き続けているかぎりずっともらい続けるものとされ、これを積み上げて考えてみることで本当の差が見えてくるというのだ。会社に新卒で入社して定年まで働いたときに総額ではいくらになるのかということを「生涯給料」と定義されているというが、利益率の高くない事業を手掛けていたり業績が苦しかったりと生涯給料が高くない会社の事情はそれぞれで、地方の会社の場合は給与が大都市部の会社より低くても、家賃や食料費などの物価が安く生活水準をみるとそれほど悪くないケースも少なくないとされている。 近頃ではインフォーマルな報酬制度の方が注目されているそうなのだが、これは上司が日々の業務の中労働への代償として支払われる報酬の形を多様化するものだという。具体的にはボーナスや短期あるいは長期的スパンでの報奨などだというのだが、直接そのチームや部署の従業員の優秀な仕事に対して臨機応変に与えるものだとされている。具体的には労働時間内での休暇や社員がやってみたいプロジェクトにつかせるなどなのだが、ポイントはこれを目の当たりにした同じ職場の他の社員たちの士気を高めて好成績を引き出すことなのだ。調査によると会社から評価されていると感じていると回答した従業員はわずか51%で、36%の従業員がこの1年で会社から報奨を受けていないとしているという。 インフォーマルな報酬制度で決しておろそかにしてはならないのはコミュニケーションで、企業の経営がうまくいっていない時に流れるのは根も葉もない噂ばかりであり、社員たちは不安におののき多くのケースでは裏切られたと感じているのに、経営陣は労働者側にその都度はっきりした情報を公表したがらないという。ここで大切なのは企業が直面する危機打開にすべての社員に参入してもらうという考えで、たとえそれが不確実性を共有することであっても人事部や経営陣は社員の近くに身をおくように努めるべきだという。どこの世界でも自分の会社が激しい逆風の中にいることは誰もが分かっていることだとされ、その社員たちを黙殺するということは彼らが寄与してくれるものを無駄に捨てるということになるというのだ。
2015年12月30日
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来年の干支である「申」をかたどったボトルにウイスキーを詰める作業が、サントリー山崎蒸溜所で本格化しているそうなのだが、毎年恒例の干支ボトル製造は今年で34回目だというが、美濃焼の猿が「打ち出の小槌」を持つデザインになっているという。約1万5千本をつくる予定というそうだがそのサントリーホールディングスは、人気商品の「角瓶」や「オールド」などのウイスキー9ブランド33種を、来年4月出荷分から値上げすると発表したというのだ。引き上げ幅は税抜きの希望小売価格で9・4~25・0%になる見込みで、「角瓶」の値上げは1984年5月以来、32年ぶりとなるそうなのだが、販売が好調なことから国産は製造設備などへの投資費用を、輸入は仕入れ値の上昇を販売価格に反映させるためという。ほかに値上げする国産ウイスキーは「ローヤル」・「スペシャルリザーブ」・「響JAPANESE HARMONY」といった主力商品で、輸入ものでは「メーカーズマーク」・「ザ・マッカラン」・「バランタイン」・「ジムビーム」だというのだ。「角瓶」は84年には700ミリリットル入りで2750円だったがその後は値下げが続き、いまは1414円と半端な値段となっているのを、今回1590円にするというのだが値上げ幅は12・4%となるという。ちょうど1年前にもサントリーから値上げの発表があり、その際は「角瓶」などの低価格帯を据え置きとしていたのだ。今回の値上げはその低価格帯を中心としたもので「角瓶」にいたっては32年ぶりの値上げだというのだが、最大25%の値上げが多くの消費者の懐に影響する内容となっているのだ。国内ではウイスキーとソーダを合わせてつくる「ハイボール」が人気で、NHKの連続ドラマ「マッサン」の影響でも需要が増えているといわれている。人気が出たということなのかサントリーは今年4月に「山崎」・「白州」など6ブランド39種を値上げし、11月にも輸入品の一部を値上げしていたのだ。またニッカウイスキーの値上げについても「ブラックニッカ」を除く19ブラインド43品目を値上げの対象」ということで値上げしているというのだ。この値上げの理由をサントリーは「麦芽やトウモロコシの輸入価格が2009年比で60~70%上昇しているほか、世界的な需要の高まりで熟成樽に使うオーク材も高騰している。さらに円安によって輸入ウイスキーの輸入価格も上昇している」と説明しているそうなのだ。たしかに財務省貿易統計で輸入麦芽の価格を見ると、麦芽価格5年前と比べると25%ほどアップしているのだ。トウモロコシも15%ほど上がっているし、輸入のための船賃や保険料等を含んだ日本の港に着いた際の価格は上昇している。それに加えて大幅な円安傾向がサントリーの説明する「麦芽やトウモロコシ輸入価格の60~70%上昇」となるのかも知れない。英国からの輸入商品はボトリングもスコットランドで行なっているから、「円安の影響で日本国内価格を上げる」というのは分かりやすい論理なのだ。サントリーは自社で二条大麦を製麦してモルトに加工する作業などは行なっておらず、スコットランドの麦をモルトに加工する企業から麦芽を購入しているため、その値上がり価格を最終製品に反映するということのようなのだ それでもウイスキーが最終製品になるには国産の場合規則はないが、概ね「6年以上の熟成が必要」とされている。つまりサントリーが来年販売する国選ウイスキーの原料である麦芽は、6年以上前に輸入したもので、ましてや「山崎」・「白州」・「響」などの高級ブランドは10年以上場合によって30年の熟成原酒を使っている。国産ウイスキー値上げというのだが、10年以上前に仕入れた麦芽で仕込んだウイスキーの製品価格を、これから25%値上げするサントリーの手法はウイスキー・ブームと円安を逆手に取った利益獲得策としか思えないのだ。毎日のようにウイスキーを晩酌にしている私にとって、円安の進行に加え大麦やトウモロコシなどの原材料価格の高騰が主因での洋酒の値上げは納得のいかないことなのだ。
2015年12月29日
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どこに集中的に予算をつけるかというのは緊急性とかが問題じゃなくて、見返りがどのくらいあるかで決まってくるのが政治の世界だそうなのだが、政府は一般会計の総額が過去最大の96兆7218億円となる来年度予算案を閣議決定している。私の所属している建設業界の関心ごとになるのだが、石井啓一国土交通相は来年度予算案のうち公共事業費について、「財政厳しい状況の中で、前年度をわずかに上回る額を確保できるのではないか」との見通しを明らかにしたそうなのだ。これは麻生太郎財務相と行った来年度予算案の閣僚折衝の後に財務省内で記者団に語ったことだったのだが、本年度当初予算の国全体の公共事業費は約6兆円で、来年度が増額となれば当初ベースで4年連続の増加となっているのだ。 閣僚折衝では大きな水害が発生した河川を対象に堤防かさ上げなどの改修工事を今年度の96億円から143億円に増額する方向で決定したというのだ。これは5年間をめどに集中実施する「河川激甚災害対策特別緊急事業」を、9月の関東・東北豪雨で堤防が決壊した鬼怒川を新たな対象とするそうなのだ。もっとも新たな借金となる国債の発行額を抑えたものの、歳入の3分の1以上を国債に依存する厳しい財政状況が続いており、このうち歳出は社会保障費が高齢化を主な要因に今年度より4412億円増えて31兆9738億円となり、公共事業費がほぼ横ばいの5兆9737億円で、防衛費は5兆541億円と初めて5兆円を超え政府開発援助も5519億円と17年ぶりに増加したというのだ。 このほか地方経済に大きく影響する地方交付税」は、年度より2547億円少ない15兆2811億円で、国債の償還や利払いに充てる国債費は過去に発行した国債の残高が増えていることから今年度より1614億円増え23兆6121億円となっている。歳入では税収が好調な企業業績などを受けて今年度より3兆円余り増えて57兆6040億円となり、平成3年度以来の高い水準を見込んでいる。新たな借金となる国債の新規発行額は今年度より2兆4310億円少ない34兆4千億円に抑えたというのだ。これにより歳入全体に占める国債の割合は今年度より3ポイント近く低下するそうなのだがそれでも35.6%に上り、歳入の3分の1以上を国債に依存する厳しい財政状況が続いているというのだ。 その公共事業費は防災・減災対策やインフラの老朽化対策などを進めるため、今年度とほぼ横ばいの5兆9737億円で、地方自治体に配分する「地方交付税」は率にして1.6%減の金額で2547億円減って15兆2811億円となっている。リーマンショックのあと地方の税収不足を補うため上乗せしてきた別枠加算を廃止することなどによるものだというのだ。来年度予算案について麻生副総理兼財務大臣は記者会見で、「財政再建をしつつ経済の成長も目指しているが、その両方に配慮した予算になっていると思う。財政健全化の方向に沿っていることは確かで、一億総活躍の緊急対策に盛り込んだ施策を進めていく中、政府の『経済・財政再生計画』の初年度にふさわしい予算案になったと考えている」と述べている。 政府が閣議決定した来年度予算案が一般会計の総額が96兆7218億円と、今年度の当初予算を3799億円上回り過去最大となったことに関して民主党の岡田代表は記者会見で、「消費税の軽減税率について、財源の裏付けのないまま予算案を出してきたことは極めて無責任だ。安倍総理大臣の言う、希望出生率1.8や、介護離職ゼロなどの新しい3本の矢の中身も極めて小粒で、非常にメリハリのない予算案だ。税収が予想より増えれば、それを有効に使いながら、財政再建のためにも国債の発行を抑えていくべきだが、あるものは全部使ってしまえという考え方が、補正予算案にも来年度予算案にも適用されている」と述べて批判しているが、年明けの通常国会で補正予算審議後に審議されることになっている。
2015年12月28日
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政府は一般会計総額で過去最大となる96兆7千億円を超える来年度の予算案を閣議決定したのだが、子育てや介護支援など安倍晋三首相が掲げる「1億総活躍社会」実現への緊急対策に、特別会計分も含むと今年度当初比約5000億円増の2兆4千億円規模を充当し、企業支援に重きを置いた前年度までと比べ生活支援色を前面に出す予算としているそうなのだ。しかし財政難で支援対象は所得が低い人を対象にしているという事で、幅広い生活者が変化を実感できる内容にまではなっていないとされている。来年度は閣議決定した財政健全化計画の初年度である一方、安倍首相が「1億総活躍社会」実現を打ち出して臨む初の当初予算編成で、生活者支援と財政再建の折り合いをどう付けるかが焦点だったといわれていた。 財政健全化計画では借金の元利払い費である国債費などを除く「一般歳出」の今後3年間の伸びを1.6兆円とし、年平均で5000億円規模に抑える「目安」を設けていることから、これに沿って医療サービスの公定価格である診療報酬を引き下げ、年1兆円近く増え続ける社会保障費の抑制に努めているそうなのだ。保育・介護施設の整備など「1億総活躍」関連の施策は拡充し、社会保障費は4412億円増の31兆9738億円と過去最大を更新したが、一般歳出は4731億円増の57兆8千億円と「目安」の範囲内に収めている。ただ今年度の補正予算案と来年度予算案で計1250万人の年金受給者に3万円を支給するなど、高齢者向けより若年層向けが手薄な予算を抜本的に組み替えるには至っていないとなっている。 歳入面では大企業の好業績による法人税収増などを背景に、税収が3兆1千億円増の57兆6千億円となっており、新たな借金である国債発行額は34兆4千億円と2.4兆円は減っているものの、歳入の4割近くを借金に頼る構図は変わっておらず、国民が安心して暮らせる予算への道のりは依然ほど遠い予算となっている。批判の多かった8%へ上げた消費増税による増収分などを充てる「社会保障充実」には1兆5千億円を配分している。1億総活躍社会推進に関連した3分野の事業に比重が置かれ、「希望出生率1・8」に向けた予算は1兆5千億円ということで、今年度当初比2210億円の増となっているし、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う「子育て世代包括支援センター」の全国展開に予算を計上している。 これは政権の経済政策「アベノミクス」の効果が大企業や富裕層にとどまり、中小企業や中低所得者層の不満が高まっていることが背景にあるというのだが、予算案は参院選対策のバラマキ色も濃く1億総活躍の実現に向けた本気さは見えてこないとの批判もされている。「介護離職ゼロ」対策は2360億円で、介護休業取得を促す「介護支援プラン」を策定した中小企業への助成金を新設しているそうなのだ。介護休業を取りやすくするため介護休業給付の給付率を現行の40%から67%に引き上げることにしていつそうなのだ。東京一極集中の是正と人口減少の歯止めを目指す地方創生関連は、地方自治体の取り組みを促す「まち・ひと・しごと創生事業費」に前年度と同額の1兆円を計上しているというのだ。 私のような建設業界で気になっている「新型交付金」とともに地域特性に合わせた自治体の活性化策を支援する自治体の収入に当たる「地方の一般財源総額」は、前年度比1307億円増の61兆6792億円でこのうち国が地方に配る地方交付税は、地方の税収増を受けて0.3%減の16兆7003億円に圧縮しているそうなのだ。また「リーマン・ショック」後に地方の税収不足の補填するため交付税を上乗せしてきた「別枠加算」は廃止しているし、地方が収入不足を補うために発行する「臨時財政対策債」も16・3%減の3兆8千億円にするというのだ。地方の一般財源総額は前年度に続き過去最大を更新する見込みだが、社会保障関係費の増加が主な理由のため公共事業費の増加等地方の自由度は少ないと言われている。
2015年12月27日
