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東洋ゴム工業の免震材料に不正があって大臣認定が取り消されたことで、またもや大臣認定制度のほころびが露呈した。これまでも不正な申請書を提出し建築基準法に基づく性能評価・大臣認定を受けていたことや、大臣認定の内容に適合しない製品を販売していたことはいくつもあるが、その大半は防耐火がメーンだったというのだ。それが今度は構造躯体に関わる免震材料にまで不正が及んだわけだが、免震材料はその品質が確保されるよう全ての製品について大臣認定を受ける必要があるのだ。そのうえ大臣認定に当たっては事前に指定性能評価機関による性能評価を受けなくてはならず、大臣認定の形骸化は書類審査のみでは当然考えられることだというのだ。 免震材料に関わる指定性能評価機関は「日本免震構造協会」などがあるのだが、評定も同じで業者にとっては『お役所のお墨付き』が得られないと商売にならないことから、認定や評定の審査側に法的な責任を持たせないと、この種のだまし合いは続くことになってしまうのだ。「不良品が使われていると分かった時点で、すぐに工事を止めた」と話すのは、18基の不適合品が使用されていることが分かった静岡県御前崎市消防庁舎を担当する御前崎市防災課の山崎雅樹課長補佐で、この2月に、静岡県御前崎市消防庁舎の地上2階建ての待機棟部分に問題の免震装置が設置された。完了検査に合格しなければそもそもその施設を使用することができないのだが、工事を止めてから現場の技能労働者も故郷に戻している。 「工事が止まっているだけでも、既に大きな損害が発生している」と山崎課長補佐は語気を強める。工事が完了するのは今年9月の予定だったが、工期や工費の見直しは避けられない情勢だ。市は東洋ゴム工業に対して損害賠償請求も検討しているとしているが、東洋ゴム工業広報企画部の担当者は「製品については、データに改ざんがないことを確認している。製品が使われた棟数については手元にデータがない。問題があった製品と、認定番号を切り離す形で免震材料の性能評価の再申請手続きを進めている。速やかに新しい認定を取得したい」と語っているというのだ。国土交通省も不正免震材料を用いた建築物の安全対策に関する省内連絡会議を設置したという。 設計者は国等がお墨付きを与えた大臣認定品をよりどころにして、仕様を決め経済性等を考慮して製品を選び設計するのだ。大臣認定に際しメーカーが提示した性能値がなんの技術的根拠もない不正なものだったとしたら、設計者は何を信じて設計すればいいのかということになってしまうから今回の免震材料に不正があったことが大問題となっているのだ。大臣認定は「指定性能評価機関による試験体製作の導入」・「市場から調達した材料で試験体を製作し、性能確認を行うサンプル調査の継続」などが不適切行為の防止策の柱となっている。これらによって大臣認定を新規に取得するため評価試験は厳格化し、高額な試験費用が製品価格に転嫁されるようになっているのだ。 どれだけ防止策を講じても大臣認定の不正取得や不適合が繰り返される。建材メーカーの品質保証やコンプライアンスの姿勢をただすだけでは収まらない状況となっており、大臣認定制度を根本的に見直す必要があるのではないだろうか。私が住んでいる愛媛県では国の基準を満たしていない免震ゴムが県庁第一別館で使用されていた問題で、愛媛県は東洋ゴム工業に対し免震装置の早期交換を申し入れた。中村知事は東洋ゴム工業に対し「貴社の一連の対応に対しては県民から強い憤りと大きな不安の声が寄せられており建物の耐震性についていささかの懸念も残らないように対応しなければ県民の理解は到底得られない」免震装置の早期交換を申し入れたというのだ。
2015年03月31日
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ライジングボラードとは自動昇降式の車止めのことなのだが、日本では国会議事堂や首相官邸の車両出入り口で、テロリスト対策として使用されている。通学路のスクールゾーンなどクルマの侵入に制限のある道路に無視して侵入しての事故が後を絶ないことから、そこで昇降式の車止めを設置するという社会実験が新潟県で行われたそうなのだ。実験では通行許可を得た車両だけがライジングボラードを降下させることができたのだが、ライジングボラードを設置することで許可車両以外は通行することができず、設置された区間を安心・安全な空間にすることが可能となり成果を挙げたというのだ。国土交通省は商店街や通学路での歩行者の安全確保策として、自動昇降式車止めの活用を検討しているというのだ。 人力で置く車両通行止め用フェンスと違い簡単に動かせないことから、抜け道として通る車の進入を抑える効果があると期待しており、実験で使用されたライジングボラードは道路の下からせり上がってくるポール状の車止めだという。欧州では一般道で広く普及しており、今回の実験電場でも進入禁止は商店街が看板で呼び掛けていたが、自動化で手間を省き歩行者の安全確保にもつなげる狙いだとされている。新潟市は来年2月末まで効果を試し他地区などへの設置を検討するそうなのだ。今回の実験に使用されたライジングボラードはゴム製で、直径8センチの高さ約70センチの円柱型なのだが、公益財団法人国際交通安全学会から無償で借り受けたそうなのだ。 設置費用は約500万円ということなのだが、新潟市の商店街の約150メートルは一方通行で正午~午前8時まで車両通行が規制されており、古町十字路側の1カ所に設置し時間帯により自動で昇降させたというのだ。日本では車の通行量が減少しにぎわいの喪失につながることを懸念する商店主らの合意を得づらい実情や、設置費用が1000万円以上掛かるケースもあることなどからこれまではこのようなライジングボラードは公道上には設置されていなかったというのだ。新潟市が市内の商店街の出入り口に公道では初めてライジングボラードを設置することを決定した。これを受けて国土交通省は国内で広く普及させる上での課題を詳細に分析し、他の地域で導入する際の参考にすることにしたというのだ。 商店街で導入すれば一定の時間帯は車が完全に遮断された広い空間を形成でき、イベントなどを開催しやすくなるし、学校周辺では登下校する生徒の安全が確保できる。欧州で使用されているライジングボラードでは鋼鉄製が主流だが、強引に通行しようとした車両がポールに乗り上げる事故が後を絶たないというのだ。日本で同様の事故が起きると設置者の責任が問われかねないことから、樹脂製など車両を傷つけない材質の採用を検討したという。通学路では子どもの安全を守るべきなのに車の進入を止められないうえ、通学路等が抜け道代わりに使われればスピードが出ていて子どもが命の危険にさらされる。車の進入を物理的に抑制できるボラードの設置を通学路で進めることは犠牲を減らすのに有効だとされている。 私の住んでいる松山市でもスクールゾーンの時間帯に学校周辺を通り抜けするクルマが後を絶ないそうで、このようなライジングボラードで物理的に制限できるのなら、子供たちを守るために是非とも導入して欲しいものなのだ。この装置の安全性なのだが下降時にポストに腰を掛けていたり鎖に無理な力がかかったりしても、そのポストは動作せず一定時間待機状態と成り負荷が取り除かれない限り動作しいというのだ。上昇時も同様に人がトップフランジを踏でると過負荷で一定時間待機し、直ちに負荷が取り除かれるかまたは次回操作時に阻害要因が無ければ正常運転となるというのだ。また規制中に緊急車両などが進入しようとした際のスムーズな対処方法なども研究されているそうなのだ。
2015年03月30日
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憲法9条は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定めているが、安倍晋三首相は参議院予算委員会で自衛隊と他国との訓練について説明する中、自衛隊を「我が軍」と述べたことが問題となっている。政府の公式見解では自衛隊を「通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」としているが、維新の党の真山勇一氏が訓練の目的を尋ねたのに対し、安倍首相は「我が軍の透明性を上げていくことにおいては、大きな成果を上げている」と語り、直後は「自衛隊は規律がしっかりしている、ということが多くの国々によく理解されているのではないか」と続けたという。第1次安倍内閣の答弁書で「自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織で、『陸海空軍その他の戦力』には当たらない」としたという。 防衛大学校の卒業式に出席した安倍晋三首相なのだが、防衛大学校によると首相が任命・宣誓式に出席するのは異例という。防衛大学校の卒業式では「不戦の誓いを現実のものとするためには決然と行動しなければならない」と述べ、持論の「積極的平和主義」のもと集団的自衛権行使を含む安全保障法制の整備を進める姿勢を強調した。憲法解釈を変更する閣議決定や安保法制整備に対する批判を念頭に、「行動を起こせば批判にさらされる。過去も『日本が戦争に巻き込まれる』といった、ただ不安をあおろうとする無責任な言説が繰り返されてきた。批判が荒唐無稽であったことは、この70年の歴史が証明している」と主張した。安倍首相は卒業式後に行われた幹部候補生への任命・宣誓式にも出席したそうなのだ。 安倍首相は先日の国会答弁で「自衛隊は国内では軍隊と呼ばれていないが、国際法上は軍隊として扱われている。この矛盾を実態に合わせて解消することが必要だ」と述べて、「自衛隊」を「国防軍」とする憲法改正に意欲を見せたのだ。自民党が2012年に発表した憲法改正草案には「国防軍」の創設が盛り込まれている。安倍首相は「平和主義と戦争放棄は守る」とも言ったそうなのだ。民主党の細野豪志政調会長は会見で「あくまで我が国は自衛隊だ。これまで自衛隊という形で、憲法の枠組みの中で積み上げた議論を全部ひっくり返すような話だ。不安をあおるような言い回しは気をつけるべきで、非常に理解に苦しむ」と指摘し国会で追及する考えを示したというのだ。 もっとも「自国のために戦う意志」を問う国際調査で、「はい」と答えた人の割合が日本は11%と64カ国中で最も低い割合だったそうなのだ。調査は64カ国を対象にしているのだが米英仏ロ中の5大国に加えて日本とドイツ・韓国を加えた8カ国で比較してみると、「国のために戦う意思があるか」という設問に、「はい」と答えた人の割合が8カ国の中で日本最も低くかったというのだ。設問への回答は「いいえ」と「わからない」もあって、はっきりと「国のために戦う意思はありません」とする回答も集計されているそうなのだ。この割合で順位付けすると「国のために戦う意思が無い」と明示的に答えた人の割合が多いのは、トップがドイツの62%で次いでイギリスの51%と韓国の50%という順になっているそうなのだ。 日本は43%で8カ国中5位となっており中位ポジションなのだが、日本の特徴は「わからない」が47%で8カ国中最高と態度を決めていない人が半分近くいるというのだ。日本の自衛隊は完全志願制の常備軍であり、仮に戦争を行うにしてもそのリソースの中で行う事を前提としているはすなのだ。「戦う国民」がいるとしてもそれがどれだけ必要になるかは、実際に戦争になってみないと分からないのが実情なのだ。今回の調査で深刻なのは「国のために戦う意思は無い」と表明した人が多くかつ周辺情勢が不安定な国だとされているが、軍事情報サイトが発表している世界各国の軍事力ランキングでは、1位は米国で2位がロシア3位は中国と続いているのだが、さらに韓国は8位で日本は17位にとどまっているそうなのだ。
2015年03月29日
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74人が犠牲になった昨年8月の広島土砂災害が発生から7カ月がたったのだが、現在も1700人以上が自宅を離れて暮らしており、生活環境の変化から体調を悪化させる避難者も数多くいるというのだ。被災地周辺では砂防施設整備が急ピッチで進むが、完成には時間を要し仮住まいは長期化する見込みだという。災害で自宅を失った広島市安佐南区八木3の老婦人は痛む両膝をさすりながら「今日はそんなに曲がってないね」と言ってはいるが、40代のころから患う変形性膝関節症が被災後悪化したというのだ。膝の痛みが激しい日は仕出し店のパートを休まざるを得なく、被災後に狭心症も発症し医師には「ストレスが原因」と忠告され薬が手放せなくなったというのだ。 この老婦人は昨年9月下旬に高齢の夫とともに、避難所から無償で入居できる市が借り上げた安佐北区の民間アパートに入ったが、慣れない集合住宅に加えすぐ近くを通る国道の車の音や隣近所の生活音で寝付けない日が続いたというのだ。これまでは徒歩で通えた勤務先には夫が毎朝車で送っていくというのだが、そのため大工をやめられない夫は早く着いた現場で時間を潰さねばならず、大工道具を積み込んだ軽自動車の車内では座席を倒すこともできずに「正直、しんどいよ」とため息をもらしているそうなのだ。「このままでは2人とももたない」そんな危機感から知人の紹介で元の自宅やパート先の近所に貸家を見つけて転居を考えたそうなのだが大きな問題があったというのだ。 広島市住宅政策課によると無償の公営住宅や借り上げ住宅から転居する場合、原則として支援は打ち切りになるというのだ。この老夫妻も広島市に相談したが一度は打ち切りを告げられたという。「家賃も安くなるし、市に迷惑はかけていないのに」と支援継続を訴える一方で、我慢できず今月に引っ越したというのだ。広島市住宅政策課同課は「多くの被災者がそれぞれ事情を抱えており、利便性を理由とした住み替えは認められない」と話す。ただエレベーターのない階に入居した高齢被災者の転居を例外的に認めたケースがある」といい、広島市住宅政策課は「健康上の理由からやむを得ない場合は個別に検討したい」としてこの老夫妻のケースも改めて検討中というのだ。 日本赤十字広島看護大学の真崎直子教授は「避難が中長期化しており、行政はボランティアと意見交換しながら被災者の情報を共有し、事情に応じた柔軟な対応をとる必要がある」と指摘する。さらに被災者が地元から離れて暮らす場合は近所付き合いや交友関係が途絶え、ストレスや孤独感などから心身の不調につながるケースも多いという。日本赤十字広島看護大学の真崎直子教授は「被災者が元のコミュニティーとつながり、自助、互助、共助を強めることができる仕組み作りなど、孤立化させないための支援が必要だ」と強調している。自然災害の被災者への心のケアは阪神大震災を機に本格化したのだが、当時は現場の精神科医らは手探りで医療活動に当たったというのだ。 精神科医は東京の病院から避難所に駆けつけたが、その当時は精神医療への被災者の抵抗感は強かったという。「そんなもんいらん」と怒鳴られたこともあったというのだが、当時は心的外傷後ストレス障害の知識を持つ精神科医はごく一部で、海外の論文を読みながら治療したというのだ。東日本大震災では厚生労働省が全国の自治体に精神科医らを被災地に派遣するよう要請し1年間で延べ約3500人が活動したが、内閣府によると、東日本大震災では今年10月までに135人の自殺が確認されたという。広島市の土砂災害では被害が大きかった地区の約880人を対象に、広島県の保健師らが訪問調査を続けるが所在が確認できたのは公営住宅などに入居した約400人にとどまっているというのだ。
