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2024.03.30
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​バス・ドゥボス「ゴースト・トロピック」元町映画館​ ​​​​​ ベルギー の若い監督、 1983年生まれ だそうですから、我が家の 愉快な仲間たち と同じ世代ですが、 バス・ドゥボス という人の 「ゴースト・トロピック」 という作品を見ました。​​​​​
​​​​​ チラシの写真の女性が主人公で、お名前は ハディージャ 彼女 ブリュッセル ビルの掃除婦 をしていらっしゃるのですが、こうしてご覧になってお判りでしょうが、 ヒジャブ というのでしょうか、イスラム教のネッカチーフのような衣装を身に着けておられるようで、だから、多分、もっと南の国から、この街にやってこられて暮らしていらっしゃる方だと思うのですが、映画を見終えても、そういうことが具体的にわかるわけではありません。​​​​​
​​​  彼女 が、仕事帰りに、電車の中で眠り込んでしまって、気付いたは終着駅で、そこから、まあ、見ていて、
​さあ、どうするんや?​
​  という一晩の、 彼女 の行動が映し出されていく映画で、他には、ほぼ、何も映っていません。​​​
​​​​​​​​​​  バスの乗務員 ​ビルの警備員​ 、路上で寝込んでいる ホームレスの老人 彼の犬 空き家に忍び込んで暮らしている 通りすがりの老人 、救急車でやって来た 救急隊員 救急病院の職員 、コンビニの 女性店員 夜遊びする高校生 警察官 、まあ、こうやって数え上げていくと、結構、たくさんの人と出会っているもんだと感心するのですが、出会った人たちの誰かが、何か事件を、だから映画的なドラマをおこすのかといえば、実はそうではなくて、その人たちも普通ですが、彼女自身も普通の応対で、だから、何も起こらないまま家にたどりついて、まあ、一晩歩いていたわけですから、ほとんど寝ないまま、翌日の朝になって、彼女は仕事に出かけていくという映画でした。​​​​​​​​​​
​ で、どうだったのか。
​「ボクこの映画スキ!」​
​  の一言ですね(笑)。​
​​​​​​​ 深夜の街を、疲れ果てて歩き始めた、仕事帰りの、中年の女性の、財布の中にタクシー代さえ持ち合わせていない 「暮らし向き」 は言うに及ばず、 「家族との暮らし方」 「職場での働き方」 「他人との接し方」 、だから、まとめてどういえばいいのかわからないのですが、
彼女​ が、今、ここで、「生きていること」
が、見ているボクのこころに穏やかに刻まれていくのです。​​​​​​​
​​​​​ 若くして亡くした夫をなつかしく思い、高校生の娘の生活を気にかけ、路上で倒れている老人を放っておけない 女性の後ろ姿 に、
​​ 「そうだよね、それでいいんだよね、そうしていくしかないよね。」 ​​
​  とうなづくのは、必ずしも、ボクが老人だからではないでしょうね。
 この作品の 監督 は、
​「人が生きていることを肯定する」​
​​ ​  方法として映画を撮っているにちがいないということだと思いましたね。 拍手! ​​​元町映画館​ ​​​​ ​​​​では、この映画は 2019年 の作品ですが、この監督が 2023年 に撮ったらしい 「Here」 という作品も、日替わりで上映していますが、 もちろん見ますよ! ​​​​
 まあ、この作品の 「ゴースト・トロピック」 という題名がどういう意味で、ラストシーンが何をあらわしているのかということついては、実は、よくわかっていません(笑)。でも、イイんです。なんとなくで(笑)。

監督・脚本・編集 バス・ドゥボス
撮影 グリム・バンデケルクホフ
音楽 ブレヒト・アミール
キャスト
サーディア・ベンタイブ
マイケ・ネービレ
ノーラ・ダリ
シュテファン・ゴタ
セドリック・ルブエゾ

2019年・84分・PG12・ベルギー
原題「Ghost Tropic」
2024・03・24・no048・元町映画館no234
​​​​​

追記
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最終更新日  2024.04.13 23:34:17
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