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私の所属している建設業では日本建設業連合会が賃金上げ目標などを盛り込んだ「建設技能労働者の人材確保・育成に関する提言」を発表した。今回は20歳代で約450万円に40歳代で約600万円と具体的な目標金額を定めた点が特徴だという。国は技能者の賃金水準引き上げと社会保険加入の対策を強化・その一方で、国や自治体などは保険未加入会社の排除にも本腰を入れ始めている。賃金水準の低さと医療や年金など公的保障の未整備が技能者不足の最たる原因と国土交通省はみているわけなのだが、建設業に携わる技能労働者の処遇改善に向け国土交通省は、来年度に官民の工事を問わず就労履歴を一元的に蓄積・管理するデータベースを構築するというのだ。 工事ごとに蓄積したデータをもとに技能や経験に応じて技能労働者を適切に評価することで処遇を改善し入職しやすい環境を整えるのが狙いだというが、国土交通省が設置した官民コンソーシアムの12月会合で概要を提示したそうなのだ。官民コンソーシアムはこのシステム構築のために国土交通省が建設業団体や学識者などとともに今年8月に立ち上げた。システムの在り方や課題の克服方法について話し合っており、16年3月末までに中間取りまとめを行う。 取りまとめをもとに国交省は来年度、データベースの構築に着手する。来年度後半には試行運用を始める予定だとされ、2017年度からの本格運用を目指すため加入率100%相当になるよう上乗せして法定福利費を支払うという。 建設会社にとっては職歴に応じて人材を効率的に配置できるほか、各労働者の社会保険の加入状況もチェックできる利点があるという。国土交通省では施工者にデータベースの利用を義務付けることは考えていないというが、システム構築の費用として来年度予算の概算要求に計4000万円を計上している。データベースに技能労働者の「本人情報」を登録し、携わった建設現場に関する「就業情報」を蓄積していく方法のようだが、本人情報は技能労働者の住所や氏名・保有資格・社会保険の加入状況などで本人の申請に基づいて登録するという。これから取得が予想されているマイナンバーカードだけでなく、住民票や資格者証などで本人確認することで虚偽のデータ登録を防ぐというのだ。 既存の大手建設会社などが運用する労務安全システムに登録済みのデータとの連携も視野に入れている。本人情報を登録した技能労働者にはID番号を付与し、必要に応じてIDカードを発行する。このID番号を用いて建設現場での就業情報を蓄積する。具体的には、ID番号を記録したカードやスマートフォンを用いて、現場への入退場情報を取得。ID番号で本人情報と関連付け、各労働者の勤務日数などを就労履歴として蓄積する。閲覧や登録ができる内容は、本人、所属企業、元請け・下請け企業などの立場に応じて変える。例えば、技能労働者本人は、自分が従事した作業内容などを登録できるようにする。職長として携わった記録などに関しては、所属企業が真偽を確認する仕組みも設けることを検討する。 データベースの運用は国が認定した民間団体に委ねるそうで、来年度後半の試行段階までに委託する民間団体を決めるといわれている。もっとも国土交通省が実施した建設業の保険未加入対策に関する建設会社と専門工事業団体へのヒアリングで、保険への加入を現場で確認するのは難しいことが浮き彫りになっている。私も現場で下請け工事の作業員の保険書を確認したりするのだが、保険書自体を現場に持ってきていない作業員も多いことから確認のしようがないのだ。そこで私の事務所では技能労働者の実際の社会保険加入率にかかわらず、全員が加入するのに必要な企業負担分の法定福利費を下請け会社に支払う契約を開始し、加入率100%相当になるよう上乗せして法定福利費を支払っているのだ。
2015年12月26日
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関西電力高浜原発3・4号機の再稼働を認めた福井地裁の判断は、運転差し止めを命じた4月の仮処分決定とは正反対の異なる結論となった。わずか8カ月で判断を変えたのは国や電力会社が事故リスクを「ゼロ」にするよう目指すべきなのか、「起こりうる」前提で安全対策を講じる姿勢を評価するのかといったリスクの解釈の違いだったという。事故時の住民避難などについては「重層的な対策を講じるべきだ」として国に注文を付けている。関西電力は来年1月以降に高浜3・4号機を再稼働させる方針だが、原発の安全性をめぐる争いは今後、名古屋高裁金沢支部に舞台を移して継続されることになった。「事故に向き合う姿勢の違いが、司法判断の違いになった」と九州大の吉岡斉教授は今回の地裁決定を批判している。 今回の決定を原発の新規制基準を作った原子力規制庁の担当者は「当事者ではなくコメントできない」と話しているのだが、原発に到来する揺れの大きさを示す「基準地震動」を仮処分決定は「楽観的見通しに過ぎない」と批判したが、今回の異議審決定は争点の中でも最も多い44ページを費やして異なる見解を示しているという。避難対象者が約8万4千人と30キロ圏で最多の京都府舞鶴市では、原発から約15キロに住む主婦が「古里を失うリスクまで考えた決定なのか。福島の事故を全く分かっていない」と憤っていた。京都府の山田啓二知事は30キロ圏の府内人口が福井県を上回る現状から「京都府が同意プロセスから除外されていることは遺憾」などと今回の決定を批判している。 異議審決定は基準地震動を超える地震が起きる確率を「1万~10万年に1回程度という極めて低い数値」として想定の合理性を認定しており、「最新の科学的、技術的知見に照らして算定された基準地震動であり、原発の耐震安全性を確保するための基準として信頼に足る」と評価しているそうなのだ。新規制基準については仮処分決定が「緩やかに過ぎ、適合しても原発の安全性は確保されていない」と指摘したのに対し、最新の科学的・技術的知見に基づく安全性確保や、原子力規制委が中立公正な立場で審査の枠組みが機能していることを条件に合理性が認められるとした。事故リスクのとらえ方も大きく変わって「社会通念上、無視し得る程度にまで管理されているか」との観点で判断しているようなのだ。 関西電力高浜原発3~4号機の運転差し止めを命じる福井地裁の仮処分決定が覆ったことで政府や大手電力にとっては、「原発回帰」のハードルを一つ乗り越えたことになるのだが、原発再稼働のさらなる拡大は容易ではないようなのだ。燃料費が高い火力発電への依存を減らして電気料金の上昇を抑えたい関係者の思惑通りに進むかどうかは依然見通せないという。「安価で安定的な電力を確保し、安全性について一切妥協することなく、原発を再稼働させる」と安倍晋三首相は東京都内で開かれた経団連との会合で、原発再稼働の意義を改めて強調しているが、政府は今回の地裁判断を受け原子力規制委員会の審査をクリアした原発については立地自治体に再稼働への同意を促すなど引き続き関与を強める考えだという。 政府は総発電量に占める原発比率を20〜22%に引き上げる目標も掲げるが、今回の司法判断が必ずしも原発の再稼働に弾みをつけるとは限らないとされ、原発比率の目標達成には国内に43基ある原発のうち30基以上の再稼働が必要だが、これまでに規制委に安全審査を申請したのは26基にとどまっているのだ。審査中の原発では原子炉下の活断層の存否を巡って規制委と対立するケースもあるし、原則40年の運転期間に近づいた老朽原発の審査手続きが間に合わず「時間切れ」で廃炉を余儀なくされる事態も想定されている。そこで政府は長期的には原発の新増設も視野に入れると見られるが、露骨な「原発シフト」には世論の反発も予想されることから新規着工は難しいとされているのだ。
2015年12月25日
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我国においてパチンコは長らく「国民の娯楽」として親しまれてきており、その市場規模は20兆円にも上っているそうなのだ。法律上ではパチンコはあくまで「ギャンブル」ではなく、「遊技」と捉えられているのだが、それでもギャンブル性の高い遊戯であるパチンコにのめりこみ身を崩すものも少なくないのも事実なのだ。パチンコにのめり込む人をある意味で「自己責任」だとも言えなくもないが、しかしながら「ギャンブル依存症」の人が作った借金の処理に巻き込まれる家族は何の罪もない善良な市民なのだ。パチンコメーカーの繁栄はこうしたパチンコにのめり込む「ギャンブル依存症罹患者」と、その周りにいる善良な市民の人生の犠牲の上に成り立っている産業であるという事なのだ。 国民生活センターの調査によると多重債務者の借り入れの1割弱の原因がギャンブル費とされており、私が社会人になって毎日のようにパチンコ店に出入りしていた、パチンコが「遊技」と言えるレベルである時代では家族の中でパチンコにのめり込む者がいたとしても、そのツケを追う立場の家族にはそれほどの経済的な負担はなかったのだ。しかしながらパチンコのギャンブル性が向上するにつれ、もはやパチンコののめりこみ問題は家族では手に負えない社会問題となってきているというのだ。20年前には年間投資額が106万円弱から昨年は282万円弱と3倍近くにまで跳ね上がっており、間1000万円以上を消費しているヘビーユーザーが200万人近くもいるそうなのだ。 パチンコメーカーがこの20年間してきたことは違法にギャンブル性を高めた遊技機が蔓延している状態で、違法な手段によりパチンコのギャンブル性を上げて、一部のギャンブル依存症を助長させてきたというのだ。つまり「のめりこみユーザー」からお金を搾り取ろうとする「依存症産業化」してきたというのだが、このように長年にわたり違法行為を繰り返しながら責任を負おうとしないパチンコ業界の態度はその企業倫理が大いに疑われるもので、このような企業倫理が欠如した業界は歴史上必ず痛い目にあってきたのだ。このことではグレーゾーン金利を利用して売り上げを伸ばしてきた消費者金融業界が思い起こされ、消費者金融業界は利息制限法と出資法の間に存在する上限金利規制のギャップをついていたのだ。 そのうえ消費者金融業界はいわゆる「みなし弁済」と呼ばれる法の抜け穴を利用して債務者の犠牲の上に長い間繁栄してきたのだ。しかしながらグレーゾーン金利を否定する最高裁判決が下ると一気に債務者の怒りが爆発し、世論の後押しを受けてグレーゾーン金利が撤廃されてしまった。すると大手消費者金融は軒並み経営危機に陥り自社では存続できなくなり、多くの消費者金融業者が銀行傘下に入ることになったというのだ。パチンコメーカーが販売してきた遊技機は本来設置すれば違法となるものであった。国の検定を不正に潜り抜けパチンコホールに対して違法水準の遊技機を売りさばいるパチンコ業界も、消費者金融業界と同じように法的基盤は非常に脆いということのようなのだ。 パチンコ業界は「メーカーがホールに違法水準である遊技機を合法水準の「検定機種」と偽って販売し、ホールはそこからさらに釘を調整して射幸性を高めて違法営業を行い、客はそれを知らずに刺激の強い違法な遊技にお金をつぎ込む」という違法ビジネスの連鎖の中で莫大な利益を上げてきたとされている。こうした違法ビジネスの連鎖に終止符を打つべく近々警察の指導により違法なパチンコ機種は、ホールからの撤去を余儀なくされることが確実視されているころから業界全体で一定の責任を負うことになるという。違法な営業を推進しパチンコユーザーに違法な刺激を与えてのめり込ませて、その家族からお金を搾り取るような悪徳商売を決して許してはならないという事なのだ。
2015年12月24日
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日本人は睡眠時間を削るのが大好きな国民だそうで、「四当五落」や「惰眠をむさぼる」などという言葉もあって、寝る間も惜しんで働くことが美徳とされてきたという。実際に日本人は世界的に見ても睡眠時間が短いようで、NHKの「国民生活時間調査」によるととりわけ私のような40~50代の男性は短く平均7時間を切っているそうなのだ。経済協力開発機構の報告では加盟28カ国中で、日本はノルウェーに続いて2番目に睡眠時間が短かったというのだ。徹夜でがんばることには独特の高揚感があるのだが、しかし後から振り返るとミスも多く仕事等の効率が悪いことは誰もが経験上分かっていることのようなのだ。睡眠不足だとうまく頭が回らないのは決して気のせいではなく科学的な根拠もあるというのだ。 「睡眠時間が5時間を切る日が続くと、脳はチューハイを数杯飲んだときと同じくらい機能が低下する」と、睡眠研究の第一人者として知られる睡眠評価研究機構の白川修一郎代表は指摘しているのだ。それに留まらず「睡眠不足は体を壊す」ことが疫学的にも確認されており、日本人男性を調査した自治医科大学の研究から、睡眠時間が6時間以下の人は7~8時間の人に比べて死亡率が2.4倍高くなるという報告もあるとされ、睡眠不足は老化を進め寿命を縮めるというわけなのだ。「よく眠る」ことは立派なアンチエイジングであり、サプリメントなんかよりも大きな効果が期待できるしお金はかからないことから、どんなに忙しくてもなるべく睡眠時間は削らないようにして6時間以上眠ることを心がけるとよいそうなのだ。 睡眠不足になるとまず免疫力が落ちることが指摘されており、5万6953人の女性を対象にした調査によると、睡眠時間が5時間以下の人は8時間前後の人たちに比べて1.39倍、肺炎になるリスクが高かったという。人の身体は運動や活動によって疲労したり細胞にダメージを負ったりするが、睡眠中に成長ホルモンが出てそれらを修復するようにできているというのだ。睡眠不足だと成長ホルモンの分泌が少なくなるため十分な修復が行われず、その結果老化が進むだけでなく、脂肪や糖の代謝が悪くなり交感神経の緊張が続くため血圧も上がるという。実際にも睡眠時間が6時間以下の人は肥満・糖尿病・心臓病の有病率が高く、さらにうつ病・事故・自殺のリスクも高くなるといわれている。 「睡眠時間が6時間を切るのはたいへん危険」と睡眠評価研究機構の白川代表は注意しているが、熟睡時に分泌される成長ホルモンには脂肪を分解し細胞を修復する作用があるが、熟睡できないとガクンと分泌量が落ちるというのだ。そのため体脂肪もたまり老化も急ピッチで進んでしまうわけだ。また若さと健康を保つためには安眠を妨げる睡眠時無呼吸症候群は放っておけないというのだ。いびきが大きければ要注意で気になる人は検査を受けてみる必要があるというのだ。この睡眠時無呼吸症候群はその名の通り眠っているとき呼吸が止まってしまう病気で、「10秒以上の無呼吸・低呼吸(呼吸停止)が一晩に30回以上、または1時間に5回以上あり、昼間の眠気など自覚症状を伴う状態」と定義されている。 眠中に気道がふさがって息ができなくなる「閉塞型」は40~60代の太った男性に多く、苦しくなれば自然に呼吸を再開するが、眠りが浅くなるため昼間も眠気が取れないというのだ。この睡眠時無呼吸症候群が原因の交通事故も多発しているし生活習慣病にもつながるという。「血液中の酸素が少なくなるので交感神経が優位になって血圧が上がり、インスリンの感受性が悪くなって糖尿病にもなりやすくなる」と虎の門病院睡眠呼吸器科の成井浩司部長は指摘する。睡眠では時間の長さとともに「眠りの質」も大事なのだが、「眠りの質」を上げるためにはどうすればよいかというと、夜になると脳の松果体から眠気を誘うメラトニンというホルモンが出ることからメラトニンの分泌を促進して眠気を催すと良いそうなのだ。