2015年03月28日
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自動車や電機などの大手企業が春闘で労働組合の要求に対し一斉回答したのだが、円安を追い風にした好調な企業業績や政府からの賃上げ要請を受け、前年に続き高額のベースアップが相次いでいる。自動車や電機の多くの労働組合がそろって月6千円のベアを要求しているのは、昨年4月の消費増税を含む物価の上昇で実質的に減った賃金を取り戻すためだ。けん引役のトヨタ自動車はベアに当たる賃金改善分が現行の要求方式となった内では最も高い月額4000円とし、一時金は要求通りの6.8カ月を回答したという。トヨタの上田達郎常務役員は記者会見でベアについて、「通常であればなかなか難しい金額だ」と述べ踏み込んだ回答だったとの認識を示したそうなのだ。 円安などによる業績の回復が賃上げを後押ししているけっかなのだが、2年連続の賃上げが消費を押し上げ日本経済の「好循環」をつくり出せるのか注目されている。そのうえ日産自動車はベア5000円とトヨタを上回り大手製造業でも最高水準となったそうで、しかも一時金は満額の5.7カ月を回答したというのだ。満額回答だった昨年の3500円を上回っており、賃金体系を維持するための定期昇給分を含めると1万1千円で、1万1300円のトヨタとほぼ肩を並べる賃金アップとなっている。西川広人代表取締役は「物価上昇に見合う賃上げを求める社会の期待にも合致した回答だ」と強調していた。ホンダもベアは3400円で一時金は要求通りの5.9カ月で決着しているというのだ。 一方電機では日立製作所やパナソニック・東芝など大手はベアが3000円の統一回答を行って現行方式では最高となっている。一時金は業績に連動させて決める企業が多いが業績好調な三菱電機は過去最高の6.03カ月で、経営再建中のシャープは一時金について夏は1カ月で冬は保留としたそうなのだ。賃金アップは補助金等が減額になった介護現場でも行われており、厚生労働省は介護職員の待遇改善のため来年度の介護報酬改定で職員向けに人件費加算を設けたことに関連し、収支が黒字など経営状態の良い事業者に対しては職員のボーナスカットを禁止することを決めたというのだ。今回の改定では職員1人当たりの月給を1万2000円引き上げる加算を新設しているというのだ。 このことは介護事業者を所管する全国の自治体に通知しており、介護職員の平均月給は24万円で全産業平均の32万円に比べて低いことから、厚生労働省は過去にも加算を設けていたのだ。経営が苦しくないのに待遇改善に消極的な事業者がいる実態に対応して、加算がきちんと給与アップにつながるようにする姿勢を示したそうなのだ。厚生労働省は過去の加算時に「業績に連動して支払額が変動する部分は、変動を妨げない」などの規則を示しており、このあいまいな規定によって経営状態が良いのにボーナスを引き下げる事業者もいたとされ、このため4月からはカットできる事業者の条件を厳格化し、原則的には収支が黒字であればカットを禁止し赤字であれば引き続き認めるというのだ。 賃金アップが続く中で賃金が下がる業種もあってそれが地方公務員なのだ。地域間・世代間の給与配分の見直し職務や勤務実績に応じた給与配分という基本的な考え方の下、給与制度の総合的見直しについて昨年の10月に勧告が行なわれた結果だというのだ。私が住んでいる愛媛県でも給与制度が国に準拠していることや、国と同様に50歳台後半層について職員の給与が民間給与を上回っている状況を考慮し、位号給については平均改定率の2.2%を上回る引下げが行われるそうなのだ。今回の賃金の総合的見直しによって報酬全体ではマイナス改定のため、公務員賃金に関連している愛媛県の中小零細企業においても、昇給どころかボーナスカットを考える事業者が増えるとも予想されているというのだ。
2015年03月27日
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第87回選抜高校野球大会第5日になっているのだが、甲子園球場で1回戦が行われ、82年ぶりに出場した私の住んでいる愛媛県代表松山東が2回戦に進んだ。21世紀枠で第87回選抜高校野球大会に82年ぶり出場の松山東が初戦に臨んだわけなのだが、地元・松山はもちろん関西・関東など各地から同窓生らが甲子園球場に続々と集結したそうなのだ。私の事務所でも3名のOBが仕事を休んで応援に行っていたのだが、松山市内でも早朝には在校生や同窓生など約2500人が計66台のバスで松山市を出発したそうで、野球部OBを含む同窓生やPTAなど約1600人の集合場所となった堀之内には、午前5時すぎから参加者が集まり始め受付に長蛇の列ができていたそうなのだ。 21世紀枠で82年ぶり出場の松山東は夏目漱石などの文豪にゆかりがあり、1892年の創部には歌人の正岡子規が関わったとされ歴史の深い進学校として知られており、第87回選抜高校野球大会用に作った復刻Vユニホームで登場するというのだ。1950年に夏の甲子園を制したときのユニホームを基調にしていた昨秋は、胸元のロゴが直線型だったが今大会用はアーチ型に変更しており、松山商との統合で全国制覇した50年夏もアーチ型が採用されていた。82年ぶりの出場なのだが第5日に初戦を迎えるため、スタンドから観戦して広い甲子園に慣れて初戦を迎えたというのだ。またOBの協力で金属バット約20本を新調し、打撃マシンも部品交換などで強化されたとも言われているのだ。 この復刻Vユニホームに関して堀内準一監督は「先人たちが築き上げてくれたもの。伝統、歴史、誇りを感じる」と神妙な面持ちだったのだが、米田主将は「自分たちの背中に先輩方がいると思って戦いたい」と胸を張っていたという。1回戦の対戦相手が東京代表の二松学舎大付と決まった時には、堀内準一監督は「勝つのは難しいかもしれないが、全力で勝機を見いだしたい」と冷静に答えていたのに対して、米田主将は「試合の雰囲気をしっかりと確認したい。『当たって砕けろ』のつもりで頑張る」と気合を込めていたというのだ。1933年に初出場した前回のセンバツでは初戦敗退した松山東も、前回の甲子園出場の1950年夏の大会では、古豪松山商と統合していたチームとして全国制覇を果たしているのだ。 明治の文豪・夏目漱石ゆかりの東京代表の二松学舎大付と、21世紀枠で選出された私の住む愛媛代表の松山東が対戦することになったのだが、松山東と言えば1933年以来82年ぶりのセンバツ出場で、1892年創部の野球部は帰省した明治の俳人・正岡子規が後輩に野球を教えたことがルーツになっているという。また愛媛県尋常中学時代に教師として赴任した漱石が1895年に1年間教壇に立ち、「松中」と言われていた同校での体験を基に小説「坊っちゃん」を書いたのは有名な話なのだ。漱石は教師として赴任した松山で、親友の子規と57日間も一緒に住んで俳句を子規から習っていたとされ、その子規からら「漱石」というペンネームを譲り受けたという縁もあるのだ。 また11年ぶりに出場する二松学舎大付にとっても実は漱石と深い縁があって、漱石は14歳だった1881年に当時漢学塾だった二松学舎の門を叩き1年ほど漢詩文などを学んでいる。その年の「二松学舎入学者名簿」には「塩原金之助」の名が記載されているというのだ。試合の方は松山東高と二松学舎大付属高の一戦を、松山市中心部のアーケード商店街の大型画面で伝えるパブリックビューイングが行われ、16三振を喫しながらの1点差勝利が決まると歓声が上がり拍手が湧き起こったというのだ。接戦を振り返った堀内監督は「三振は想定内。こんな勝ち方しかない」と語っていたが、「甲子園は選手たちのレベルを上げてくれる場所」と指揮官が実感し実証した歴史的な1勝となったのだ。
2015年03月26日
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3月8日の国際女性デーにちなんで「マタハラNet」というグループの活動が評価され、米国の国務省から日本人で初の「国際勇気ある女性賞」を受賞したというのだ。世界的にも日本のマタハラが問題視されているということになったわけなのだが、この「国際勇気ある女性賞」は米国国務省が2007年から毎年人道支援や女性の地位向上などに取り組む女性に贈っているものだそうなのだ。今年は世界各地から看護師やジャーナリストら10人が選ばれており、「マタニティ・ハラスメント」は職場において妊娠や出産が原因で嫌がらせや不当な扱いをすることだとされている。具体的には「出産を機に辞めたらどうだ」とか「育児休業をとるなら辞めろ」といった退職の強要が一番多いとされている。 それに続くのが「忙しいのに休んで迷惑だ」とか「妊婦は戦力にならない」といった精神的嫌がらせなどで、「マタハラNet」の代表者の女性は妊娠や出産による職場での嫌がらせである「マタニティ・ハラスメント」を受けた経験から、「マタハラNet」を去年7月に立ち上げ被害者の支援をしてきたというのだ。「マタハラNet」の代表は「マタハラという問題が日本にあるのだ、マタニティ・ハラスメントという問題があるのだということが、これで世界が分かった。この賞は日本の女性に対するエールだというふうに思っています。ぜひこの賞の受賞をきっかけに、日本の女性、たくさんの女性が声を上げてほしい」と受賞の喜びを語り、アメリカの国務省はマタハラに対する活動が「日本国内での議論のきっかけになった」と評価しているそうなのだ。 厚生労働省の「平成25年度 都道府県労働局雇用均等室での法施行状況」によると、マタハラに関連する相談は3,371件にものぼるという。その中でも婚姻・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いが2,090件で、母性健康管理に関する相談が1,281件となっているそうなのだ。男女雇用機会均等法第9条第3項ならびに、育児・介護休業法第10条では、妊娠・出産・育児休業等を理由として不利益取扱いを行うことを禁止している。しかしその判断は難しく単に「能力がないから」あるいは「出産と関係のない人事異動だ」などといわれると、反論が難しくマタハラの被害は埋もれやすかったというのだ。なぜなら、女性が妊娠中であれば余計なストレスを抱えたくない気持ちが働き泣き寝入りになりがちだというのだ。 職場流産などのきっかけとなって働く女性の人生を大きく変えてしまうこともあるし、また流産してしまえばそのショックで闘う気力を失うケースが多いからで、労働審判などにより解決金が得られると企業側からはバーターとして「口外禁止」の誓約書を交わされるという。その解決金も給与の半年分が相場になっており、「失業」の対価としては不十分だとされている。不法行為が漫然と行われているとされていながら、厚生労働省による企業名の公表は今まで1社たりとも実施されていない。それでも「そのままでいれば、マタハラもなかったことにされる。会社との間では“自己都合退職”と強要されたものを“会社都合退職”に正してもらえるなど、労働審判をする意味はある」「マタハラNet」の代表は語っている。 そこで経済産業省中小企業庁も育児や介護などでいったん離職した主婦層を対象に、中小企業などでインターンシップを通してブランクを埋めて再就職を支援しているという。実習生には日額5000~7000円が国から支払われ、実習は1日4時間で週3日から都合の良い時間帯を選択でき2週間から最大3ヵ月実施されるというのだ。インターンシップを希望する人に実習先を紹介し、実習生はカウンセリングなども受けられるうえに実習参加者は保育所入所の申込みも可能だというのだ。再就職先の企業の1つはこの制度に応募した女性たちを「PTAなどで色々な人を束ねる経験があれば、仕事の経験が少なくても社会経験として十分に仕事に活かせると評価する中小企業もある」と評価している。
2015年03月25日
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医者の中には「日本人全体が慢性的な睡眠不足に陥っている。そろそろ限界に近づいていると思う。社会全体の問題として考えなければならない」と警鐘を鳴らしている。夜間に及ぶ残業や深夜勤務の増加だけでなく、インターネットの普及に過剰な夜間照明などにより、生活時間が次第に夜型になっているといわれている。これに対し朝の活動時間は変化がないため必然的に睡眠時間が短くなってきているのだ。「睡眠不足からくる集中力、パフォーマンスの低下、さらには交通事故や産業事故などにも関係しています」と指摘する医師もおり、経済的損失の推計が、年間約3兆円を超えるという数字もあるほどだ。また労働者の約3割が夜勤に就いているが、こうした人たちは生活習慣病のリスクが高くなっているという。 また最近では「睡眠時間は短すぎても長すぎても死亡率が高まる」というデータが国内外で出ているそうで、睡眠時間が7時間前後の人は高血圧や糖尿病などの危険性が低く、6年後の死亡リスクが最も低いという報告もあるという。「睡眠時間が長過ぎるのも良くない」というのは意外なデータだが、日本人の成人を対象にした研究でも9時間以上寝床で過ごす人は、それ未満の人に比べて眠りが浅くなり夜中に目が覚める「中途覚醒」の割合が高いことが示されているというのだ。睡眠時間の不足や不眠がなぜ肥満や生活習慣病のリスクを高めるのかということなのだが、睡眠の変調が食事や運動習慣を乱れさせたり、食欲や摂取エネルギーの代謝にかかわるホルモンなどに影響を与えたりするからと考えられているといわれている。 就寝時間について継続的な調査データがある国民生活時間調査によると、「90%以上の人が就寝する時間」は戦後すぐには午後10時50分だったのが、年々遅くなり21世紀に入ると午前1時になっているそうなのだ。眠りのメカニズムと関係するものとして大きく三つの要素があるそうなのだが、起きていた時間に応じて必要な眠りを取り戻そうとする「睡眠恒常性」、夜の決まった時間になると眠くなる「体内時計リズム」、そしてオレキシンなどによる「覚醒システム」だというそうなのだ。「高齢者の多くは早い人で午後7時、普通でも8時や9時には布団に入って、眠れずもんもんとしている。こんな時間に寝たら夜中に何度も起きたり、朝早く目が覚めたりするのは当たり前のこと」と医師は説明している。 睡眠に関する新指針を策定した厚生労働省の検討会座長である内山真日本大主任教授は「成人は6時間以上8時間未満のほどほどが健康ということだ」と話しており、特に午後5~10時は覚醒しやすい時間帯で「睡眠禁止ゾーン」というそうなのだ。そして睡眠指導として次の3点を禁止しているというのだが、今までの常識を疑うような内容なのだ。その禁止事項の第一が「早寝」で第二が「布団に長時間いること」だというのだ。その第三は「昼寝」の3点だそうで、「これを守るだけで6時間ぐっすり眠れるようになる人は少なくありません」と医師が語っているのだ。これに対し睡眠不足に陥っている働き盛りの日本人は、最低でも布団に7時間いることが求められており、ポイントはこの睡眠をどの時間帯でとるのかだというのだ。 新指針では眠りたくても眠れない人には「眠くなってから寝床に就くことが重要」と助言し、就寝時間にこだわるのではなく逆に起床時間を一定にすると、次第に眠りに入る時間が安定してくるとアドバイスしている。スムーズな入眠のため熱すぎない風呂に入るなど自分に合ったリラックス法を見つけると良いとも語っており、室温や湿度の調節など寝室の環境作りも工夫のしどころだというのだ。「不眠症は診断そのものや、原因の特定が難しいので、悩んでいる人は自己判断せず専門医に相談することが大切です」と専門家はアドバイスしており、「8時間ぐっすり眠りたい」という呪縛があるが、年齢が高くなるにつれ基礎代謝や、日中の活動量の低下などから長時間眠れなくなるのが普通だというのだ。