2015年12月23日
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安倍晋三首相から携帯電話料金の引き下げ策を検討するよう指示され、具体案を練ってきた総務省の有識者会議が報告書をまとめたそうなのだが、対象の年齢や機種が限定されているスマートフォンの「月5千円以下」の低料金コースの拡大検討や、「実質0円」といった端末の大幅値引きの見直しを提言したそうなのだ。ただし携帯電話等料金の料金水準全体の引き下げ目標は示さなかったという。高市早苗総務相はNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの大手3社に対応を要請しており、総務省も携帯会社が守るべき指針をつくり提言を反映させるという。 大手3社の基本料金ではスマホはネット接続料も含めて最低でも月6200~6500円かかるが、指針そのものに強制力はないものの大手3社は来春までに料金を見直す方針のようだ。 携帯電話等の料金が高額で消費者の負担が高いという問題では、「電話かけ放題」と動画などデータ通信代の最も安いコースを組み合わせられないためだとされている。総務省の有識者会議が報告書ではこの組み合わせや、通信できるデータ量が少ない代わりにより安いコースを検討するよう求めているのだ。一方で携帯各社の幹部らから非公開で意見を聞いていた総務省の有識者会議の報告書では、月2ギガバイトまでのデータ通信で「月3500円」なのを「月2500円」にするような料金水準の引き下げの目安は示さなかった。関係者によると大手3社は多様な利用者に応じて割引制度を整えてきたことなどを説明し、料金水準の大幅な引き下げに慎重な姿勢を示したというのだ。 通信大手3社の料金の見直しが一部にとどまれば、安倍首相が掲げた「家計負担の軽減」にはつながらない可能性があるという。また携帯電話料金の引き下げ策を検討してきた総務省の有識者会議は、利用者間の不公平を是正するため「スマホ実質ゼロ円」といったサービスを抑えることなどを求める提言をまとめている。この提言では「『スマホ実質ゼロ円』にするような高額な購入補助は著しく不公平だ」と指摘し、総務省に対しガイドラインを設けてこうした動きを抑えるよう求めているという。携帯電話会社に対しては携帯電話を頻繁にかえない長期利用者やデータ通信の利用が少ないライトユーザー向けに割安な料金プランを作るよう求め、総務省には定期的にチェックするよう求めている。 スマホを「実質0円」にするような端末値引きは著しく不公平で格安スマホの参入を阻害するおそれがあり、値引きを適正化すべきだということなのだが、そのうえで端末値引きを受けない長期利用者の負担の軽減になるような料金の提供を検討すべきだということみたいだ。そして端末値引きの見直しについて総務省が携帯会社の取り組みを検証できるようにすべきで、利用者の選択肢を拡大するため中古の端末市場の発展が望まれるとしている。高市総務相は「提言をいただいた以上、これまでと同じという訳にはいかない。速やかに政府方針を策定する」と述べたそうなのだが、対象年齢や機種を限定している月5千円以下のコースを参考にスマートフォンの利用が少ない人向けの料金を検討するみたいだ。 当初は総務省の有識者会議が「料金値下げ」・「端末購入補助の適正化」・「MVNOの活性化」という3つの課題について、報告書をまとめた日に論点を整理する計画だったが年内には結論をまとめたいということで結論は先送りしていることについては前年だとされている。それでもこの報告書の中で画期的なのは具体的な金額が入っているということのようなのだが、現在は通信大手3社とも高齢者・子供向けの低価格プランを提供しているのだが、それと同様の5000円以下のプランを「年齢や機種を限定せずに提供すべき」となるというのだ。この5000円以下という価格について明治大学法学部教授が「あくまで目安であり、義務付けるものではない」としながらも、とりまとめ案に具体的な価格が入ったことは画期的と言えるそうだ。
2015年12月22日
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東京商品取引所では中東産の原油先物が大幅続落しているそうで、取引の中心となる来年5月決済物は前週末比1190円安の1キロリットル当たり2万9110円と、節目の3万円を下回り取引となっているそうなのだ。夜間取引では一時2万8380円までの7年ぶりの安値を付けたそうなのだ。前週末に急落した欧米原油先物相場の流れを引き継いだとされるが、原油価格の上昇・下落が及ぼす影響は、ガソリン価格の変動のみに留まらず、「原油相場を見れば世界経済がわかる」と言っても過言ではないほど、世界経済の動きと原油価格は密接に連動しているというのだ。また年末年始に向けて需要が高まるガソリンや冬場の需要期を迎えた灯油の値下がりが続いているという。 資源エネルギー庁が発表した石油製品の店頭価格は、ガソリンが5年11カ月ぶりで灯油も5年8カ月ぶりの安値を記録したそうなのだ。背景の原油安は中国経済の減速や産油国の足並みの乱れによる世界的な供給過剰で当面続く見通しで、燃料費負担の軽減は年末が近づき出費がかさむ家計にとって朗報となりそうだという。資源エネルギー庁が発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格は、全国平均で前週比1.3円も安くなっているそうで、直近のピークだった昨年7月14日の169.9円に比べて42円余り安く、1年前との比較でも27.5円の大幅下落となっているというのだ。2週連続で47都道府県全ての価格が下がっており、下げ幅が最大の高知県ではここ半月の下落幅が10円を超えているそうなのだ。 また灯油の店頭価格も18リットル当たり1330円と前週より13円下落しており、直近のピークだった昨年7月より611円も安く、昨シーズンの底値を下回る水準で推移しているという。ガソリンと灯油の値下がりは原料である原油価格の下落が主因で、石油輸出国機構が今月の総会で減産を事実上見送ったため、関係者は「原油価格は当面は現在の安値水準で推移する」とみているという。原油相場が急落し始めた時期にアメリカと中国の製造業の成長が予想を下回るとの報道があって、近年は欧州経済も低迷が続いているといった世界規模の景気停滞ムードに伴い原油に対する需要も減少すると予測され、減産が予想されていた産油国の調整失敗の影響も大きいといわれている。しているそうなのだ。 石油輸出国機構の加盟国が原油の減産に至らなかった理由としては、「シェール革命」への対抗措置であるという見方がなされており、シェールオイルの採掘には従来方法に比べて高額なコストがかかるのだが、原油価格が高値である限り費用に見合う利益を得ることは可能とされているのだ。産油国が原油を以前どおり供給を続け原油相場が下がれば、採算のあわないシェールオイルの採掘は中止に追い込まれるといわれていたのだ。ところがシェール企業各社は生産効率の悪い産地での掘削機の稼動を減らす一方で、効率の良い産地では生産量を増やしているもようで、そのため「生産量が減らない」との見方が根強く、原油価格急落の最大の原因は供給過剰が収まらないからだというのだ。 ゴールドマンサックスのアナリストは「国際原油市場の需給均衡が2016年10~12月期前には回復しないようだ」と分析しており、米連邦準備制度理事会の基準金利引き上げの動きが生んだドル高も原油価格下落をあおっているそうなのだ。 また産油国では政治・社会不安があるみたいで、石油輸出国機構の主軸で原油安を主導したサウジアラビアは、財政赤字に苦しめられており、国際通貨基金によると今年サウジ政府の赤字規模は国内総生産の19.5%に当たる1300億ドルだという。原油安による物価急騰に苦しめられたベネズエラは実施された総選挙で16年ぶりに政府与党が惨敗したし、ロシアでも原油安によって経済的に苦しくなっているそうなのだ。
2015年12月21日
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卑しい大人たちの下で子供たちはどんどん貧しくなっていく模様で、安倍首相が発起人となって鳴り物入りで10月に立ち上がった「子供の未来応援基金」は、11月末現在で約300万円しか寄付が集まっていないことがわかったというのだ。日本の子どもの貧困率は先進国の中でも最悪の水準にあるそうで、貧困率は1980年代から一貫して上昇傾向にあって実に6人に1人の子どもが貧困状態にあるとされているというのだ。貧困世帯で育つ子どもは医療や食事だけでなく学習や進学などの面で極めて不利な状況に置かれ、将来も貧困から抜け出せない傾向があることも明らかにされつつあるというのだ。こうした深刻な状況を踏まえ日本全体で子どもの貧困対策を推進すべく今年の4月に「子供の未来応援国民運動」が始まったのだ。 このことについて「日本財団」が国民運動推進事務局の一員として、内閣府や文部科学省に厚生労働省とともに、子どもの貧困対策の推進に取組んでいるそうなのだ。この「子供の未来応援基金」は今年4月に提起された「子供の未来応援国民運動」の一環で、発起人には安倍首相を筆頭に第一生命保険の斎藤勝利会長やNHKの籾井勝人会長ら、安倍首相のお友達の面々が名前を連ねているというのだ。菅義偉官房長官も「生まれ育った環境にかかわらず、誰でも努力次第で大きな夢を持てる社会にしなければならない」と述べており、1人親家庭の支援や奨学金の充実に取り組む考えを示しているが、そもそも子供の貧困対策を寄付の前提で進めていること自体がありえない話だとおもっているのだ。 補正予算が閣議決定されてはいるがいうところにこそしっかり税金を使うべきで、なぜ寄付なのかということに対して内閣府の担当者は「国は国として大綱に基づいて政策を推し進めるがそれと並行して、政府だけでなく社会全体で子供を支えていくような運動が必要だと考えた」と説明しているそうなのだ。政治評論家の森田実氏は「日本は6人に1人が貧困状態にあり、先進国の中でも最悪な状況。子供の貧困対策は国家の責任でやるべきで、寄付金を募ってやるような軽い問題ではないだろう。『1億総活躍』と言う前に最優先でやるべき政策で、安倍政権として一生懸命やっている姿を見せたいのでしょうが、自分たちの宣伝材料に使おうとしているようにしか見えない。これではうまくいくはずがありません」と語っている。 子供の貧困対策に取り組む「一般財団法人・あすのば」の小河光治代表理事も「民間の資金には、困窮している子どもを一定の支援条件に当てはまらないからといって差別することなく、柔軟に運用できるメリットがある」として民間の基金を活用する方法自体は否定しない。しかし「国がより具体的な政策を示して必要な支援を拡充してからでなければ、民間の理解を得るのは難しいのではないか」と指摘しているのだ。税金の使途を精査する前に民間に寄付募って賄おうとかどんな理屈は政府の仕事を放棄しているのに等しいし、税金は政治家のポケットマネーと違うのだから、せめて外国にバラまく前に国内に使ってほしいものなのだ。子どもの貧困対策は寄付ではなく社会保障に使うと言っていた消費税でお願いしたいものなのだ。 経済界も経済界で経済界からの大口寄付は1件もないというのだが、対策には億単位のおカネが必要なのに、このままでは子供の貧困は放置されたままになってしまうのだ。アメリカではフェイスブックのマーク・ザッカ―バーグが長女の誕生を機に資産450億ドルを慈善活動のために寄付すると発表しているし、マイクロソフトのビル・ゲイツと投資家のウォーレン・バフェットが673億ドル貧困・教育・保健などを支援する財団を立ち上げているという。企業や団体が自民党に献金した総額は約22億円となり5年ぶりに20億円台となったというのだが、政治献金を「社会貢献の一環」なんてお題目唱えているけど、子供の貧困支援にはビタ一文も出さないということのようでは「社会貢献が聞いて呆れる」というものだろう。
2015年12月20日
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鬼怒川の決壊等により浸水した常総市内の道路の通行止めにより、車両の通行に支障となっていた通行規制が解除され、残る通行規制はなくなったそうなのだが道路の広域迂回への心配もなくなったそうなのだ。その茨城県常総市は関東・東北豪雨への対応で残業し、9月分の給与が100万円を超えた職員が十数人いたことを明らかにしたそうなのだが、水害が発生した9月10~30日までの残業時間は最高で342時間だったそうで、これは常総市議会で遠藤章江市議の一般質問に答え傍聴席の市民から大きなため息が出たそうなのだ。私の建設業に従事しているのだが業界では「災害あると建築土木とかパチンコ屋が儲かる」のは有名で、建設課等の土木技術職の役場職員も超勤が増えるのだ。 これが「公務員も焼け太り」ということなのだが、茨城県常総市は関東・東北豪雨への対応は50年に一度かそれ以上レベルの水害なのだからしかたないということなのだろう。税金から払っていることを考えるとちょっと多すぎると思うが、シッカリと頑張った公務員にもお金を使って欲しいということなのだ。遠藤市議の質問に対して常総市の答弁によると、勤務可能な全492人の平均残業時間は139時間だったそうで、給与100万円以上は主に係長で部長らには管理職特別勤務手当を平均で11万9千円しか支給してないという。超勤等の残業代と手当を合計すると1億3千万円に達するそうなのだが、災害時の対応となれば仕事の密度も高まっていることから全額市の職員に支払うという。 それでも遠藤市議は「勤務に対して報酬をもらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」と指摘し、給与が高額にならないよう災害時の特別給与体系の創設を求めたという。これに対して岡田健二常総市総務部長は「全国の自治体の例を調べ国とも協議したい」と検討する考えを明からにしたというのだ。このような主張を市民の代表である市会議員が当然のように議会でするのであれば、常総市では労働環境の改善など到底ありえないだろう。責任のないボランティアと責任負う職員比べるのはおかしいし、340時間も残業して市民のために洪水対策をしたのならば、私は月100万円の給料を支払ってもでも良いと思うのだ。 私も常総市に視察に行ったのだが、復旧工事に必要な堤防用地を確保するにあたって住宅が支障になった案件では、地域住民によるとこの住宅は1人暮らしの年配女性が20年以上前に死亡して以降住宅は無人で、鬼怒川の濁流で傾き倒壊の恐れもあるが親族は東京都内に住んでいてめったに戻らず、関係者によると担当職員は親族に取り壊しを要請したが難色を示したというのだ。法令では危険などがある場合には行政代執行で撤去し、費用を所有者に請求できることになっているのだが、関係者は「最後は特措法も活用できる。だが、強制撤去は話がこじれることもあるので、まずは同意を得る努力が先」と話しているが、この一件だけでも相当数の業務時間がかかっているというのだ。 茨城県常総市の水道施設の復旧支援について常総市から、茨城県に対して災害時の中継事業体の覚書を締結している茨城県企に頼があったため、県の職員が常総市に派遣されているといおうのだ。派遣されている県職員は9名だそうで、管理職1名に土木職4名と設備職3名に事務職1名だというのだ。このように多くの職員等の協力のもと避難所の職員を別の復興業務に充て避難所も元の用途に戻す努力もなされており、町域の4カ所を、各1カ所に集約する方針だ。300時間もの残業の中で必死に働いている職員に対して、残業代が高すぎるとかボランティアはタダで働いているのにというのは、確かにあれだけの災害でボランティアに助けられたのは有難くても暴論というしかないだろう。
2015年12月19日
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飲食店で生食用としての提供が平成24年に禁止された私の大好きだった牛の「レバ刺し」なのだが、牛レバーの生食提供は5人が死亡した平成23年の焼き肉店の食中毒事件を契機に、平成24年7月に食品衛生法の規格基準で禁止されたのだ。強い毒性を持つ腸管出血性大腸菌O157が牛レバーの内部で見つかっているが、これまでは有効な殺菌方法がないのが現状だったのだ。生食用に国の衛生基準を満たさない生肉をユッケに使っていた点も「業界の悪い慣習」だと指摘し、「国は実態に合った基準を示すべきだ」と禁止に踏み切ったのだ。厚生労働省はそれまでにも「生食用食肉の衛生基準」を都道府県に通達しており、牛と馬の肉、レバーについて各流通段階で「生食用」として販売するための基準を示していたのだ。 この事件を機に焼き肉店では消費者の不安を背景にユッケ等の肉の生食販売を取りやめる動きが出ていたのだが、厚生労働省の研究班が8月にも放射線照射による殺菌効果の研究を始めていることが分かったそうなのだ。研究で効果が確認されれば厚生労働省は提供禁止の解除を検討するそうなのだが、ただし「レバー内部を殺菌でき、安全性を確保する方法が確認できれば、規制の是非を再度検討する」としている。つまりレバー内部を殺菌できる方法があれば再び生レバーを食べることができるようになるわけだ。安全に食べる方法として牛レバー内部の殺菌方法を検証している厚生労働省研究班の報告書が来春にもまとまる見込みで、業界関係者からは1日も早い禁止解除が望まれているという。 「レバ刺し」禁止による食肉関連業界への経済的影響は百数十億円とも試算され、こうしたことから厚労省は国立医薬品食品衛生研究所などの研究者らによる研究班を設置し、殺菌効果を確認する研究を行ってきたそうなのだ。殺菌方法として検討されているのは「塩素系消毒薬(次亜塩素酸ソーダ)」・「高圧処理」・「放射線(ガンマ線)照射」の3つの方法だとされ、このうち「塩素系消毒薬」は殺菌効果にばらつきがあり、レバー内部をしっかり殺菌できないことが判明されたそうなのだ。また「高圧処理」は殺菌効果は十分あるが処理後にレバーの色が抜けたり硬くなったりする変化が見られ、生食のための殺菌方法とするのは厳しそうで、残る「放射線照射」には、担当した研究者は「一定の効果はあります」としている。 ただし「放射線照射」には2つの問題があって、1つは照射線量で殺菌のために7キログレイが必要とされ、当初考えていたより高い線量でないと殺菌が難しいことだ。もう1つの問題はにおいだそうで、照射したレバーは照射しないレバーには感じられないにおいがあり、報告書では「硫黄系の甘い臭気」と表現されているというのだ。照射線量の7キログレイは米国で食肉殺菌のために許可されている上限の線量でもある。食品の規格を決める国際機関「コーデックス委員会」が定める線量の上限は原則10キログレイで、世界的にみれば7キログレイは実用化に問題のある線量というわけではないが、線量が多いことによりレバーが変質してしまい、その結果として独特のにおいができるというのだ。この厚生労働省研究班の研究は今年度までの事業ということもあり、最終的な報告書は来年3月ごろにまとまるとみられる。殺菌方法がみつかったのだから来年4月から「レバ刺し解禁」といきたいところだがそう簡単ではないそうなのだ。厚労省基準審査課は「放射線照射による殺菌法が実用化できる技術なのか、照射した食品が本当に安全に食べられるものなのかなど、さらに検討する必要がある」とする。食品への照射をテーマに食の問題に取り組んでいる消費者グループ「食のコミュニケーション円卓会議」の代表も「放射線照射は、食品の安全を守る技術の一つとして世界で認められている。照射によってレバー内部の殺菌が可能ならば、消費者の選択肢の一つとなるよう技術を認めるべきではないか」と話している。
2015年12月18日
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我国においてパチンコは長らく「国民の娯楽」として親しまれてきており、その市場規模は20兆円にも上っているそうなのだ。そのパチンコ業界の中枢にある大手パチンコメーカーは、年に数百億~1000億円超の売上を誇って軒並み上場企業となっているのだ。このように繁栄を誇る日本のパチンコメーカーは型式試験をくぐり抜けるという違法手口で不正を繰り返しており、違法な利益で潤い続けているといわれている。民間企業によるギャンブルは民法により禁じられている我国では、建前上パチンコはあくまで「ギャンブル」ではなく「遊技」と捉えられており、そのギャンブル性が過度に向上しないように「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」において遊技機に関して一定の基準が設けられているという。 仮にパチンコホールがこのギャンブル性の基準に違反した遊技機を設置して営業したら、警察から営業停止処分を受けてしまうことになっているため、パチンコメーカーは特定のモデルの遊技機を大量生産する前に、風営法に定められた「型式検定」と呼ばれる試験を通過させてそのモデルにそって製造される遊技機が、ギャンブル性の基準に違反していないことについての確認を取るのが通例になっているのだ。当然この型式検定を通過したからにはパチンコメーカーは試験に使用した遊技機と同じ性能を持つ遊技機をホールに対して出荷しなければならないのだが、この当たり前のことが形骸化して「試験に用いた機器よりも不正にギャンブル性を高めた遊技機を大量生産しホールに出荷している」というのが実態だというのだ。 具体的な例が週刊誌に載っていたのだが、風俗法における射幸性基準の中には「ボーナス時と通常時の出玉の比率が『7対3』を越えては行けない」とする「役物比率性能基準」と呼ばれる基準がある。この「7対3」という比率を超えた遊技機を設置してパチンコ屋が営業すると行政から営業停止処分を受けてしまうことになるわけなのだ。ところが現在のパチンコホールに設置されている遊技機のほぼすべての役物比率が「8対2」を上回る程度に調整されているというのだ。つまり違法にギャンブル性を高めた遊技機が蔓延している状態であるわけで、なぜこのようなことが起きているのかというと、そのカラクリはパチンコ遊技機の性能というのは釘の角度や向きに大きく左右されるからだというのだ。 パチンコメーカーはこの特性を利用して型式検定の試験時には、試験を通るスレスレの範囲まで遊技機の釘を曲げて配置し、当たりを出にくくすると共に通常時でも球を獲得しやすくなるよう細工する。そうすると「当たりによって獲得する球」が減って「通常時に獲得できる球」が大幅に増える。つまり大当たり時に大量に球を払い出すギャンブル性の高い遊技機でも、大当たり自体が出る確率を釘の細工で下げることにより、「役物比率性能」を不正に下げて試験を突破することができるというわけなのだ。こうした業界の「釘」の特性を利用した悪癖は長らく噂されてきたものだが、最近になって警察庁が本腰を入れて調査に乗り出し、その実態が明らかになってきたというのだが、その背景にあるのはいわゆる「ギャンブル依存症」問題なのだ。 20年前のパチンコユーザーは2900万人で市場規模は31兆円であったが、2年前ではパチンコユーザーが1150万人程度までと大きく減少しているにもかかわらず、市場規模は24兆5千億円とそれほど減少していない。パチンコは世間一般上「ギャンブル」と捉えられているが法律上は「遊技」と捉えられており、非常にグレーな産業であるゆえに本来パチンコ業界の中核にいるメーカーは、「遊技」であり続けるためにギャンブル性に関して強い法令順守の精神が求められるはずなのだ。しかしながらパチンコメーカーがこの20年間してきたことは、違法な手段によりパチンコの射幸性を上げて一部のギャンブル依存症を助長させてきたというのだ。つまり「のめりこみユーザー」からお金を搾り取ろうとする「依存症産業化」してきたというのだ。 これはメーカーが違法に射幸性を高め続けたことにより1人当たりの消費額が大きく増したからに他ならず、20年前には年間投資額が106万円弱から、昨年は282万円弱と3倍近くにまで跳ね上がっているというのだ。これはあくまで平均値に過ぎず一般には「売上の8割は2割のヘビーユーザーから得られる」ということがマーケティング業界で指摘されていることから、パチンコ業界には年間1000万円以上を消費しているヘビーユーザーが200万人近くもいると考えられているそうなのだ。これはもはや「遊技」として国民に受け入れらえるレベルではなく、こうしたパチンコのギャンブル化の被害を被ったのは、刺激の強い違法なパチンコにのめりこんで借金を抱えることになり社会生活が破綻したユーザーになるわけなのだ。
2015年12月17日
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過剰反応という事では「盗難ではありませんでした」ということで、愛知県豊田市は市所有のガードレール52万5千円相当が盗まれたとして、愛知県警に被害届を出していた事件で実際は豊田市保有の資材置き場に保管されていたと発表した。豊田市街路課によるとガードレールは豊田市越戸町の市道にコンクリート製の重りで固定されていたもので、長さは計30メートルで重さは2・4トンもあったというのだ。現場を見た職員がなくなっているのに気づき豊田署に盗難の被害届を提出したというのだ。ところが豊田市役所が道路維持業者に確認したところ、その業者が撤去していたことが判明したというのだ。豊田市はこの業者に口頭で約4キロ離れた別の場所にあるガードレールの撤去を指示していたのだ。 移転場所については市販の地図に印を付けただけのあいまいなものだったため、この道路維持業者が場所を勘違いし、ガードレールを豊田市の資材置き場に運び込んだという。つまり市役所の担当者の指示があいまいで、業者が間違った場所のガードレールを撤去したということだったというのだ。撤去する場所の伝達が口頭だったということで豊田市は「今後は書類で確認する。指示があいまいで申し訳なかった」と謝罪しているそうなのだ。ガードレールの撤去工事と追加工事を同一業者に発注した際に、2カ所ある工事箇所を契約書に記載していなかったことから業者が問い合わせると、豊田市の担当者は追加工事の場所に丸印を付けた地図を渡したが、丸印は一つだけで追加工事箇所とも書かれていなかったという。 この請負業者も内容を確認しないまま先月に丸印の場所にあったガードレール約30メートルを撤去したというのだ。今回の盗難騒ぎで豊田市街路課がほかにも盗まれたガードレールがないか業者に聞き取り調査する中で誤認が分かったというのだ。豊田市街路課の副課長は「契約書に不備があった上、業者との意思疎通も不十分だった」と謝罪しており、業者の担当者も「確認不足で、撤去の報告もせず、申し訳なかった」と話しているという。とんだ騒動を起こして警察をはじめ多くの関係機関に迷惑をかけたことから、会見した豊田市の幹部は「業者に対しての職員の指示があいまいだった。所在確認も怠った」と平謝りしたそうだが、問題のガードレールは施工業者のミスという事で元に戻すという。 私も道路付属物の盗難という事では被害方向をしたことがあるのだが、その時は山間地域の県道に設置されたグレーチング蓋が盗難にあったのだ。その時は私の事務所のある管内で約5カ月間にグレーチング蓋等が100枚以上盗まれ、公表されただけでも40万円以上の被害にあっていたそうなのだ。盗難の背景には中国で建設材として金属需要の高まりがあったということなのだが、価格が高騰し鉄くずとして転売するケースが多かったそうなのだ。逮捕された犯人は3年前から窃盗を繰り返し1年間で900万円を得ていたというのだ。対策として蓋等に所有者を示すマークを刻み転売防止を図ったのだが、側溝蓋の固定ということで蓋同士を連結して運びににくくするなどの対策も行ったのだ。 この道路附属物というのは道路法では「道路の構造の保全、安全かつ円滑な道路の交通の確保その他道路の管理上必要な施設又は工作物で、次に掲げるものをいう」と規定され、例えば道路上のさく又は駒止や道路標識等だけでなく、道路に接する道路の維持又は修繕に用いる機械等の常置場)などがあげられている。道路法施行令でも道路附属物が列挙されているのだが、例えば道路の防雪又は砂防のための施設やベンチなどがあげられている。ただし道路管理者以外の者が占用物件として設置したものは含まれず、道路管理者以外である制限速度を示す公安委員会の設置した道路標識は道路附属物ではなく、道路の占用物件にあたるとされているそうなのだ。
2015年12月16日