2015年03月24日
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日本の都市に比べ欧米やアジアの主要都市の方が街並みは美しいとされており、その要因のひとつに立ち並ぶ電柱と空を横切る電線がないことが挙げられている。そこで国土交通省と関係省庁だけでなく電力・通信・ケーブルテレビの電線管理者は、美しい町並み景観を創出するため「無電柱化推進計画」を取りまとめており、市街地の幹線道路を中心に今後5年間で計3000kmの道路を無電柱化する計画を持っている。市街地の幹線道路の無電柱化率は現在約20%だが、これからもほぼ倍に高めるための事業費を確保するというのだ。そこで国土交通省は道路の無電柱化を推進するため電線共同溝を設けない直接埋設方式など低コストの地中化の手法を検討している。 国土交通省の設置した「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」が公表した試験結果では、コスト低減の代償として地中化したケーブルの表面に目視できる傷ができたというのだ。例えば電力ケーブルの場合には埋設後の使用年数は通常20~30年間に及び、表面の傷の程度と耐用年数などとの相関関係は明らかになっていないというのだが、電力ケーブル劣化パターンとして、被覆表面から水が被覆内に浸潤して木の根状に被覆が劣化してそまい、絶縁不良を起こすということがあるというのだ。この時点でケーブルとしては使用不可となってしまい更新を要するというのだ。私の知る限りにおいては電力ケーブル更新に至る理由の多くがこのような劣化によるものなのだ。 そこで電力や通信のケーブルを地中化する際には防護管に収めたうえで、国が定めた埋設深さの基準に沿って電線共同溝を構築することにしているのだ。その工事費は1km当たり約3.5億円にも上りコストの高さが市街地の無電柱化の阻害要因の一つとなっていたのだ。そこで土木研究所の試験場の道路に各ケーブルを直接埋設して舗装し、大型車両を通行させてケーブルなどの損傷状況を調べたとおいのだ。埋設の深さを基準では路面から1.2m超えあるいは舗装厚プラス30cm超とすべきところ、いずれも基準を下回る55cm・49cm・25cmの3通りの深さとして、防護管に収める箇所と収めない箇所を設けて大型車両を通行させる実験を行ったというのだ。 試験の結果防護管を省略した場合にはどの深さでも、ケーブルの表面に目視できる傷が認められ実際の使用が困難だという結果となったそうなのだ。試験後に各ケーブルの性能を確認すると通信ケーブルの光ケーブル以外はどれも異常が無かったというが、「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」は光以外のケーブルについても健全性についての判断を保留したという。表面の傷が各ケーブルの耐久性や耐用年数に与える影響は未知数であるためなのだが、電力を所管する経済産業省や通信の監督官庁である総務省を委員会のメンバーは、各ケーブルの性能の確保にも留意しながら、無電柱化では舗装構造の見直しも含めて、低コスト手法を追求していくコスト低減手法をやり直すようなのだ。 経産省電力安全課の課長補佐は無電柱化コスト低減の取り組みに関連して、「今回の試験結果の考察では、埋設した電力ケーブルの周辺に砂を入れると防護管無しでも損傷の防止につながる可能性が認められた。ケーブルが傷付きにくいように道路舗装の技術力向上が期待される可能性も考える」と述べている。「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」に参加している経済産業省や総務省の担当者は、電力ケーブルの傷の評価基準づくりを検討する方針を明らかにし、傷がケーブルの耐久性に与える影響の見極めを新たな課題として挙げたというのだ。また「地震などで地下設備が破損した場合掘り返し工事を必要とし復旧が遅くなる」という欠点の克服も問題となっているのだ。
2015年03月23日
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厚生労働省は来年の4月から社員に年5日分の有給休暇を取得させる義務を企業に課す方針だというのだ。今通常国会に労働基準法改正案を提出する方向で調整を進めており、新しい仕組みでは年10日以上の年休を付与されるフルタイム社員のほか一部のパートタイム社員も年5日分の有休を取らせることを企業の義務とするそうなのだ。義務化といってもこれまでのように社員が既に5日以上の有休を取得している場合には企業の義務は発生しないという。例えば社員が自ら2日の有休を取得している場合には、年5日に満たない部分であるこの場合では3日分を取得させる義務を企業側が負う仕組みだという。なぜ社員の有休取得を企業に義務付けることにした背景には日本の有休取得率が極めて低い現状があるというのだ。 現行の有給休暇制度は一般的に6年半以上働けば年20日が付与される仕組みなのだが、問題は実際の取得率にあるといわれている。昨年の厚生労働省『就労条件総合調査』によると、労働者の有休取得率は 48.8%で、1人平均の取得日数は 9.0日にとどまっている。業種や企業規模による差も大きく業種でみると、卸売業・小売業や生活関連サービス業・娯楽業・医療・福祉・飲食サービス業などで取得率が低く、合わせて中小企業ほど取得率が低いという。政府は 2020年までにこの有休取得率を 70%まで引き上げる目標を掲げ、有休消化義務が企業側にあって取得率も 100%に近い欧州諸国だというのだが、この新しい仕組みによって休み方や働き方は変わるのかはこれからだと言われている。 有給休暇を取得させる義務が年5日になった経緯は、労働政策審議会において年8日分の義務付けを主張する労働組合代表と、年3日分を主張した経営者代表の間の調整の結果によるものだとされている。この政策は働きすぎ防止策の一環として労働者の健康確保のほか、休み方改革による仕事と生活の調和や生産性向上までを狙うというのだが、こうした政策の意図が実現するかどうかは仕組みを作る現段階では見通せないというのだ。これは企業がどのような運用を行うかに大きく依存するからなのだが、ここで思い起こされるのは「週休2日制」推進による老荘条件の変化だとされている。この当時は日米貿易摩擦という国際的背景もあり日本人の「働きすぎ」を改善するため「週休2日制」が政策的に推進されたというのだ。 たしかにその後は官庁と大企業を中心に土曜日が休日になる職場が増えるなど働き方・休み方の大きな変化が起きたというのだ。ただ注意すべきは残業時間を含め平日の労働時間が長くなったという指摘があることなのだ。休みが1日増えたといっても他の日の残業がその分増えるなら手放しで喜べないのだ。日本の1人あたり平均労働時間は「週休2日制」が段階的に導入された1990年代に短縮が進んだものの、30代男性の2割近くが近年でも週60時間以上働いているなど長時間労働の問題は依然解決していないとされている。結局は「週休2日制」は平均的日本人の休日を増やした一方で、長時間労働の削減に効果があったかといえばそう簡単には結論付けられない結果だとされている。 そこで今回の政策なのだがこれまで取得率が低かった小売業や宿泊業あるいは中小企業などでは、ぎりぎりの人員配置ゆえに「休ませられない」という事情が背景にあるというのだ。そうした企業は交代で社員を休ませるために要員管理のあり方を見直すならば、経営側にとっては一時的に苦労が伴うがそこで働く者にとっては朗報だろう。職場風土のために有休を「取りにくかった」人の場合はどうかというと、これまで「休みにくかった」社員が休みやすくなるには法律の仕組みだけでは足りず、ひとえに企業の運用にかかっているというのだ。企業によっては夏休み・年末年始・GWなどの休暇時期に合わせる形で「5日分」の取得促進を図るケースも考えられ、その場合なら大型連休は実現しやすくなるかもしれないのだ。 それでも社員が「休みやすくなった」と感じるかには疑問が残り、「特別な時期」を除けば「休みにくい」ことには何ら変わりがないということも考えられるのだ。職場風土の改革は今後も取り組む必要のある課題で、成果で管理されることも多い専門職や管理職などでは、ただ「休みを取らされる」だけだと良い面ばかりではなくなるのだ。休んだ翌日にその分業務が積み上がるならば休日はそう嬉しく過ごせないし、場合によっては自宅で仕事をすることにもなりかねない。そうなると社員の満足にも寄与せず逆にモチベーションを下げることもあるいうのだ。新しい仕組みによって有休をこれまで全く取れなかった者や、サービス業や中小企業で働く者の休暇の取得が進むことになると取得率70%という政府目標に近づくかもしれないというのだ。
2015年03月22日
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今年4月に入庁する土木職員を予定どおり確保できず、年が明けてからも追加で募集を掛ける自治体が相次いでいるというのだ。民間企業やほかの自治体との人材の取り合いは激しく、なかには定期採用試験の受験者さえゼロだった自治体もあるという。これまで長らく続いた公共投資の減少に伴い、建設会社や建設コンサルタント会社の多くは人員を削減してきたが、4年前の東日本大震災以降公共事業は一転して増加傾向になり、復興事業に加えて経済対策もあってにわかに仕事が増えたというのだ。東京都は土木と建築の職員採用に専門記述や論文を課さない新方式の試験を導入したところ、土木・建築合わせて前年度比36%増となってともに過去10年で最多となったというのだ。 反対に受験者がいなかったのは北海道室蘭市だそうで、土木職員の採用予定を2人として募集したが受験者はゼロだったという。「ここ数年、土木職員の確保が難しい状況が続いているが今年度は顕著に表れた」と室蘭市の採用担当者は嘆いており、同じ北海道の登別市では定期採用の受験者はいたが辞退者続出で最終合格者はゼロとなったそうなのだ。大阪府枚方市では12人程度の募集に対して最終合格者が5人と予定の半分以下に終わったという。採用予定人数に満たない状態は県レベルでも発生しており、滋賀県と島根県に高知県でも追加募集を実施しているそうなのだ。高知県は昨年5月~8月に実施した大卒枠の定期採用で土木職員を12人募集したところ最終合格者は6人だったという。 そこで高知県は今年1月~2月に10人を追加募集したそうで、土木職員の追加募集は昨年度から2年連続で、18人が1次試験を受けているそうなのだ。土木職員の確保が難しくなっている要因は全国的な土木技術者の不足で、さらに「少子化などで土木を志す学生が減っている」と各自治体の人事委員会事務局の担当者が嘆いているそうなのだ。建設関係の民間企業における技術系学生の採用も活発化しており、人材確保に向けた競争は激しくなっている。高知県内では県だけでなく土佐市など複数の自治体が土木職員を追加募集しており、「自治体同士でも土木技術者の奪い合いになっている」そうなのだ。自然災害が影響している自治体もあって滋賀県では台風被害の復旧に当たるため採用予定を増やしたというのだ。 島根県でも「昨年度の豪雨災害を受けて採用予定人数を増やしたこともあり、今年度も2年連続の追加募集になった」というのだ。土木職員の確保に向けて独自の説明会を開くなどの動きもみられ、高知県では今年3月に職務内容について説明する学生向けの「採用ガイダンス」を実施し、職務のやりがいなどを技術系職員が直接伝えるというのだ。大学などを通じて受験を促してもなかなか効果が表れないと訴える自治体は少なく、登別市総務部人事・行政管理グループの担当者は「土木を学んでいる学生を見ていると大きな仕事を手掛けたいと考える傾向があるようだ。公務員を志望していても、予算規模の大きい自治体を目指す学生が多いのではないか」と話している。 その一方で予算規模の大きな自治体では人材確保に向けた取り組みが功を奏しているケースもあるそうで、五輪開催を控える東京都では民間志望者でも受けやすいように、今年度試験から専門記述や論文の代わりにフィールドワークなどを課す新方式の試験枠を導入した。この試験枠の採用予定15人程度に対して118人に上る申し込みがあるなど効果を上げている。 横浜市でも公務員試験独特の一般教養試験を行わない「土木先行実施枠」を昨年度から取り入れており、過去2回は大学卒程度の人材を対象に行って一定の効果があったとみている。しかも来年度からの民間企業などの採用スケジュールが遅くなるのに合わせて、採用時に24歳から30歳になる社会人に対象を変えたというのだ。
2015年03月21日
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厳しい財政状況の中で各自治体に求められる道路施設の維持管理へ向けて、簡単・便利な汎用機器とクラウドサービスの活用により効率的に支援するサービスが始められるというのだ。汎用器具としてスマートフォンを用いて路面の凹凸を計測するシステムなのだが、計測システム自体は一昨年の6月に「道路パトロール支援サービス」として提供を始めているという。路面の変状を見つけた際にスマートフォンのカメラで撮影した写真やコメントを、クラウド上に送るだけで報告書を作成できるようにするなど手軽さを徹底したというのだ。この富士通のシステムではスマートフォンで計測した路面の劣化状態をもとに、道路の補修計画をシミュレーションするシステムを開発したというのだ。 予算や技術者の不足に悩む自治体をターゲットに、来年度からサービスを開始する方針なのだが価格は未定だという。補修計画をシミュレーションする画面では、区間ごとに劣化度や重要度などが示され予算に応じた工法を選べる。選択結果は地図上に表示されるので隣り合う区間で異なる工法を採用して非効率になることも防げるという。工法の初期設定は建設コンサルタント会社に協力を仰ぐ予定でそうなのだが、自治体等の利用者が目的にあった工法を自由に設定することも可能だという。路面の性状に関するデータの取得から補修計画の作成までの流れは、車にスマートフォンを取り付けて管理する道路を走行すると、内蔵する加速度センサーで自動的に振動データを取得するというのだ。 その振動データを基に標準偏差から設定した区間ごとの劣化状態を3段階で自動判定するというのだが、従来の舗装修繕に使われている指針の「MCI」や「IRI」といった指標ではなく、「他の区間と比べて、どの程度劣化しているか」を相対的に測るのが特徴だという。収集した情報はデータやソフトウエアをネットワーク経由で利用者に提供する仕組みで地図情報と関連付けて表示できるそうなのだ。続いて把握した劣化状態をもとに補修計画を作成するのだが、路線の重要度や交通量を事前に設定・入力し、劣化状態を踏まえて区間ごとに補修工法を選ぶことが出来るそうなのだ。技術系の職員がいない小規模な市町村でもシミュレーションできるように、工法のグレードを単価に応じて「高・中・低」から選択する方式にしたという。 しかも補修に必要な総額が年間の予算内に収まっているかを確かめながら、対策工法や箇所等を選べるというのだ。路線の重要度は道路管理者が自由に設定でき、病院周辺の道路を重要だと考える場合には施設からの半径を指定すると、圏内にある道路区間を自動的に重要路線と認識する仕組みになっているそうなのだ。複数の圏内に位置する道路ほど重要度が高くなるようにしており、補修の優先度を付けるのに役立つほか住民などへの説明資料としても活用できるという。富士通経営戦略室新規ビジネス開発室は「従来のアセットマネジメントシステムは、導入費用が多く掛かるだけでなく、情報を入力するのが大変だった。土木技術者がいない小規模な自治体でも手軽に扱えるシステムを目指した」と説明している。 住民からの通報などに応じて場当たり的に補修するのではなく、データをもとに年間計画を立てられるようにして適切な予算配分につなげてもらう考えだという。今回のシステムにおける主な提供機能は4つあって、第1にスマートフォンの全地球測位システム機能により、異常箇所の確認地点を地図上に自動表示する観察地点情報収集機能だ。第2にスマートフォンの加速度センサー情報から道路の凹凸状況を簡易診断し地図上に表示する機能や、第3に観察地点で入力したコメントおよび写真から報告書を容易に作成する機能もあるという。第4に走行時期の異なる2つの舗装劣化推定情報を地図上に表示し比較できる機能である。自治体など道路管理に携わる業務に対応できるサービスとなっているという。