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農林水産省は今年の主食用米の生産量が前年比44万トン減の744万2000トンとなり、生産調整の生産数量目標であった751万トンを下回ったと発表したそうなのだ。日本人の米離れが言われだして久しいが目標値の設定が現在のやり方になった2004年以降、減反目標の達成は初めてだという。稲作に関して政府は農家に対し主食用米から家畜の飼料用米への転作を促しており、本年度は飼料用米の生産量が前年比24万トン増の42万トンに伸びたことが目標達成の要因だそうなのだが、この米の生産調整は18年産から廃止されるというのだ。その年に生産されたコメの量では年間需要を賄えないという事態は久しくなかったことであり、市中で取引される玄米価格の相場が急激に値上がりするのも当然だということみたいだ。 食生活の変化に伴ってコメの消費量は年々減少し、近年は毎年約8万トンのペースで減り続けているそうなのだが、農林水産省は来年度産の主食用米の生産調整で、生産数量目標を前年より8万トン減らして743万トンにすると発表している。目標が前年比でマイナスとなるのは7年連続で、コメの消費が毎年約8万トンのペースで減っていることを踏まえたという。それでも全体需給を見渡せば需給が逼迫するという状況ではないという意見も聞かれるが、本年度の生産量は約744万トンで目標に掲げていた751万トンを下回り、1971年に本格的に減反が始まって以来初めて目標を達成している。減反の目標達成は36都道府県に上り消費量の減少を受けてコメ生産を減らす農家が増えているそうなのだ。 環太平洋経済連携協定の大筋合意で米国と豪州からの輸入枠が最大で8万トンほど新たに設定されたことを受け、政府は備蓄米の買い入れ量を増やして米価を維持する対策を打ち出しているが、消費量が着実に減る中でコメ農家への保護策を続けることの是非が問われそうなのだ。もっとも今年に限っては開催された取引会の成約価格を昨年と比べると、おおよそ1俵当たり1000円高の水準で本年度の米が取引されたことになるというのだ。成約した価格は直ちに全国の業者に伝わったが、この取引会での成約の中身で奇異に感じられることが一つあったそうで、全農各県本部は卸に対して本年産米の事前契約を行っているのだが、なかなか期待されたほどの契約量が積み上がっていないというのだ。 その理由は本年産米の作柄はまだ台風など天候の不確定要因はあるものの平年作は確保できなかった地区が多く、農林水産省の主食用米生産目標数量を下回っているという報道のさえあるというのだ。また飼料用米の増産計画も目標の60万トンを大きく下回っており、本年再選米の供給量減少による需給均衡は難しくなっているそうなのだ。水稲の作況指数と予想収穫量が公表された時期には米穀業界で、本年産米の市中相場が急激に値上がりし始めたこともあって作況指数がこれまで以上に注視されていたそうなのだ。産地側から「作況通りのコメは採れていない」という声が多く聞かれており、全国作況は100を下回ると断言した集荷業者もいたほどだったというのだ。 そこで流通業者はもちろん産地サイドも気にかけなければならないのはこれからのコメの売れ行きだというのだ。農林水産省の作況指数について異論が出るのは今年に限ったことではないが、今年の場合は需給見通しが緩和基調から一転して引き締まるのではないか見方が強まっており、それだけ本年生産米の作況に注目が集まっていたというのだ。飼料用米は価格が低いため政府は収入の10倍以上を交付金として農家に支給し、主食用米を作った場合と同程度の収入を得られるようにしており、国から周年販売計画の助成が来年の生産米にも支給されることになっていることから、産地側としては米を売り急ぐ必要がないためではないかと見られていることもあって流通量が少ない傾向になっているというのだ。
2015年12月15日
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やる気のない管理者がやる気のある部下に「ハラスメント」をしているという事例があって、私の住んでいる愛媛県のある役所で調べたところ、「残業したい」とか「残業しなければならない」という若手に対して、管理職が「人事課の命令だから駄目だ」と言って帰宅させているという事例が起こっているそうなのだ。これはその役所の管理者の評価ポイントに「時間外労働の削減」を加えたことが影響していると言われており、行政実績では目を見張る結果はそう簡単に出ないことから残業削減なら簡単だということで、部下を無理やり帰宅させているというのだ。仕事があるのに無理やり退社させ精神的に追い詰めているわけで、心療内科の先生がいうにはこういう以前とは違うパワハラが横行しているというのだ。 これが「新型パワハラ」だというわけなのだが、「残業せずに時短を行うことは、部課長会議での方針だし、若手に無理をさせないように指導しているのです」と管理者たちに居直られたら人事部局としてはどう対処したらいいものかということが問題となっているらしいのだ。そこで人事部局も現在の評価制度を国の方針に合わせて、今年の10月から試行として管理職等の報酬から年功部分をほとんど無くし、年初めに宣言した活動目標を達成できたかどうかで評価することを現在の評価制度に追加するという方針を打ち出したというのだ。重点項目は営業活動による新規の開拓と経営感覚及びコスト意識を持って目標を達成することで、やる気のある若手を伸ばせない管理職など不要だという事みたいだ。 一般的な若手の評判について役所等で中間管理職に話をしてみると、「今の若手は覇気がない」とか「最近の子は何を考えているか分からない」などと愚痴をこぼすのだが、仕事柄意欲もって実社会に入ってきている沢山の新人や若手に会うと、若い人に意欲・やる気・情熱が足りないかというとそんなことは全く感じられないのだ。人材紹介や就活支援をしているコンサルタントに話を聞いても「昔と違って最近の学生たちは真面目ですし、成長意欲が高い人が多いですね。成長意欲のない会社に紹介しづらいです」と言うそうなのだ。役所の中間管理職が間違っていると決め付けるつもりないのだが、若手について愚痴をこぼす前に「なぜそうなっているのか」を考えてみてはどうだろうか。 「パワハラ」という事に話を戻すと経営者や上司が社員や部下に対し、「目標未達の奴など生きている資格がない」とか「達成するまで自席に座るな」などと執拗に言い続けたとしたら、これは「ブラック企業」の「パワーハラスメント」と呼ばれるが、やる気のある部下に「仕事はほどほどでいい。なぜそんなに頑張ろうとする」とか、「目標達成だけがすべてではない。無理はしなくてよい」と上司が執拗に言い続けたとしたら、このプレッシャーのほうも「パワハラ」ではないかというのが「新型パワハラ」だというのだ。ひょっとすると腫れ物を触るように若手職員に接していたり、形だけの時短を強いたりしてそれが若手の覇気を奪っているとしたら、当然のことながら組織全体のモチベーションも業績も低くなってしまうそうなのだ。 意欲も能力も欠けている上司なら新人への対応が「放任」となるそうで、そのような上司からは多くの場合同じような人材しか育たないそうなのだ。それと自分が属する会社や組織だけでなく部下たちの文句ばかりを口にする上司だと、たいていは陰口めいた陰湿なぼやきやグチでこうした癖はまわりに伝染するというのだ。毎日のように上司の愚痴を聞かされていると部下の心は腐ってしまうそうで、それによって悪癖はますます募るという意循環に陥るという。もっとも意欲があるといっても大災害のあった常総市のように、緊急時だろうが残業300時間超えて給与が残業代込みで100万円を超えた人が主査級中心に十数人いるというのは、労務管理と健康管理の面で改善すべきであることは間違いないだろう。
2015年12月14日
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落ち葉の季節も終わり街の街路樹はすっかり裸になってしまった。一見元気のなさそうな木でも突然倒れてくることはないのか、大きな枝が落ちてくることはないのかそんな心配を取り除くため樹木の管理や保全を請け負う「樹木医」という仕事があるのだ。私の住んでいる松山市でも街路樹が倒れる事故があり、女子高生がけがをした時にもこの「樹木医」にみてもらってプラタナスの街路樹を全部切って新しい街路樹に植え替えた例があるのだ。環境問題への関心が高まる現在では活躍の場が広がっているそうで、11月下旬に樹木医が都心の桜並木で黙々と作業をしている映像がTVで紹介されていた。この並木道は桜の時期には大勢の人出でにぎわうがこの季節は通行人がまばらだった。 公園の桜の木の根元に白いキノコの塊があると根から幹を腐らせるベッコウタケで、このきのこが繁殖すると放っておけば木が腐って倒れてしまう危険があるというのだ。腐り具合を調べるために取り出したのは「鋼棒」という細長い棒を使うのだが、キノコと幹の隙間にグッと刺すと深さ10センチほどで止ると一安心だという。もし腐ってしまっていればもっと奥まで入るそうで、状態はひどくはないということで専用のカルテに記入するというのだ。樹木医の仕事では専用機器を使って木が腐っていないか調べたり、弱ってきた木を回復させたり病気になった木の治療をしたりと仕事は多岐にわたるという。桜並木の安全確認では6人体制で木が倒れるなど危険がないか約150本を1本ずつ調べるというのだ。 私も立会したのだが高さ4メートルほどの位置に伸びた枝についたキノコを指さし、「放っておくと枝が腐って、落ちてきたら危ない」と指摘してくれた。その後も見落としがないように木の周囲をあちこち動き回り主観を入れず木の情報をくまなく集めていたのだ。その樹木医「私たちは医師と同じで、その日の気分で診断が変わったら患者が困るでしょ」と語っていた。日本緑化センターによれば現在は2千人程度が樹木医として登録されているそうで、うち女性はい割に当たる2百人くらいいるそうなのだ。樹木医は一般財団法人「日本緑化センター」が認定する資格で、温暖化や環境汚染から緑を守り管理する動きが広がったことを背景に、1991年に制度が誕生したそうなのだ。 医師のような国家資格ではないが樹木に関わる実務に7年以上携わっていることなど資格取得のハードルは高いそうなのだ。樹木の調査・研究・診断・治療だけでなく、公園緑地の計画・設計・設計監理などを通して、樹木の保護・育成・管理や落枝や倒木等による人的・物損被害の抑制などを行っているそうなのだ。私たち建設業の世界でもよくお世話になる樹木に関する専門家なのだが、樹木医となるには一般財団法人「日本緑化センター」が実施する樹木医資格審査に合格し樹木医として登録されることが必要で、造園業者・研究者・コンサルタントなど有資格者は幅広いという。仕事の醍醐味は「長い時間をかけて同じ木に関わることができること。木が元気になっていく過程を見るのがうれしい」と語るっていた。 私がお世話になっている樹木医はある寺院から樹齢300年の大イチョウの樹勢回復を頼まれたことがあって、土に空気を送る機械を使って土壌そのものを改善して、1年後に鮮やかな緑がよみがえらせたそうなのだ。樹木医の報酬は独占禁止法の関係で作業に対する一定の価格を定めることができず、1本あたりの作業料の目安はないが報酬も結構高いそうで2カ月間の街路樹調査で200万円の報酬をある市から受け取ったこともあるそうなのだ。同じ木でも文化財など価値の高い木に関わった時は報酬も高くなるというのだが、樹木医としての仕事が年々増えていることを実感する一方で、各地の巨樹や古木林等は快適な環境をつくる貴重な資源でありながらいまだに「木の扱いがぞんざいだ」と嘆いていた。
2015年12月13日
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国土交通省は中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故から3年となるのに合わせ、国や自治体が行っている道路の橋やトンネルの点検結果について、今年3月末時点の集計結果を発表した。それによると「5年以内に補修が必要」とされたのは点検済みの16%にあたる1万1164か所で、「緊急措置が必要」とされた129か所は対策工事のため通行止めなどになっているそうなのだ。中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を受けて道路法が改正され、橋やトンネルについて昨年7月以降は国や自治体などの管理者が5年ごとに近くから目視で点検することが義務づけられている。対象は約77万4000か所で今回は初年度に点検を終えた7万1520か所について公表されているのだ。 またトンネルだけでみると調査個所の44%にあたる635か所が壁の剥離などで「緊急または5年以内の補修などが必要」と判明したそうなのだ。国土交通省は道路の老朽化対策の一環として行なわれた橋やトンネルなどの点検の結果によると、都道府県や市区町村が管理する橋の16%に問題が見つかっており、これは国や高速道路会社が管理する橋より多い割合だったそうなのだ。国土交通省の基準では老朽化の度合いを4段階に分けているが、点検済みの橋のうち機能に支障が生じる恐れがある判定区分「3」と「4」は、都道府県・政令市管理分で16.2%となっており、市町村管理分では15.8%であるのに対して国管理では13.1%に高速会社管理は8.2%だったそうなのだ。 構造物の老朽化は仕方がないがまずは人命に関わりそうなところを洗い出して、優先的に補強すべきということなのだが、損傷や腐食が激しく緊急措置が必要な判定区分「4」の橋は、国と自治体管理分を合わせて109カ所でいずれも通行止めにするなどしているという。高速会社管理分ではなかったが、東名阪道にかかる三重県桑名市の3本の市道跨道橋では側壁に並ぶ「引っかき傷」があり、これは昨年6月にリフレッシュ工事で応急処置をした跡だというのだ。桑名市への説明によると浮いたコンクリートを落とし露出した鉄筋にさび止めをしている。「仕上げ」で樹脂などをかぶせてあることから当面の安全対策としては問題ないという。これからは管理者である桑名市も定期点検をするそうなのだ。 3本の橋とも現在のところ機能に支障はないが寿命を延ばすなら措置が望ましいという判定となっているそうなのだが、担当者は「早く修復するに越したことはないが、限られた予算で優先順位をつけざるをえない」と話している。国土交通省はトンネルや2m以上の道路橋などを5年に1回の頻度で点検することを義務付け、近接目視による点検の義務化とその頻度などを定めた省令・告示を施行しているのだが、トンネルは全国に約1万本以上あるし2メートル以上の橋にいたっては約70万橋に上っているのだ。罰則こそないものの予算や人材の面で苦境に立つ自治体には戸惑う声も少なくない。点検方法は近接目視が基本で必要に応じて触診や打音検査を含む非破壊検査を実施するという。 国土交通省は点検・診断業務を発注する際に技術士等の建設コンサルタンツ協会が認証する資格者などを管理技術者の要件としており、自治体にこれを参考にするよう促している。このような要件を満たしていれば自治体職員が点検を実施することも可能で、実際に自前で点検を実施しようと考える自治体もあるというのだ。定期点検の義務付けに伴い自治体の財政面での負担が増すことから、国土交通省は防災・安全交付金で支援する新たな補助制度の創設も視野に入れているそうなのだ。インフラの点検を頻度を高めて丁寧に実施すること自体に異論はないのだが、予算や人材の不足に悩む小規模な自治体にとって、定期点検の義務付けは悩ましい問題で、しばらくは構造物点検を巡って混乱が続きそうだという。