2015年03月20日
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自民党女性局長の三原じゅん子参院議員が参院予算委員会の質問で、「ご紹介したいのが、日本が建国以来、大切にしてきた価値観、八紘一宇であります」と述べたことなのだが、企業の国際的な課税回避の問題を取り上げる中で「八紘一宇の理念のもとに、世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用することを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを、安倍総理こそが世界中に提案していくべきだと思う」と語ったそうなのだ。その質問に答弁した麻生太郎財務相は「八紘一宇は戦前の歌の中でもいろいろあり、メーンストリームの考え方の一つなのだと思う。こういった考え方をお持ちの方が、三原先生の世代におられるのに正直驚いた」と述べたそうなのだ。 この「八紘一宇」は戦前に日本の侵略を正当化するための標語として使われており、「世界を一つの家とする」という意味で、すなわち「八紘」というのは「8つの方位である(東西南北、北東・南西・南東・北西」を指す言葉として、8つの方位は天地を結ぶ8本の綱ということでこれが転じて「世界」を意味する語となったというのだ。また「一宇」は一つの家の屋根を意味しているそうなのだ。大正期に日蓮宗から在家宗教団体「国柱会」を興した日蓮主義者が、「下則弘皇孫養正之心。然後」という神武天皇の宣言に着眼して、「養正の恢弘」という文化的行動が日本国民の使命であると解釈したことで創られた言葉とされている。その結果「掩八紘而為宇」から「八紘一宇」を道徳価値の表現として造語したとされるそうなのだ。 軍事政権下の政策標語としてしばしば言及されており、戦争当時発行された切手や10銭紙幣の意匠デザインにも使われ、日本国内各所で東アジアにおける「東亜新秩序」実現の為のスローガンのひとつとして使われたとされている。さらにはこの「八紘一宇」の思想実現のため東京都には「筆国奉公隊」という組織が結成されるなど、役所内の軍事体制化に活用されたというのだ。このことから昭和21年より開廷された「東京裁判」において歴史的真実として判決を導く裁判を進めていた検察側意見では「八紘一宇の伝統的文意は道徳であるが、軍事侵略の諸手段は八紘一宇と皇道の名のもとに唱道され、これら二つの理念は遂には武力による世界支配の象徴となった」とされているそうなのだ。 世界大百科事典によると「八紘一宇」を「自民族至上主義、優越主義を他民族抑圧・併合とそのための国家的・軍事的侵略にまで拡大して国民を動員・統合・正統化する思想・運動である超国家主義の典型」と説明しているし、昭和32年9月の衆議院文教委員会で当時の松永文部大臣は、「戦前は八紘一宇といって、日本さえよければよい、よその国はどうなってもよい、よその国はつぶれた方がよいというくらいな考え方から出発していた」と説明しているのだ。昭和58年1月衆議院本会議でも中曽根康弘総理大臣は「戦争前は八紘一宇ということで、日本は日本独自の地位を占めようという独善性を持ち、日本だけが例外の国になり得ると思った、それが失敗のもとであった」と説明しているというのだ。 この「八紘一宇」はが東京裁判のときに侵略思想だと検事側がしきりに指摘してきました。そこで弁護人は日本の古典、明治当初の文献などを翻訳して提出し、学者を証人として出廷させて十分な説明を行いました。これによって「八紘一宇」ほか皇道は日本道徳上の目標であることが認められています。しかしながら「八紘一宇」はGHQによって「国家神道・軍国主義・過激な国家主義を連想させるとして、公文書におけるこの語の使用が禁止」されているのだ。今回のことで中国や韓国が反発するのは言うまでもないが、GHQが使用禁止とした言葉を自民党女性局長の三原じゅん子参院議員が復活させたことで、アメリカもまた心穏やかならざるモノがあるだろうから「もう少し考えて質問しろ」と言いたいくらいなのだ。
2015年03月19日
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国土交通省は東洋ゴム工業が製造した免震材料である「東洋ゴム工業製高減衰ゴム系積層ゴム支承」について、「大臣認定の内容に適合しない製品を販売していたこと」や「不正な申請書を提出し建築基準法に基づく性能評価・大臣認定を受けていたこと」を発表した。東洋ゴム工業が国の基準を満たさない免震ゴムを製造していた問題で、この免震ゴムが販売された免震材料は2052基だったと公表されており、使われている全国計55棟の建物のうち官公庁の建物を中心に11府県18棟の具体名が判明している。地震発生時の対応拠点となる自治体や警察・消防の庁舎・緊急病院が複数含まれており、国土交通省建築指導課は「安全性の調査を急がせたい」としている。 東洋ゴム工業は平成15年から平成23年にかけて、大臣認定を受けた免震材料が地震の揺れを抑える能力が大臣認定品よりも低いとわかっていながら製品を販売していたのだが、具体的には等価粘性減衰定数・等価剛性の平均的な製造ばらつきが大臣認定で許容されていた基準値±10%を超えていたというのだ。東洋ゴム工業によると「対象建物の損害や事故などは生じていない」と言っているが、設計条件に匹敵するような大地震が起こっていないのだから、被害がないのは当たり前のことなのだ。この東洋ゴム工業が製造した免震材料である「東洋ゴム工業製高減衰ゴム系積層ゴム支承」の指定性能評価機関は日本免震構造協会だというのだが、国土交通省はこの製品の大臣認定を取り消した。 東洋ゴム工業は以降に免震材料の性能評価・大臣認定を申請する際、大臣認定不適合製品が大臣認定に適合する製品であるものとして製造実績を提出し、新たな性能評価・大臣認定を受けていた。東洋ゴム工業において高減衰ゴムが大臣認定の性能評価基準に適合していないとの「疑い」が認識されたのが昨年の2月で、国土交通省に能評価基準に適合していないとの「疑い」の可能性が高いことを初めて報告したのが今年の2月というのだ。そして「疑い」の可能性が極めて高くなったことを報告したのが今年の3月で、すぐに国国土交通省および東洋ゴム工業が不良製品の販売や不正な申請書の提出を発表したのだが、発覚から公表まで実に1年以上掛かっているのだ。 これまでも建築基準法に違反する大臣認定偽装はいくつもあったそうで、防火サッシ・防火シャッター雨戸・耐火スクリーンに耐火間仕切り壁といとまがないというのだ。実は東洋ゴム工業は「大臣認定の内容に適合しない製品を販売していたこと」や「不正な申請書を提出し建築基準法に基づく性能評価・大臣認定を受けていたこと」に関しては初犯ではなく、10年前にも東洋ゴム工業が製造した硬質ウレタン製断熱パネルの一部製品について、大臣認定を不正に取得したと発表しているのだ。その時は国土交通省が不燃性能試験等を行った指定性能評価機関に対して、硬質ウレタン製断熱パネル不正受験の原因究明及び再発防止策の検討を行い、その結果を国土交通省まで報告するよう指示されているのだ。 この事件は住宅用軒裏天井と耐火間仕切り壁の大臣認定偽装を発表したニチアスと共に、大臣認定制度の見直しにつながる大事件となったのだが、免震材料は建築基準法における指定建築材料とされており、建築主は地震国ニッポンで安全・安心を得るために免震建物を発注するシステムとなっている。そしてそれを受注する設計者や施工者は国のお墨付きを得られた免震材料を信頼して設計・施工しているのだ。これらの仕組みを根底から覆す事態ということなのだが、今回の免震ゴムの事件でも愛媛県が施工した建設会社などに確認して、問題の免震ゴムを使用していることがわかったというが、またもや大臣認定制度のほころびが露呈し社会を揺るがす大事件が起きてしまったわけなのだ。
2015年03月18日
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東洋ゴム工業の子会社が性能不足の免震ゴムを製造していた問題で、東洋ゴムは相談窓口への問い合わせ件数が発表から日間で1430件に上ったことを明らかにしたというのだ。免震ゴムが使われた55棟の名前が公表されておらず不安が広がっている。東洋ゴムによると相談は「自分が住んでいるマンションは大丈夫なのか」といった内容が大半を占めたというのだ。公共建築物では私の住んでいる愛媛県の県庁庁舎などで使用が判明しているが、東洋ゴムは「個々の所有者の承諾がないので当社から公表できない」としている。個別の問い合わせには該当の有無を答えているとしているが、国土交通省によると問題の免震ゴムは18の都府県のマンションや病院・自治体の建物など55の物件に設置されているというのだ。 愛媛県庁第1別館の耐震化工事に東洋ゴムの免震装置が使われていることについて、中村知事は「何らかの対処が必要なら、東洋ゴムに責任をとってもらう」と述べ、改修などの対応を求める可能性を示したというのだ。愛媛県によると第1別館は2001年に耐震強度の不足が判明したのだが改築費用等の問題で放置していたが、東日本大地震関連の耐震化の工事費で2012年10月から約20億円をかけて耐震化工事を行ったというのだ。地下の柱の一部を切断し免震装置を設置する工法で、震度6強の地震に耐えられる強度を目指したというのだ。愛媛県が施工した建設会社などに確認して問題の免震ゴムを使用していることがわかったというのだが、東洋ゴムから直接の報告や説明はなかったという。 愛媛県によると建築確認を担当する松山市から連絡があり問題を把握したそうで、設計業者や工事施工業者とも連絡を取り合っているが詳しい情報はないという。また東洋ゴム製の免震装置が使われたとされる県内の別の1棟については把握していないという情けなさだ。県庁の第1別館は東日本大震災翌年の2012年10月に耐震工事を開始し、「移転費用や仮庁舎の費用等を含めたトータルコストが抑えられる」として、震度6強に耐えるための工事を行い大災害時には愛媛県の対策本部が置かれることになっているのだ。総事業費は約24億2千万円で地下1階にある鉄骨鉄筋コンクリート製の柱52本を切断し、鋼板やゴムを交互に挟んだ免震装置を挿入したがうち20本が免震基準を満たしないという。 愛媛県総務管理課は複数の職員が情報収集にあたってはいるというのだが、担当者は「最悪の場合は再工事になるが、東洋ゴム工業からの詳しい説明がないままでは対策が立てられない」と困惑と不信感を募らせた。中村知事は新聞の取材に「ようやく作り上げた別館の耐震化工事なのに、残念でならない」と答えている。東洋ゴム広報企画部は「該当する建物の施工業者や設計者・施主に順次連絡をとっている。こちらの判断で、どの建物に使用されているかを公表することはできない」としているそうなのだ。東洋ゴムは建設会社などを通じ該当するマンションなど55棟の所有者らに連絡を始めているが、一部では安全性の確認作業も進めており、1か月以内にすべての建物の調査を終えるという。 この問題で対応の早かった静岡県の御前崎市は、免震ゴムが建設中の消防庁舎に使われていた建物の一部取り壊しを含め対応を検討しているというのだ。御前崎市が建設中の消防庁舎には問題の免震ゴムを使った装置がすでに設置されていて、現在はこの上に1階の床を施工しているというのだ。それでも御前崎市は東洋ゴムの担当者を建設現場に立ち合わせ詳しい話を聞いており、御前崎市の石原市長は「まさかという感じ。びっくりしている。業者を呼んで内容を精査したい」としながらも、この建物が防災の重要拠点になることを踏まえ、1階の床の取り壊しを含め対応を検討しているのだ。いくらのんびりしている愛媛県庁の職員もこの静岡県の御前崎市の対応の早さを見習ってもらいたいものなのだ。
2015年03月17日
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国際サッカー連盟による最新の世界ランキングによると、日本は二つ上がってアジア勢2番目の53位となったそうなのだが、アジア最上位のイランは一つ下がって42位で、韓国は56位となりオーストラリアは65位でそれぞれ二つダウンし、アジア諸国のランキングの低下でかつてない危機に直面しているアジアサッカー界なのだ。そんな日本サッカー界の救世主が正式決定したといわけで、先月のアギーレ前監督の解任から1月余りたって、ハリルホジッチ新監督の就任が都内のJFAハウスで開かれた理事会で、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でフランス国籍のバヒド・ハリルホジッチ氏の新監督就任を承認されたというのだ。推定年俸2億5000万円で契約は2018年ロシアW杯の指揮を前提とした1年ごとの更新だという。 日曜日の朝のニュース番組でも新監督の特集があって、それによると就労ビザも取得済みで来日会見を行い、来日した翌日からはJ視察を開始したそうなのだ。今月末の国際親善試合チュニジア戦が初陣となるそうなのだが、報道陣約150人が集まった会見では原博実専務理事から監督としてハリルホジッチ氏が紹介されていたのだ。続いて交渉役の霜田正浩技術委員長が欧州で3度にわたってハリルホジッチ氏と話し合い合意に至った経緯を説明していた。「仕事に対する高い意識、勝利への執着心、結果を成し遂げるため一切妥協を許さない姿勢は素晴らしく日本は成長できると確信した」と経歴を説明したのだが、今回は特に身辺調査も行ったが問題なかったことも説明していたのだ。 バヒド・ハリルホジッチ新監督は選手・指導者として世界を知る経験豊富さ、母国とは異なる国に順応し強みを生かして結果を残してきた点が決め手となったというのだ。ハリルホジッチ氏には日本を条件で上回る他国や海外ビッグクラブからのオファーもあったが「高いモチベーションで新しいプロジェクトをしたい。日本はまだまだ伸びる」と日本での挑戦を選択してくれたというのだ。特に俊敏性・持久力・勤勉性などの強みや弱点も既に把握しているという。これまでの指導歴で規律違反や練習での手抜きがあればスター選手でもチームから追放し、フロントや協会とも対立してきた日本は完璧主義者で、厳しさを前面に出す「東欧の知将」と18年W杯出場への道を歩んでいくことになるというのだ。 ハリルホジッチ新監督の場合は関係者を通じてイビチャ・オシム元監督にも調査協力を依頼したもようで、霜田氏と強化について話している中でも「勝利のために完璧主義者でありたい。やることはすべてやる。代表は勝たなければならない」と語気を強めたという。具体的な目標についても「攻撃的な姿勢で戦う。決定力を伴うチームにする。日本の強みを生かしてアジアを勝ち抜きW杯に出場する」と語り、ブラジルW杯で惨敗し更に「アギーレショック」でどん底にいる日本の再建に燃えているというのだ。その件で日本サッカー協会はハビエル・アギーレ前監督の際には身辺調査は行わなかったことを反省し、ハリルホジッチ監督の身辺調査を海外の民間調査機関に依頼していたことを明らかにしたそうなのだ。 原専務理事も「外部機関にも依頼してチェックしてもらうことにしました。そのチェックをした上で問題ないと判断しました」と厳重チェックを実施したと話した。八百長問題が発覚し前代未聞の不祥事で解任劇に発展しただけに、不正行為や反社会的勢力と関与していないことは絶対条件だったわけなのだが、今回は候補者を絞り込んだ段階で国際部と法務部が中心になり独自ルートでハリルホジッチ氏らの身辺調査を開始したという。同時に海外の民間調査機関にも調査依頼した。「ザッケローニ監督の時はそんなことはしなかった」と代表関係者なのだが、 「前回の件もありますし、より慎重にいろんなことをやらないといけない時期にきていると思う」と日本蹴球協会は一滴の水も漏らさぬ徹底チェックぶりを見せたというのだ。
2015年03月16日
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国土交通省では「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」に基づき、2020年の「クルーズ100万人時代」の実現に向け官民一体となった取り組みを進めているという。クルーズ客船とは乗客に船旅を提供するための旅客船で、宿泊設備を持つことは勿論レストランやフットネスクラブにプール等の設備を備え、サービス要員や医師に看護婦なども乗船しており、長期間の船旅を楽しめるようになっているものを言うそうなのだ。大きな船体では波浪による揺れの影響が小さくなり快適な旅が提供できて、共同で使う施設も大規模で豪華なものが搭載できるというのだ。日本では「豪華客船」とひとくくりにされることが多く、旅行代金も高額商品の典型のように扱われているそうなのだ。 実際には日本のリゾートホテルと比べても割安な泊単価設定の船から、本当に「豪華絢爛」と呼ぶにふさわしい船まで様々なクルーズ客船が存在するそうなのだ。この豪華客船の大きさなのだがパナマ運河の通航が可能な最大船型は全長294m・全幅32.2mで、安定性の限度までキャビンを積み上げた場合でも9万総トンをやや超える程度が、通航可能上限の大きさだとされている。クルーズ客船はそのサービス内容と価格帯により三クラスに区分され、各クラスは個別の船ではなく「クルーズ会社」毎に分類されるという。その会社が運航する船はどれも同等のサービスを提供することが基本だとされてはいるが、しかしながら実際問題として同じ運航会社でも船毎により差は生じるという。 豪華客船の客室は主にスタンダード・ミニスイート・スイートの三つに大別され、基本的にこの3種類の客室で構成されているといってもいいが、船のグレードによってはミニスイートまでしかない船やミニスイートから始まる船というのも存在するという。2014年中に我が国へクルーズ船により入国した外国人旅客数は前年比2.4倍の約41.6万人となり、また外国船社が運航するクルーズ船の我が国港湾への寄港回数は654回で、日本船社も含めると1,203回といずれも過去最高となったというのだ。クルーズ船は寄港地を中心に一度に多くの観光客が訪れ、グルメにショッピングなど地域での消費者需要が喚起され、地方創生に資するためにも引き続きクルーズ振興に寄与すると言われている。 外国船社が運航するクルーズ船の我が国港湾への寄港回数は、中国からのクルーズ船の寄港増加や外国船社が運航する日本発着クルーズ船の増加などから、昨年度は過去最高の654回となったというのだ。そのうえ乗客定員約4200人の大型の新造クルーズ船が来年にはアジアに投入され、神戸や広島など日本の6カ所の港に立ち寄ることになっているというのだ。日本で船旅といえば富裕層の娯楽のイメージが強いが、外国客船の比較的手軽な価格のツアーの登場でアジアでのクルーズ人口が増加しているそうなのだ。この豪華客船は日本に寄港する客船では最大となるようで、港を持つ自治体は大型客船の寄港による経済効果を狙って誘致合戦を展開しているという。 物流・産業の拠点である港湾の背後には物流施設が多く立地しており、小規模かつ老朽化・陳腐化した物流施設が存在する場合、地震等の大規模災害時における被害の拡大等が懸念されている。また昨今の高度かつ多様な物流ニーズに対応した高機能な物流施設の重要性も高まっており、こうした状況を踏まえ港湾に立地する物流施設の再編・高度化を推進することにより、防災機能の向上及び効率的な物流網の形成を図ることを目的として、今年度より民間事業者を対象とする港湾機能高度化施設整備事業が創設されている。一定の港湾において複数の民間事業者が複数の物流施設を共同更新する場合に、物流施設の共用部及び共同施設の整備に国の補助があるというのだ。
2015年03月15日
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バターの品薄が続いているといわれているが、昨年秋ごろから顕在化し農林水産省は緊急輸入やメーカーへの増産要請をしたが、年が改まってもスーパーの棚にバターの姿は少なく、不安定な状況はしばらく続く見通しだという。農林水産省や関連団体の統計によると昨年4月から12月の9カ月間の生乳生産量は約549万トンと前年同期比で2・0%減ったという。腐敗しやすく鮮度が命の生乳はまず取引価格の高い牛乳に優先的に使われ、日持ちがして取引価格の安いバターの生産は後回しになり、その結果バターの生産量は4万4000トンと同7・5%減の品薄になったというのだ。これが昨年秋から顕在化したバター不足の背景で、なぜ生乳の生産量が減っているのかというと、最大の要因は日本の乳牛頭数の減少にある。 農林水産省の畜産統計をみると日本の乳牛数は1985年の約211万頭をピークに右肩下がりで減少を続け、1年前の2014年2月は前年同月比2%減の約140万頭と過去最低になっているそうなのだ。酪農家戸数の減少も見逃せない事実で、いま全国で約1万8000戸にとどまっているという。高齢化が進み採算がとれない小規模農家がどんどん離農して、こちらも右肩下がりとなっているそうなのだ。円安による飼料や資材価格の高騰が酪農経営を圧迫し、この傾向に拍車をかけているという。足りないといわれると買ってしまうのが消費者心理で、農林水産省の調査によれば昨年の11月から12月の小売販売量は、前年同月に比べて10~20%増かしているというのだ。 逆に今年1月以降は前年比1割減に減っているが、「お一人様1個限り」という店の販売戦略にあおられて買いだめしたためだというのだ。今回のバター不足に対処するため酪農家で構成する一般社団法人・中央酪農会議は2月中旬の理事会で、来年度の生乳生産を強化することを申し合わせたという。生産強化の中心は2~3年で食肉に回していた牛を長く飼うことで乳量を増やす「長命連産」施策の継続にすぎないという。この「長命連産」は乳牛の頭数が限られるなかで学識経験者などが提案してきた苦肉の策で、これで生乳生産量を飛躍的に増やせるわけではないというのだ。農水省は今年度度予算を使って、酪農畜産全体で約500億円の予算をつけて酪農家の生産基盤強化に取り組む方針を打ち出している。 バターの品薄解消の鍵を握るのが乳業メーカーの動向で、先月上旬に大手乳業メーカー各社は生産者団体と協議の末生産者支援のため、生乳の買い入れ価格を今年4月から1キロあたり約3%引き上げることで合意したそうなのだ。この乳価の値上げ分をメーカーは自社内で吸収するのかそれともバターなど乳製品の小売価格に転嫁するのかが問題となっている。 仮に乳価の値上げ分が上乗せされてバターの小売価格が上がれば、消費者はバターを買うのをためらうかもしれないのだ。中央酪農会議業務部の寺田繁部長は「不足どころか逆にバターが余ってしまう可能性もあります」と指摘しており、農林水産省は「まさに民間企業の経営判断なので役所から転嫁をするなど指導はできない」としている。 乳業メーカー等の予見性を高めるためこれまで需給への影響を懸念して未公表だった輸入スケジュールを明確化し、今後は1月・5月・9月に輸入の判断を行うと発表している。25キログラムの業務用だけでなく1~5キログラムの小さいサイズのバターも輸入して、街の洋菓子店用のバターも確保したいというのだ。メーカーの買い上げ価格や経営戦略で不足と過剰を繰り返すバターなのだが、不足分は海外からの輸入品で補うというが、バター不足の根底にある酪農家の疲弊と生乳生産の減少という構造的な問題は置き去りにされたままなのだ。こうした措置で今年4月以降のバターの需給が安定するかは不透明なのだが、需給に影響を与えないよう生乳の生産量や価格に輸入量などを見通すのはパズルのようだというのだ。
2015年03月14日
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閣議決定された「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」に従い、5月の大型連休明けにも自衛隊の海外派遣等の関連法案を国会に提出することをにらんでのものという。また文民統制に関連して防衛官僚と自衛官が対等の立場で防衛大臣を補佐できるようにする防衛省設置法改正案を閣議決定し、今通常国会に提出することとしているという。こうした安全保障法制をめぐる動きに対し「わが国を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中で必要な対応」との肯定的な意見もあれば、「憲法解釈を変えて専守防衛や平和主義を放棄することにつながり『戦争のできる国』になる」と否定的な意見もあるのだが、政府は早急な改悪に尽力している。 わが国の政府債務はいまや対GDP比で約230%に達しており、これほどの債務残高に達した国はナポレオン戦争直後のイギリスと、第2次世界大戦直後の日本とイギリスだけなのだ。いずれも戦費調達のために負った政府債務で膨張したもので、平時にこれほどの債務を負った国はないというのだが、別の言い方をすれば戦争を始める前からこれほどの債務を負っていた国はなく、戦費を賄うためにこれ以上債務を負おうにもわが国にその余力は残されていないというのだ。もっとも債務にも種類があって、「対外国債務」・「国内債務」なのだが、日本はどちらが多いのかは当然ながら「国内債務」がほとんどなのだ。このことから国民の財産である「国内債務」を強制的に取り上げれば戦費の確保は可能となる。 ただし国債を日本銀行に引き受けてもらえば戦費は調達できるといえども、それこそ悪しき戦前の二の舞である。国債の日銀引受けを禁止する財政法第5条は、70年前の失敗を繰り返さないために設けられたものであることを忘れてはならないのだ。「欲しがりません、勝つまでは」とは言わないが民需が抑えられているうちは、国債引受けがインフレの引き金にはならないとされてはいるが、民需が平時に戻れば悪性インフレに火をつけるといわれている。日本は資源が全くないうえ農業等が崩壊しているのに、戦争をやっても燃料も食料が少ないから中長期戦になったら自滅する。負債が多いから戦争できないのではなくて、逆に負債が多いから戦争で稼ごうとしているのかもしれない。 そのうえ自衛隊員も長年にわたり精勤すれば出世するのだが、最下位の士(戦前の陸軍の階級でいえば2等兵・1等兵・上等兵)から、曹・准尉(戦前の陸軍の階級でいえば伍長・軍曹・曹長)そして尉官(戦前の陸軍の階級でいえば少尉・中尉・大尉)に、佐官(戦前の陸軍の階級でいえば少佐・中佐・大佐)、将官(戦前の陸軍の階級でいえば少将・中将・大将)といった幹部と階級の序列がある。紛争の最前線中の最前線には准・曹尉が士を従えて赴く。ところが、自衛隊の階級構成の人員分布をみると冷戦終結直後の1991年度と比べて、最新の統計である2013年度は士が約3.2万人減少したのに対し、准・曹尉が約1.4万人増え幹部が約4000人増えているというのだ。 幹部は増えても最前線に赴く士が減ってはどうやって「戦争」をするのだろうか。当然ながら今の自衛隊は「戦争」をするために組織されたものではなく高齢化が進んでいる。自衛隊員の平均年齢は1991年度において全体で32.2歳だったのだが、特に准・曹尉では35.9歳だったのが2013年度には全体で36.0歳となり、准・曹尉では38.3歳と4歳近く上がっているのだ。そのうえ日本は2位のドイツ46.3歳や3位のイタリア45.0歳をしのぎ、中位年齢が世界で最も高い国となっており、防衛省の努力だけではいかんともしがたい人口構成となっている。それでも徴兵制さえ復活させれば35歳以下の若者の数の確保は可能だろう。それでもわが国は財政面と人口構成の制約は厳しいということには間違いがないだろう。
2015年03月13日