2015年12月12日
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パワハラや長時間労働に賃金未払いなどを従業員に強いる悪質な企業を選出する「ブラック企業大賞2015」の授賞式が先月末に東京都内で開かれ、「セブン-イレブン・ジャパン」が大賞に選ばれたそうなのだ。今年で4回目となる「ブラック企業大賞」は弁護士やジャーナリストなどでつくる実行委員会が主催しており、今年ノミネートされた「セブン-イレブン・ジャパン」・「暁産業」・「エービーシー・マート」・「引越社関東(アリさんマークの引越社)」等の中から大賞を選出されたそうなのだ。このほか「ブラックバイト賞」が個別指導塾「明光義塾」を運営する明光ネットワークジャパンに贈られ、「ウェブ投票賞」はアリさんマークで知られる「株式会社引越社関東」がウェブ投票で他のノミネート企業を大きく引き離す票を獲得して受賞したそうなのだ。 引越社関東は「アリえないで賞」にも選ばれたそうで、「特別賞」にはパワハラで未成年の労働者が自殺に追い込まれたとして暁産業株式会社が選ばれたというのだ。「セブン-イレブン・ジャパン」が大賞の授賞理由としては、フランチャイズ加盟店主の見切り販売を妨害するなど過酷な搾取をおこない、そのしわ寄せが学生アルバイトに及び「ブラックアルバイト」が問題化しているとして「ブラック企業大賞」に選ばれたという。実行委メンバーの佐々木亮弁護士は「セブン-イレブン・ジャパン」について、「ビジネスモデルとして収益を上げる構造に歪みがあって、立場の弱い従業員に及んでいる」としながらも、「セブン-イレブン・ジャパン」のメディアへの影響力から「週刊誌などは大賞の受賞を取り上げないのではないか」と指摘している。 ブラックバイトユニオン事務局長の坂倉昇平氏は「これまでにブラック企業大賞にノミネートされた企業のなかには、労働環境の改善が進みつつあるところがある」と述べ、賞をきっかけに問題が認知されていることの意義を語っている。佐々木弁護士は「10~20年前だと過労死しても『自己責任だ』という言説がまかり通ったが、今の時代では企業の代表が『自己責任だ』と言ったら大炎上する」と社会が変わりつつあることを説明している。また「それでもとんでもない企業は世の中にまだある。すべてを一度に改善することは難しいので、一つずつ積み上げていきたい」と述べたそうなのだ。実行委によるとノミネート企業を毎年授賞式に招待しているがこれまでに1社も出席したことはないそうなのだ。「ウェブ投票賞」と「アリえないで賞」の2部門で受賞したアリさんマークで知られる「株式会社引越社関東」は、営業職として働いていた男性社員が労働組合に加入したことをきっかけに「追い出し部屋」への異動を命じられたとして、命令の無効などを求めて株式会社引越社関東」を提訴したことから始まったそうなのだ。意見陳述などによると男性は「引越社」のグループ会社である「引越社関東」に入社し、セールスドライバーなどを経て営業職になったが、時間労働だったにもかかわらず残業代は支払われなかったという。男性が営業車を運転中に車両事故を起こすと高額の借金として負わせるというシステムによって、会社から48万円の弁償金を求められ毎月1万円を給与から天引きされるようになったというのだ。 そこで男性が個人加盟の労働組合「プレカリアートユニオン」に加入し、未払い賃金や弁償金の返還などを求めて団体交渉を申し入れるというのだ。この男性は本社の「アポイント部」に配置転換になり「遅刻した」という理由で、一日中立ちっぱなしの「シュレッダー係」への異動を命じられたというのだ。男性が命令を無効とする地位確認訴訟を起こすと、「会社の名誉を害して信用を傷付け莫大な損害を与えた」として一方的に懲戒解雇されたというのだ。この「株式会社引越社関東」は長時間労働のせいで注意力が落ち事故等を起こしてしまうと、弁償金により給与が減って長時間労働に追いやられる悪循環に陥っている。これを従業員たちは『アリ地獄』と呼んでいるといった悪質な会社のようなのだ。
2015年12月11日
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東京電力福島第一原発に一番近いコンビニエンスストアが連日にぎわっているそうで、このコンビニというのは今も全住民に避難指示が出ている福島県浪江町にあって、客のほとんどは放射性物質の除染や原発の廃炉の作業員たちだという。店員もすべて町外の人たちで求人に地元からの応募はないそうなのだが、私の愛読している業界紙でコンビニから町の復興の実情をみた記事が載っていたのだ。福島第一原発から北西約9キロにある「ローソン浪江町役場前店」では11月中旬の朝5時半になると店の前を走る国道6号に車の列ができ始め、作業員たちが乗用車やバスで原発に向かう午前6時ごろになると、開店を待つ人たちが店の駐車場に車を止め始めるというのだ。 このコンビニ店は避難指示区域にあるため「年中無休・24時間営業」ではなく、営業は午前7時から午後6時の日中に限られているそうなのだが、取材の日にも店の前で10人ほどが列を作っていたため店員が予定より30分早く店を開けたという。回転してすぐの午前7時半には約60台止められる広い駐車場は満杯になり、店で買った弁当やおにぎりを車内で食べる人や仲間と仕事の打ち合わせをする人など、店の駐車場は作業の合間に一息つきたい人の休憩場所にもなっているそうなのだ。昼ごろには「環境省」の作業着を着た公務員の人や警察官らの姿もあるそうで、再開したコンビニもこの店だけだということもあって、平均来客数は半日営業でも1日1200人で24時間営業店の全国平均900人弱を大きく上回るという。 今も全住民に避難指示が出ている福島県浪江町では町民約2万人が今も避難しており、放射線量が比較的低い沿岸部について2年後の春の避難指示解除を目指し、町内では除染や道路の整備を進めているそうなのだ。「この辺りはずっと事故の『爪痕』が残っていたが、ようやくがれきも片付いてきた」と、軽ワゴン車で同僚と除染作業に行く男性が語ってはいたが、この作業員は除染経験4年のベテランで筆記用具を買いに来たという。実家は栃木県だが平日は原発から二十数キロ離れた広野町の宿舎から通っているというのだ。それでも福島県浪江町では農家が代々維持してきた屋敷林では、環境省が除染した杉林で線量を測ったところ毎時8マイクロシーベルトあったそうなのだ。 この「セブン―イレブン楢葉下小塙仮設店舗店」店は、商店や居酒屋が集まる町中心部の一角にあったそうで、もともと地元オーナーのフランチャイズ経営だったが事故でオーナーが避難し休業していたというのだ。政府や自治体から営業再開の要請を受け本社直営店として営業を再開したところ、原発の廃炉・汚染水対策に1日約7千人と避難指示区域内の除染には1万9千人が携わることから、午前7時のオープンと同時に、町の除染を行う作業員などが訪れ、朝食などを買い求めているという。飲食や買い物の需要は高いが福島第一原発の周辺4町に飲食店はほとんどなく、今春の常磐自動車道が全線開通したころから町内の除染作業も盛んになり来客数が急増しているそうなのだ。 このコンビニには作業を終えて宿舎に戻る作業員が立ち寄ることが多いのだが、作業員が現場事務所で捨て忘れた使用済みのマスクなどをコンビニで捨てているというのだ。コンビニの従業員によると「除染用は変わった形だからすぐ分かるんです」と話しているが、コンビニなどのゴミ箱に捨てられるケースが常態化しているという。厚生労働省福島労働局は被ばく対策や汚染廃棄物の扱いを定めた労働安全衛生法に違反する疑いもあるとしているし、「線量が高いモノもあるかもしれない」といったことも関係者から出ていたというのだ。コンビニ経営者によると「ゴミ箱に捨てられたマスクや手袋には放射性物質が付着している可能性があるが、一般廃棄物として処分されている」と話している。
2015年12月10日
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橋やトンネルには「壊れるかもしれないが、すぐには壊れないかもしれない」という感覚があって、地方公共団体の長や行政も「まさか自分の任期中は」という感覚があるというのだ。そのため国は「道路管理者に対して厳しく点検を義務化」して、「産学官の予算・人材・技術のリソースをすべて投入する総力戦の体制を構築」し、「政治・報道機関・世論の理解と支持を得る努力」を実行するよう提言している。我が国には道路橋は全国に約70 万橋あって、しかもその橋梁のうち7割以上となる約50 万橋が市町村道にあり、大部分は市町村が管理することとなっている。そのうち高度経済成長期以降に集中的に整備した橋梁やトンネルが今後急速に高齢化し、10 年後には建設後50 年経過する橋梁が4割以上になると見込まれているのだ。 地方公共団体管理橋梁では最近5年間で通行規制が2倍以上に増加しており、国土交通省が今年の8月に発表した「道路メンテナンス年報」によると、昨年度の点検実施数は約6万橋で定期点検の対象となる70万6549橋のうちの8%だったという。昨年度は10%を点検する計画だったから目標を達成できなかったことになるというのだ。民間企業も含めてこれまで橋梁点検に縁がなかった人が現場に立ち入る機会が増えており、そこで気になるのが安全管理だというのだ。山間部の橋などは周辺が整備されておらず足元が非常に悪いことから、一歩間違えば大きな事故につながりかねず、写真撮影に夢中になって高所から転落する事故もしばしば起こっているとされている。 1人で現地踏査に向かい事故に遭って亡くなった人がいる事例もあり、1人では助けを呼ぶのが大変だし事故に気付いてもらえない恐れも高いのだ。危険を察知したり事故が起こった際に適切に対応したりするには、3人以上のチームで行動するのが望ましいのだが、それでも不注意や知識・スキルの不足が原因となって事故は起こるものなのだ。調査や監督に周辺状況や天候の監視といった役割分担を決め複数人で現場に向かったはずなのに、点検に夢中になって「ふと気付くと全員が橋を見上げて歩いていた」という事例も紹介されている。はしごについても認識が甘い発注者が多そうで、橋梁点検車やリフト車などの機械の操作や器具の扱いに起因するトラブルも後を絶たないそうなのだ。 特に気になるのがはしごの使用方法で、労働安全衛生規則では高さが2m以上の箇所で作業する際に足場を組むことなどを求めている。「ちょっと無理すれば届きそうだ」と考えはしごで無理に高所を点検するのは無謀なだけでなく法令違反になる恐れがあるのだ。足場や点検車を用いるとお金が掛かるので「ちょっとだけだから、はしごで見てくれないか」などと、法令違反と認識しながら打診するケースもあるという事も報告されている。もちろんきっぱりと断れない受注者にも問題があるが、点検中の事故を防ぐには受注者側の取り組みだけでは限界があるのも事実なのだ。安全の確保に必要な費用を投じるためには発注者側の意識向上が不可欠で、約9割の市区町村が交付金によるさらなる財政的支援を挙げているそうなのだ。 現場での対人トラブルにも注意が必要で、地方では桁下に無断で資機材を置いている人がいるし河川敷を不法占拠して耕作する人もいる。反対に都市部では橋の下でホームレスの人が暮らしていることがある。こうなると点検の支障になる物を移動させたり写真を撮影したりする際にトラブルになりやすい。そういう時は点検者が無理に自分たちで解決しようとせず、管理者や警察等に間に入ってもらうことになるというのだ。維持管理の面で日本は歴史的に木で橋を建設してきており、洪水による流出や火災などにより架け替えを行うことが普通であった。それが「永久橋」と呼ばれメンテナンス・フリーと考えられるようになっていたことから、今までその維持管理の必要性が十分認識されていなかったことが問題だったのだ。
2015年12月09日
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政府は給与関係閣僚会議と閣議でやっと今年度の国家公務員の月給とボーナスに関し、2年連続で引き上げることなどを求めた人事院勧告の完全実施を決めたそうなのだ。勧告内容を盛り込んだ給与法改正案を来年の通常国会に提出するわけなのだが、政府は勧告の取り扱いを検討した結果経済界に賃上げを要請していることなどから、国家公務員給与も引き上げが妥当と判断したというのだ。今年度の給与改定は月給を平均0.36%にあたる1469円を増額し、ボーナスを0.1カ月引き上げて年間4.2カ月とする内容だというのだが、職員の平均年間給与は0.9%で5万9千円も増加して約667万円となるそうなのだ。もっとも私の住んでいるところでは関係はないが、地域手当という手当が手厚く出るそうなのだ。 もっとも政権内で臨時国会見送り論が決定した影響で、国家公務員の給与引き上げに来年の通常国会まで「待った」がかかるというのだ。臨時国会がなかったことで8月の人事院勧告に基づく法改正のめどが立たないためなのだが、例年通りなら12月の冬のボーナスが増額のはずだったのだが、来年に持ち越しとなればさかのぼって支給されるとはいえ、公務員にしてみればアベノミクスの恩恵を感じにくい年末となりそうだ。しかも総務省の通達によって国家公務員の給料が上がるまでは、地方公務員の給料を上げることが無いようにしていることから、地方ではボーナスが消費の呼び水にならず、スーパーや商店街の歳末商戦に一抹の不安を感じているところもあるというのだ。 また1日の勤務時間を柔軟に選択できる「フレックスタイム制」についても、来年度から全面的に導入することを決定されたそうで、4週間ごとの総勤務時間155時間は変わらないものの、一般の職員は1日最短6時間の勤務が可能になるというのだ。国家公務員の勤務時間は1日7時間45分の1週間で38時間45分となっているが、フレックス制でも1週間の勤務時間は変わらないそうで1日の勤務時間を柔軟に選択できるというのだ。この制度で一般の国家公務員職員は午前9時~午後4時までの時間帯に全職員が勤務する5時間の「コアタイム」を設定し、コアタイムを含めた1日の最短勤務時間を6時間として、始業時刻を午前7時以後で終業時刻は午後10時以前とする予定だというのだ。 政府は原則60歳としている国家公務員の定年についても延長しない方針を固めたそうで、来年度から年金支給開始年齢が62歳に引き上げられるため、段階的な定年の引き上げを検討してきたが人員配置上の問題から困難と判断したという。今年度に定年退職する職員は最長で2年間の無収入期間が発生することになるわけだが、年金支給開始年齢の引き上げにより定年退職した職員からは、退職後に年金が支給されない期間が発生しているのだ。さらに国と地方の公務員や私立学校の教職員が入る共済年金が民間サラリーマンの厚生年金に統合されたことで、全国民共通の基礎年金に上乗せする2階部分の被用者年金が一本化され、「公務員優遇」と指摘された保険料等の官民格差を是正されるそうなのだ。 もっとも退職後に無収入となる期間が発生しないよう、政府は定年の段階的な引き上げや再任用制度の活用拡大といった措置を示すことになっており、定年後に希望者が最大5年間勤務できる再任用制度の拡充を図っていく考えだという。再任用制度は週38時間45分のフルタイム勤務と週15時間30分~31時間までの範囲で働く短時間勤務とに分かれており、約9千人いる再任用職員のうち、フルタイム勤務は28.9%にとどまっているという。人事院は再任用職員におけるフルタイム勤務の拡充を求める報告を出していることから、政府も対応を検討していく方針だという。これで夫婦が老後に毎月受け取る公的年金額の20万円以上を確保していく考えのようなのだ。