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秋田県由利本荘市の工事現場で土砂が崩落し作業員5人が死亡した事故なのだが、事故が起こったのは「市道猿倉花立線(通称:鳥海グリーンライン)」で、実施していた災害復旧工事の現場だったのだ。事故後に本庄市に設置されていた「土砂崩落技術調査委員会」は、現場に降った雪と大雨が引き金となったとする報告書案をまとめたそうで、その報告書案では現場が水の集まりやすい谷地形を埋めた盛り土であることや、水を含むと泥のようになりやすい火山灰質の土であることなどを、現場の土地が持つ性質として挙げたというのだ。道路以外の周辺斜面から土砂崩れが起きてしまったことは工事の安全確認を見直すきっかけになるとして、道路工事が多く安全確認がおろそかになった可能性もあるなどと報告している。 今回の崩落事故は市道の約15m下で重機を使って法面工事を進めている最中に、幅40m・高さ20mにわたって土砂が崩落し地元の建設会社の作業員5人が生き埋めとなって死亡した重大な労務災害事故だったのだ。その原因は事故の10日前の降雪で最大40cmも積もった雪が前日までに解けたほか、事故発生までに合計130mmの大雨が降ったことで地下水位が上昇し、崩落を引き起こしたとの見解を示したたそうなのだ。事故当時は路面に不気味な亀裂が走っており、崩壊の前兆を素人でも指摘できることから「現場では、これを無視していたのか、安全対策を取っていたのか気になった。発注図には地すべりを想定する記載はなく、まさに想定していなかった土砂崩れだったといえる」としているのだ。 それでももともと土砂崩れしていたのだから、少しの雨でも緩みが生じやすかった状態ではなかったのかと推測され、事故を起こした建設業者も観測用の杭を打ち、地盤変化を確認していようで、災害当日の朝もチェックしたものの異常は見られなかったというのだ。観光道路は人の往来上必要不可欠な生活道路と違い景観などを優先させるため、山や崖を無理に切り開いて造成してきた所が多いはずで、山肌の切断された所から大量の雨水が地層に浸み込み土砂がゆるんで崩れ落ちることが多いのだ。私の住んでいる愛媛県でも昔に「石鎚スカイライン」という観光道路を造ったのだが、同じように崩落を繰り返し面河渓谷の渓谷美を台無しにしてしまったという経験があるのだ。 この「鳥海グリーンライン」は観光地のほとんどないこの地域で唯一鳥海山北麓を半周する貴重かつ重要な観光道路で、観光資源ばかりではなく高齢化・限界集落化が進む集落を縫うように走る道路は生活道路でもあるとなってはいるが、静かな暮らしをしたい人にはこの上もない環境でも、冬の厳しさは標高450mほどしかないとはいえ鳥海山からの吹きおろしが半端ではなく下界とは天と地とも違うところだという自然環境も考慮する必要があったのだろう。こういうことから春の通常再開に向けた急ピッチの工事が進んでいたわけで、「観光道路の補修を急ぐ必要があった」などと、人命を無視した無神経な話をされると、建設業に従事している人間としては虫唾が走るほどムッとするわけなのだ。 報告書案では再発防止策を提言しているわけなのだが、調査や設計・施工の各段階で現場のリスクを逐一把握し、発注者である市と施工者などが情報を共有して事に当たるよう促しているというのだ。また市職員の技術力向上や技術継承だけでなく、職員数の安定的な確保についても注文を付けている。事故が起こってから「あの時こんなことをしていれば」といっても取り返しがつかないのだが、今後の事故予防のために検討するのは無意味ではないだろう。工事を工期内に終えるのは大事なのだが、これには事故なく怪我なく終わらせるというのが絶対条件なのも忘れてはいけないのだ。なお報告書は今月中に本庄市長に答申し、市議会などへの説明を経てウェブサイト上に公開する予定だという。
2015年03月12日
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私の家のTVもそうなのだが「世界の亀山ブランド」と言われており、薄くて画質も良い液晶テレビで技術的にはすごいし品質がいいのはわかってはいるのだがリモコンからボタンを減らして欲しいのだ。電源ボタンにチャンネルボタンと音量ボタンだけあれば大抵の「テレビを見たい人」の需要も満たせて、シンプルさも両立できるのではないかと思っているのだ。昨日市民講座で研修を受けたのだが、私たちはすぐに「HOW TO」を考えたくなるというのだ。そこでサイモン・シネックという学者は著書や講演のなかで、企業や組織が「自分たちのサービスやモノ【WHAT】」、あるいは「手法【HOW】」といった目に分かりやすく、明確なものから伝えたくなるのは当然である」と述べているというのだ。 しかし一方で人は「何を【WHAT】」や「どのように【HOW】」だけでは動かず、知らず知らずのうちにその根底にある「なぜ【WHY】」につき動かされるということのようなのだ。ここで言われる「自分たちのサービスやモノ【WHAT】」とは企業や組織がしていることで、つまり自社製品やサービスのことやいわば企業や組織にとっては明確に説明できることだとされている。また「手法【HOW】」は自分がしていることので、「価値観に差異を持たせる」とか「独自の工程」・「ユニークな販売計画」など、他とは違う方法よりよい方法をとることとされている。反対に「なぜ【WHY】」は自分がいましていることをとされ、サイモン・シネックという学者によると、これを明言できる人や企業は少ないのだというのだ。 そしてここで留意してほしいのはこの「WHY」には「お金を稼ぐため」という理由は含まれないということだといい、顧客に選ばれるためには企業や組織の理念や大義を明確にすることだというのだ。企業や組織の理念や大義である「【WHY(なぜなのか)】」を明確にし、その次に企業や組織の理念や大義と整合性のある「自分たちのサービスやモノ【WHAT(何を表現したいのか)】」や「手法【HOW(どのように)】」を考え部下に伝えることが必要だと力説している。まずは企業や組織の理念や大義からが大切で、「リーダーには細かいことでなく、大きな方向性や、ご自身がどうしたいのかを語ってほしい」と講演でも言っている。ある会社でも方向性やビジョンなどが示されないままにリーダーが「【HOW(どのように)】」ばかりを提示していたというのだ。 その会社では企業や組織の理念や大義である「【WHY(なぜなのか)】」を明確にすることを、「はじめに作戦」と銘打ち、さまざまな場で部下たちに【WHY】を伝え共に考える場を創ってきたというのだ。それと最初に行動を起こす人を私たちはリーダーと呼ぶのだが、誰よりも率先してリスクを引き受ける人たちだというのだ。そういう人たちのことを私たちがリーダーと呼ぶのは、部下が安全に保護された状態で得るものがあるようにと、自らが犠牲になることを選択するからだというのだ。それは信頼と協調という考え方に関して難しいのは、この2つは感情であって命令ではないということです。最初に出した結論はこれらのリーターが純粋に「優れた人間」だからというものだったというのだ。 優れた人間は奉仕という考え方に惹かるものだというのだが、それは結論としては完全に誤りでした。後になって分かったのですがリーダーになれる人材は環境だというのだ。環境さえ間違わなければ私たちは誰でも立派な行動をする可能性を持っているというのだ。誰でも1人残らずみんなその可能性を持っているというのだが、環境によっては時間と労力を費やしてお互いの身を守らざるを得ないというのだ。組織の中で安心を感じていられたら才能と力を合わせて疲れも知らずに働き、外的な危険に向き合ってチャンスをものにしようとするというのだ。「立場が逆なら同じことをしてもらっていたはずです」ということは、信頼と協調という感覚を強く持つ人の言葉だというのだ。
2015年03月11日
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東日本大震災に伴う高速道路の復旧工事をめぐる談合事件で、公正取引委員会が独占禁止法違反の「不当な取引制限」の疑いで強制調査を行った。道路舗装20社の談合グループは大手3社を中心とする上位12社が主体とみられることが関係者への取材で分かった。公正取引委員会は業者間で役割分担するなど組織的に談合が行われてきた可能性があるとみて、東京地検特捜部への刑事告発を視野に関係者への事情聴取などを進めている。関係者によると強制調査を受けた20社は、年間売上高が300億円超の上位12社と下位8社の2グループに分かれていた。上位グループが主体的に事前調整を行い実際に多くの受注を得ていた一方で、下位グループの談合への関与は従属的だったという。 上位グループ内では規模の大きい「NIPPO」・「前田道路」・「日本道路」の大手ゼネコンの名を冠した業者が並ぶ。調整役とされる3社のうち「日本道路」は「清水建設」の系列だ。規模の大きい3社が各社の意向をまとめるなど調整役となり、下位グループでは「常盤工業」が上位との連絡役だった。入札情報が開示されると調整役3社の担当者が連絡役の「常盤工業」を通じるなどして全体の意向を把握し、落札者を決めた上で入札額を調整していたとみられる。かつて大手ゼネコンは談合との決別を図った。18年の独占禁止法改正を前に鹿島、清水、大林、大成の各建設会社は17年末、談合決別を共同宣言したはずだが、道路業界における談合の要因とは何か。 鍵となるのが舗装の材料となるアスファルトを製造する工場「アスファルトプラント」で、アスファルトは固まりやすく長距離を運べないため、自社の工場から離れた工事を受注するには現場近くの他社工場からアスファルトを購入する必要がある。その結果プラント工場の立地状況が業者間の力関係につながりやすく、上位グループの企業は工場数が多く有利な立場にあったというのだ。さらに震災で大量の復旧工事が発注され大手業者でも、「同時受注できない状況」となり大手も他社に頼らざるを得なくなった。こうした業界環境が談合の動機となった可能性がある」と言われている。関係者は「上位企業と下位企業の支配関係が談合を結実させた。決別宣言など関係なく連綿と続いてきたのだろう」と話しているという。 上位各社は担当者による「ハトの会」という親睦会を通じて結束を強めており、ある上位グループの会社関係者は「上の12社はハトの会で集まってはゴルフや宴会を開いていた」と話す。上位の担当者は東北支社の部長級だが下位は支社長級で、下位グループでも会合を年1回開いていたというが、下位会社の関係者は「上からは意向確認の電話がかかってくるだけ。落札順が回ってくることは少なく、実際には上位による談合だ」と話している。談合に詳しい弁護士は「多くの談合にはもうけ以外の動機がある。決別宣言は結局、意識改革に終始したといえ、真の決別には動機となる要因を排除することが必要だ」と指摘しているが、受注するには企業の施工力・技術力・受注高・今後の発注予定など様々な要因があるというのだ。 参加者ゼロの悪条件の物件も一律に作られた基準単価では到底できない工事もあって、それができないと市民生活に大きな影響が出る場合などは、「談合」という話し合いで決めるよりほかないのではといわれている、誰もやりたがらない大きなリスクを抱えた工事を受注したのであれば、それなりの利益の出る仕事をしっかりと受注させなければ、社員の生活を守れなくなるのだろうが、今の制度では談合は違法である。この事件で公正取引委員会は計20社を強制調査し、東日本高速道路(NEXCO東日本)が公告した東北自動車道などの震災復旧舗装工事12件や、国土交通省東北地方整備局発注の国道工事で、業者間の談合があった疑いが持たれて捜査が入っているというのだ。
2015年03月10日
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人が置かれた環境はきっかけとなる動作や人目を集めるための派手な行動に大きな影響を与えているとされており、このことはランガー教授の「時計の反対回り」という実験がヒントを与えてくれるというのだ。この「時計の反対回り」という実験というのが、高齢者に5日間、だけその人が「25歳の頃に過ごした環境」の中で過ごしてもらうというものだという。ラジオから流れる音楽だけでなく、ニュースや本も着る洋服も25歳の頃のものに仕立てるというのだ。実験スタッフは高齢者たちを完全に健康で若々しい「25歳として」扱うというのだ。その実験後驚くべきことに、齢者たちの視力・聴力・記憶力が改善し、当人が認識している以上に外見も著しく若返るという結果が出たそうなのだ。 また日本でも開成高校出身の東大生に「なぜ開成からはあんなに多くの人が東大に入るのか」と尋ね、また「何か特別な進路指導があるのか」と尋ねたところ、「特に何もない。開成に入ると東大に行くことが当たり前のような雰囲気があるだけ」と笑いながら答えたというのだ。大学ラグビーでは帝京大学が6連覇中なのだが、今年の日本選手権ではトップリーグのチームからも1勝を上げている。帝京ラグビー部の関係者に「どうして帝京はあんなに強いのか」と聞くと、「とにかく全力でやるのが当然という雰囲気があるんですよね。誰も手を抜いていない」と平然と答えるというのだ。帝京大学だけでなく強いスポーツのチームには、選手が「その気」になにかの風土があるというのだ。 スポーツだからもちろん個々の能力開発のための手法もいろいろ導入されており、トップレベルのチームになるとそこにそれほど差があるとは思えないのだ。それよりも違いが大きいのは風土というものだとされている。育成が風土になれば選手は育成するし、全力を尽くすことが風土になれば必死に事に向かうというのだ。新しいことを発想することが風土になれば人は新しいことを発想するように意識を傾けるというのだ。まずはどんな風土を作りたいのかということなのだが、風土や環境をしっかりデザインする。そこで交わされるコミュニケーションや言葉・置かれている物・身に着ける服装などをできる限り細部までデザインするという。その風土が掃小さな取り組みかもしれないが、環境が人の心に与える影響は測り知れないというのだ 人材をうまく育成していることで有名なある企業で「人材育成がうまくっている理由は何か」と尋ねると、この会社では新入社員が入ってくると彼ら彼女らを『家族』のように扱うというのだ。家族だからどんなにできが悪くても縁を切ったりしない。なんとかなるようにとことん「親」や「兄弟」は「子供」に関わる。この会社の社員にとって部下や後輩を育成することは、至極当たり前のこととなっているというのだ。通常企業は社員「個人」の能力開発をしようと考え、新人研修からOJT・メンタリング・コーチングも「個人の能力開発」として使われている。あえて個人の能力開発という考え方を脇に置き、いわゆる「組織風土」を作ることにもっと多くのエネルギーを傾けてみるということも必要だというのだ。 またある学校の事例では掃除と挨拶を徹底するだけで学校の環境・雰囲気はガラリと変わるそうで、それと同時にそこにいる人の気持ちも変わってくるというのだ。その学校では明るい環境で学校生活を過ごして欲しいと願っており、35年以上の歴史の中で明るい環境をつくるためには掃除と挨拶の徹底が欠かせないということがはっきりと分かっているというのだ。そしてこの2つのことをやりきることによって学校全体が明るくなり、生徒の気持ちも変わっていくということも分かっているそうなのだ。風土を構築するには時間がかかると言われるのだが、戦い抜かなければならない企業にその時間の猶予はないことから、あるデザイン描いてそこに自分たちを当てはめることも必要ではないかというのだ
2015年03月09日