2015年12月08日
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アメリカの大手企業が「会社を守り、人材を守らない」ことで有名な代表の時代から行ってきた人事評価の「9ブロック」を廃止することを検討しているようで、人事評価制度「9ブロック」と言う制度は優れた人材を適材適所に登用するための人事の仕組みのことで、個人の評価はもちろん該当組織が必要としている人材はどんな人材か、またそれは今在籍する人材とギャップがあるのか、あればどう埋めていくのかを明らかにする仕組みだというのだとされている。人事評価制度「9ブロック」は「業績」と「値打ち」の2軸のレベルを、それぞれ3段階ずつに分けた9マスの中に社員名をプロットしていくというもので、「業績」×「バリュー」を2軸として両方を重視するというシンプルで良い評価制度だといわれている。 評価制度本来の目的は社員のエンゲージメントを高め個人の成長を促すことだとすると、企業にとって優れた業績をあげた者に報酬を与えることで、社員の自立性を高めることを意図したものだといえる制度なのだ。しかしその実態を見てみると管理目標の数が多く、大半の社員には管理そのものが負担になっているそうなのだ。評価の第一目的が賃金や昇進の決定に役立てるためのものになっているはずなのに、業績の低い社員を特定したり責任の所在を明らかにしたりすることが目的になってしまっているというのだ。評価の結果に対して多くの社員が納得していないといった状況も多く、その結果業績達成目標だけが意識されている上司部下間では、業務に関する話だけが行われ能力開発に関する対話がなくなるというのだ。 また部下が困っていることや悩んでいることなどを話す機会がなくなり、部下の希望を聞いたり提案を引き出したりする対話も少なくなるという。パフォーマンスに関する会話は数値目標達成の不足を隠すことに終始しがちになるなどさまざまな弊害が指摘されるようになり、企業は評価制度そのものの見直しを迫られているそうなのだ。社員が求めるのは「頻度の多いフィードバック」や「オープンなコミュニケーション」・「同僚とのコラボレーション」で、業績評価時のネガティブなフィードバックは対象者のモチベーションや成績を下げてしまうのだ。今の社員はかつてのように上司を「経験を積んだ能力のある先輩」としては見ないことから、上司にはコーチ力と権限移譲力が必須であるとまで言われるようになっている。 大手自動車会社に勤める若手の社員に人事評価の実態についてヒヤリングを行ったところ、評価の流れは「年初に業務の目標や自分のスキルアップの目標を立てる」、年度末に「自己評価と上長の評価をすり合わせる面談を行い、面談結果に基づき業績評価会でABCDEの5段階の評価が決まる」、そしてランクに応じた係数を乗じて「昇給額」や「賞与額」が決まるというものだったのだが、その方法についてどのように思っているのかというと、上司が業務のゴールやスキルアップについて時間をとっている場合は部下からの最終評価に対する不満はあまりないが、業務に関する会話に終始し中長期的な成長や学習機会に関する会話がされない場合は部下は評価に対して不満を持っていることが多いというのだ。 会社という形態をとるかぎり評価をなくすことはできないし、何らかの形で社員を評価しその貢献に応じる仕組みは必要なのだ。そして社員を恒常的に成長させるためには「フィードバックループを生み出すコーチングが必須である」とされているそうなのだ。企業や組織でコーチングのプロジェクトに参加したリーダーの「コーチング」に着目しており、その結果「将来の目標やビジョンを持っている」度合いや、「積極的に目標を立てて行動をおこしている」度合いが高まった人が増えていくことが必要だと結論つけられているそうなのだ。このことからもリーダーの「コーチング」のレベルアップは、周囲の人の「目標に向けた自発的な行動」の促進に加えて、モチベーションやエンゲージメントをも高めることに繋がると考えられているそうなのだ。
2015年12月07日
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リクルートホールディングスのリクルートワークス研究所が公表した「採用見通し調査」によると来年度に卒業する大学生・大学院生の採用が増えるとみる会社の割合が建設業で19.4%と、依然として高いことが分かったそうなのだ。しかし3年前の3月に高校を卒業して建設業に就職した人の3年以内の離職率が4年連続で上昇し、50%に達したことが厚生労働省の調査で分かったというのだ。全産業平均の40%と比べて10ポイントも高いのだが、離職者の多さが担い手確保の足を引っ張っている状況が浮き彫りになったという。厚生労働省がまとめた「新規学卒者の離職状況」によると、建設業に就職した3年前の3月の高卒者は1万2082人で、そのうち6042人が3年以内に仕事を辞めたとされている。 この数字は前年度3月の高卒者と比べて離職率は1.5ポイント増加しているのだが、離職率上位5産業のうち前年より増加したのは建設業だけだという。「宿泊業・飲食サービス業」や「生活関連サービス業・娯楽業に「教育・学習支援業」は、ここ数年の離職率が横ばいか減少傾向にある一方で、大卒者の3年以内離職率は建設業で30.1%だったという。全産業平均の32.3%より低い水準だが3年連続で増加しているというのだ。建設業では担い手確保に向けて新卒者の採用を増やしており、一昨年と昨年の就業者数はそれぞれ1万4千人と1万5千人と右肩上がりで、建設業への大卒就業者数もここ数年で右肩上がりとなっており、事務職も含めると毎年2千人くらい採用者は増えているというのだ。 新卒就業者の増加は喜ばしいとは言え経験を積ませられなければ、本当の意味で担い手確保にはならない。そのためいかに定着させるかが次なる課題として浮上しているという。建設業での離職率が高くなるのはある程度仕方がないことで、誰が見ても危険で重責がある仕事なのが現場技術者という職業で、しかも慢性的な人出不足で我々も丁寧に教育していく余裕はないのが実情なのだ。それで女性の建設業進出も含め早く地場建設業にCIMが普及しないかなと個人的に思っているのだ。それと「職人」と呼べる環境で仕事をさせてないことも我々技術職の反省点で、仕事への情熱というよりもいかに問題なく過ごすかなどの教育が盛んで、良い技法や案などもお蔵入りしていることも問題となっている。 ある有識者は「3年で企業を退職する優秀な若者」だといっているのだが、イベントの参加者である就職活動中の若者に聞くとまた違った意見があって、ベンチャー企業を中心に受けている学生は大学でマーケティングを学んでいることもあり、「ウェブマーケティングの仕事に就きたい」と語っていた。本当は大好きな音楽業界に進みたいが「CDが全然売れない時代。音楽業界はシュリンクするばかりで先がない。一方、ウェブ業界はしばらく需要がある」と冷静にインタビューに答えていた。「自分にとって好きなことと仕事にしたいことは違う。収入と興味があることスキルを考えた上でベストバランスなのがウェブマーケティングの仕事だった」仕事は適度に関心のある分野を選びつつ、かつ時代に合ったことを仕事にしたいと考えているという。 我々建設業の世界でも技能取得は概ね10年と言われており、早急な若年層の補填が必要なのだが、低所得が板につき職人として生きることに不安を思えば、早いうちに辞めるのは当然という風潮が強まってきているのだ。若い職人たちがそれを考え決めているのではなく、現職の方々を見てそう思ってしまうのだと思ってしまうのだ。自分の未来がこの諸先輩方かと思うと夢を持てないのだろうが、同じように今回の杭の事件の様に下請けばかりが悪く、ハイライトされる環境ではやる気を起こせという方が難しいと思うのだ。ハイリスクハイリターンで高品質高額工事は当たり前とならなければ誰も挑まないし、それも経営者の冷徹な数字の追い込みに勝てるだけの技術力を自分たちが持つ必要もあるのだろう。
2015年12月06日
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橋やトンネルには「壊れるかもしれないが、すぐには壊れないかもしれない」という感覚があって、地方公共団体の長や行政も「まさか自分の任期中は」という感覚があるというのだ。そのため国は「道路管理者に対して厳しく点検を義務化」して、「産学官の予算・人材・技術のリソースをすべて投入する総力戦の体制を構築」し、「政治・報道機関・世論の理解と支持を得る努力」を実行するよう提言している。我が国には道路橋は全国に約70 万橋あって、しかもその橋梁のうち7割以上となる約50 万橋が市町村道にあり、大部分は市町村が管理することとなっている。そのうち高度経済成長期以降に集中的に整備した橋梁やトンネルが今後急速に高齢化し、10 年後には建設後50 年経過する橋梁が4割以上になると見込まれているのだ。 地方公共団体管理橋梁では最近5年間で通行規制が2倍以上に増加しており、国土交通省が今年の8月に発表した「道路メンテナンス年報」によると、昨年度の点検実施数は約6万橋で定期点検の対象となる70万6549橋のうちの8%だったという。昨年度は10%を点検する計画だったから目標を達成できなかったことになるというのだ。民間企業も含めてこれまで橋梁点検に縁がなかった人が現場に立ち入る機会が増えており、そこで気になるのが安全管理だというのだ。山間部の橋などは周辺が整備されておらず足元が非常に悪いことから、一歩間違えば大きな事故につながりかねず、写真撮影に夢中になって高所から転落する事故もしばしば起こっているとされている。 1人で現地踏査に向かい事故に遭って亡くなった人がいる事例もあり、1人では助けを呼ぶのが大変だし事故に気付いてもらえない恐れも高いのだ。危険を察知したり事故が起こった際に適切に対応したりするには、3人以上のチームで行動するのが望ましいのだが、それでも不注意や知識・スキルの不足が原因となって事故は起こるものなのだ。調査や監督に周辺状況や天候の監視といった役割分担を決め複数人で現場に向かったはずなのに、点検に夢中になって「ふと気付くと全員が橋を見上げて歩いていた」という事例も紹介されている。はしごについても認識が甘い発注者が多そうで、橋梁点検車やリフト車などの機械の操作や器具の扱いに起因するトラブルも後を絶たないそうなのだ。 特に気になるのがはしごの使用方法で、労働安全衛生規則では高さが2m以上の箇所で作業する際に足場を組むことなどを求めている。「ちょっと無理すれば届きそうだ」と考えはしごで無理に高所を点検するのは無謀なだけでなく法令違反になる恐れがあるのだ。足場や点検車を用いるとお金が掛かるので「ちょっとだけだから、はしごで見てくれないか」などと、法令違反と認識しながら打診するケースもあるという事も報告されている。もちろんきっぱりと断れない受注者にも問題があるが、点検中の事故を防ぐには受注者側の取り組みだけでは限界があるのも事実なのだ。安全の確保に必要な費用を投じるためには発注者側の意識向上が不可欠で、約9割の市区町村が交付金によるさらなる財政的支援を挙げているそうなのだ。 現場での対人トラブルにも注意が必要で、地方では桁下に無断で資機材を置いている人がいるし河川敷を不法占拠して耕作する人もいる。反対に都市部では橋の下でホームレスの人が暮らしていることがある。こうなると点検の支障になる物を移動させたり写真を撮影したりする際にトラブルになりやすい。そういう時は点検者が無理に自分たちで解決しようとせず、管理者や警察等に間に入ってもらうことになるというのだ。維持管理の面で日本は歴史的に木で橋を建設してきており、洪水による流出や火災などにより架け替えを行うことが普通であった。それが「永久橋」と呼ばれメンテナンス・フリーと考えられるようになっていたことから、今までその維持管理の必要性が十分認識されていなかったことが問題だったのだ。
2015年12月05日