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企業年金のひとつである厚生年金基金の解散ラッシュが始まっているそうで、4年前に大ニュースとなった旧AIJ投資顧問による年金消失事件を受け、いわゆる「厚生年金基金制度見直し法」が公布された。財政基準を十分に満たしていない存続する526基金の大半を5年で廃止させる改正厚生年金法がスタートしたのだ。しかし基金廃止後の受け皿には「いろいろな問題」もあるようなのだ。中小企業が集まってつくる厚生年金基金は年金保険料を納める若い社員が減る一方で、その年金を受けとる退職者は増えてどこも厳しいという。「何十年も掛けてきた企業年金がなくなったうえ、追加負担まであるなんて。詐欺みたいなものだ」と給油所を営んでいた男性が憤っている事例が紹介されている。 この男性は多いときで数人の社員を雇って給油所を経営してきたが、エコカーの普及などでガソリンの販売が低迷したうえ、消防法の改正により貯蔵タンクが古くなって改修が必要になったのを機に数年前に給油所をたたんだという。60歳からは基礎年金を除いた厚生年金と企業年金を合わせて月に約8万円を受けとってきたという。ところが基金が解散したため厚生年金は支給されるものの企業年金分の約1万円がなくなるというのだ。男性は「病気などに備え、年金をあてにしてきたのに」と肩を落とす。さらにこの男性が加入していた基金はAIJ投資顧問の詐欺事件で、運用のために大手信託銀行を通じてAIJに預けていた約40億円を失い、積み立て不足が拡大してしまったというのだ。 この基金は栃木県内の給油所などが集まり、社員らの厚生年金の一部である代行部分と企業年金である上乗せ部分を出すためにつくったというのだ。従業員は公的年金に上乗せされる企業年金の掛け金に加え、本来は国に納める厚生年金保険料の一部も基金に納める。基金は掛け金と厚生年金保険料を合わせて運用し、企業年金分だけでなく厚生年金の一部も国に代わって支給するという制度だった。多額の資金を運用できるようになる企業と基金を天下り先として確保したい厚生官僚の思惑が合致し、ピーク時は1900近い基金が乱立した。だが積み立て不足に陥りついに解散に追いこまれた。厚生年金の代行部分は積み立て不足を加入企業が穴埋めしなければならずその負担額が通知されていた。 TVのニュースによるとサラリーマンが入る厚生年金基金のうち、74基金が今年度から来年度にかけて深刻な積立金不足の基金に適用される「特例解散」をする方向で調整していることが厚生労働省の内部資料でわかったというのだ。解散を申請すると公的年金である厚生年金は予定通り支給されるものの、これに上乗せされる企業年金は支給されなくなる。影響を受ける人は年金の受給者と現役社員の加入者を合わせて約86万人にのぼるという。この74基金には年金受給者が約45万人で現役社員の加入者が約41万人いる。大手新聞社が厚生年金基金について厚生労働省の資料によると、厚生年金基金の企業年金部分は標準で月に約7千~1万6千円でその分がカットされるのだ。 さらに多い受給者もいて基金幹部は「受給期間が10~20年になるので、もらえなくなる企業年金は最大で計500万円の人もいる」という。企業年金は退職時にまとめて一時金として受けとることもできるため、退職金の一部と位置づける中小企業もある。昨年2月に解散した京都府建設業厚生年金基金に加入していた資材会社でも、退職者の多くが一時金で受けとっていたというのだ。勤続年数などに応じて100万~200万円ほどだったが、解散後はもらえなくなった。この会社の担当者は「退職金代わりだったので痛い」と嘆いているのだ。厚生労働省のまとめでは昨年末時点で厚生年金基金483基金のうち290基金が解散を予定しており、その9割にあたる261基金は企業年金の積み立て不足に陥っているという。
2015年03月08日
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3月に入り「公式的」な就職活動もついに始まったわけなのだが、各地で合同説明会や大学主催の企業説明会が開かれ、大学3年生らの就職活動が本格的に行われている。TVのニュースによると今年は業績の改善で企業の採用意欲が高まるなか、企業の合同説明会の会場には今年も多くの学生が詰めかけたという。学業を優先させる狙いから経団連が日程のルールを変更したわけで、これまで前年の12月にスタートしていた会社説明会を3カ月繰り下げ、面接などの選考活動の解禁も4カ月遅らせて8月1日からとしたにおだ。採用内定の解禁は従来と同じ10月1日のままのため「短期決戦」型の就活となるわけで、会社にとっては新しい採用活動となるわけでが、経団連加盟企業の紳士協定で罰則規定はないという。 説明会に参加した人事担当者は「チャレンジ精神旺盛な学生を採用したい」とし、他の人事担当者も「来春は採用数を今春の1.5倍にする。採用関連の日程が過密になるが、気を引きしめていく」と話していという。それでも未加盟の外資系やIT企業などは既に採用活動を本格化させており、加盟企業にもインターンシップ等を通じて人材を囲い込む例が指摘されている。これでは企業も学生も疑心暗鬼になることが懸念されているというのだ。民間の就職支援会社が昨秋実施した調査によると、繰り下げで学業に専念できるか-という質問に対し「そう思わない」が5割を占めたという。「開始時期と学業への専念は関係ない」と答えた2割強を合わせると、実に7割以上の学生が新制度への疑問を呈していたというのだ。 経済状況の好転で学生優位の「売り手市場」が続くとみられており、就職情報サイト「マイナビ」の三上隆次編集長は「企業の採用意欲は極めて高く、リーマン・ショック前に戻ったのではないか」と分析している。説明会が実施されるその過程では企業側では自社のことを、学生側では自分のことを知ってもらうために様々な情報がやりとりされることになる。そんな情報の1つに会社が提示する初任給額もあるという。就活をする学生のほとんど全ては入社後の生活を給与に頼ることになるから、「働いていくらもらえるか」は確かに重要なことになってくる。また他社よりも高い初任給額はこの先の高い給与を期待させるかもしれないことから、企業説明会のどこかの段階で賃金体系について必ず尋ねておくべきだという。 「お金のことばかり気にしていると思われないか」という戸惑いはあるかもしれないが、絶対に聞くべきだとアドバイスもされており、尋ねているのはお金に関わることだが従業員に対する会社の考え方をこそ確かめようとしているのだから。もしそれに答えてくれないようならそんな会社は志望先から外した方がいいとも言われている。それは自分が求める働き方が会社の求める働き方と合わない危険性が高まるからで、「お客さん」の段階でのそんな質問にも答えてくれないような会社はその一員となった暁にはどんな態度に出るかは推して知るべしだからだ。しかし「初任給がちょっとでも多い会社の方がいい」のかと言うと必ずしもそうでなく、そこで初任給額よりも賃金体系を教えてくれることを重視することが勧められている。 賃金体系は簡単には示しにくいので求人情報にはなかなか掲載されていないが、こちらの方が格段に意味のある情報だからだ。初任給額(所定内給与) 20万円の内訳が「年功給12万円(60%)+職能給6万円(30%)+成果給2万円(10%)」の会社と「 年功給4万円(20%)+職能給4万円(20%)+成果給12万円(60%)」の会社では初任給の金額が同じでも、従業員に求める姿勢や会社が重視するものが異なっており、賃金体系にそれが示されているというのだ。経験を重んじ給与差はあまりつけずに組織の一体感を重視していこうとする姿勢と、従業員間の競争を是として年齢や勤続年数にかかわらず、結果を出したものには金銭的に報いようという考えが示されているというのだ。 この場合どちらの会社が良い悪いという問題ではなく、会社の管理思想の違いであり、制度にはそれが反映されているという話なのだ。だからこそ嘘をつけない制度を確かめておく必要があるというのだ。競争を好まない人が結果を重視する会社に入っては本人も会社も不幸だし、いまさら年功制度などという人が家族的な雰囲気の会社に入っても同様となるというのだ。自分の望む働き方と会社が求める姿勢とが合っているかを確かめるためにも、働きたい会社の賃金体系を知っておくことは不可欠だろう。もっとも今の学生の多くが競争よりも組織の一体感を重視しているということも言われているのだ。
2015年03月07日
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建設関係の設計者が報酬の損失で悩んでいるのが「隠れた損失」で、契約前の企画や基本計画ばかりか、工事入札不調後の追加業務に工期延長後の工事監理等、取り決めの曖昧な報酬の未払いが建設費高騰や技術者不足の混乱の中で膨らんでいる。それはいまや無視できないほど大きくなっているそうで、私の愛読している業界紙が「設計報酬の回収に関するアンケート調査」を実施し約170の回答を得たところでは、契約未締結や見積もり金額の予算オーバーなどから設計・監理報酬の未回収に直面する建設関係の設計者の姿が浮かび上がったというのだ。自由記入欄で目立ったのは私も経験があるが、官公庁案件での契約外の業務に引きずり回され対価を得られないことへの憤りだという。 契約外の業務で目立ったのは「入札不調で着工が遅延。着工までの期間、仕様や施工範囲の変更などの業務を無報酬で行わされた」とか、「実施設計を受注したのに、実施設計の報酬で基本設計まで設計させられた」といった回答が複数あったという。また「2年前に比べて設計・監理報酬を回収しにくくなっていると感じるか」という問いに対しては、約4割が「回収しにくくなっている」と回答したそうで、「設計・監理報酬の一部または全額を回収できなかった経験があるか」という設問には、「全額回収できなかった経験がある」という回答が13%にも上ったというのだ。設計・監理報酬を回収できなかった経験がある設計者に「回収できなかった理由」を尋ねたところ、「契約書を締結していなかったから」が46%と最も多かった。 契約締結の重要性は建設関係の紛争やトラブルに詳しい弁護士らが、幾度も強調し続けているにもかかわらず、何らかの事情から契約締結を徹底できない建設関係の設計者は少なくないことが分かったという。そのうえ契約はしていたものの「見積もり時に予算がオーバーしたから」設計報酬を回収できなかったという回答が2割を占めたそうで、このアンケート調査の自由記入欄には「隠れた報酬損失」に関する建設関係の設計者の悲痛な声が並んでいたという。 「公共建築で実施設計業務を受注したが、発注者から基本設計図書が提示されなかった。設計条件の整理をはじめ配置平面計画の検討など、実質的には基本設計も作成したが、基本設計分の報酬を受け取ることはできなかった」という事例もあったそうなのだ。 設計変更に対し全て報酬なしという不合理な扱いを受けたということも聞いており、資料作成や見積もりなどの報酬が数千万円に及んでも支払わないというのだ。官庁工事では毎回このように不合理で違法とも思える要求を受けることが多く、工期が延長されても延長分の監理業務費はゼロといった信じ難い状況が日本の官庁工事では当たり前になっているというのだ。消費増税前の駆け込み申請による着工の遅延や、建設費高騰に伴う見積もりの予算オーバーなどを理由に、発注者から契約を解除された事例も数多く報告された。理由は明らかでないが発注者の都合による一方的な契約解除に泣かされているという建設関係の設計者の声も多かったというのだ。 「衰退する街の活性化に役立とうと、地元商店主などに様々な提案をしたが、ほとんど報酬を支払ってもらったことがない」という事例では、企画・基本構想だけでも依頼された時点で契約締結し、着手金などを受領するのが望ましいとされてはいるが、事業として成立するか不明な段階での契約締結は事実上不可能に近い。一方でわが身を守るため契約締結の徹底や慎重な施工者選択など、設計・監理報酬の損失回避策に取り組む建築設計者も増えている。設計契約の締結を要望はしていたもののずるずると延ばされ、結果的に発注者から700万円程度の設計報酬を回収することはできなかったというのだ。この一件から契約締結の重要性を再認識。基本設計に入る前に契約を必ず締結するように努力しているというのだ。
2015年03月06日
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政府はカジノを中核とした統合型リゾートについて、2020年の東京五輪・パラリンピックまでに横浜市と大阪市の2か所で開業を目指す方針を固めたというのだ。統合型リゾートIRの候補地には全国20か所以上が名乗りを上げてきたが、五輪までに開業できるのは再開発計画などで適地のある横浜と大阪と判断したということのようなのだ。横浜市には再開発計画が進む山下ふ頭が誘致先となり、大阪市は大阪湾の人工島である「夢洲」が本命視されている。大阪府と大阪市は長年反目し合い有効な手を打てずにきたが、維新という同じ政党のツートップ登場後橋下徹大阪市長が誘致に熱心で、関西国際空港にも近く、広大な未利用地を抱えている「夢洲」が候補地に浮上しているという。 東京一極集中を背景に大手企業の流出などで、地域経済の低落傾向が続いてきた大阪地区なのだが、今までは大阪府と大阪市は反目し合い有効な手を打てずにきたというのだ。橋下徹市長と組みカジノを中心とする統合型リゾート誘致構想や国家戦略特区を起爆剤にして大阪経済の再生に挑むのが、維新という同じ政党のツートップである松井一郎知事の方針だとされている。大阪市の橋下徹市長も兵庫県の井戸敏三知事が「モラルハザード」や生活保護者が多い大阪地区でのカジノを含む統合型リゾート構想を批判したことについて、「大阪は統合型リゾートの誘致を進める。少子高齢化で大都市がお金を稼ぐには統合型リゾートが必要だ」と反論したそうなのだ。 カジノを中核とした統合型リゾートを巡っては超党派の「国際観光産業振興議員連盟」が一昨年の臨時国会に統合型リゾートに関する制度の骨格を定めた法案「カジノ解禁法案」を提出し継続審議となっていたが、昨年12月の衆議院の解散に伴い廃案となってしまったのだ。「国際観光産業振興議員連盟」が今国会に解禁法案を再提出するが、ギャンブル依存症への懸念などから、公明党や野党に慎重な声が強く成立は見通せない状況だ。安倍政権が成長戦略の一環として実現をめざしているカジノの解禁については「反対」が59%にのぼり、「賛成」の27%を大きく上回っている。それでも一途の希望は20~40歳代では4割前後が賛成していることだとされている。 「刑法で禁じられている賭博を特別に認めるにあたっては、公がその施行主体であらねばならない」というのは、すべての公営賭博および宝くじ等の業界において、一貫して保ってきた制度なのだが、超党派でつくる「国際観光産業振興議員連盟」の会長である細田博之自民党幹事長代行は自民党本部で議連幹部と会談し、今国会にカジノを中心とした統合型リゾートを推進する法案を再提出する方針を確認したという。今月内にも各党の議連幹部と会談し法案成立の理解を得たい考えなのだ。しかも統合型リゾートを推進する法案が昨年の臨時国会で廃案となるときに、青少年などへの悪影響防止の観点から追加した「日本人の入場に関する一定の基準を政府が検討する」との項目を削除し原案に戻しているのだ。 我が国で賭博を完全民営化するのは無理だという意見も強く、戦後以来「競馬・競輪・競艇・オートレース・宝くじ・サッカーくじ」と、すべての公営賭博等の業界において一貫して保ってきた制度なのだが、それら他業界との制度的調整がない中でカジノだけを「民営」とするなどという案が通るわけがないというのだ。民営カジノを我が国に認める案などというものは完全にモラルハザードの発端となる「愚案」以外のナニモノでもなく、戦後以来脈々と続いてきた我が国の賭博統制制度を崩壊させかねない危険な制度としかいいようがないとされている。合法化を考えるのならば現行の公営賭博の基本設計に則りながら、民間の資本を活かせる制度案を考える以外の選択肢はないとされている。
2015年03月05日
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国土交通省四国地方整備局が高知県に建設中の竹崎橋で、広島県に本社のある復建調査設計の設計ミスによって、施工済みの橋台と橋脚に変状が生じていたことが明らかになった。国土交通省四国地方整備局は今後の補修に要する費用約1億円を、設計を行った復建調査設計に請求する方針だという。復建調査設計がミスしたのは設計に使用する地盤の変形係数だというのだが、正しくは1300kN/m2のところを誤って2400kN/m2と過大な値を使用していた。実際よりも硬い地盤として設計した結果杭の応力が不足したというのだが、復建調査設計は「貸与された地質報告書に2種類の数値があり、発注者に確認せず一方的に誤った数値を採用した」とミスを認めているという。 橋梁下部工事を実施している過程でもミスを発見できなかったことについて、「施工者らは図面を照査するものの、構造設計の照査までは義務付けていない」と、四国地整土佐国道事務所はダブルチェック機能がないと防げなかったことを反省しておらず、官庁側の建設の現場の最上流にいる技術者である事を忘れているコメントを公表したというのだ。ミス発覚のきっかけは橋脚や橋台で変状を生じ始めたことだというのだが、一昨年には30~40mmの変位が発生し設計ミスや施工不良などの可能性があるとみて、土佐国道事務所が調査したところ設計ミスが判明したという。今後は地震時の耐力不足を補うために橋台2基と橋脚1基から成る下部構造を全て補修するという。 竹崎橋の補修方法なのだがA1橋台には直径1.2mの場所打ち杭5本の打設とフーチングの拡幅を行い、A2橋台には背後に軽量盛り土を施工する。河川内にある橋脚では掘削を最小限に抑えるため直径約18cmの高耐力マイクロパイルを打設する予定で、補修工事は今年の7月までに完成する予定だという。誤った設計で建設した橋脚と橋台に要した当初施工費は約2億2000万円。一方、これからの補修工事に掛かる費用は9600万円と当初施工費の半分ほどを占める。国土交通省四国地方整備局は補修費用を復建調査設計に損害賠償請求する構えだ。さらに国土交通省四国地方整備局は過失よって工事を粗雑にしたとして、復建調査設計を1カ月間の指名停止にした。 復建調査設計は「このような設計ミスは初めて。設計の絶対的な前提となる貸与資料などについては、照査の担当が細かな点まで目を届かせる必要がある。担当者の思い違いなどから発するミス撲滅のために、照査の担当には再度、そのあたりを徹底させるよう各部門長を通じて注意喚起した」とコメントしている。擁壁等の変状ということでは宮崎県日向市の市道の擁壁に生じたはらみ出しを巡り、施工した市内の建設会社と発注した日向市が互いに損害賠償を請求する異例の事態となっているという。建設会社は日向市を相手取って未払い金など約2900万円を請求する訴訟を宮崎地方裁判所延岡支部に提起すると、日向市も擁壁の改修に要した費用など約2300万円の支払いを求めて建設会社を提訴する予定だという。 不具合があった現場は市道南日向日の平線で、日向市が垂直擁壁の整備を問題の建設会社に発注したのだ。擁壁の設計は地元の設計会社が担当していたのだが、工事を終えた時点で擁壁にはらみ出しが生じていて、改修を必要としていた点に限れば建設会社も日向市も基本的な見解の相違は無いという。ところが建設会社が不適切な設計で施工させた日向市に責任があると主張するのに対し、日向市は建設会社が設計どおりに工事をしなかったために不具合が生じたという見方を取るという。設計どおりに施工したかどうかの食い違いではなく設計の内容自体が異なっており、建設会社は施工時には発生土としていたのに、変更時には砕石に変更されたとして、変更前の設計で施工したこと原因と主張しているのだ。
2015年03月04日
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私も少し前に遊びで通行したのだが岡山県早島町の国道2号線の工事現場に、大型トラックが突っ込む事故があり、1人が死亡し5人が軽いけがをしたという。大型トラックは中央分離帯を乗り越えて工事の作業車とぶつかって止まったそうなのだ。事故があったのは岡山・早島町の国道2号線で、中央分離帯の補修工事の現場に止まっていた作業用車両に追突し、さらに前に止まっていたクレーン車に玉突きしました。この事故で工事にあたっていた倉敷市酒津の建設会社の派遣社員である大森博章さんが頭を強く打って死亡したほか、男性作業員ら5人が軽いけがをしたというのだ。現場は片側3車線の見通しのよい直線道路で、一番右の車線をふさいで作業していたというのだ。 30歳から62歳の作業員の男性とトラック運転手の男性のあわせて5人が、首や腹を打つなどの軽いけがをした岡山県早島町の国道2号線の工事現場事故だが、警察は大型トラックを運転していた神戸市の運転手を過失運転致死傷の疑いで逮捕したそうなのだ。警察はトラック運転手の男性のけがの回復を待って事情を聴くとともに、くわしい事故の原因を調べていたそうなのだが、調べに対し容疑者は「居眠りをしていた」と供述しているという。大型トラックが標識車に追突した弾みで標識車が前方のクレーン車に追突し、更に工事現場に突っ込んで被害者をはねたらしい。この事故のあと現場の2号線は上り線が5時間半にわたって全面通行止めになったというのだ。 大型トラックによる突っ込み事故や追突事故が全国で頻繁に起きており、大型トラック乗務員として10年の経験のある現役ドライバーによると、ほとんどの事故が深夜から早朝にかけて起きている場合は、新聞やテレビのニュースで原因を「前方不注意」・「わき見運転」・「前を良く見ていなかった」などと報道しているが、大型トラックの追突事故はそのほとんどが「居眠り運転」が原因だと語っているのだ。深夜の0時から早朝5時くらいまでの高速道路にはフラフラするだけでなく、平坦な直線道路でブレーキランプがチカチカ点灯させながら、平坦なところなのに60キロで走っているトラックもいるというのだ。もちろん事故を起こした運転手は悪いが運転手達がどんな内容の仕事をしていたかも知るべきだというのだ 長距離運送業界にはきつい仕事をこなせる運転手が「使えるすごい運転手」と言う認識が未だにあって「どこからどこまで一気に走った」とかを自慢する運転手は多く、「今回の運行は酷かったから途中で寝て3時間遅らせた」と言う運転手が使える優れた運転手だとされているそうなのだ。真面目な人や責任感のある人それに新人のドライバーが特に居眠り運転をするのだそうなのだが、真面目な運転手や新人の運転手は会社からの無謀な指示を断ることを知らないため無理をして走ってしまうという。しかも大型トラックには「90キロリミッター」と言う速度リミッターを取り付けなければいけない事になっており、実際は94キロほどのスピードで固定されそれ以上出ないオートクルーズ(自動運転状態)となっている。 周りのトラックもほとんど同じ速度で走っており、スピードが出ないため走る時間が長くなり寝不足の運転手の寝る時間は奪われるし、同じ速度で走っているため車間は詰まり団子走行になってしまうという。単調な運転は眠気を誘うことが多く、高速道路はそのような寝不足のドライバーの運転による多数の大型トラックが、時速94キロで走るといった単調な運転がさらに眠りを誘っているのだ。事故防止で取り付けたはずのリミッターは事故を誘う恐ろしい装置へと切り替わってしまったというのだ。しかも運転手の過酷な勤務は変わらず、夕方に何百ケースもバラ済みして何時間も走り続け、4~5時間の睡眠で朝バラ降ろしして帰りの荷物をまた積みに行くというのが普通で、地元に帰っても休みではないというのだ。
2015年03月03日
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フリーライダーとは「ただ乗りする人」という意味であり、活動に必要なコストを負担せず利益だけを受ける人や不労当所得者を意味する。経済学ではことに公共財のように非排除性があるサービス等について、対価や供給のための費用を支払わないで便益を享受する者を指す用語とされている。このことは現在の日本の職場で起こっているある問題を象徴しており、それは「フリーライダー」あるいは「タダ乗り社員」とも呼ばれる人々の増殖だというのだ。社会科学で使われる学術用語としての「フリーライダー」とは、で、「集団でメンバー同士の貢献により付加価値を産み出すとき、他のメンバーに貢献させておいて、自分は貢献せず、得られた付加価値の恩恵にはあずかる人」を指すとされている。 本当は学術分野によってはもっと厳密に定義づけされている言葉なのだが、フリーライダー問題は集団の中で皆が貢献しあって何かをする際には必ず生じるというのだ。不正に税金を払わないでおいて公共サービスは享受したり、タクシー代わりに救急車を呼んで病院に行ったりする高齢者も「フリーライダー」の一種だとされている。会社組織に当てはめると「会社に貢献する以上に、良い待遇や給料をもらっている人」がフリーライダーといわれている。このようなフリーライダーは突然出てきたわけではなく、昭和時代からいわゆる「給料ドロボー」などと呼ばれる社員は存在していたし、ある程度の規模の会社組織になると「困ったちゃん」などと呼ばれる社員は必ず存在してきたのだ。 それでも昔の会社組織はそれなりに機能してきたし日本の高度成長期を担ってきたが、現在は劇的に状況が変わっている。先に挙げたようなフリーライダーが原因で、直接的間接的に業務に支障をきたすケースが多く起こっている。フリーライダーを野放しにしておくとその組織は必ず崩壊するということが言われ始めており、昭和の職場でこの現象が起きなかったのは多くの若手社員が「いま頑張っておけば、俺も将来楽な管理職になれる」と思って働いていたからだとされている。しかし現在の日本の雇用環境では企業はフリーライダーとして費用を負担できなくなってきているし、若手社員も「いま頑張っておけば、俺も将来楽な管理職になれる」いう思いを持つことは不可能となってきている。 また労働者のあいだには労働組合を結成することのコストとベネフィットを合理的に計算し、フリー・ライダーを決め込むという行動がより広まった結果、組合の組織化が難しくなっているという問題が出ているそうなのだ。労働組合への加入を強制することを普通はできないので,労働組合員としてのコストを負担しないで便益のみを享受するフリーライダーが出てくるのは不可避といえるそうなのだ。自主的に加入してくれることを期待したいがそうならないというのだ。しかも「公務員は法令主義で賃金労働条件が決っているので、労働組合に入っていなくても大丈夫ですよ」とか、「ここの市は全員加盟の労働組合があるから入ったほうがいいかも」等をいわゆる「公務員予備校」で教えだしたそうなのだ。 一般的な公務員には原則として労働協約締結権が認められていないので、いくら労働組合が当局や人事委員会等と交渉して大きな成果を勝ち取っても、組合員だけでなくすべての公務員にその「恩恵」が与えられるシステムとなっている政府と人事院は霞が関を中心に増えるフリーライダーの存在を見据えて、職員の労働条件を好き勝手に変更しようとしているそうなのだが、組合未加入者は情報量が明らかに違うことが皮肉にも「労働条件の改悪・引き下げ」の中で明確になってきたというのだ。当局の一部は「○○情報」の形で労働組合未加入者対策をせざるを得なくなってさえいる。そこで労働組合に入っていない労働者のあいだでは、組合の必要性が低下せずむしろやや高まっているというのだ。
2015年03月02日
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国土交通省国土技術政策総合研究所は従来のガードレールよりも断面幅が狭く、威圧感の小さい新しい車両用防護柵を開発したそうなのだが、この「防護柵」とはガードレールのことを主にさしているのだ。防護柵を道路に設置する目的は、進行方向を誤った車両が路外へ逸脱して対向車線または歩道等に衝突するのを防ぐとともに、車両乗員の傷害および車両の破損を最小限にとどめて、車両を正常な進行方向に復元させることを目的としており。また歩行者および自転車の転落もしくはみだりな横断を抑制するなどの目的をそなえた施設でもあるのだが、その防護柵には車両を対象とする「車両用防護柵」と歩行者等を対象とする「歩行者自転車用柵」に区分されている。 防護柵が必要とされる重大な被害が発生するおそれのある区間とは、大都市近郊鉄道・地方幹線鉄道との交差近接区間だけでなく、高速自動車国道・自動車専用道路などとの交差近接区間、分離帯に防護柵を設置する区間で走行速度が特に高くかつ交通量が多い区間、その他重大な二次被害の発生する区間となっている。乗員の人的被害の防止上や路外の危険度が極めて高い区間をいうのだ。車両用防護柵の路面から防護柵上端までの高さは、原則として0.6m以上1.0m以下とすると基準で決められているのだが、所要の性能を満たすためにやむを得ず1.0mを超える高さとする場合は、車両衝突時における乗員頭部の安全性を確保できる構造としなければならないということになっている。 今回の試作品である車両用防護柵は8tの中型車が時速40kmで衝突した衝突実験でその性能を確認したそうで、軽く・スマートをコンセプトに防護柵の形状を一新したというのだ。長年培った技術である応力を安定して吸引する構造の機能は従来通り継承され、理想的な座屈変形にこだわりスリムでありながらも従来品と同様の強度が得られる構造になっている。この防護柵の強度ということなのだが、トラック等の衝突条件による衝突に対して防護柵が突破されない強度を有することが一番大切なのだ。衝突のいずれの場合においても車両衝突時に構成部材が大きく飛散しないことも要求さされており、運転者が道路の状況を適切に確認できるような死去も必要だとされているのだ。 衝突条件による衝突に対して、防護柵を構成する主たる部材の弾性および塑性変形を見込んで設計する防護柵を「たわみ性防護柵」とよび、防護柵を構成する主たる部材の弾性限界内での変形を見込んで設計する防護柵を「剛性防護柵」として、設計条件に少し差があるのだ。たわみ性防護柵にあっては、車両の最大進入行程が設置場所に応じて変形する許容値養地が決められており、剛性防護柵にあっては、主たる部材に塑性変形が生じないこととされている。防護柵として重要である定着部にもこだわりがあるみたいで、鋼物の特徴といえる伸びと圧縮をバランスの良い形状で整えており、必要強度の確保と安定した変形を実現している材料が要求されているのだ。 防護柵の基本性能として必要な部分は残しそれ以外で不要と思われる部分を徹底的に見直した設計を行ったそうなのだ。その結果従来型と同様の性能を発揮しながら極限までスリム化を行い1m当りの重量が13%減の軽量化を実現したというのだ。車両用防護柵に用いる材料は十分な強度を持ち耐久性に優れ維持管理が容易なものを用いるもので、車両用防護柵に用いる金属材料などは、錆または腐食が生じる材料は防錆・防食処理を施すものとされていることから錆や汚れに強い製品となっているそうなのだ。あとは製品単価なのだがいくら良い製品といっても、経済的に今の製品と比べて著しく高価なのでは普及はおぼつかないだろう。車両衝突の繰り返しなどによる強度の低下が明確になりにくいため点検が必要となるのだ。
2015年03月01日
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