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香川県三木町町内の建設会社17社が高松地方裁判所に三木町を提訴した事件では、町の支離滅裂な施策に不当に振り回されたとして国家賠償法に基づき、新設した協会に支払った加入金や慰謝料など約1800万円の損害賠償を求めているという。問題の始まりは三木町が昨年の10月に開いた「下水道工事の発注に係る周知会」で、三木町では今後10年ほどで総額100億円を超える下水道工事を発注する予定があり、筒井三木町長は町内の建設会社21社を集め技術力の低さを指摘したうえで、下水道工事の入札の指名要件で技術力向上のための業界団体設立を強要し、技術力向上のために協会設立協会を作らなければ、下水道の指名に参加させないと告げたというのだ。 三木町は協会の設立に加えて技術支援職員を協会に常駐させることも求めており、町の意図は不明だが協会員の現場を技術支援職員が回って、施工管理や品質管理を支援することなどを期待したと考えていたようなのだ。建設会社側は「町長の要求を承服できなかったが、協会を設立したうえで加入しなければ入札に呼ばないと言われた以上、指示に応じるほかなかった」として、「三木町下水道工事技術向上協会」を設立したというのだ。協会の規約では「加入に際して正会員は50万円を支払う」とか、「正会員も町外の準会員も下水道工事を落札した場合は、常駐職員の人件費を含む運営費として落札金額の3%を協会に納入する」・「運営費の納入は工事契約後30日以内とする」などが取り決められたという。 三木町も協会の運営費の一部として年間発注額の1%程度に当たる補助金を、今年度からの予算で措置する考えを示していたそうで、周知会に出席した地元建設業者の21社のうち19社が協会への参加を決めた。協会設立後に三木町が指名競争入札で発注した下水道工事は8件で全て会員のみで応札した。ところが昨年の12月に一般競争入札で発注した下水道工事については、協会の規約では準会員に当たる大林道路が1億3千万円で受注した。準会員も正会員と同様に受注額の3%を納付する必要があり、大林道路は落札すれば受注額の一部を協会へ納付する必要があることを事前に三木町から説明されていた。しかし「常識的に考えれば支払う必要は無い」と判断し納付を断ったというのだ。 この件が影響したのか定かではないが納付拒否の直後に三木町の方針は急変し、筒井町長は「協会を解散してもらいたい」と表明したという。建設会社側によると筒井町長はその理由について「協会が談合組織と疑われやすいとの指摘を受けており、万が一公正取引委員会の立ち入りがあった場合、会員企業に課徴金が課される恐れがある」と説明したそうなのだ。それに対し建設会社側は「協会を通じて談合などしていない。手間と費用を掛けて設立したにもかかわらずわずか半年余りで解散するよう言われても納得がいかない」と反論し、原告のある建設会社の社長は「受注者が負担金を協会に支払ったり町が補助金を交付したりするので、談合のような組織と勘違いされかねないと当初から町に指摘していた」と証言している。 しかも筒井町長は議会答弁で「協会に対する補償は一切行わない。応分の負担を行うとした発言を訂正する」と述べた。協会の解散については町が一方的に決定したことと認めつつも、負担するとの発言の撤回は総合的に勘案した結果だと答えるだけだったそうなのだ。それこそ「提案だけで責任はとらない霞ヶ関はじめ役人のやり方」なのだが、まさか地方の弱小の自治体までもがやっているとはしらなかったのだ。町長は一連の方針変更について「総合的に判断した結果である」としたうえで、「様々な政策を方向転換するのもトップの大事な資質である」と議会答弁をしている。なお三木町はマスコミの取材にも「係争中でコメントできない」として訴状に書かれた事実関係の確認に応じていないという。
2015年12月04日
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「テストステロン値が低い人は早死にする」という衝撃的な研究もあって、40歳以上の男性858人を追跡調査した結果「テストステロン値」が低いほど生存率が低くなっていたというのだ。テストステロンはアンドロゲに属するステロイドホルモンで男性ホルモンの一種とされており、哺乳類のオスでは睾丸で95%分泌されるそうなのだ。メスでも卵巣や副腎から男性の5-10%程度ながら分泌されるそうで、男性では睾丸からの分泌が顕著に増加し男性的な身体の特徴が形作られるホルモンだとされている。一般に30歳ごろから減少しはじめ年1~2%の割合で減少するといわれており、テストステロンの減少は男性更年期と呼ばれるが、女性の更年期ほどには急激にホルモン分泌は変化しないそうなのだ。 それでも身体や精神に与える影響も個人差が大きく、ストレスなどで急激な減少を起こすと男性更年期障害を起こすという。テストステロンの減少率は個人差が大きく70代になっても30代の平均値に匹敵するテストステロン値を維持している男性も多いそうなのだ。男性だけではなく米国の研究によると社会の第一線で働いている女性は、この「テストステロン値」が高い傾向があったそうなのだ。「テストステロン値」が高い人は公平さや公正さを求める正義感が強く、社会に貢献しようとする意欲が高くなるという。つまりテストステロンは男をヒーローにするホルモンとも呼べるわけなのだが、最近ではこのテストステロンが生活習慣病とも深い関係があることが分かってきたそうなのだ。 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の堀江重郎教授は、「テストステロンは社会の中で自分をアピールし、未知の世界に旅立たせる夢と冒険のホルモン。芸能人や政治家には血液中のテストステロン値が高い人が多い」と話している。面白いことに「テストステロン値」の大まかな高さは手の指を見れば分かるそうで、「男女ともに人差し指と薬指を比べて人差し指が長い人はテストステロン値が低く、薬指が長いほど高いと考えていい」とされている。私も薬指が中指よりも長いことからこの「テストステロン値」が高いみたいなのだ。糖尿病との関係では男性の場合では腹囲が85cm以上で、さらに高血糖・高血圧・脂質異常のうち2つ以上があると「メタボリックシンドローム」と診断されている。 メタボがなぜ怖いかといえば心疾患や脳血管疾患のリスクが一気に高くなるためで、肥満・高血糖・高血圧・脂質異常の4因子のうち1つ持っているだけでも、心疾患の発症リスクは5.1倍になるし3つ持っていれば35.8倍も高くなるというのだ。「テストステロン値」が低い人は太りやすく糖尿病にもなりやすいそうで、45歳以上の男性1849人を対象にした米ニューヨーク州立大学の調査から、太った男性のテストステロン値は低く体格指数の増加に応じてテストステロンが下がることも分かったというのだ。また30~63歳の日本人男性1154人を調査した結果肥満・高血糖・高血圧・脂質異常というメタボの因子が増えるほど、きれいにテストステロン値が低くなっていくことが分かったそうなのだ。 テストステロン値が低くなるほどメタボの発症リスクが上がることも確認されており、男性の心身にとってテストステロンは想像以上に重要な役割を持っているらしいといわれている。男性ホルモンといえば「下半身関係のホルモン」というイメージが強いが実はそれだけではなく、気力や性格・社会性にまで影響し女性にとっても重要なホルモンであることが分かってきた。意欲や気力とも密接な関係があり「テストステロン値」が下がるとうつ病になりやすいことも分かっているそうなのだ。この「テストステロン値」は泌尿器科に「メンズヘルス外来」を設けている医療機関に行けば簡単に測ってもらえるそうで、低かった場合補充療法も可能だということなので「アンチエイジング」ということで相談してみるとよいそうなのだ。
2015年12月03日
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道路橋の定期点検は予定よりも遅れ気味のようだとされているが、国土交通省が今年の8月に発表した「道路メンテナンス年報」によると、昨年度の点検実施数は約6万橋で、定期点検の対象となる70万6549橋のうちの8%だったという。昨年度は10%を点検する計画だったから目標を達成できなかったことになるのだが、約48万橋を管理する市区町村の点検実施率が6%にとどまった影響が大きいというのだ。全国約70万橋の橋梁のうち7割以上となる約50万橋が市町村道にあり、建設後50年を経過した橋梁の割合は、10年後には43%と増加し、緊急的に整備された箇所や水中部など立地環境の厳しい場所などの構造物も老朽化による変状が顕在化するとされている。 昨年度は自治体にとって橋梁点検という事では試行錯誤の時期だったと言えるそうで、例えば約1万5千橋の道路橋がある某県では、職員が自ら点検を実施する計画を立てた市町村が数団体あったというのだが、実際にやってみると点検・診断が思った以上に難しいことが分かり成果を取りまとめられない事態に陥ったという。その影響もあってその県内では昨年度中に全体の13%の橋を点検する予定だったが実際の点検は9%にとどまったそうなのだ。自主点検は自分たちが管理する橋の状態を知るためにも良い取り組みだと思うのだが、やはり技術力不足は否めなかったということのようなのだ。民間企業も含めてこれまで橋梁点検に縁がなかった人が現場に立ち入る機会が増えており、そこで気になるのが安全管理だというのだ。 点検時の安全管理ということなのだが普通なら工事じゃあるまいし何だか意外な気がしているようなのだが、点検は工事と違って安易に考えられているところがあるというのだ。本来は補修工事と同様の安全管理が必要で、私の住んでいる愛媛県では点検中に県職員の死亡事故だって起こっている。初めて訪れる橋梁点検の現場には至るところに危険が潜んでいるとされており、分かりやすい例が野生生物で山中にある橋の周囲ではスズメバチやマムシに熊などの生物に遭遇することがあるというのだ。そのうえ不用意に歩き回ると滑落するような地形も少なくないということで、私の住んでいる愛媛県でも河川の堤防点検中に転落事故があって、県の技術職の職員が死亡しているのだ。 全国的にもハチに刺される事故は8~9月が多く、点検だけではないが毎年20人前後の人がスズメバチに刺されて亡くなっているというのだ。しかも今年の7月に静岡県西伊豆町で獣害対策の電気柵に感電し男性2人が死亡する事故があったように、住民が自作したという違法な電気柵の電線は橋の下に設置してある場合も想定しなくてはいけないのだ。そこで現場に潜む様々な危険を回避するにはどのようにすればいいのかという事なのだが、点検に先立って実施する現地踏査の際に地元の住民にヒアリングをすることが有効だとされている。現場に潜む全てのリスクを取り除くことは難しいが危険を避けられる可能性は高まるし、丁寧に話を聞けば異音や振動といった橋の状態に関する情報も入手できるというのだ。 面倒がらずに地元の人とコミュニケーションを取ることが大切だということなのだが、河川橋とりわけ中小河川に架かる橋では天候に細心の注意も必要だとされている。流域の局地的な大雨によって水位が上昇しやすいからなのだが、作業中止の判断基準を事前に設定しておいて気象情報を取得して避難に役立てる必要があるというのだ。上流に近い場所は法面が非常に急峻で河川内から容易に退避できないことがあるので素早い判断が欠かせないし、河川内での点検における橋脚の洗掘調査などでは服装が命取りになることもあるという。釣りや農作業に用いるゴム製の胴長靴はいったん内側に水が浸入すると身動きが取れなくなり、最悪の場合は溺死する恐れがあるとされているのだ。
2015年12月02日
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気仙沼市は東日本大震災後に一部が未払いとなっている時間外賃金の対応策を発表したそうなのだが、地震発生から昨年度末に職員延べ1615人への未払い残業代が3億8950万円に上っており、当然ながら気仙沼市が全額を支給することになって労使間で合意したという。被災自治体職員への未払い残業代がこれほど巨額になるのは異例なのだが、12月に開会の市議会12月定例会に提案し、本年度一般会計補正予算に未払い分を一括計上する。財源は国の震災復興特別交付金を充て年度内に支給するという。気仙沼市は今春に職員2人から残業代の一部が支払われていないと提訴されたのを受け、市職労と合同で全庁的に調査したところ未払い対象となる一般職員は毎年500人台いたというのだ。 超勤不払い金額は12年度1億5千万円に13年度1億4千万円となっており、昨年度は1億円に上ることが分かったという。気仙沼市によると宮城県内の他の被災自治体に比べると、気仙沼市の支給額は6~7割にとどまっていた。宮城労働局は宮城県内の事業所を対象に実施した「過重労働解消キャンペーン」の一環として、違法な時間外労働があった41事業所に対し指導を行っている。キャンペーンでは過重労働による健康障害が懸念されるなど、労働基準関係の法令違反が疑われる89事業所を重点監督し、指導をした41事業所中9事業所で時間外労働が月100時間を超える労働者がいたという。このうち2事業所は時間外150時間超の労働者が確認されたそうなのだ。 また19事業所で賃金不払い残業が見つかり3事業所では過重労働による健康障害の防止措置が取られておらず悪質な搾取が行われていたと認定されている。労働基準法は労働時間法制を定めた行政取締法規であることからこれに違反すると罰則が科せられ、罰則の対象となるのは違反行為を行った「使用者」ですが、この使用者の定義について労働基準法第10条には経営者や取締役といった個人だけが罰せられるのではなく、事業主である法人そのものも罰せられるということになっている。未払い残業代問題においても代表取締役や人事や総務担当の取締役が書類送検されると、その法人も一緒に送検されることもあるというのだ。このような両方に責任が及ぶ罰則を「両罰規程」とうそうなのだ。 いきなり法人格に罰則が適用されるということはまずないそうで、労働基準監督署からの是正勧告や指導を無視し続けたり、その対応が余りにも悪質であったりする場合にのみ適用されるといわれている。ただし全国どの労働基準監督署でも同様なのだが、労働基準法違反申告に行くとほとんどの場合、「まずは会社に対して自分で請求してみてください」と言われるそうなのだ。これは労働基準監督署が労働基準法違反をしている会社を正すことが仕事であり、警察と同じで労働基準法違反の証拠がなければ動けないためだとされている。つまり「あなたが請求しても会社が支払わない、すなわち労働基準法に定められた賃金を支払わないから労働基準法違反の疑い」という、いわばお膳立てがなければ動けないということです。 中には「それは明らかに労働基準法違反ですね。すぐに調査に入りましょう」と熱意をもって対応してくれる担当者もいるというのだが、これは例外中の例外であって宝くじが当たったようなものだといわれている。多くの担当者は彼らのルール通りに「まずは会社に対して自分で請求してみてください」と返してくるそうなのだ。今回の気仙沼市の事例でも労使交渉では震災直後の混乱期だったとして調査対象から外し、今後も過重労働の解消を図ることなどで合意して提訴した職員2人は訴訟を取り下げる方針という。菅原茂市長は記者会見で「震災後の財政が見通せない中で慎重に予算執行したため、未支給や職員の提訴を招いてしまい、反省している。復興事業は続くので皆で懸命に働いていきたい」と陳謝したそうなのだ。
2015年12月01日
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